
気持ち的には、CX-5人気の快、とか書きたい気分です。漢字変換の誤変換じゃないですよ(笑)。
CX-5が好調だという。日本だけでなく世界的にも。
3月の国内新車販売ランキングで29位だったが、4月にはなんと19位!もっとも4月は3月に比べて期末の駆け込み時期を過ぎたせいか全体に低調。CX-5に関して言えば3月4,640台で29位なのが、4月は2,427台で19位である。ちなみにトヨタの86が2,760台で17位。
CX-5の月間販売目標は1,000台であり、発売一ヶ月で8000台を受注したとか、3月、4月の販売台数も計画を大幅に上回っている。何より、国内新車販売のトップ30において、マツダではデミオが唯一の常連である一方、それ以外の車種ではプレマシー、アクセラが稀に登場するに留まっている。もっとも今の販売台数がこのレベルに留まっているのは、完全に生産能力が追いついていないことが理由であり、生産能力が十分なら更なる上乗せが可能であろう。
赤いファミリア以来の人気とか、ボンゴフレンディ以来の納車待ちとか、関係者にとっては喜ばしい話ばかりであるし、マツダが社運を掛けたというSKYACTIVをフル塔載したクルマが市場に受け入れられたのはボクにとっても嬉しい話。
しかし、、、である。
一体、この人気はなんなのだ?と、ボクの中でイマイチ消化不良であったりする(^_^;)。
別にボクの腹の中はどうでも良いことなのだが、ブログネタとしてツラツラと書いてみる。
先ずは
怪①:SUVなのに?SUVだから?
CX-5はスモールSUVにカテゴリーされる、、、のかな?このサイズでスモールというのは違和感120%なのだが、まぁそれはイイでしょう。世界的には、ホンダのCR-VやトヨタのRAV-4などが大変な人気で、ドイツ勢のVWもティグアン、BMWもX1やX3など、結構な競合が存在する状況。
一方、日本市場においては一時期の人気は既に陰り、不人気車とまでは言わないが、そうそう数が捌ける車種ではない。ボクが以前UPした過去10年の
新車販売TOP30で見ても、人気は日産のエクストレイルやジュークくらいである。ただ逆に、両車共に平均で月2,000台以上を売っていることから、魅力があればこのくらいは売れるということなのだろう。ただ、エクストレイルとジュークを両方とも同じSUVと括ってしまうのは如何なものか?エクストレイルはまぁ、らしいSUVと言えると思うが、ジュークは"SUVだから"というのとは違う評価軸で人気があるように思えるから。
いずれにせよ、SUVだから売れる、という市場環境では無いのだからCX-5が売れている理由はSUVだからということでは無いだろう。むしろSUVなのに売れている、と評価した方が良さそうだ。少なくとも日本市場においては。
怪②:フルSKYACTIVだから?
これも違うだろう(苦笑)。マツダのファンとしてはフルSKYACTIV第一弾は待望のデビューであったろうが、残念ながらマツダは日本市場においてはマイナーなメーカーである。ましてや「すかいあくてぃぶ」なるキーワードは、クルマ好きならまだしも、一般には「なに?それ??」であろう。そのワケのわからないキーワードの頭にFULLという接頭語が付いたところで、なんぼのもんじゃい?である。
マツダのディーラーでは、大分お客さんの中にSKYACTIVというキーワードが浸透してきたと言っていたが、それが理由で売れているというのは、ちょっと言い過ぎな気がする。
どう思います?(^_^;)
怪③:ディーゼルだから?
日本の市場に、少なくとも乗用車の分野においてはディーゼルの市場は無かった。現実問題として商品が無かったワケで、潜在需要はあったのかもしれないが、であればパジェロやエクストレイルのディーゼルがもっと売れても良さそうなもの。メルセデスEクラスのディーゼルモデルも然り。ディーゼルが欲しい、乗ってみたいと思いながらも商品が無くって悶々としていたユーザーが、一斉に飛び付いた、というのはちょっと飛躍した考えのように思う。
しかし、実際にマツダが販売比率を半々と読み、月間500台を目標としていた。それが蓋を開けたら8割以上の人気であり、受注台数もひと月で8,000台、今は5月だがもう年間販売目標の達成は確実で、目標は大幅上方修正という状況である。
やはり人気の牽引役はディーゼルモデルであると考えざるを得ない。しかし前述の通り、多くの人が新世代のクリーンディーゼルを待ち望んでいたとは考え難い。
となると、結局のところ、以下のようなことなのではないか?というのがボクの予想。
要するに、マツダのSKYACTIV-Dは日本市場、日本の多くの消費者にとって、全く新しいエコ・パワーユニットとして受け止められたということではないか?
なんせ、日本の乗用車市場においてディーゼルモデルが無くなって久しい。CX-5のディーゼルモデルを買うほとんどの人が「初めてのディーゼルエンジン」ではないのか。
トヨタのハイブリッドは燃費性能に特化したヘタレ(笑)ガソリンエンジンにモーターを組み合わせて動力性能的には一人前のパワーユニットにしつつ、燃費は飛躍的に高めた。新しい動力源と言えなくも無いが、中身を見ればガソリンエンジンは搭載している。
ホンダのハイブリッドも似たようなものだが、こちらはエンジンをモーターが助ける仕掛けであり、逆に言えばモーターがいつヘルプしているのか判り辛い。
結局、同じガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムながら、トヨタがより多くの支持を得たのはご承知の通りだが、結局トヨタのハイブリッドには従来のエンジンとは異なる新しさ、ユーザーに判りやすい新しさがあった。これが両車の違い。
で、マツダのCX-5だが、ガソリンモデルとディーゼルモデルがラインナップされているということは、当たり前だがディーゼルモデルはガソリンエンジンを積んでいないことは明らかだ。
形式が異なっても同じエンジンである。が、燃料が違う。しかも安い燃料で走る。更に乗り味が全く異なる。ガソリンモデルと比較すれば格段にパワフルである。
エコカーというと燃費は良いが走りはイマイチというイメージがある、と良く言われるが、仮にそうだとすれば、安い燃料が使えてガソリンエンジンより燃費が良く、しかもガソリンモデルより数段パワフル、というのは今まで市場には存在しなかったパワーユニットである。
ということで、
全く新しい動力源を持ったエコカー、と捉えられたとするならば、世の新しいモノ好きの人たちが飛び付いたとしても不思議はない。
結局、そーゆーことなのかな?なんて思っているのだが、どうなんでしょうね(^_^;)。
とりあえず欠点らしい欠点も今のところは想定出来ず、次のアテンザ、つまりはセダン、ワゴンにも塔載されれば消費者にとっては選択肢が増えるわけで、他社の追随があってもそこそこ人気は継続しそうな気がする。
遠からず「ディーゼルのマツダ」なんて思われるようになるのかしら?ロータリーではメジャーにはなれなかったけれど、ガソリンエンジンではなくディーゼルでそんな評価が得られるようになったら、それはそれで喜ばしいことなのだろうけど。