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タッチ_のブログ一覧

2017年08月26日 イイね!

SPCCIとSKYACTIV-R

SPCCIとSKYACTIV-R衝撃のSKYACTIV-X(第二世代SKYACTIV-G)の発表から少し時間が経って、このニュースもすっかり影が薄くなった感がありますが、ボクは未だにワクワクしています(笑)。

2018年末から2019年初頭に掛けてSKYACTIV-Xを搭載した次期アクセラがデビューするのはマツダが明言したので確定ですが、モデルライフから考えれば、その半年後くらいに次期デミオ、更に半年前後後に次期CX-3が出るハズで、ボクの妄想wでは、その後あたりに

アクセラに搭載したSKYACTIV-Xのシリンダー容量をそのままに、2個足して6発にした直6をボンネット内に縦置きして、後輪を駆動する次期アテンザが出るんじゃないかなー♪♪

なんて考えてたりするんですが、どーなんでしょー?玉谷さん!ww

まぁそれはそれとして、今日の話題はSKYACTIV-Rについて。

一昨年のモーターショーで発表されたRX-VISIONはハリボテwでしたが、魂動デザインの進化の方向性を示すと共に、タイトル画像の通りでマツダはいつか、こんなスポーツカーを出したいと考えていて、そのパワーユニットはロータリーエンジンにしたいんです!と宣言したワケですねd(^_^)。

RX-VISIONの美しいスタイリングも合わさって、その主張は多くの消費者の共感を得たと思うのですが、、、勿論ボクもね(^_^;)

しかしながら、ロータリーエンジンを最新の燃費規制、排ガス規制に適合させるのはもの凄く大変というのがボクの当時の認識で、しかもマツダの社内情報なんか得られるワケもないので、これらの難問をどうやって解決するのか、否、そもそも本当に解決可能なのか?には大いなる疑問(というか興味)を持っていました。

因みに当時、このことに関連して書いたブログは以下の三本。

2015年10月06日:マツダスポーツコンセプトに見るRE搭載車復活の可能性
2015年10月15日:REヲタの勝手なロータリーエンジン復活のシナリヲw
2015年11月18日:RX-VISIONに見たマツダのブレイクスルー


まぁ3本目はパッケージングとスタイリングに関する話題なのでアレですが、2年前に少なくともボクが集めた情報を考察した限りでは、外部の人間にはわからないマツダの内部で何か画期的・革新的なブレイクスルーが成らない限り、数年の内に動力源としてのロータリーエンジン搭載車が市販されるなんて無理だろうと考えていました。

当時のマスコミは「ロータリー復活のキーテクノロジーはHCCIだ!」なーんて騒いでましたが、当時レシプロエンジンでも実用化出来ていないHCCIをロータリーで実現するなんて、夢物語もイイところなんじゃないの?なーんて、冷めた目で見ておったワケです。

と・こ・ろ・が、、、d(^_^)

そのマツダがHCCIを実用化しちゃったワケですね(笑)。
そうすると、2年前にボクが書いていた事は、前提条件が変わってくるワケです。d(^_^)

マツダがCI(圧縮着火)を可能とした独自のSPCCIという燃焼方式は、果たしてロータリーエンジンに応用が可能なのか?もし可能であれば、クリーンで省燃費なロータリーエンジンの復活には、大いに期待が持てることになります。

勿論ボクは専門家ではないので(^_^;)、限られた情報からアレコレ考えても的が外れている可能性は大いにありますが(爆)

SPCCI燃焼はロータリーエンジンにも十分に応用が可能なのではないか?

という風に見ました。

まだSKYACTIV-Xの最初のエンジンの排気量も圧縮比も、エア供給機能と称されるスーパーチャージャーもどきの中身も何もわからないのですが(苦笑)、少なくともマツダは

スパークプラグによってCI(圧縮着火)の制御に成功すると共に、かなりの広範囲でCIを可能にした

と言っています。例のエア供給機能もCIを成立させる領域を高負荷域に拡大させるためのモノに見えます。つまり負荷が高まって燃料の噴射量が増えてくると自然吸気では空気量が足りなくなって空燃比が30対1を下回ってしまう。混合気が濃くなるとプラグで制御出来ずに火が点いちゃう(つまりノッキグンが起こっちゃう)のかはわかりませんが(^_^;)、マツダのこの資料からすると
燃料の増量に伴ってEGRと圧縮空気を加えることで、CI領域を高負荷域まで広げたと言っています。

つまり、かなりCI燃焼に関するノウハウが蓄えられたことが明らかですが、結局のところそれって混合気の組成、温度や圧力といったCI成立条件に関するノウハウなのではないでしょうか?

