
昨年のル・マン24時間レースで、ゴールまでの残り3分というところでトラブルに見舞われたトヨタは今年必勝を期するも優勝が叶わずに終わりました。
恐らくトヨタファン、更には日本人のみならず多くのモータースポーツファンが今年、トヨタが昨年の悲劇を乗り越えて初優勝するのでは?と期待していたと思うのですが
(えぇ、ボクも期待していましたw)、なかなか現実は厳しいですね(^_^;)。
今年は現地で戦況を見守っていた豊田章男社長をはじめ、トヨタ関係者は「来年こそは!」という想いを新たにしたと思うのですが、、、現実は更に厳しい試練をトヨタに課したようです。
ホルシェが今年限りでWECから撤退し、来年からフォーミュラEに参戦を発表
元々ポルシェは2018年まではWECへの参戦を継続すると言っていたようですが、1年前倒して撤退することになりました。これは企業の選択なので致し方ない話なのですが、これでトヨタは
難しい判断を迫られることになります。
ル・マン24時間レースを含むWEC(世界耐久選手権)の最高峰クラスであるLMP1には今期、ポルシェとトヨタの2メーカーのみが参加で、アウディは昨年一杯で既に撤退していました。これでポルシェが撤退となれば残るはトヨタ1社のみとなり、来年トヨタが単独でル・マン24時間レースに参戦すれば、文字通り敵無しの状態で自動的にル・マン初優勝が手に入る…
なんて考える人は恐らく誰も居ないでしょうf^_^;)
そもそも1社のみの参戦でLMP1というクラスが成立するのか?というルール上の問題もありますが、ライバルの居ない状況で優勝したって誰も褒めてはくれません(苦笑)。そんなのはファンもトヨタ自身も、当然理解している話でしょう。
WEC(世界耐久選手権)の継続可否も気になるところですが、恐らくLMP2以下のクラスで継続することは可能でしょうし、伝統のル・マンはLMP1クラスのマシンが出走しなくても中止なんてことにはならないと、今のところボクは思っていますが、、、(^_^;)
トヨタは絶対に来年も参戦を継続するのが既定路線だった筈ですが、よもや唯一のライバルであったポルシェの撤退の報を受けて、参戦継続の既定路線の変更について判断を迫られる事態になるとは夢にも思っていなかったでしょうね。
一方でF1に目を転じると、
先日のブログでも話題に上げましたが、来期からホンダエンジンを搭載すると一旦は決めたザウバーがこれを白紙撤回して、フェラーリの最新スペックを積むことが正式発表されました。
これで再びホンダはマクラーレンにのみ搭載される状況に戻ってしまいましたが、そのマクラーレンがホンダエンジン以外の選択肢を模索していることを公にしていることから、ホンダとしては予断を許さない状況になっています。
先日のブログで書いた通り、エンジンを搭載してくれるチームが無くなってしまったら、ホンダは自らの意思とは関係なくF1から撤退することになってしまうため、ザウバーとの話がご破算になったのはかなり痛い筈です。
ザウバーに代わってトロ・ロッソへのエンジン供給話が持ち上がっているのも、恐らくは万一、マクラーレンへの供給の道が断たれた場合のコンテンジェンシープランをホンダは真剣に模索せざるを得ない状況に追い込まれているのでしょう。
勿論、エンジンの開発が進んでパフォーマンスの問題が解決すればマクラーレンも離縁wする必要が無くなるワケですが、こればっかりは時間との戦いでどうなるかは判りません。しかも来期の話はあと2ケ月くらいの間にFIXさせないといけないので、マクラーレンもシーズンが終わるまでは待てません。
ただ、これまたややこしい話ですが、メルセデスとフェラーリは既にマクラーレンに対して2018シーズンのエンジン供給の可能性を否定したらしく、残る選択肢はルノーエンジンのみです。
他方、ルノーは3チーム(ルノー自身とレッドブル、トロ・ロッソ)を超える4チーム目への供給は否定しているそうで、ここまでであればマクラーレンの他エンジンへの乗り換え話は閉ざされたことになります。
しかしトロ・ロッソにホンダがエンジンを供給する話がまとまると、ルノーは1チーム分、供給能力が余ることになり、それをマクラーレンが獲得する可能性が出てきてしまいます(^_^;)。
つまりホンダがトロ・ロッソとの話をまとめることがマクラーレンとの離縁の可能性を高めるというジレンマですが、
「じゃぁトロ・ロッソとの話がまとまらなければマクラーレンもホンダエンジンから離れられないのでは?」
と思いますよね?(苦笑)
ここまでの経緯を素直に信じればその通りなのですが、何しろF1の世界って何が起こるか判りません(爆)。
一度は否定したメルセデスやフェラーリが「うん」という可能性も、ルノーが4チーム目のエンジン供給に乗り出す可能性も、完全にゼロだとは誰にも言えません。結構恐い世界ですA^_^;)。
故にホンダは最悪のシナリオを避けるべく動いているのでしょうし、最近になって今期の信頼性問題やパフォーマンス問題に対する説明を結構、頻繁に情報発信するようになりました。恐らくこれも「打てる手のひとつ」で、万一今期中に十分なパフォーマンスが出なくても、来期は明るいとアピールして、マクラーレンの引き留めや、第2のチームへの供給の道を開こうとしているのかな?
ただ現実問題としてザウバーにフラれた後はもうトロ・ロッソしか選択肢がありません(^_^;)。
トロ・ロッソはご存知の通りレッドブルのBチームであり、チャンピオンシップを狙うレッドブルとはちょっと違う立ち位置です。チームオーナーである大富豪のレッドブル創業者、ディードリヒ・マテシッツ氏からすれば、別にホンダから資金援助が欲しいワケでもなく、Aチームであるレッドブルを脅かすようなチームにしたいワケでもないでしょうから、恐らくエンジンがルノーだろうがフェラーリだろうが、ホンダだろうがあまり頓着はしていないかもしれません。
一方でF1のオーガナイザーからすれば(これも
先日のブログに書きましたが)、万が一にもホンダがエンジン供給先を失う形でF1から撤退するのはあまり美しい話ではありません。そういった未来を出来れば避けたいと考えたなら、ホンダとトロ・ロッソとの交渉の機会を取り持つくらいはしている可能性が高いとボクは思います。
勿論、話がまとまるから両者次第ですが、、、(^_^;)
まぁこの話はいくら憶測を重ねてもなるようにしかならないワケですが、トヨタとホンダ、ヨーロッパのモータースポーツシーンで頑張っている両メーカーが、自社の都合とは全く関係ない話で撤退の危機にあるというのは、なんとも複雑な気分です(^_^;)。
ブログ一覧 |
自動車市場 | 日記
Posted at
2017/08/03 20:12:34