
一昨日の東洋経済の記事です。
マツダ社長「クルマの売り方を180度変える」
大苦戦のアメリカで、どう巻き返しを図るか(東洋経済)
販売に苦戦していると言われている昨今のマツダなので誤解を生みそうなタイトルですが、ちゃんとサブタイトルが付いている通りで、売り方を変えるのはアメリカの話。日本ではもう売り方は上手く変えられていて、藤原副社長などは
すべてよくなったとインタビューで答えているくらい。
じゃぁ日本市場ではもう何も問題が無いか?といえばそんなことはなくて(^_^;)
例えば鳴り物入りの第7世代トップバッターのMAZDA3について見ても、評価は真っ二つに分かれています。国内発売直前の先行試乗会では絶賛の嵐w、だったのに、いざ国内販売が開始された後は、まぁ色々言われています(苦笑)。
ひとつ象徴的な記事を紹介します。
マーケティング/ブランディングコンサルタントの山崎明氏の記事。
マツダに異変… 意外な販売苦戦と「消えたzoom-zoom」問題(2020/2/6)
彼は近年のマツダの経営戦略に共感し、以下のような記事を執筆しています。
マツダの好調を支える「2%戦略」その秘密(2018/6/6)
「新型MAZDA3」でマツダはBMW&ベンツに肩を並べたか(2019/2/26)
加えて「マツダがBMWを超える日」という著作もあり、現在ロードスターのオーナーですから
立派なマツダ親派と言えます。
その彼が最新型のMAZDA3に試乗して抱いた印象の数々は、イチイチ列挙はしませんけど(^_^;)、世の「MAZDA3に試乗してみたけど、なんかイマイチだった」という多くの人の声を代弁しているように思えます。
MAZDA3の主査の別府氏は「4人乗りのロードスターを作る、という位の気持ちで、」と
インタビューで述べてますが、ポルシェからロードスターに乗り換えて、お気に入りで最近RFからソフトトップに乗り換えたらしい山崎氏の感想は、とても4人乗りロードスターとは思えなかったようですね(^_^;)。
山崎氏は自動車評論家ではないので、シロート同然の彼のインプレに意味は無い!と切って捨てるのは簡単です。しかしボクはそうは思わないwので、こうしてブログネタにもなるワケ。
山崎氏は「マツダ全体としての目指す方向性が少々変わってきているようなのである。」と書いていますが、ボクの理解ではマツダのクルマ造りは第6世代以降、最新の第7世代でも一貫して目指している処は変わって無くて、最新の第7世代は当然のことながらマツダの皆さんが掲げている理想に一歩も二歩も近付いた筈だと考えています。
ところが、理想により近付いた筈の最新型に乗ったオーナーに「なんか違くね?」と言われてしまっているワケですよ。
なんでこんなことが起こるのか?彼はマツダのクルマ造り(第6世代)に共感してくれていたのではなかったのか?
これがタイトルの「
なかなか厄介なマツダの課題」というワケ(^_^;)。
マツダ車の走りの魅力って「
ドライバーの意のままの走り」「
人馬一体」ですよね?
これが多くのオーナーにとって魅力的な(価値がある)のは間違いないのですが、実は今日のテーマに於ける
諸悪の根源(苦笑)でもあります。
先ず人馬一体が何なのか?なんて全く知らない人でも、第6世代以降のマツダ車に対して実に多くの人が「運転がし易い」と言います。
お友達の奥様とか、恐らくクルマも運転もけっしてお好きってワケじゃなさそうな女性が「なんかわからないけど、とにかく今まで運転したクルマの中で一番運転がし易い」なんて仰ったと聞きます。
また同様に、なぜか理由はわからないけど、マツダ車に乗り換えたら運転が楽しくて、週末毎にクルマで出掛けるようになった、なんて話もネットを探せばいくらでも見つかります。
これが要するに
人馬一体の魅力であり、理屈や能書きはどうでも良くて(笑)、文字通りドライバーの意のままにクルマが動く(動かせる)魅力であり楽しさだったりします。
と、こ、ろ、が、、、(^^;
じゃぁ!ってんでこの魅力を
言葉にしてお客様に訴求しようとします。
ドライバーの意のままに走れるのがマツダ車の魅力
と言われたとして、アナタは理解できますか?(苦笑)
これは
以前のブログでも書きましたけど、世の中の
運転免許所有者で「ワタシは自分の意のままにクルマを運転出来ません」なんて人は居ないでしょう(^_^;)。
個々人の基準がなんであれ、程度の差は様々あれど、ほとんどのドライバーが「自分はクルマを意のままに運転できる」と思ってハンドルを握っている筈で、そんな人たちに「マツダ車はドライバーの意のままに…が魅力なんです」って言われても、
何も心に響きませんょね(^_^;)。
つまり、マツダ車の魅力を
上手くお客に伝えられてないんじゃないの?という話。
だから冒頭で紹介した山崎氏のようなインプレになっちゃうワケですよ。彼が愛車のロードスターに感じている走りの魅力が人馬一体とはちと違う、より踏み込んで言えば、彼の理解するところの人馬一体と、マツダが考えている人馬一体がもし違ってたら、狙い通りに魅力を感じて貰える筈はありませんょね?
山崎氏を「勘違い野郎」と断じようとは思いません。むしろ逆で、彼のような人が
意外に多いから、既にマツダ・ファンであるハズの人たちからも「?」マークが付いちゃうんじゃないの?ということ。だから象徴的な記事だなぁと。
因みにボクがやっている
グループで
第7世代に乗り換えた人はそこそこ居ますが、彼らからは「人馬一体感が更に高まった」とか、最低でも「第6世代と良い意味で変わらない」という話は出ても、山崎氏のように「なんか違くね?」という人は皆無です。
D1.8のアクセルレスポンスが手強い、という話は出てますけどw
なぜか?
だってグループのメンバーはみんな、人馬一体の何たるかを知っていますからね。ボクがちゃんと教えましたから(^_^;)。
更に言えば、活動がアクティブな連中で他メーカーのクルマに試乗とかして「あっちの方が運転がし易い」という話を聞いた記憶もありません。「速い」とか「スゲー」とかはあっても「ドライバーの意のまま」でマツダ車が負けた事例には、お目にかかったことは無いですょ。
ということで、課題はマツダ車の魅力をちゃんとお客(市場)に説明することなんですが、何が(What)ではなくて、どうやって
(How)、が課題なんですよねー、もはや(^_^;)。
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マツダ | 日記
Posted at
2020/02/25 19:11:52