であるならば、円形シリンダーではないロータリーハウジング内に於いても、このノウハウは活用可能なのではないか?と思えるのです。

なぜならば、従来のSI(火花点火)燃焼は炎の伝播によって混合気が燃えていたため、燃焼室の形状の違いから円形シリンダーの燃焼メカニズムは全く応用が利きませんでした。

しかしCI(圧縮着火)燃焼は条件さえ整えば燃焼室内の混合気は一斉(同時多発的)に自己着火するワケで、そこに燃焼室形状に由来する流体力学的な炎の伝播などは関係ありません。

更に高圧縮比による圧力上昇でCI成立条件を満たそうとするなら、ピストンリングに対して気密性に劣るであろうロータリーのアペックスシールやサイドシールで、果たして圧縮比18なんてロータリーエンジンが作れるのか?なんて疑問もあったのですが、エア供給機能の活用や、プラグ点火によるエアピストンで高圧・高温を作り出す制御ノウハウがあるのなら、後はロータリーで同様の制御が可能となるように、実験を繰り返せばいつかはモノになるのでは?という期待感が今はあります。

というワケで、SKYACTIV-Xの発表を受けて、SPCCIによるロータリーSKYACTIV-Rが実現するのでは?と、今はお考えて期待しているボクであります。

但し!d(^_^;)

先ず手を出す次の愛車のパワーユニットはSKYACTIV-Xの直6が第一候補なんですけどね(苦笑)。
Posted at 2017/08/26 21:41:09 | コメント(1) | トラックバック(0) | SKYACTIV | 日記
2017年08月18日 イイね!

マツダの次期エンジン戦略

マツダの次期エンジン戦略前回ブログでマツダにとっては主流ではない電動化については述べたので、今回は主流のエンジン戦略について。先日の発表をみるまでは、マツダは現在市販しているSKYACTIVの第一世代に対して、第二世代のエンジンが完成したら順次入れ替えていくものだと思っていました。

ところが開発に成功した新型ガソリンエンジンにSKYACTIV-Xなる新しい呼称を与えると共に、タイトル画像のチャートのように、第一世代のSKYACTIV-Gも引き続き現役でラインナップしていくことを示しました。

因みにSKYCTIV-G2.5には気筒休止を組み込んでSKYACTIV-G upgradeと呼称しています。

そうなるとこちらとしては、SKYACTIV-GとSKYACTIV-Xをどう棲み分けるのか?とか新たな疑問が湧くわけですが、SKYACTIV-Xもまだ概要が説明されたばかりで、初搭載がアナウンスされた次期アクセラに搭載されるエンジンの排気量すらハッキリしません。

実は発表資料ではSKYACTIV-Xの排気量が何ccなのかは判らなくしてあるのですが、1頁だけ(P38)SKYACTIV-X 2.0と表記してあって、少なくとも試作エンジンに2000ccがあることは伺えます。

冒頭で述べた通り、第1世代から第2世代に順次置き換わっていくのであれば、第1世代のラインナップが基本的に踏襲される筈で、1.3L、1.5L、2.0L、2.5Lの四基は少なくとも登場するだろうと言えます。

と・こ・ろ・が、、、(^^;

SKYACTIV-Xの概要が発表される以前、マツダの人見さんが再三「アップサイジング」を提唱していた事実、ディーゼルですが、SKYACTIV-D2.2に次いでD1.5を開発した際に、排気量の縮小に伴って落ちる熱効率を補う設計が必要と言われた事実などを勘案すると、もしかしたらSKYACTIV-Xの小排気量エンジン(具体的には1.3Lや1.5L)は実現難易度が高いのかもしれません。

勿論、現時点で新型エンジンは開発に成功したばかりなので一種類(恐らく2000ccのみ)しか存在せず、他の排気量への展開はこれから(開発)となるワケですが、今現在我々が知らないなんらかの技術的ハードルが存在するなら、SKYACTIV-Xは2L四発以上、それ以下はSKYACTIV-Gの改良型、なんて未来も、あるのかもしれません(^_^;)。

ただしもし仮に小排気量エンジン実現にハードルがあったとしても、それは将来解決される可能性も十分にありますから、今の段階で「SKYACTIV-Xの小排気量エンジンは出ない」なんて邪推してもしょーがない話ですが、解決すべき課題があるならそれを解決するための時間が必要で、必然的にデビュー時期が遅くなる、ということにはなります。

