
どうもみなさん、こんばんわ。
諸々の事情でブログが全く書けないタッチ_です(^_^;)。
そんな事情にも関わらず
「イイね!が沢山付いたらつづきを」なーんて
自分で自分の首を絞めるような事を書いてしまった関係上、書かないワケにはいかなくなったロータリー復活のシナリヲ(苦笑)。
あ、単なるイチ・ヲタの妄想ですので、その点はご承知置き頂いて(^^;)
前回ブログで読者wからコメントもあったのですが、レンジエクステンダー、或いはシリーズハイブリッド、ないしはシリーズ・パラレルハイブリッドという選択肢は確かにあると思います。
ただ、デミオEVに追加装着という形で2013年暮れ(約2年弱前)に発表された
排気量330cc・シングルローターの小型エンジンと発電用モーター、インバーター、燃料タンクなどで構成したユニットが具体例ですが、これの市販をもって「ロータリー搭載車の復活」では、恐らく多くのREファンは納得せんでしょうな(苦笑)。勿論ボクも(^^;)
発電機に徹する
(シリーズハイブリッド)のか?トヨタのプリウスやホンダのi-MMDに倣う発電+動力
(シリーズ・パラレルハイブリッド)か?という選択肢はあって、どっちにするのかなど大いに興味をそそるところですが、この「モーターと組み合わせて」というロータリー復活のシナリオは、ボクの中では"対向案"です。あくまでもPlan B。d(^.^)
では、本命(Plan A)はなんなのか?
そりゃ、ロータリーエンジン単体を動力源とするエンジン車に決まってます。(^_^)b
マツダは2007年に16Xという次世代RENESISを発表していますが、当時の資料によればポイントは大きく3つありました。
Point1:ディメンション変更(レシプロエンジンで云うところのロングストローク化)
Point2:直噴技術
Point3:アルミサイドハウジング
発表から既に8年が経過しており、その間に13B-RENESISが生産中止となったことからも、これらの打ち手だけではマツダが狙った性能には届かなかったことが伺い知れますが、実は
Point2の直噴化に関しては1991年に一度、ロータリーの燃費性能の向上策として発表されています。しかし実用化されずに今日に至っており、ボクはロータリーの直噴化にどのようなデメリットがあったのかには密かな興味を持っていました。
ロータリーの燃費性能が悪い原因にその歪な(四角く偏平な)燃焼室形状が挙げられていますが、シロート考えでは
「プラグ付近に燃料を直噴し、成層燃焼させれば四角く偏平な燃焼室の四隅にそもそも燃料が行き渡り難くなるため、燃え残りが減って燃費性能が向上出来るのではないか?」
などと妄想するワケです。ところがこれが文字通り「シロートの浅はかな妄想」であったことを裏付けるがごとく、2007年発表の16Xでは、インジェクターがエンジンの頭頂部にあったりしますね(苦笑)。
そして最近見つけた
この記事。
ロータリーの燃費改善に携わった元マツダのエンジニア曰く
「ガソリン直噴や副燃焼室付きガソリン噴射も試み、燃費率は15%ぐらい改善されたが
高回転馬力が15%ぐらい低下する弊害が出て、結局扁平な燃焼室の限界を打ち破れなかった。」
とのことで、RENESIS以前の13BがNAで150ps(75ps/ローター)、ターボで215ps(FC最終型)~255ps(FD初期型)って具合でしたから、なるほど15%のパワーダウンはスポーツエンジンとしては致命的に思われます。ちなみにコレって1990年代の話と予想されるので、2007年に改めて直噴化が検討された背景には、RENESISの進化、NAで225ps(112.5ps/ローター)と直噴技術の進歩があったからだと思われるものの、未だにコレが市販に移されないのは相応の理由がありそうです。
また紹介した記事には
「ディーゼルREは、
圧縮空気がどこかへスカーッと漏れるREではそもそも成り立たなかった。」
なんて記載がありますから、圧縮比18でHCCI燃焼なんてぇハナシは夢のまた夢、なんじゃない?(^^;)。
と、否定的な事ばかり書いてしまうと「どこがロータリー復活のシナリオなんだよ!?」と文句が出そうなので、本題はココからです。
例の
1ローターREのレンジエクステンダーの記事でミスターエンジンの人見さんは
「通常の自動車エンジンとしてのロータリーエンジンをあきらめたわけじゃない。エンジン屋としてはレンジエクステンダー用で満足できない。課題はわかっている。改善して再商品化を目指す」(2013年12月)
と力を込められたそうです。
一方、やはり2013年のマツダ技法にはこんな論文が掲載されていたんですね。
ロータリエンジンの燃焼予測技術開発
既にSKYACTIVのレシプロエンジンは「モデルベース開発」(MBD:Model Based Development)への変革を遂げており、従来に比べてはるかに高度に燃焼をコントロールして出力,燃費ともに高い性能を実現しています。それは従来型の
実験中心の手法から、
