
この記事は、
エンジンとデザインと・・・について書いています。
さて注目のCX-8の乗り心地です。
いや実は5日間も使わせて貰うとチョイ乗りではわからない色々な面が見えてきて、改めてCX-8って凄く良いクルマだと認識を新たにしたのですが、このブログでは
問題のw乗り心地に絞ってレポートします。
最初にお断りしてしまうと、
変なライターが指摘した「揺れ」について、彼は
「ここを読んで『え、そんなだったっけ? ウソー』と懐疑的な態度になっている人でも、もういっぺん乗り直してみれば『あーこれか!!』となるはずだ。なにしろ、ほぼ常にそういう状態なので。」
と書いているのですが、今回乗り直して
「あーこれのことを言っているのかな?」と思い当たる挙動は確かにありました(笑)。
さて、今回の乗り心地評価に協力してくれたのは(笑)、我が妻、妹、そして弟の嫁さん母子たち。
何しろ多人数乗りのSUVですから、ドライバー1人のインプレじゃぁ説得力に欠けるでしょ?(^_^;)
当然、彼女らには事の趣旨を詳細になんか説明せず、単刀直入に感想を聞いてみました。
先ずは我が妹。彼女はクルマの運転はするけど現在所有はしておらず、姪の軽自動車、叔母のBMW MINI(ディーゼル)、レンタカーをたまに乗るくらい。火曜日の一日、町田、川崎、横浜の間の一般道、首都高、バイパスを走行して、二名乗車で助手席に座って貰いました。
ボク:「このクルマの乗り心地ってどう?」
妹:「乗り心地は良いよ。快適。
ちょっと固めだけど、私はこのくらいが好きだなぁ。あんまり柔らかいと酔っちゃうし」
彼女は
何気なーく鋭い指摘をしています。流石は我が妹(笑)。しかしこれ以上は「どう?」と聞くだけでは「良い」とか「悪くない」以外の感想を引き出すのは難しい(^_^;)。
ボク:「このクルマの乗り心地が『ユサユサッ』とか『ブルブルッ』という感じで忙しく揺さぶられるって言う人がいるんだけど。。。」
妹:「う~ん、そうかなー?私にはわかんないけど。。。」
ハイ、ありがとうございました(笑)。
次は順番をちょっと飛ばして義妹と子供3人と家政婦さん。金曜日に成田から都内の自宅まで東関道、首都高湾岸、中央環状から一般道。大人3人に子供3人+荷物がほぼフル積載状態。

大きなスーツケースがラゲッジに入らなかったため助手席に積んで、義妹は2列目の左側に乗って貰いました。因みに彼女のアシはBMWの2シリーズと昨年まではX5だったんだけど、今は家族が増えたのでメルセデスのVクラス。

ボク:「このクルマの乗り心地はどうですか?」
義妹:「乗り心地、良いですよ。とっても快適♪」
やはり乗り心地は好印象な上、それを証明するかのように子供たちと家政婦さんは出発から10分と経たずに爆睡状態に、、、(^_^;)
義妹:「このクルマはレンタカーですか?」
ボク:「車検の代車でディーラーから借りたの。ボクのクルマじゃないから遠慮なく文句を言っても良いよw。身体が揺すられたりしない?」
義妹:「全然揺れないですよ。乗り心地が良いのは義兄さんの運転だから、というのもありますねぇ」
流石は我が義妹(笑)。
走りながら高速道路の段差を超えるときにバックミラーで彼女の頭を観察すると、確かに車体が揺れても頭が全く動きません。揺れを感じていないというのは事実のようです。
その後暫くすると義妹も寝入ってしまい、無事に都内の自宅に到着。

