
MT車が日本市場で復権するか?について長々と書いてみた(苦笑)。
市場の要求、メーカーの思惑、様々に考察してみたが、今日はボク個人のMTに対する今の想いを整理しておこうと思う。
以前にも一度ブログに書いているが、ずっとMT車を乗り継いで来る一方で、ボクは恐らく多くのMT愛好家とは少し異なる想いを抱いていたと思う。
曰く「MT車は『クルマを操る実感がある』とか『MT車の方が運転が楽しい』等の意見には、正直同意はしかねた、ということ。
ところが、アクセラを買いSKYACTIV-DRIVEを普段の足として使い始め、たまにNSXを転がすようになると、彼らが言っていた事がなんとなく、腑に落ちてきた。
確かに今でもMTを操ること=クルマを操る実感、という点には疑問というか、同意しかねる想いはある。別にMTの操作が上手だからといって、クルマの運転が上手とは言えまい。クルマを操る要素は他にも有り、MT操作よりも重要であり難しい操作もあるのだ。
だが、要は単なる表現の問題。伝え方もそうだが受け取り方の問題なのだろう。
シフト操作よりブレーキやステアリング操作の方が重要だし難しい、と言ったところで、シフト操作
も上手く出来なければクルマの動きはギクシャクしてしまう。ゼロかイチか?の話ではない。
そして現実問題として一般道を転がしている限りにおいては、クルマをスムーズに加速、減速させるためのシフト操作の頻度は少なくなく、それらがバッチリ決まるか否か?は運転の技量を印象付ける大きなポイントにはなるだろう。
MT車の楽しさ、って何だろう?
NSXを転がしながら最近、自問自答しているのだが、自分なりにはこういうことだ。
先ずは自動でないこと(笑)。いゃマジで(^_^;)、SKYACTIV-DRIVEが如何に優れていようとも、やはり完全にあらゆる場面で思い通りに動作してはくれない。ほとんど、そう95%とか98%くらいは全く不満も問題も無い。しかし2%とか、場面によっては5%くらい自分の期待に沿わないことはある。
ユーザーの使い方は様々だし、これをゼロにすることは本質的には不可能であろうし、ゼロにならないからといって批判するにも当たらないだろう。ボクもデメリットなどとは考えていないし、むしろ特性としてどう使いこなすか?どうにも制御が期待に合わない場面では潔くマニュアルモードにしてしまうとか、対処の方法はあるのだ。
コレに対し、MTはそもそも手動なわけなので、自分の期待に沿わないシフトチェンジはある筈が無い。発生頻度はゼロである。もちろんそのために操作の手間はある(苦笑)のだが。
次に
手動のクラッチがあること。正確には足動かしら(苦笑)。
こいつはある意味厄介な存在。スムーズな発進・変速のためには巧みに操る必要があるのだが、逆に切るも繋ぐも、ゆっくりスムーズにとかスパッと素早くも自由自在である。要はドライバー次第。
この操作はクルマの動きにダイレクトにハネる。失敗すればショックがあったりギクシャクしたりする一方で、一連の動作が完璧にシンクロすればショックは皆無でスムーズにギヤが切り替わる。失敗すればショックがある操作がショック無く出来たとき「やたっ!」と心の中でニヤリとしてしまうのは、人間としては普通の反応であろう(笑)。
そしてやはり
シフト操作でしょう。
Hパターンのゲートに沿ってレバーを前後左右に動かす、ただそれだけなのだが、これがなかなか心地良い。特に俗に「シフトフィール」と呼ばれるこのシフトレバーの動き、操作感が良好だと、本当に意味も無く操作をしたくなることもある。
これは梱包材のプチプチを指で”プチッ”と潰す快感に、きっと相通じるものがあるのだろう。やりだしたら止まらない、というアレである。
また、シフトフィールとか言うところの操作感、より具体的に言うと、クラッチを切ってレバーをニュートラルにし次のゲートに導くと、レバーがゲートに入る際にやや抵抗がある。この抵抗がミッションとエンジン回転がシンクロした瞬間に喪失し、スッとレバーがゲートに吸い込まれるように入ることがある。言葉で書くと冗長だが、一連の操作と動きは1秒以下の一瞬のことである。
この一連の動きのメリハリ感というか、全ての動きがタイミング良くシンクロした時の操作感は真にMT独特のモノである。"
コキコキ"やら"
コクッ"とか"
スコッ"なんて擬音で表現されるヤツですな。
自分としても意外だったのだが、この一連の操作感に比べると、最新のATのパドル操作はなんとも味気ない(苦笑)。速さを追求するなら絶対パドルシフトの2ペダルというのが明らかで、ボク自身十年以上前から熱望していた機能なのだが、いざ手に入れてみたら”なんか味気ないね”なんて思ってしまうのだから、人間なんて勝手なモノである(^_^;)。
このシフト操作の快感、、、をどう捉えるか。MT愛好家で在り続けるか、渋滞等の場面での煩わしさ始めイージードライブに価値を見い出しATに乗り換えるか、ここが正にそれぞれのドライバーの価値観であり、善し悪しの問題ではない。
今のボクとしては、幸いにして2台を所有できていることもあり、今後はやはり最新世代のAT車を選ぶのだろうが、NSXは手放さないと思う。
そして、これから免許を取って車に乗り始める人たちには、一度MT車を所有することは勧めたいと考えている。AT限定免許を取得してAT車に乗ろうとしている方にまで勧めようとは思わないが、限定無し免許を折角取ったのであれば、やはり一度は経験してみる価値はあると思う。
ボクはクルマに乗り始める前からクルマ好きであったが、実際にクルマを所有し今に至るまで、ボクのクルマ観の形成に、MT車は当然ながら大きな影響を与え続けてくれたと思う。スムースに走りたいとか速く走りたいとか、色々な想いを抱きながらステアリングを握ってきたが、そんな自分の期待に応えてくれたり拒まれたり。そんなクルマとのやり取り、対話の中に、MTというある種の原始的なドランスミッションがあり、これがなかなか手強かったのだろう。要は苦労が多かった分だけ、得るものもあったということなのかな?
そんな経験や得た知識や見識が、自分としてはそんなに悪くない、と素直に思えるから他人様にも勧められるということだ。
最後に、シフトレバーの操作感に伴うある種の感触というか、先にも書いたが最初は少し抵抗があるが、その後にスッと吸い込まれるように入るアレ、、、(^_^;)
その感触というか快感というか、なんか男性なら心当たりが、、、ありゃしませんか?(笑)
ジャンルの異なるブログなので、皆まで書きませんが。。。
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Posted at
2012/04/29 00:12:28