実験と計算モデルをうまく組み合わせたCAE(Computer Aided Engineering)の解析技術の開発によって実現しているワケですが、扁平な燃焼室や極めて独特な流動パターンをとるロータリーエンジンには、レシプロエンジンの解析技術をそのまま活用することは出来ません。というワケでロータリー独自の燃焼予測技術の開発にチャレンジし、成功したことが論文で披露(2013年11月)されているワケですが、その中で
「次期ガソリンRE開発では,各種損失の中で特に冷却損失の改善を目的に開発を行っている。」
という一文が
サラっと書かれています。また開発したシミュレーションの妥当性を検証するために、部分負荷条件における乱流生成翼(Vortex Generator)を用いた机上検討と、実機による燃焼促進効果の検証結果も報告されていて、冷却損失割合を約 3%低減できることが明らかになったと報告されています。
ここまでの情報を目の当たりにした上で、人見さんの「自動車用エンジンをあきらめない」と言う言葉の意味するところ、結局はココに行き着くワケです。

エンジンの効率改善はつまるところ
4つの損失(排気、冷却、ポンプ、機械抵抗)を低減していくことであり、それを
制御する因子は7つ(圧縮比、比熱比、燃焼期間、燃焼時期、壁面熱伝達、吸排気工程圧力差、機械抵抗)であるってアレですね(^_^)b。
という事で、恐らくマツダの社内で懸命に進められている次世代ロータリーの開発は、やれ電動ターボだHCCIだ、なーんて派手は飛び道具は一切無くて(苦笑)、恐らくシロートの我々にはあまり想像が出来ないような極めて地道な損失低減のTry & Errorの繰り返しと想像しています。
だから、その成果となる次世代ロータリーエンジンの姿、ボクの予想(妄想)する本命案はズバリ!自然吸気の2ローターREなのだろうとなぁ、、、と。
SKYACTIV-G/Dでは圧縮比が制御因子の目玉でしたが、ロータリーの場合は何になるのかは、まぁサッパリ分りません(爆)。冷却損失の低減には圧縮比、比熱比、燃焼期間、燃焼時期が関係しますからね。ターゲットは燃焼期間かしら?
その目標となる燃費性能はRENESISの30%改善。なぜかというと、マツダの2016年3月末を期限とする中期経営計画で「2008年度比30%の燃費改善」を謳っているから。となればロータリーエンジンとて例外ではありません。
ここからはボクの勝手な想像
(ここまでもそうかw)ですが、新型ロータリーは恐らくRX-8の13B(10km/L)に対して20%超くらいの改善目途は立ったのでしょうが、30%には届かなかったために市販化に繋がらなかったのではないか?と。
で、悩ましいのは来年の4月を過ぎてしまえば、マツダの次の目標は3年間で2008年度比50%の燃費改善にUpdateされます(^_^;)。
つまり実用化は時間が経てば経つほどハードルが上がっていくことになるので、無邪気に非現実的なアイディアを吹き回っている無責任な外野(苦笑)とは対照的に、当事者たるマツダの担当は結構キツイというか、辛い研究開発を続けていると思っています。
で、REエンジン単体で13B-RENESIS比で50%の改善が困難と予想される場合、一番最初に述べた"対向案"(Plan B)が現実味を帯びてくると考えています。レシプロに比べて効率に劣るとは言っても、ロータリーとて効率の良い回転数に限定して活用出来れば話は違ってくるでしょう。駆動はもっぱらモーターに委ねるのか?非効率な領域のみをモーターで補うのか?という選択肢はあるでしょうが、どちらになるにせよハイブリッドという形態になります。
こう書けば恐らく異を唱えたい人は多く居ると思いますが、実はこのロータリーHVの成立を時(トキ)が後押しする構図があります。最近欧州メーカーが相次いでPHEV車を発表していますが、2020年に向けてこの動きは加速していきます。つまりモーターとバッテリーを積んだクルマがどんどん"当り前"になっていく流れです。高級車も大衆車もSUVもスポーツカーも、ほとんどがモーターとバッテリーを搭載するようになった世界で、なんでロータリーエンジンだけはモーターと組み合わさってはイケないのか?というワケです。世の中がそんな風に変わるのには今少し時間が掛かるでしょうが、それまでの僅かな時間が純粋ロータリーエンジンのみを動力源とするクルマがデビュー出来るチャンスとも言えます。
ただ現実的には2017年のロータリーエンジン50周年がひとつの節目になるでしょう。
2年後のモーターショーに恐らくマツダは何らかの現実解を用意するのだろうと予想しているのですが、それが
・燃費性能15km/Lのロータリーエンジン搭載車
となるか、
・ロータリーエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドカー
となるか、マツダ・エンジニアの奮闘を期待して待ちたいと思っています(^-^)。
実はこの「ロータリーエンジン塔載車の姿」がどのようなものか?も、ロータリー復活にはエンジンの性能改善と同等以上に重要な点なのですが、、、あ、止めとこ。。。((( ^^)