この辺の話はSKYACTIV-X搭載のアクセラがデビューして詳細が明らかになれば、きっと色々と判ってくるでしょう(^_^;)。

一方で二本柱のもう片方であるSKYACTIV-Dについては、2020年以降の登場が正式にアナウンスされました。ガソリンエンジンの第二世代より遅れての登場となります。

第一世代は開発途中からガソリン・ディーゼル同時デビューに計画変更したという話を聞いていますが、恐らく第二世代の開発にあたっては、第一世代ディーゼルの競争力の高さから、ガソリンの世代交代の優先度を上げたと想像していますが、実際問題としてSKYACTIV-Dについては第二世代と言えるような改善ポイントについては、ガソリンエンジンのときのHCCIみたいなヒントがほとんど無いため、どのような進化が図られるのか全く想像が出来ません(^_^;)。

その第一世代も、ナチュラルサウンドスムーザー、DE精密過給制御といった細かな進化が図られていて、目に見える進化が無かった第一世代ガソリンエンジンとは状況が違います。

ところで世間では、ディーゼル人気の高かった欧州での大気汚染問題と、VWのディーゼルゲートのダブルパンチで、ディーゼルエンジンにはもう未来はない!みたいなことを言う人も居るようですね(苦笑)。

今のマツダの強みは技術面で言えば競争力の高いエンジンの開発に成功したことですが、弱みとしてはコアとなる市場が無いこと。これもかつて藤原大明神がインタビューで明かしていますが、欧州、日本、中国、アメリカ、ASEAN、5つの地域で市場規模がほぼ同じという点です。どこかが大きければ小さい市場を捨ててそこに注力する選択肢もありますが、ほぼ同じとなると簡単には捨てられません。しかもそれぞれの市場に特化した商品を用意する体力も無いことから、世界統一仕様で勝負しなければなりません。日本では大き過ぎるアテンザも米国では普通wだし欧州ではCDセグメントとしては大き目(ほぼEセグメント並み)なんてことが起こるのはそういう事情なワケですが、エンジンをガソリンとディーゼルの双方を持っているのも、同じ事情です。ディーゼルが無ければこれまでの欧州市場で戦えなかったというワケです。

その欧州がディーゼル離れの動きに出るとするとマツダとしては辛い展開になるのですが、その辺はどう考えているのか?というところには興味があります(笑)。

前回ブログで紹介した通り、欧州と欧州メーカーは急速にPHEV化の流れがありますが、マツダも2021年以降にはPHEVを出す心積もりなので、一応この動き(流れ)に対するカウンターは用意しています。
他方でディーゼルエンジンの第2世代をその1年前に市場投入する算段ですが、欧州メーカーですらディーゼルエンジンに及び腰になっているこのような情勢下で引き続き、ディーゼルエンジンで勝負するつもりなのか?

ここで忘れてはならないのが、SKYACTIV-Dの競争力の高さです。

欧州ではディーゼル車の都市部への乗り入れを規制する動きがあるようで、十羽一絡げに一律ディーゼル車が禁止となるようならマツダにも辛いところです。しかしながら規制の目的が大気汚染の抑止であるならば、排ガスがクリーンなマツダ車は規制対象から外れる(免除される)可能性も十分にあります。そうなればディーゼルエンジンに魅力を感じる消費者がマツダを選ぶ動きに出る可能性も出てきます。

仮にもしそう遠くない将来、ディーゼル車が市場から無くなるとしても、その動きは
・規制当局からの締め付け
・不利益を被りたくない消費者の離反
・技術的課題を解決できないメーカーの撤退
といった動きが同時並行で進んだ結果でそうなるのであって、そのスパイラルが進行する時間軸というものは当然あります。そしてその過程でマツダのSKYACTIV-Dが残存者利益を得ることは十分に考えられます。

これは一にも二にもSKYACTIV-Dの競争力の高さ、より正確に言えば排ガスクリーン性能の高さが成せる技です。

ボクの私見ですが、ディーゼル離反の動きは結構急であったため、マツダの中長期計画にその辺の事情を十分に織り込み切れなかった可能性はあると思います。もしかしたら実行レベルでPHEVのデビューを少し早めて、第二世代SKYACTIV-Dのデビューを遅らせる、なんて優先順位の付け替えはあるかもしれませんが、その辺は別に臨機応変に対応すべきことなので問題でもなんでもありません。

そして、市場のヒステリックな反応はそれ(笑)として、CO2削減(地球環境保護)という大命題を睨めば、ディーゼルエンジンの必要性(需要)はそんなに短期間では無くならないという読みもあるのだろうと思います。

