前回に引き続き、i-DMのスコアのお話。
i-DMをマツダは「独創の運転評価システム」と言いますが、オーナードライバーの運転に愛車が点数を付けるというんだから、なんとも挑戦的なシステムです(苦笑)。ところでこの評価結果。一体どのくらいの信憑性があるんでしょうか?というお話。
もしかしたらi-DMを激しく推奨しているボクの事を、まるでi-DMが完全無欠のシステムだと妄信しているように思っている(見えている)人も居るかもしれませんが、実はそんな事は無くって意外に冷静に捉えてたりします。ですから当然、誤判定をすることも知っていますし、運転評価が正しく出ないであろう条件があることも想像出来ています。
i-DMが正しく運転評価が出来ない一例が、雪道などの低ミュー路。
i-DMはドライバーの運転操作によって生じるクルマの挙動を見てリアルタイム判定を行いますが、その情報(入力)を車速センサーと舵角センサーの信号から逐次計算して加速度変化を求めています。理由は車両に塔載しているGセンサーでは運転操作に関係無い路面状況(早い話が凸凹による挙動変化)によるGを拾ったり、ノイズが多いなどの問題があったからだそうですが、車速と舵角から理論計算している以上、スリップが大きくなったりカウンター等の修正舵の必要性が大きくなる積雪路では当然、それらの信号から正しくクルマの挙動は読み取れなくなります。したがって、雪道では正しい運転評価が出来ないであろうというのが、マツダが非公式ではありますが想定していた見解だったそうです。
ところが、、、
作ったメーカーが"役に立たない"と考えていた雪道で、5.0点満点を叩き出しちゃうスーパーオーナーが現れちゃうから世の中は面白い。しかも5thステージで(^m^)。もうみんカラは止めてしまわれましたが、「らぶパパ」というハンネの北海道在住のCX-5オーナーさんです。運転の様子を動画で公開されたので、嘘とかインチキとかでは無いワケですが、この動画が公開された後、マツダの社内ではちょっとした騒ぎになったそうです。
社員A「北海道の積雪路で、
5thステージのCX-5で
5.0点満点を出したオーナーが居る」
社員B「嘘だろ?
あり得ない」
社員A「いや動画がネットに公開されている」
社員B「どれどれ?ホントだ。」
社員A「i-DMって
積雪路だと正しい評価が難しいんじゃなかったっけ?」
社員B「仕組み上はそのはずなんだけど・・・」
社員A「だったらこの動画のオーナーさんのドライビングテクニックって・・・」
社員A・B「
スゲーーー」
なーんてやり取りがあったかどうかは知りませんけど(爆)、この件でらぶパパさんはマツダ社内ではちょっとした有名人になったそうです。(^_^;)スゲークヤシー!www
この話、昨年の東京モーターショーの頃にひょんなキッカケで知り合ったマツダの関係者から直接聞いたんですが、このエピソードが物語る通り、i-DMは既に市場に出回っており、その可能性についてはもうオーナーである我々に委ねられているということ。コレが役に立たないシステムと断じられるのか、カーライフを豊かにしてくれる素晴らしいシステムと評価されるのか、どちらになるのかも我々オーナーの肩に掛かっているワケです。
ボクはi-DMを非常に良く出来たシステムだと高く評価していますが、最初から盲目的にそう評価していた訳ではありません。過去にブログでも書きましたが、ボクは同乗者に優しい運転にも、省燃費な運転にも全く興味が無くって(苦笑)、クルマを速く自在に走らせるためのドラテク向上にのみ期待をして、どう使ったら運転が上手くなるのか?その点のみに着目して試行錯誤を繰り返しました。その結果は1年後に出て、自分自身に当初の期待以上の効果を確認したから他の人にもお勧めしていますが、同時に問題点もわかったので、上手く活用するためのブログなんかも書いたワケです。
i-DMの"今回のスコア"で、果たしてドライバーの技量、つまり運転が上手か下手かは正しく評価出来るのか?これは残念ながら完璧ではありません(^_^;)。
昨日のブログでも書きましたし、
過去のブログでも書いているんですが
★i-DMで高いスコアを
出すドライバーの
運転が上手とは限りません。
しかし、
☆i-DMは
運転が上手なドライバーが上手に運転すれば、高いスコアが
出るんです。
つまり満点の5.0点が出せるというだけでは、残念ながらドライバーの技量は判断が出来ません。
しかしながら、このことだけはハッキリ分かりました。
◎i-DMが
低いスコアしか出さないドライバーは、運転が
上手では無い。
勿論、上で紹介したようにスコアが正しく出ないであろう走行条件というものはあります。しかしらぶパパさんの事例が示す通り、それが本当にどうやってもスコアが出ない条件なのかどうかは未知数。スコアを出せるドライバーが現れた瞬間に、スコアが出ない貴方は、スコアが出る彼より運転が下手であるという事実を突きつけられるだけです。
大体ね(^_^;)、i-DMのスコアに文句を言うのって、入学試験に落ちた生徒が試験問題に文句を言うようなもんなんですよ。それって傍から見たら、みっともない話だと思いません?(苦笑)
或る程度高いスコアがコンスタントに出せるようになった人が「でもこれで本当に運転の上手/下手が分るのかしら?」と疑問を呈するんだったらまだ分りますよ。確かにスコアを
出しにいっている運転は上手とは言えない場合が多いです。これがスコアが
自然に高く出る運転に変っていくには時間が掛かるんですが、アベレージが4.8未満に下がらなくなると、ゆっくりではありますが確実に運転は洗練されて無理や無駄が無くなってきます。
これって凄く画期的なシステムだと思うんですけどね。愛車に乗って走れば走るだけ運転が上手になるんだから(^_^;)。
とはいえ、以前のブログで何度も書いている通り、i-DMが過半数のオーナーに支持される世界が来ることは無いというのもまた事実。せいぜい興味を持つのは10人にひとり。これで上手になれるドライバーは多くても100人にひとりも居ないくらいでしょう。
そんなマイナーなi-DMですが、なんとかその100人にひとりという上級オーナードライバーの塊を作りたいというのがボクの野望だったりします。これがなかなか大変で、、、(^_^;)。
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i-DM:システム考察 | 日記
Posted at
2014/05/23 01:00:10