
今月に入って実はブログネタにちょっと困っているタッチ_ですが、お友達の二人に背中を押されるブログを書かれてしまったwため、ちょっと温めていたネタを書いてみます。
らぶパパさん:
巣立って行きました。
FLAT6さん:
カーディーラの役目ってどーなる?。
クルマには二つの側面があって、趣味性に重きを置く道楽wの側面と、純粋に利便性に重きが或る道具の側面です。日本では高度成長期のモータりゼーションの進展から前者の側面で普及が進みましたが、普及率があるレベルを超えると後者の側面が強くなってくるというのは、別にクルマという商品に限らないモノです。白物家電化、みたいな言われ方をするアレですね(^_^;)。
購入者は道具としての利便性のみが重要となれば、その次に来る購入の決め手は「価格」です。
メーカーからすれば自社商品がここに嵌り込まないように様々な工夫をして差別化を図るワケですが、日本のように多数の自動車メーカーが乱立していると付加価値を付けて差別化することも容易ではありません。
どこかの商品が当たれば、当然他のメーカーも間を置かずに追随してきますしね。
特にシェアの小さいメーカーはシェアトップのトヨタ車には無い魅力を市場に訴求出来なければ死活問題になり兼ねない、実は大変重要な課題なワケですが、そんな中でスバルは結構上手にやっていて、マツダも今展開中の第六世代商品で、自社商品の違いをようやく明確にしつつあります。
で、商品自体の差別化が上手く回り始めた"次"の打ち手が今回のテーマである「ディーラーサービス」なワケですが、スバルについては詳しく語れないものの、マツダに関しては言いたいことが山ほどあるワケです(苦笑)。
ただコレには時間が掛るし非常に難しい問題なので、過去にも
ブログで問題提起はしていますが、今できていないから
即座に「ダメ!」を出すつもりは無いものの、そのイケてない顧客対応で大事な客を失う、なんてことは今も日本全国で起きているかもしれんのです。その一例をお友達がブログで紹介していくれていますが。
今のマツダの成功の背景には、世界市場で2%のシェアさえ取れれば良いという選択と集中が先ずあります。「走る歓び」がマツダ車が本来持つべき(造り手が持たせたい)魅力である一方、そんなモンを求めている客層は極めて限られるwワケなので、その少数の人たちの琴線に触れ、心をガッチリ掴めること。コレが或る程度、市場の中でツボに嵌ったから広く複数の商品がウケたのでしょう。
加えてメーカーとして「お客様との絆」を謳い始め、商品を購入してくれた顧客に深く愛される会社を目指すと言っているワケなので、顧客との対面を担うディーラーサービスは極めて重要な筈です。
先ず本題となるサービス面に切り込む前に、メーカーであるマツダがやっている大いなる矛盾について言及せねばなりません(苦笑)。
昨今のマツダは「マイナーチェンジ」という言葉を使うのを止めて、適時「商品改良」を行って自社製品の魅力を継続的に高めていくと言います。
このこと自体、ボクはマツダが生き残っていくために必要な施策だと思いますから単純に批判するつもりはありません。
批判するのは簡単ですし、単なる既存オーナーのヒガミと思われても困るので(^_^;)。
しかし短い間隔で商品をコマメに改良し、
常に最新の魅力を商品に反映させるという施策が
効果的なのは、
新規顧客でしょうか?既存顧客でしょうか?
どっちなの?(苦笑)
一旦商品を買ってしまった我々既存顧客からすれば、購入後に大して時間を置かずに商品がどんどん改良される(=自分の愛車がどんどん型落ちになるw)のが嬉しいハズはありません。
先ずこの、実に悩ましい大いなる矛盾をどうするのか?否、その前に
「シェア拡大(新規顧客を増やす)より、限られたシェアの中で深く愛されたい(既存客を大事にする)」
と自らが謳っていることと、自分たちが実際に商品開発でやっていることが
矛盾しているという
自覚があるのか?
ボクはとっても心配してますょA^_^;)
さて本題ですが、ポイントとしては2点。
①新規顧客と既存顧客、大事なのはどっち?
②既存顧客の中でも、優先順位付けがちゃんと出来ているの?
