
先日、この話題に関連するブログを3本ほど書きました。
ひとつはマツダが
今後展開するLarge(FR)モデルの次期アテンザの価格予想。
もうひとつは
MAZDA3のデビューによって明らかになった価格。
そして
現状のマツダの商品ラインナップ。
これらの話題は全てパズルのように繋がっていて関連があります。MAZDA3については確定したことになりますが、それ以外のモデルが将来どうなるかは当たり前ですが不確定で、特に新しいLargeモデルに属すると想定されるCX-5、MAZDA6、CX-8、CX-9については、恐らくマツダ社内でもまだ何も決まっていないでしょう(笑)。
今日の話題は次世代マツダ車の商品戦略、というか価格戦略。平たく云えば"
値付け"ですね。
MAZDA6の予想は先日
ブログで書きましたが、実はこの予想には前提条件があって、もうブログコメントで書いちゃってますが次期MAZDA6が引き続き現在のセグメントに留まるのであれば、という前提です。だからこの前提が覆って現在のCDセグメントからEセグメントに移行するなら、当然価格も更に上がることが予想されます。
なんでもお友達がディーラーで「上のグレードは700万とか800万円位に価格が上がる。ベースも500万を超えるかもしれない」と囁かれたそうですが、そういう未来もあり得るってワケ(^_^;)。
ここだけ取り上げれば、現行アテンザの価格が283万から419万ですから、まぁザックリ倍になるワケで、そう簡単に今まで通りに売れるとは考え難いですょね(苦笑)。
他方、マツダの藤原氏はそんなに急激に価格を上げたら失敗すると骨身に染みているようで「徐々に」と
インタビューでも答えています。しかし価格(値付け)を上げていかなければならないことも明確に意識もされています。
現在のマツダ車の価格レンジは日本向けは139万~446万ですが、この上限をどこまで上げられるか?はマツダの重要な経営課題ってワケです。
では
話題のひとつ目。新型MAZDA6がEセグメントに上級移行するか?
これはかなりの高確率でそうなるでしょう。
理由(根拠)のひとつ目は上記の価格上限の話で、割高wの欧州プレミアムDでも600万です。マツダがどう頑張っても、Dセグメントセダンに700万、800万の値付けは困難でしょう(笑)。これがEセグメントとなると、価格帯は650万~1,000万になり、トヨタのクラウンでも500万から700万ですから、価格の上げ代は確実に高くなります。
そして
理由(根拠)のふたつ目。

次期MAZDA6にはこのVISION COUPEのデザインエッセンスを色濃く反映しなければなりませんが、実はその試行は既にGJアテンザの最後の商品改良で一度は行われています。

ボディデザインに次期魂動(第7世代)のエッセンスを盛り込めないか検討する中で、結局は顔とお尻の小変更にとどまった理由が
▲ドアも変更し、ボディサイドをCX-5風にする案。
次世代の魂動につながるデザインではあるが、ボディサイドに対してキャビンが前に寄り過ぎて見える。
▲伸びやかなボディサイトに併せてキャビンも変更し、ルールラインのピークを後ろに寄せる案。
しかしAピラーの位置も変えないと、バランスは完璧にならない。
という経緯があるワケで、現行モデル比で
Aピラーを後退させてキャビンを後ろに下げることになるのはもう
必至です。
しかし現行とサイズが変わらなければキャビンが狭くなるかトランクが短くなるか、、、
そしてこれが商品改良ではなく車体構造まで含めた全くの新規となるのであれば、もうAピラーを後退させてキャビンも後退させつつ全長を伸ばして、、、といったデザインにする(なる)のがもっとも自然で無理がありません。
ところが現行型でもDセグメントの中では最長とも云える全長の持ち主なので、これ以上長くしつつDセグメントに拘る必要があるのか?(笑)
な~んて事情が諸々重なってくると「えぇ~い!Eセグメント移行、行ったれ!」となっても全く不思議はありません(^_^;)。つまり彼らのクルマ造り(デザイン)の事情。
と、ここまで判っているなら、なんでボクはDセグ維持で価格帯350万~500万なんて予想を一旦ブログに書いたのか?というと、、、(苦笑)
次期MAZDA6がEセグメントに移行して
価格が450万から600万、なんてイキナリこれ
だけ書いても全く信憑性がないでしょ?(^_^;)。逆に言えばFFからFRに転換しようが少し大きなエンジンを載せようが、MAZDA6単体でどうこうしようとしても、上げられる価格帯は350万~500万程度で、それより
更に上を目指すなら、MAZDA6単体ではアレコレやってもダメだということ。
なぜ350万がスターティングプライスか?というと、それは
MAZDA3の上限価格が360万だからです。これを450万とかに上げちゃうと、MAZDA3とMAZDA6の間に
ポッカリ100万弱の穴が空きます。この穴を埋める何か、が無ければMAZDA6に高い値付けをするのは難しい。
で、
話題のふたつ目。新型MAZDA6単体じゃダメならどーするのか?