そしてその読みにある程度の自信が持てるのも、他社が苦労している排ガス浄化性能をいち早く達成した技術力の勝利と言えるのではないでしょうか?(^_^)b

具体的な方法はともかく、二律背反の関係にあるNOxと煤が問題となるディーゼルエンジンに於いて、浄化が難しいNOxの発生をそもそも抑えた上で、煤は発生しても外に出さずに捕獲してしまうというコンセプトが、発生するNOxは浄化する/そのために必要な高価な浄化装置を搭載するという他社に対して、性能面でも価格面でも勝利したワケですからね。

そのSKYACTIV-Dの第二世代、どんな部分が改良されていくる可能性があるのかは、
このチャートくらいしかヒントになる情報が無いのですが、実は二代目CX-5のすべて本「新型CX-5のすべて」に人見さんのインタビュー記事が載っていて、その中で

「ディーゼルは既にガソリンよりも平均的には薄く燃やしているのですが、局所的に見れば濃いところと薄いところが散在していて、濃いところではススなどが出て燃費も悪くし、やや薄いところでNOx(窒素酸化物)が出ています。」

と語っていて、これが一般の最新のディーゼルのことを言っているのか、第一世代SKYACTIV-Dにもこの問題があるのかはハッキリしません。その後の文章で

「燃えるまでにしっかり混ぜてNOxが出ない程度の薄さを広くつくれればいいわけです。混ざる前に火が点かないようにするために圧縮比を下げたのがスカイアクティブ・ディーゼルです。」

と続いているので、第二世代に向けた改善ポイントのヒントではないかもしれませんが、どこをどう改良してくるのか全くわからないが故に楽しみですね(笑)。
Posted at 2017/08/18 19:39:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | SKYACTIV | 日記
2017年08月15日 イイね!

クルマの電動化とマツダの戦略

クルマの電動化とマツダの戦略先日、マツダが発表した「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」は内容盛り沢山だったため、ボクがもっとも注目する次世代ガソリンエンジンSKYACTIV-Xの話題以外にも、色々とネタには事欠きません(^_^;)。

今日のネタは最近注目度が急上昇しつつも、マツダにはあまり関係ないw電動化の話題(^_^;)。

あまり関係ないと言い切っちゃっていますが(苦笑)、マツダは別に電動化をしないと言っているワケでもないですし、全車両を電動化するとも言っていません。どーもこの電動化に関して、内燃機関をとことん追求しているマツダがなんらか言及する度に、ヤルと言えば「内燃機関一筋じゃなかったの?」とか、ヤラないと言えば「内燃機関一本で大丈夫なのか?」みたいな、ゼロかイチかの議論しか出来ない人がヒジョーに多くて困ります(苦笑)。

実は電動化に対するマツダの取り組み姿勢、今回発表になった内容は昨年12月に藤原大明w…専務執行役員殿がインタビューに答える形でほとんど暴露wwしているので、何も新しい話題はなかったのですが、、、(^_^;)。

要すれば、

・マツダの内燃機関を極めていく姿勢は今後も微動だにしない
・しかしながら世界的な電動化の流れを背景とした各国の規制に対しては対応せざるを得ない

ということなのですが、結局のところなぜ燃費規制が厳しさを増していくのかは地球環境保護の大命題が根っこにあって、電動化は飽くまで温暖化ガス(CO2)削減の手段のひとつでしかありません。その手段を取るには技術革新やら社会インフラの整備やら、必ずしも自動車メーカーだけでは対応し切れない様々な課題があるワケですが、そういった現実を踏まえた上で、動力源を内燃機関からモーターにシフトさせることが本当に温暖化ガス削減に有効かつ現実的な手段なのか?というのが論点としてあります。

これにマツダなりの考え方と対応方針が公式に示されたワケですが、このWell to Wheel視点は別に目新しいモノでも、マツダ独自の考え方でもなく、この環境問題に自動車メーカーが取り組む際には本来は絶対に外してはならない視点です。

既に述べた通りで、本来の電動化は飽くまで手段であって目的は温暖化ガスの削減なのですが、最近世間を賑わせているニュースは良くありがちな手段が目的化しちゃっている風に見えて、ボクは結構冷めた目で見ています(^_^;)。

そんな中で示されたマツダの電動化に関する考え方、取り組み姿勢は実に「地に足が付いている」という印象が強いのですが、きっとそれはボクがマツダファンだからとか思う人も居るのでしょうね(苦笑)。

