
納車三日目。
前日に全く予想だにしなかった事態に至り、急ぎ慣らし運転を終わらせて問題解決を図りたいところです。
問題は"i-DMの青ランプが点灯しない"というもの。アクセル、ブレーキ操作で初日は自由自在であったものが、翌日には全く不安定となりほとんど試行錯誤状態に至ります。そして予想通り、ハンドル操作でも緑ランプのまま。三日目の慣らしは3000rpm前後で100km弱を走るため、首都高速の環状線を淡々と流しながら、要所のコーナーで青ランプ点灯を狙ったハンドル操作をするも、ターンインでの点灯は皆無。クリッピングポイントを過ぎたコーナー立ち上がりで稀に青点灯する程度です。
このときのボクのアテンザに対する正直な印象は「やや腰高感があり安定性がイマイチ。接地感も希薄」というモノ。多分に前日の強風の影響を引きずっていたフシはありますが、いずれにせよ決して褒められたものではありません。しかし、
1月に試乗したときにはこんなでは無かった。一体何が違うのか?何がおかしいのか?不安と疑念が頭をぐるぐる回っており、心穏やかではありませんでした。
実際、何が起こっていたのか?というと"荷重移動の不足"なのですが、3000rpmの慣らしを終え、更に環状線を2周程しながら試行錯誤を繰り返すと、ようやく何度か狙い通りに青ランプ点灯しだします。ステアリングを適切なタイミングと速さで切り込むことによってコーナー外側に十分な荷重が移動すると、フロントの外側のサスペンションが十分に沈み込み、一方コーナー内側のリフトはあまり感じません。相対的にロールが抑えられたリアのセッティングから、前・外側を深くロールさせた前傾姿勢(巷ではダイアゴナル・ロールというらしい)で綺麗にコーナーを回っていきます。一回、二回とこの姿勢作りに成功すると、青ランプの点灯タイミングもどんどん早まっていきます。1月の試乗で「見事!」と表したコーナリングを更に上回る旋回性を確認するに至り、それまでの運転では荷重移動が足りていなかったと知れたワケです。
そして驚いたことに(いや、正確には笑っちゃうことに、か^^;)、この深く低いコーナリング姿勢を何度か経験した後、最初に感じていた
腰高感や、希薄な接地感というものが嘘のように消えてしまったのです(^_^;)。
なぜ荷重移動が足りなかったかといえば、ボクがアテンザに合った運転操作が単純に出来なかったから。アクセラとアテンザ、どちらが良い悪いではなく、アクセラに合った操作をアテンザに当て嵌めても、車両特性が異なるが故に期待する挙動が与えられなくても然りです。これはハンドル操作のみならず、アクセルやブレーキ操作でも同様です。
ではなぜ、納車初日は何の問題も無かったのか?初日はi-DMが1stステージから始まり、5thステージまで一つひとつステージを上げていきました。つまり判定条件の甘いステージから徐々に厳しくなっていく各ステージをこなしていく中で、ボク自身が徐々にアテンザの操縦性に慣らされていたのでした。だから初日は全く問題が無かった。しかし、ボクは各ステージでたかだか15kmくらいしか走行していません。運転操作も発進・停止が中心です。当たり前ですが、この程度の走行では身体に沁み付く程には習熟できません。一晩寝たら、まぁ元に戻ってしまったというか、忘れてしまったのでしょう(^_^;)。ハンドル操作に関しては全く習熟していないに等しいですし。
つまり、ボクが時間の無駄と切って棄てた1stステージから4thステージまでを順にこなしていく時間や距離というのは、ドライバーが新しい車両特性に慣れるという点に於いて、大いに意味があったということです。それを軽視してとっとと5thステージにしてしまった、まぁツケを払わされたという事でしょうか(苦笑)。
今まではアクセラで、「運転操作→クルマの挙動変化→身体に感じるG変化=i-DM青ランプ点灯」という一連の連鎖がほぼ9割以上の確率で実現できていました。狙った操作でクルマに挙動変化を与え、G変化とi-DMの青ランプというフィードバックを得て、クルマを自在に操る実感を得ていたワケです。i-DMが優れている点は、大きなG変化を滑らかに繋ぐ青ランプ点灯と車両の適切な動きがリンクする点です。青ランプが点くから正しいのではなく、クルマが良い動きをすると青ランプが点くという関係性です。ある程度、コレが出来るようになった人なら実感として解ると思いますが。
ところがアテンザに乗り換えてこの連鎖が崩れました。それはアテンザに合った操作が出来ないボクに原因があったワケですが、正しい操作をしている
つもりなのに、クルマの挙動変化が十分でなく、青ランプが点かない。そしてこの状況に於いてクルマに対する印象が非常に悪かったのです。クルマに対する信頼感が持てなかったのでしょう。云わばアテンザに対して不当に低い評価となってしまった、これは意外なi-DM効果でした。
実際にこの二日目と三日目の前半のボクのドライブがどうだったかといえば、本人の「思うようにクルマを操れない」というフラストレーションとは裏腹に、i-DMの今回のスコアは常に5.0点でした(苦笑)。現実問題として、ドライブ自体はそんなに悪くは無かったのでしょう。

これはi-DMゲージの判定マップ。上がマツダ取説上の走行タイプ1(ボクのブログでは青ランプ点灯パターン2)、下が走行タイプ2(青点灯パターン1)なのですが、操作を行ってもランプが緑のまま青にならないということですから、加速度の変化が足りない、つまりGの変化が足りていないことを意味します。しかし青が点かなくても緑であれば、それは結果としては悪くない。5.0点の理由です。
ただ、ドライバーの意図と、クルマの挙動には明確なギャップがありました。これが縮まってきます。ボクは「シンクロ率」という言葉を使ったのですが「ドライバーの意図と操作」に対する「クルマの挙動」がどのくらいの確率で一致するか?です。早い話が「ここで青!」とハンドルを切る/アクセルを踏む/ブレーキを踏む、結果として青ランプが点くか?納車三日目の後半には、4回に3回は期待通りに青ランプが点灯してくれた感じでした。よってシンクロ率は75%ということです(^-^)。
以上のようなすったもんだを経て、ようやくアテンザの実力を評価出来るところまで来たので、次回は慣らし運転で感じたアテンザの、オーナーとしてのファーストインプレなぞ、書いてみようと思います。
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アテンザ 25S | 日記
Posted at
2013/04/20 23:18:34