
ブレーキングは、自動車の運転の中でもっとも難しい操作です。
これはi-DMの青ランプを意識すれば誰でも実感すると思いますが、滑らかに減速を開始し(走行タイプ1)、減速Gを一定に維持(走行タイプ2)して、目的の場所までに目的の速度(停止であればゼロkm/h)まで落とすというのは本当に難しい。ブレーキを掛け始める初速、そして減速(停止)に要する距離は真に千差万別で、それを減速G(ブレーキの強さ)一定でやろうとすると、ブレーキを踏み込む真にその瞬間に既に事の成否は決まってしまいます。強すぎれば早く止まり過ぎてしまいますし、弱過ぎれば止まり切れずにブレーキの踏み増しが必要で、減速G一定ではなくなります。更に前走車が不安定な減速をすると、追突しないためにはこっちもブレーキ力を調整しなければなりません。
スポーツ走行に於いても、最小限の距離で速度を殺したり、コーナーリングの為に前輪荷重を確保する(俗に言う曲げるブレーキ)など、クルマを自在に操るためには不可欠なテクニックです。
プロのレーシングドライバーにとっても、速いドライバーはやはりブレーキングがとても上手い。
シロートでも、同乗していてブレーキングで不快感を与えないドライバーというのは本当に少なくて、運転の上手い/下手が実に如実に表れ易い部分でもあります。
さてd(^.^)
上手いブレーキングを支えるクルマのブレーキ性能もとても重要です。大事な点は大きくは3点。
①絶対的な制動力
②制動力の強弱を自在に操れるコントロール性
③制動力とコントロール性が常に変わらない安定性
これら3つは実に相反する要素が強く、例えばガツンと利くブレーキは微妙なコントロールが難しく、コントロールの幅が広いと制動力がイマイチなど、作り手側にとっては非常に悩ましい世界です。
さてSKYACTIVのブレーキですが、誤解を恐れずに言えばコントロール性重視のブレーキです。勿論、絶対的な制動力にも不足はありませんが、シッカリ踏まない(踏めない)と絶対的な制動力は体感できませんから、踏み始めからガツンと食い付く他車から乗り換えた人の中には、ブレーキの利きが弱いと感じる人も居そうです。
そんなSKYACTIVのブレーキですが、BLアクセラSKYACTIV、そしてアテンザ25Sと2台乗り継いでの感想ですが、①、②については概ね満足しているものの、③については「う~ん/(^_^;)\」と感じています。
事の発端は2012年10月に遡ります。当時の愛車アクセラは既に20,000kmを走行しておりi-DMは5thステージでアベレージが5.0から下がらなくなった頃。勿論ブレーキングで青ランプを点ける事は可能ではあったものの、ブレーキの踏み始めで青が点く走行タイプ1の成功率は、必ずしも高くありませんでした。また、減速G一定の走行タイプ2も、ある程度しっかりブレーキを踏んだ場合は容易ながら、ブレーキペダルを触る程度の一般道でもっとも頻繁なやさしいブレーキでは、青ランプが点かないこともしばしば。当然周りのクルマとの間合いもあり、ブレーキ青はせいぜい3回に2回。これがなかなか4回に3回に上がらない。そんな感じでした。
この頃に感じていたことは、アクセラのブレーキはペダルの踏み始めが神経質で、少しうっかりペダルに足を乗せると白一個。恐らく同乗者は気が付かないだろう微妙な踏み始めの差ですが、なかなかこれが無くならず、さてどーしたものか?(^_^;)
年が明けて4月にアテンザに乗り換えたのですが、先ずビックリしたのがブレーキのコントロール性。アクセラで感じていた神経質さが全く無く、納車間もなく5thに上げてしまった後も、アクセラに比べて踏み始めの白一個は極めて出難く、踏力に応じたブレーキの強さも自由自在感があり、当然シッカリ踏めばキッチリ利きます。「フルSKYACTIVはズルい!」と感じた次第ですが、これでめでたし…とはなりませんでした(^_^;)。
2013年8月に更なる
ブレーキ操作の向上を期して集中トレーニングを一ヵ月半ほど行ったんですが、このときのアテンザの走行距離は既に11,000kmちょっと。ところが改めて始めてみると、意図した通りにブレーキのコントロールが出来ません(*_*)アレ?
乗り換えた直後にあんなにコントロール性の向上に感心したのに、このときは意図した通りに減速Gをコントロール出来ず、1ヶ月近く苦労しながらふと似たような経験がデジャブのように思い出されます。
昨年、アクセラでも同じようなコントロールのし難さで苦労しなかったけか?(^_^;)
具体的には、
①ブレーキの踏み始めでパッドがブレーキディスクに押し付けられる瞬間の神経質さ
②非常に弱いブレーキ踏力に対する減速力が、シフトダウンによるエンブレ変化に影響される
というものですが、一番厄介なのがこの①も②も、そのときの速度などの外的要因で、一定でないこと。ブレーキを踏み始めてみないとどのくらい制動力が生じるかが判らないこともままあり、真に足裏の感覚と車両の減速度を身体で感じつつ、探りならが強さを調整しなければならないのです。
ちなみにi-DM、5thステージでの話ですが、、、(苦笑)
以上を振り返ると、新車からどーも10,000kmくらい走行するとブレーキのフィーリングには一定の変化が生じ、新車時の優秀なコントロール性には一定の陰りが表れるように感じています。
要因は色々ありそうですが、考えられる要素のひとつとしてお友達が「ブレーキブースターのジャンピング量」のことを教えてくれました。
ブレーキブースターのジャンピング量について
また、ブレーキングは難しいが故に興味を惹く話題のようで、お友達のブログでも大盛り上がりしてました(^_^;)。
i-DM ブレーキで青点灯
ブレーキを自由自在に操れればクルマを操るレベルは確実に高まりますが、ドライバーの技量の向上もさることながら、車両のブレーキコントロール性やその性能の安定性も非常に重要ということで、ボクもこの領分ではまだまだ修行に励みます(^_^;)。
ちなみに、ブレーキ踏み始めに「ガツン!」と利くブレーキを好む人が稀に居て、そういう人は今のマツダ車のブレーキを「利かない」と言いますが、ボクの経験的にはこういった初期制動の強いブレーキを好む人は、運転があまりお上手じゃないですね(苦笑)。
ブログ一覧 |
アテンザ 25S | 日記
Posted at
2014/02/09 23:42:46