まぁそう思いたい人は勝手に思っていればイイのですが、今日、話題に取り上げたいのはこの電動化に関連した欧州の規制の話です。

昨今、欧州メーカーが相次いでPHEVを発売しているのはこの欧州規制が深く関わっている(というか原因そのものw)のですが、それに加えて最近、フランスが2040年にガソリン車、ディーゼル車の販売禁止を打ち出し、イギリスもこれを後追いしました。

欧州の燃費規制は2020年以降、CO2排出量を95g/km以下にせよという厳しいモノですが、日本人に解り易い燃費性能に換算すると、現在のEUモードでガソリン車24.4km/L、ディーゼル車が27.5km/Lだそうです。これが日本のJC08モードになるとガソリン車30km/L、ディーゼル車が34km/Lくらいになるそうで、なるほど確かに厳しいですね(苦笑)。

こういった規制が敷かれることが判っているので各自動車メーカーは燃費性能の向上に必死になっているワケですが、実は欧州規制にはカラクリ(抜け道かw)があって、PHEVだとこのハードルを比較的簡単にクリアできるのです。d(^_^)

こういった規制(圧力や補助金などのインセンティブ)などは、政府(政治)が社会(国家)をある思惑に沿って動かすための手段です。日本でもエコカー減税やら補助金などでハイブリッド車が急速に普及しました。

何が言いたいかというと、こういった規制の中身が良い(好き)か悪い(嫌い)かは様々な意見があるでしょうが、一旦施行されれば世の中はそっちの方向に動く(流れる)ワケで、まぁなるようにしかならないし、なるべくしてなる、という世界です。

ボクは欧州の社会の温暖化ガス削減への非常に強いモチベーションがどこから来ているのか?がいまいち理解出来ていない(^_^;)のですが、従来のエンジン車にほとんど達成不可能なくらいのハードルを課す一方、PHEVにすれば非常に緩い燃費計算式が適用されるとなれば、メーカーは当然PHEV車のラインナップ拡充に走るのは自明の理です。

ここでマツダが言及したWell to Wheelの議論に戻るのですが、PHEV車の普及が進めば本当にCO2排出量は減るのか?という疑問がひとつd(・・)。

既に市販されている複数のPHEV車の実燃費を少し注視していたのですが、トヨタのプリウスの実燃費を上回る物は皆無に近く、良くて同レベル、悪いと燃費性能に優れたコンパクトカーの純エンジン車と大差ないくらいです。

無論、予め充電したバッテリーが枯渇しない短距離の使用のみとなれば燃料を全く燃やさない(CO2排出はゼロ)となるのですが、全く逆に予め充電をせずに普通のガソリン車のような使い方をされてしまうと、普通のハイブリッド車程度の燃費性能しか出ません。つまり購入したオーナーの使い方ひとつでどっちにも転んでしまう危うさを秘めています。

しかし、こういった規制を上手く使わなければ内燃機関から電動化車両へのシフトはなかなか進みません。純電気自動車ではないものの、モーターとバッテリーを搭載したクルマが多数、開発されれば、モーターの高効率化、バッテリーの軽量化や容量拡大、低コスト化といった技術革新が促されることになります。

つまり規制当局が短期的に温暖化ガス削減効果が限定的でも、中長期的にはEVシフトが促進されるように仕向けるために、戦略的にPHEV車に対する規制への抜け道を作ったとすれば、これは非常に理解し易い話ではあります。

ではありますが、ここで二つ目の疑問d(・・)。
PHEVは予め充電しなくても走りますが、折角なので充電する人も当然居るでしょう(笑)。そんなクルマが急速に普及したら、それに伴って増加する電力需要に対して、欧州各国の発電能力は大丈夫なんでしょうか?

そう考えれば、いきなりEVに行かずに間にPHEVをカマして、普及に伴って増える電力需要の推移を見ながら発電能力の増強を段階的に進めていく、なんてシナリオは現実的とも言えます。もしPHEVの充電による電力需要の増加が危機的状況になったら「充電禁止」の号令を掛けても消費者は困りません。これがEVだったらクルマが使えなくなるのでそーはいきませんけどね(^_^;)。

こんな風に考えるとフランスが2040年には内燃機関の販売を禁止するという政策は、そこに至る今後23年間はPHEVをカマせるシナリオとセットであるならば、なかなかに周到なプランに見えます。なぜならば、、、