快適なドライブだったようです(笑)。
最後はi-DMより10倍評価が厳しいウチのカミさん。火曜日、水曜日、木曜日と3日間、アテンザで散々走ったいつものコース。二名乗車の助手席です。
ボク:「このクルマの乗り心地はどう?」
カミさん:「うん。。。普通」
ボク:「なんか気になるところ、ある?身体が揺すられるとか」
カミさん:「。。。全然」
ボク:「酔いそうな感じとか、、、」
カミさん:「はぁ?意味わかんない」
まぁペーパードライバーでクルマ音痴な彼女から期待できる感想はこんな感じなのですが、ボクがあまりにも根掘り葉掘りしつこく聞くものだから、しまいには「何なの?一体」とキレられてしまい、ことの経緯を説明させられました(^_^;)。すると
カミさん:「アンタみたいなヲタクと違って、
皆がクルマに詳しいワケじゃないんだから、酷いこと書いたりするんじゃないわよ。大人の対応をしなさい!」
と釘を刺されてしまいました(爆)。
以上の通りで、少なくともCX-8の乗り心地に関しては、ライターが書いたような「何も知らずにパッと乗って『これ、酔う』と言われる」ような乗り心地ではないと言えるでしょう。
さて、パッセンジャーの乗り心地に関する評価が聞けたところで、ライターが指摘し、ボクも確認した車体の揺れですが、その正体は
フィードバックです。d(^_^)
一般道でも高速道路でも、鏡のように凹凸のない滑らかな路面というのは無いワケで、小さなアンジュレーション、路面の継ぎ目、ペイントの段差など、路面状況は様々です。そして最近のマツダ車は、こういった路面状況をちゃんとドライバーにフィードバックするように仕立てられています。
小さな段差なら小さなショック、大きな段差なら大きなショック、段差の有る無しに留まらず、その大小までもが解るようなフィードバックです。
つまり車体が揺れるのは道路がそのような状態だからであって、道路の状態が平滑になれば、当たり前ですが車体の揺れは無くなります。
まぁそれだけっちゃぁそれだけなのですが、文章でこれだけを読んで、路面状況を馬鹿正直に全部乗員に伝えたら不快だろうし、サスペンションの役割って何なのよ?とか突っ込まれそうですね(苦笑)。
だから同乗者の印象を先ず最初に紹介したのですが、路面からのフィードバックを潤沢にドライバーに伝えながら、同乗者には不快感を与えないような味付けにはちゃんと仕立てあります。
我が妹がくしくも「固めの乗り心地」と評したのがコレで、特段クルマに詳しくない彼女は、路面状況を逐次伝えてくる足を「固め」と理解したのでしょう。これは実は、みんカラのCX-8オーナーのレビュー記事を見ると、同様の感想を複数のオーナーが書いているのを見つけることができます。
足が固いのではなくて、
路面状況のフィードバックなのです。d(^_^)
CX-8のオーナーで「乗り心地は固め」と評している方は、このブログを読んで「路面状況を包み隠さずドライバーに伝えているだけで、別に足が固いワケではない」という意識でハンドルを握ったら、きっと「ふむ、なるほど!」と思う人は何人も居るでしょう。
ボクはホンダのTYPE Rを15年以上も愛車にしていた関係もあって、この路面からのフィードバックがあり、それ故に乗り心地が犠牲になっているクルマに慣れていました。しかし普通の人wは路面状況を逐一伝えてくるのは、乗り心地が悪いと感じるモノです。義妹もTYPE Rの後席に座ったときには「乗り心地が悪い」と言っていましたから(苦笑)。
そんなボクが最新のマツダ車に乗って関心したのは、サーキット仕様と言えるホンダのTYPE Rと遜色ないフィードバックをドライバーに与えつつ、乗り心地にもちゃんと配慮がされていたこと。シロート考えでは、乗り心地に配慮して足を緩くすれば、それに伴ってフィードバックも希薄になると思うワケ。
ただマツダが目指す乗り味と、この乗り心地はどうやら相反する関係にあるようで、アテンザも初期のモデルは乗り心地が辛かったと多くの声があったようです。その後の改良モデルでこの乗り心地の辛かった部分が見直され、今のボクの愛車がそうですが、特に高速道路の継ぎ目を通過するときのハーシュネスは旧型比で劇的に改善しました。他方でハンドリング等の運動性能的にはスポイルされている点はあまり感じません。
そして今回のCX-8ではその辺りが更に進化していて、フィードバックはアテンザと変わらず、乗り心地にはもう一段の進歩が確認できました。これはマツダの第7世代で投入する「人間の潜在能力を活かす」というモノですが、第6世代のハードウェアに第7世代の考え方(チューニング)を反映して6.5世代と言っているらしい、その効果はちょっとビックリものでしたょ(^_^;)。
さてそろそろまとめましょう。
前回のブログでも紹介した通り、人馬一体とはドライバーの操作とクルマからのフィードバックによる対話の成立が肝なので、クルマからのフィードバックに伴う「車体の揺れ」は確かにあります。
しかしここで重要な点は「車体が揺れること」が乗り心地にどう影響しているか?であって、極論すれば
車体が常に激しく揺れていたとしても、乗員がそれに全く気付かず不快感が無ければ、別に揺れること自体が悪ではないでしょう?という話。
そんなことは普通はあり得ないと思うでしょうけど(笑)。
この「車体の揺れ」にだけ着目して、それが「悪い」と決めつければ、例の
変なライターが指摘した「だからマツダ車はダメなんだ」という結論に無理やり持って行くことも出来る(苦笑)でしょう。
路面からのフィードバックを完全に遮断してしまって、路面が荒れていようが滑らかだろうが快適な乗り心地のクルマ、ボクは乗ったことはありませんが、シトロエンなんかはそういう乗り心地なのかもしれませんが、そんなクルマが好きな人は、今のマツダ車の乗り心地には、もしかしたら違和感があるかもしれません。
更にドイツ車のように、路面からのフィードバックは適度に残しつつあるレベルで遮断して、路面状況やドライバーの技量に左右されずにガシッと安定して誰でもどこでもそつなく走れちゃうクルマが「良いクルマ」と信じている人には、今のマツダ車の「ドライバーが失敗するとクルマから失敗したと判るフィードバックが返る」ことに違和感を覚える人も居るでしょう。
件のライターはどうも欧州車信奉者wのように見受けられ、欧州車基準でクルマの判断をしているようですが、先のブログで紹介した通り、マツダは後追いは止めたと宣言しているワケで、彼らの得意分野の基準で比べて気になる点が色々出ることはあったとしても、そもそもマツダ自身が今、そういう点を無くそうとか、そういうアプローチをしてないワケだから。(^_^;)
とは言えクルマ造りのアプローチがどう違おうと、商品が市場に出てしまえば使われ方は欧州車だろうが国産車だろうが同じです。比べてどうか?という話は常に付いて回ります。
そして試乗記ってやつは所詮は書いている人の主観なので、他人がとやかく言える代物ではありません。むしろ多くの人の共感が得られるか?参考になるか?という点が重要です。
ボクのようなシロートが勝手に書いているブログと違って、少なくとも自動車メディアに載るんだからw
例の試乗記に共感を覚えた人も居たようですが、ボクが知りうる限りではその人たちは全員欧州車オーナー、というのは恐らく偶然ではないでしょう(苦笑)。
ただ、国産車オーナー、更には最新のマツダ車を良く知るwマツダ車オーナーのボクから見れば、書かれている内容は全てデタラメ、と言い切ってしまえるほど酷い内容で、恐らくCX-8のオーナーの中には憤慨する人も少なくないと思います。
ということで、CX-8の乗り心地に関する汚名は十分にそそいだと思いますので、
変なライターの記事の問題点については次回、明らかにしようと思います。