既に述べた通りでメーカーのクルマ造りは完全に新規顧客に有利な動きになっています。では販売の現場であるディーラーの動きはどうなのか?無論、新規顧客が全く要らないなんて「ゼロかイチか?」の議論にはならないワケで、常に一定の新規顧客の獲得は必要です。なぜならシェアの増加を志向しなかったとしても、既存客の客離れは必ず一定割合はあるので、新規がゼロではシェアが守れませんからね。
で、問題となるのが②です。既存客が大事といったところで、全ての顧客を同じように大事にすることは出来ません。営業現場のリソース(販売員の数)の問題もありますし、そもそも既存客なら皆、均等に大事かと言えばそれは実は全く上手くありません。
冒頭で述べた通り、クルマに道具としての利便性しか求めていない顧客は、早い話が愛車に対する拘りも希釈です。となれば他社から良さげで安い商品が出てくれば簡単にそっちに鞍替えしてしまうかもしれません。
一方で何がしかのクルマに対する拘りがあり、その拘りにマツダ車が嵌って「どーしても欲しい」と買ってくれた顧客なら、長いお付き合いになる可能性は高いです。
勿論、クルマに趣味性など全く持っていなかった人がマツダ車を買って走る楽しさに目覚める場合もあるでしょうし、全く逆にマツダ車を保有している間になんらかの理由でクルマに対する拘りが無くなってしまう人も居るでしょう。
ってな具合に顧客マネジメントは相手が人であるが故に単純でも簡単でも無いワケですが、このような切り口で見てみても、
利便性に重きを置く客 < 趣味性に重きを置く客
なんて重み付けが出来ますし、或いは
(まだ未購入の)新規顧客 < (1台目を買った)新規顧客 < (数台の購入歴がある)既存顧客
といった重み付けだって勿論出来ます。
また、購入歴は販社にとっては極めて簡単な(悩まずに出来る)切り口ですが、マツダが言っている「相棒」とか「かけがえのない」「絆」なんてキーワードから考えると、
・オーナーズクラブの主宰や活動など
・マツダ車に関する情報発信(ブログなど)
といった切り口で、どのくらい深くマツダ車を愛してくれているか?とかオーナー間での影響力という観点で重み付けしたいケースもあるでしょう。
重み付けをしたらどうするか?というと、勿論大事にするワケですが具体的にどうするか?
判り易い日本語で言えば
「特別扱い」すりゃぁイイんです。
大体こういう事を切り出すと「そういう扱いをされない人から不満が・・・」という事を懸念する意見が必ず出るんですが、そもそもこういった発想しか出て来ない人は、顧客マネジメントの本質が解っていません(^_^;)。
「新規も既存も
お客様は皆大事なんです。」というのって、言葉として美しいですが結局
どの客も大事にしていないのと同じなんですよ。だって1台もクルマを買ってない人も既に10台クルマ買っている人も待遇が一緒だったら、10台も買う方がバカでしょ?(爆)
いや客の立場からすればそうなるものですよd(^_^;)。
先ず
どの客も不満を持たないディーラーサービスのレベルが大前提です。特別扱いというのは、
更に上乗せすること。
特別扱いされない人の中に不満を持つ(ヒガむw)人は必ず一定数は現れます。しかしその一方でそんな扱いをされることを羨ましいと感じる客も必ず居ます。実はこの「羨ましがる客」というのが優良顧客の予備軍となるし、逆にそういった特別待遇に全く興味を示さない人には、何をしても無駄なんです。顧客対応にメリハリを付けると、そんなところだって炙り出せるものです。
顧客と対面するディーラーの重要な役割は、切り口がどうあれ顧客を正しく色分けすることと、色分けしたなりのサービスをシッカリと提供して顧客の心をガッチリ掴んで離さないことです。
以上の事はボクは好き勝手に書いていますがw非常に神経質な問題なので、冒頭述べた通り今現在出来ていないことを短絡的に批判するつもりは全くありませんが、難しいからといっていつまでも手付かずで放置して良いとも思いません。
実際にお友達のひとりは対応に不満を持って2台も所有していたマツダ車を売却しちゃってますし、ブログを読んで「彼は重要or優良顧客じゃなかったの?」とボクは販社の人に聞きたくなりましたょ。