こちらの図は、国際エネルギー機関(IEA)が公表している2014年のデータを下に作成した世界の発電供給量割合ですが、フランスを見て下さい。
石炭、石油による火力発電量は既に全体の1割を切っています。つまりフランスでは自動車が全てEVに切り替わればクルマが排出するCO2がそっくりそのまま無くなる一方、発電によるCO2の排出も既にわずかとなっており、電力供給量を増やすために火力発電所を増やすなんてアホなことwさえしなければ、温暖化ガスの削減を達成できます。しかも図を見ると判る通り原子力発電の比率が非常に高いですが、他国を見ると脱原子力に動く国は多いです。わが日本も震災による原発事故の教訓から稼働している原発は少なく、原子力による発電量は非常に少なくなっています。
フランスの原発推進派(笑)からすれば、温暖化ガス削減の命題をダシに使って原発の維持・推進を図るには、そう遠くない将来にクルマをEVシフトさせるという政策は実に都合が良いとも言えます(苦笑)。

他方フランスの動きに追随したイギリスですが、発電供給割合を見るとまだ6割以上を火力発電に頼っており、フランスとは事情が全く異なることが判ります。この発電供給割合を自然エネルギーなど温暖化ガスを出さない方式に変えていかなければ、早い話がEVシフトしてもCO2を排出するのが個々のクルマから発電所に変わるだけ(苦笑)で、温暖化ガスの削減はフランスのようにはいきません(^_^;)。

ってな具合にフランスとイギリスの二国を取り上げても事情は全く異なるワケですが、一律PHEV推奨/内燃機関に厳しい規制なんか敷いちゃって、欧州(メーカー)は大丈夫なんでしょうか?というのも大いに疑問(^_^;)。

ちょっと振り返っても、温暖化ガス削減の大命題で年々燃費規制を厳しくする一方、欧州はディーゼルの排ガス規制が日本や米国に比べて相対的に緩かったワケです。結果燃費性能に優れるディーゼルが大量に普及しましたが、それが引き金になったと思われるパリやロンドンなど都市部の大気汚染は深刻なようですね。

これはそういう規制によってなるようになった結果です。そりゃそーですわな(^_^;)。

逆に日本や米国は過去の公害の教訓やら、某元都知事のパフォーマンスwやらで、排ガス規制を緩める(より正確には、厳しくしていくペースを緩める)ことをしなかった結果、ガソリンハイブリッドやら、本当にクリーンなwディーゼルの登場といった技術革新を促しました。

欧州の厳しい燃費規制+PHEVの抜け道w、という政策にディーゼル普及と大気汚染みたいな、同じような轍を踏んでしまうようなアラは果たして無いのか?なーんて思っておるワケです。今度は大丈夫なんでしょうね?とねd(^_^;)。

そして欧州メーカーは当然、足元の欧州域の市場に向けてPHEVの普及に励むワケですが、世界は欧州だけではありません(笑)。上図を見れば発電の大半を火力に頼っている国も多く、自動車の普及自体が拡大中の国もあります。PHEVやEVに注力するのも結構ですが、そういった国で内燃機関のクルマの普及がもし急拡大したときに、純内燃機関の燃費性能が劣っていたら、温暖化ガス削減には貢献できませんよ(苦笑)。

つまり、温暖化ガス削減という命題に対して、欧州や先進国だけ見ていては判断を間違うんじゃないの?とか思ったりもするワケですね。大体、各国の発電事情なんて自動車メーカーがどうこう出来る話じゃありませんし。

こんな風に視野を広げてみると、
・マツダが内燃機関の効率改善を最優先
・電動化技術の導入を段階的かつ適切な方法で
というのが、イチ自動車メーカーが取り得る、取るべき施策として、実に地に足が付いているように見えるのです。
Posted at 2017/08/15 18:57:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | SKYACTIV | 日記
2017年08月09日 イイね!

SKYACITV-Xの衝撃

SKYACITV-Xの衝撃昨日マツダが発表した衝撃の第二世代SKYACTIVガソリンエンジン、SKYACTIV-Xですが、ニュースリリース以上の情報は秋の東京モーターショーまで得られないと思いきや、発表会資料が存在することを読者wが昨日のブログのコメントで教えてくれて、無事に入手することができました。

もげ.さん、anm6さん、ありがとうございましたm(_"_)m

プレゼン資料は投影用で解説などの文章が記載されていないので、絵を見て想像wするしかなかったのですが、今日になって発表会の様子を紹介するメディアも出てきて、SKYACTIV-Xの概要を大分、理解することが出来ました。

SKYACTIV-X、こりゃとんでもないエンジンですねぇ(*^^*)

マツダの長期ビジョンも話題が盛り沢山なのですが、今回はSKYACTIV-Xに絞って話題は二つ。

①世界中の自動車メーカーが「難しい!」と実現できなかったHCCIを、マツダはどうやって実現したのか?そのブレイクスルーの方法。

②マツダが実現したSPCCI方式によるエンジンの性能は如何に?


