ブログ・タイトルをどーしようか。すごーく悩みました(苦笑)。
この記事は、
エンジンとデザインと・・・について書くんですが、、、(^_^;)
お友達の
FLAT6さんの前半のご主張は概ね同意なのですが、彼が本題と断った後半に引っ掛かりました(笑)。特に彼が読んで不安wになったという
CX-8の試乗記には、これは黙ってはおれん!と(笑)。
クルマの乗り心地ってヤツは
FLAT6さんが仰る通り、大変に奥が深い世界です。そしてマツダがオーナーズカーブランドとして一定のプレゼンスを得ようとすれば、その領域に於いて特徴とか個性とか、何らかの強みを持ち、それが一定数の支持を得られなければならず、マツダ自身も当然そのことには気付いているワケですが、、、
ボクが引っ掛かった試乗記のタイトルが「
乗り心地にも哲学を」と来たもんだ(爆)。
その記事に書かれていることは本当なのか?その疑問に対して実に好都合なことに、アテンザの
車検の代車にCX-8の25Tを1/28~2/1まで5日間借りられたため、ガッツリ乗り回して確認してきました(笑)。
まぁそのwebCGの試乗記が
如何に稚拙かは追って解説するとして(^_^;)
実際にCX-8の乗り心地がどうだったか?を語る前に、マツダが目指しているモノについて紹介しておく必要がありそうです(^_^;)。
なぜならソレ=人馬一体なんですけど、その意味するところは
マツダの説明が下手クソなので、サッパリ市場に浸透していないのでA^_^;)
先ずは人馬一体そのものよりも、
なぜマツダはそこに活路を見出そうとしているのか?とか、ドイツを中心とした欧州車を向こうに回して、
なぜマツダは勝算有りと考えているのか?とか、その辺りを最初に紹介しておきます。
最初はこの記事
【ロードスター開発者への10の質問】Q3.人馬一体はどう進化したのか? 2015年6月22日(response.jp)
これはNDロードスターのデビュー直後の記事の一つですが、マツダの人馬一体の乗り味を統括している虫谷氏が、正に人馬一体について語っています。仔細は読んでいただくとして、平たく言えば
人馬一体の乗り味とは
初代ロードスター(NA型)の乗り味であり、最新型(ND型)は改めてそれを目指した(原点に回帰した)と言っています。
ここで虫谷氏は非常に面白い事を述べています。
虫谷:「
人間の感覚の中で、ロードスターってすごく安定しているかって言うとそうでもないし、実はものすごくゲインが高いかっていうと、ロードスターよりもゲインが高いクルマは実際あります。初代の1.6リットルエンジンが120psでしたが、アメリカからはパワーを倍にしたら2倍クルマが売れる、と要求が来るわけです。」
要するに、クルマの安定性であったり、コーナリング性能(最大旋回G)、動力性能(何馬力だとか0-100km/h加速が何秒)とかいった指標に照らすと、NAロードスターは必ずしも優れたクルマでも、速いクルマでも無かったと言うのです。
しかしこのクルマは多くのドライバーに愛され、未だに手元に置いて手放せないという熱狂的なファンも多いと言います。つまりドイツ車などを中心とした
速さを評価基準とする世界とは違う、異なる価値がNAロードスターにあったことになります。
じゃぁその速さ(動力性能や運動性能)とは異なる人馬一体という価値観に
勝算はあるのか?
虫谷「失礼な言い方かもしれませんが、
他社からも色々なクルマが出てきましたが、結局ロードスターだけが生き残っている。」
なるほど(笑)。
確かにNAロードスターに触発されて、メルセデスはSLK、BMWはZ3、その他多くのメーカーが比較的小型のライトウェイトスポーツを発売しましたが、みんなどこに行っちゃったんでしょう?(苦笑)
で、今のマツダはそっちの方向で行こうと決めて、人馬一体のDNAを突き止めてそれをロードスターのみならず全ラインナップに埋め込もうとしています。
それについて藤原副社長(当時は常務)がこんなことを言っています。
マツダ藤原常務に快進撃のワケを聞く【後編】 欧州メーカーはハプスブルグ家タイプ!? 2015年05月20日(日経トレンディネット)
藤原「
ドイツに勝とうとして、彼らをそのままベンチマークにしても、絶対に勝てないですよ。彼らはあのやり方、あの論理でずっとコツコツやってきているわけです。」
「
私がドイツに赴任していた2002~2005年の間には、このまま技術だけ追いかけても、結局は後追いで終わる。ドイツ流はドイツ人の気質に合ってるんですよ。だから、できあがったクルマだけを追いかけても越えられないけれど、もっと人間自体を、つまり”クルマに乗る人間”を研究し、日本人としての理想を追求していけば、どこかで…彼らが遅れたところで、彼らを抜けるかもしれないと思いついた。 」
藤原氏はこの後、SKYACTIV技術を含むマツダの中期計画をまとめるにあたり、現場には常に「(競合)他車を目標にするな!」「数字を追うな!理想を追え!」と言い続けて現在に至るワケですね。d(^_^)
そのマツダにとって、NAロードスターの成功体験は実に好都合というか貴重というか、ドイツの後追いでなく
当時の担当者が理想を追い、それが結果的に
後追いしてきた彼らドイツ勢に負けなかった。特段速くもなく、凄く安定しているワケでもなく、彼らの評価軸に照らせば「大したことのないクルマ」のハズなのに、オーナーを魅了して未だに「手放せない」と言わしめる魅力とは一体何なのか?
ここで肝心の人馬一体について虫谷氏の解説を紹介。
【マツダのクルマ造り】人間の平衡感覚を突き詰め、“人馬一体”を極める 2014年11月5日:response.jp
読んだ人はきっと、わかったよーなわからんよーな、だと思うのですが、今後のブログの展開上、覚えておいて欲しいポイントはコレ。
虫谷「
我々が最も恐れているのは、“怖さを感じない”クルマであること。例えばどれほどスピードが上がっても音や振動を感じない車は、ドライバーに危険であるという情報を与えてくれず、とても危ないと考えている。自分が車をどのように使っているか認識できる情報を“フィードバック”として造り込めれば、車が安全をもたらすのではなく、ドライバーこそが最大の安全装置になり、人馬一体感を味わうことができる。」
そうクルマからドライバーへのフィードバックが肝で、マツダではそれを明確に作り込んでいるというワケです。
以上の通りでマツダなりの哲学はちゃんとあり、そこに至った経緯も、そこに掛ける勝算も明確なのですが、この方向性が定まって商品として市場に出始めたのがCWプレマシーから、ですから歴史としてはまだ浅い。故に熟成が足りていないということはあるでしょう。
なぜならば、、、こんな記事もあります(^_^;)。
割込御免、マツダの虫谷氏が再び語り出す!2018年6月26日(日経ビジネス)
虫谷氏の語りを読んで、もし貴方が「わかったよーな、わからんよーな」と思ったとしても、別になんも恥じることはありません。なぜならば、、、
どうやらつい最近まで、
マツダの社内でも虫谷氏が言っていることが良く解らない技術者が大勢居て、そこに
千葉氏という通訳が現れて、
ようやく他のマツダ社員も虫谷氏が何を言いたかったのかを理解できるようになったそうなので(^_^;)。
その成果はどうやら第7世代商品のトップを飾る新型Mazda3で市場に問われることになりますが、そのちょっと手前に市場に出たCX-8には、このマツダの最新の考え方がどのくらい反映されていて、実際問題としてどうなのか?
お楽しみのCX-8の乗り心地については次回ねd(^_^)。
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マツダ | 日記
Posted at
2019/02/02 10:57:05