仔細は彼のブログに詳しいですが、こうならないようにやり様は色々とあったと思えます。
5万弱のSDカードPLUSなんて小さな話ですが、結局それは金額の問題じゃなくキッカケに過ぎません。ロードスターを短期間でSPからRSに買い替えていたという話は知らなかったのですが、そもそも発売から1年と待たずにRS、NR-Aと追加した件などは、全てのオーナーには関係が無いにしても、そのスペックの方が希望だった人にとっては大問題です。
新型車の発売スケジュールが企業の最高機密だというのは理解出来ますが、そのことが結果的に客に要らぬ金銭負担を強いたのであれば、そこに多少なりとも
負担軽減の姿勢を見せることが出来ていれば、結果は違ったかもしれません。
更にもし彼が重要顧客であったのなら、本来機密であるバリエーション追加情報を耳打ちして「出揃ってからご希望のグレードを購入されることをお勧めします。」などともし言えたら、彼も「オレはやっぱり特別扱いされている、この店にとっては大事な客なのね」という実感もあったろうし、やはり結果は違ったかもしれません。
ボクの身に振り返って見ても、GJアテンザ発売当時、XDにAWDが無いことに酷く落胆したものですが、営業と店長が個別にメーカーに確認してくれたものの、
回答は「追加の予定は無し」でした。しかし
2年後にはシッカリ追加になりましたよねw?とか(苦笑)。
昨年の東京モーターショーのイベントに参加した際、なぜi-DMに関してマツダでサポートが出来ないのか相談したところ「来年には是非やりましょう!」と答えてくれたものの、結局今年に入っても何も始まっていません。やる気がないならないでハッキリそう言ってくれた方が納得もいくってモンですが、その場限りの逃げ口上でテキトーな事を答えられても不信感しか湧きません(苦笑)。
今年のサスティナブル・ZoomZoomフォーラムに応募したら
"厳正な抽選の結果"落選したと連絡がありました。4年でSKYACITVを3台も買って、ネットでも頻繁かつ継続的に愛車の魅力を情報発信していて、マツダ本社でもお客様の声として定期的にブログをチェックしているらしいボクを落選させる"厳正な抽選"って、一体どう厳正なんでしょうか?とか(苦笑)。
昨年同フォーラムに出席した際、最後のマツダ社員との対話セッションで自称スバルオーナーの独演状態になってしまい、ボクも含む同席したマツダ車オーナーはほとんど何も話せずに時間切れになっちゃった、なんてこともありました(苦笑)。
ボク個人のことは(苦笑)で済ませているくらいなので別にどーでもイイんです、これまでは。
でもメーカー主導のイベントなどで全くメリハリが付いていない現実を目の当たりにすれば、販社としてソレが出来る筈はないし、ディーラーではもう営業マンや店長さんなどの
個人の力頼みになっちゃいます。
勿論、会社が如何に旗を振ろうが最終的には個人の力が事を左右するワケですが、
少し前に書いた通りでトップシェアのトヨタが急速にクルマ造りを変化させている中で、そもそも営業拠点の数から言っても販売力は桁違い。個性的かつ魅力的なクルマを揃えられて、潤沢な営業リソースで痛いところに手が届くサービスを展開されたら、道具としてのクルマだけじゃなく、趣味性の高いクルマを志向する顧客だって、ゴッソリ持って行かれる可能性(危険性)は高まっています。
「それでもボクはまたマツダ車にしたいんです」と言う客層をガッチリ固めるというのがメーカーにとっても販社にとっても最重要課題なハズでしょう。例え全国で一例でも「お仕置きw」などと称する事例を公開されてはイケないし、恐らくそうなった真因は「お客様との絆」なんて掛け声の割には、
意外に無策で全くメリハリのない顧客マネジメントにあるとボクには思えます(^_^;)。
※ちなみにこの記事に拠れば、アメリカではそれなりにやっているみたいですょ。
マツダ ロードスター RF、米発売記念車が完売…一般向けは13時間で(response.jp)
抜粋:「北米マツダは9月26日、マツダが選んだ得意客、「ロイヤルカスタマー」に向けて、ローンチエディションの先行予約受注を開始。」