①は多分にボクの個人的な興味ですが、技術的な興味や知識の薄い人にはそもそも何が凄いのかが解らない(苦笑)でしょうから、まぁ読み飛ばしてくれてもイイですょ。

上記で紹介した記事に藤原大明・・・w、専務執行役員の解説が載っていますからそちらを読んで頂くとして、ボクが注目していたのはCI(圧縮着火)の制御方法と可能範囲。何しろガソリンの混合気を圧縮して着火するのって常にノッキングを起こさせるようなもので制御が難しいと専門家は口を揃えてきました。どのメーカーでも研究段階ではHCCIを実現出来ていたのでしょうが、自動車のエンジンは様々な状況で色々な使われ方をします。特定の運転状況でのみHCCIが成立するだけでは全く使い物にならないワケですが、負荷状況やら燃料性状が異なる様々な地域など、想定し得るあらゆる状況下で完全に燃焼を制御出来なければ商品になりません。正にここがHCCIエンジンの実用化を阻んできた壁なのですが、マツダはどうやってブレークスルーしたのか?

その具体的な制御方法が

『SPCCI(Spark Controlled Compression Ignition/火花点火制御圧縮着火)』

と命名され、紹介されました。
なんとスパークプラグの火花も制御因子のひとつとして利用することにしたようです(^_^;)。

昨日、今日の間で既に誤解が広がっているwようですが、SPCCIではCI(圧縮着火)を制御するためにプラグの火花を使う、つまり燃焼方式はCIでもプラグから火花は飛ばしているって話(^_^;)。

こう書くと技術音痴wな人はきっと「なんだよ、圧縮着火とか言いながらインチキかよ!?」と食いついて来そうですが、そういうア〇な輩はもう放っておきましょう(笑)。

藤原大明神wの説明を引用すれば、

「スパークプラグを有する構造となることを逆手に取り、『スパークプラグを圧縮着火(CI)の制御因子、コントロール手段として活用する』という考えにより、一部の冷間時をのぞくほぼ全域で圧縮着火(CI)燃焼の実現を可能にしています」

具体的には

「スパークプラグの点火による膨張火炎球が、まさに第2のピストン(エアピストン)のように燃焼室内の混合気を追加圧縮し、圧縮着火(CI)に必要な環境を実現しています。」

ということで、シリンダー内でCI(圧縮着火)が生じる環境に整える最後の一手として点火プラグを用いると言っています。そしてこの点火プラグによる制御というのは長年培われてきた制御技術であり、これを応用することによって

「このスパークプラグの点火時期を制御することで、圧縮着火(CI)を拡大し、またSI火花点火燃焼との切り替えをスムーズにでき、完全に制御された圧縮着火(CI)、火花点火(SI)を実現することができました。」

と説明されています。制御の難しかったCI(圧縮着火)を制御可能にした上で、その成立範囲も拡大し、更にはCIが成立不能な条件でのSI(火花点火)燃焼への切り替えもまでもシームレスに実現と、正にブレークスルーですね(^-^)。

で、これらのブレイクスルーによって成立条件が狭いと言われていた圧縮着火領域がどれだけ増えたかというと、、、、
凄いですょね、これって(^_^;)。
グラフには正確な数字の記載がありませんが、横軸のひと目盛を1000rpmと仮定すると、4000rpm以下であれば軽負荷から高負荷までCI燃焼で運転できることになります。乗用車の利用では4000rpm以上回すのは稀ですから、マツダが「ほぼ全域で」というのも眉唾ではなさそう(笑)。これ、ライバルメーカーのエンジニアが見たら目が点になってるんじゃないでしょーか?A^_^;)
今回の発表で点火プラグを制御因子に組み入れたことに加え、EGRの利用は勿論、CI成立領域の拡大にオゾンを使うのが有効という研究結果もありましたが、全ての努力が遂に実を結んだってところでしょうか。

因みにですが、このCI(圧縮着火)を制御するためにプラグの火花を使う方法は、以前のブログでも紹介しましたが、MAHLEというエンジニアリング会社(?)のJet Ignitionと似ています。

このJet Ignitionの技術は現在のF1エンジンに応用されているらしく、F1界隈では「セミHCCI」とか呼ばれているのですが、Jet IgnitionもSPCCIも点火プラグを制御因子として活用しているという共通点があるのは面白いですね。