ここでCX-5(現行257万~356万)をLarge(FR)モデルに転換して340万~460万くらいに値付けをすれば、商品価格戦略上の穴は空かなくなります。そうすればMAZDA6を400万~600万の価格レンジに持っていく道が開けます。
つまり現行アテンザオーナーが買い替えを考えたとき、新型MAZDA6の値段が高過ぎて手が出し辛いとなった際の受け皿として、セダンオーナーにはMAZDA3セダン、ワゴンオーナーには新型CX-5、が揃っていれば、顧客を繋ぎ止める手があることになります。
こう考えると、LargeモデルのトップバッターがCX-5という話にも、
以前ブログに書いた理由に加えて更に理由が加わることになりますね(苦笑)。
それでもCX-5、MAZDA6、共に大幅な価格上昇となりますから、クルマ造りはデザインもメカニズムもチューニングも、イメージ作戦もw相当に頑張らないとイケませんけどね(^_^;)。
ただこのボクの仮説の
「MAZDA6がEセグメント(全長4,900mm前後、全幅1,900mm前後)に移行して450万~600万の値付け」
というのは、以下の点でなかなか良い落とし処だとは思います。
自画自賛wwだけど
①それでも先行する欧州Eセグメント、トヨタのクラウンより安い
後発が先行のライバルに勝負を挑む際、商品(クルマ)の出来で引けを取らないこと、あわよくばいくつかの点で上回ることは大前提ですが、
価格が並んだり高かったりしたらほぼ確実に負けます。良い事例wが
コレ(苦笑)。
②ひとつ下のDセグメントのライバルと価格帯がバッティング
欧州プレミアムとの比較で云えば、
・Eセグメント比では価格の安さ
・Dセグメント比ではセグメントがひとつ上
となって、どちらも競合した際の強み(売り)になります。
現実問題としてDセグメントとEセグメント(メルセデスのCとE、BMWの3と5)の違いって購入する側からすると微妙です。500万以上出してクルマを買う側からすると、キャビンや荷室の広さとかいった実用性の面で選ぶというより、少し違った基準になるでしょう。そもそも500万以上のお金をクルマに対して払おうって人たちが「動けば何でも良い」と思っているハズはなく(笑)、売る方としてもターゲット顧客、訴求ポイントなどが絞り易く、結果的に売り易いでしょう。
③外車の「値引き販売」対策
BMWやAudiでは有名な話のようですが、元々日本国内向けに強気(割高)な価格設定をしている外車は、かなりの値引き代を持っています。(
参考)
つまり、これらをライバルと想定して値付けをする際には、半ば恒常的に行われている値引き額をしっかり考慮しておかないと「価格競争で負ける」という事態に陥ります。
マツダは粘り強く正価販売を推進していますから、競合が値引きしてきたからといって、簡単に値引きで応じるワケにはいきません。先ずは販売の現場が値引きで対抗せざるを得ない事態に陥らないように配慮しておく必要があります。
この点は恐らくレクサスが苦労している点だと思うのですが、レクサス各車の各国市場の値付けはメルセデスやBMWとほぼ同等です。それを当然のように日本国内でもやったワケですが、外車ディーラーに「一声50万」とかって値引きを提示されたら「ウチ(レクサス)も50万引きましょう」とは簡単には云えないでしょう(^_^;)。こうなると後発ブランドは苦しくて、結果的に商談でメルセデスやBMWに競り負けるケースは結構あるのでは?と容易に想像が出来ます。
勿論、販売時の大幅な値引きは車両の資産価値を下げ、Audiのオーナーなどは下取り価格の安さで酷い目に遭ったという人が散見されますが、そうした値引き販売のツケで懲りた経験の無い人は、良いモノが安く買えるなら、、、と普通に思うでしょう(苦笑)。
ってな具合に商品に値段を付けていくこと、特に現在よりもより高額にシフトしていこうとした場合、色々と考慮すべき点は多くて
「この商品の出来ならこれだけの価格を付けても買ってくれる人が居るハズだ!」
みたいな商品力に対する過信は結構、危険です(^_^;)。
その点、マツダは商品の値付けには相当に慎重な姿勢を、少なくとも役員クラスの発言では繰り返していますし、第6世代商品ではCX-3という教訓もありますしね。
商品の値段は一旦付けてしまうと下げるのはほとんど不可能、というくらい難しいです。それはその値段で買った顧客を裏切ることになるからですが、一方でなんやかやと理由を付けて、商品を出した後に価格を徐々に上げていくのは難しくありません。
MAZDA3の出来やここ1~2年の技術開発に関する記事を見るにつけ、今後のマツダ車が少なくともクルマ造りで失敗する要素は極めて少ない、というかほとんど想像出来ません。
唯一想像できるwとすると、狙い通りに商品(クルマ)が売れないなんて事態があるとすれば、それは値付けで失敗する(付けた値段が高過ぎた)くらいかな~と思います(^_^;)。
商品を出してから毎年一回商品改良をする都度、10万ずつ価格を上げていけば5年のモデルライフで50万、値段を吊り上げることは出来るんです。しかもそれは、売りながら市場の反応(評価)を見ながらどうするかを決めることもできます。
だから最初はマツダの当初の狙いより少し安めに値付けして、モデルライフいっぱいを掛けて徐々に、本来狙いたかった価格まで上げていく、、、くらいの発想が良いのかもしれませんね(苦笑)