加えて昨日のブログで疑問に思ったエア供給機能についても謎が解けました(笑)。具体的な構造はまだ判りませんが、点火プラグのみならず、CI成立条件を完全に制御するためでしょう、資料には高応答・エア供給機とありますので、一般にはスーパーチャージャに分類される機構と推察できます。少なくともターボチャージャを使った過給機構ではなさそうですね。



さて、続いて②です。

マツダが世界中の自動車メーカーに先駆けてCI(圧縮着火)方式のエンジンの実用化に漕ぎ着けたというのは、ファンにとっては大変嬉しいニュースなワケですが、ユーザーにとってはこのエンジンがどのような価値(性能)を提供してくれるのか?が何よりも重要です。

解り易い指標で言えば第一世代SKYACITV-Gに比べて燃費性能で20%向上とか、トルクが全域で10%以上、最大30%向上とかありますが、もし本当ならwこれも凄いことです(笑)。

実はボクがずっと注目していた点は燃費ではなくCIによってエンジンが発するトルクがいかばかりなものか?という点。

ボクの愛機でもある第一世代のSKYACTIV-Gは、軽負荷時の燃費向上策としてバルブ制御によるミラーサイクル運転をします。しかしこの時のトルクがさほど大きくないことから、ちょっとした負荷の上昇でオットーサイクルに切り替わってしまうため、燃費向上効果が限定的という弱点がありました。特にBLアクセラに初搭載されたSKYACTIV-G2.0とSKYACTIV-DRIVEの組み合わせでは、時速60kmというピンポイントで微妙に燃費に美味しい領域から外れてしまい、なかなか燃費が伸びなかったというのはボクの実体験としてあります。なのでこの領域を上手に外してあげる(具体的には速度を少し上げてエンジン回転数をちょっと上げる)と、平気で1~2割ほども燃費が向上したのですが、この件をマツダが知ってか知らずか、BMアクセラがデビューした際には最終減速比を下げるという手を打って解決を図っています。

こういった経緯もあって過去にSKYACTIV-DRIVEの課題と称してブログも二本ばかり書いたのですが(其の一其の二)、SKYACTIV-Gが第二世代に進化した際に、果たして同様の課題があるのかないのか?軽負荷時にHCCIを実現して燃費を高めるといっても、その運転状態でのトルクが小さければドライバーはアクセルを踏み過ぎてしまうため、軽負荷から中負荷以上に移行してHCCIからSIに切り替わってしまうのではないか?

プラグの火花が伝播して混合気が燃えるSI燃焼に対して、CI燃焼は混合気全体が一斉に一瞬で燃えるため、より大きなトルクが出るのでは?と予想はしていました。しかしながらCI燃焼時の空燃比は理想空燃比(15弱)に対して倍の30にすると、シリンダー容量が変わらなければガソリンの量が半分になる理屈です。SI燃焼よりCI燃焼の方がトルクが大きいといっても、そもそもエネルギーの源となる燃料が半分になってしまったら、相殺されてトルクが増えないことも考えられます。

また、マツダの人見さんが雑誌のインタビューで「混合気を理想空燃比の倍まで薄くすればトルクは半分になるから排気量を倍にする」という趣旨でアップサイジングを提唱していたこともあり、非常に気になっていた次第。

しかしながらこればっかりはいくら気にしても製品が登場しなければどーなるのか判りません(^_^;)。

で、蓋を開けてみたら?ですが、CI燃焼でスーパーリーンバーンの筈なのに、全域で10%以上のトルクアップというのだから驚きです。エンジン技術者が理想の燃焼方式というのも頷ける話ですね。少ない燃料にも関わらずプラグ点火方式よりもトルクが出て、しかもNOxがほとんど生じないとは正にイイこと尽くめです(^_^)。しかも、、、
この燃費の良い領域(目玉)の広さはどーしたことでしょう(苦笑)。

ボクはかつて書いたブログで現状6速のSKYACTIV-DRIVEの更なる多段化を提唱しましたが、それは上記の通り第一世代SKYACTIV-Gの性能を6速では引き出し切れていないのでは?という疑念があったからです。別に多ければ偉い!みたいなスペックオタクな発言ではありませんょww
しかしこのチャートが示す性能が本当なら、別に6速のままでもイーじゃん?とさえ言えます(苦笑)。

マツダはこの新型エンジンに対して、SKYACTIV-Xという新たな名前を与えました。

しかしこのロードマップが示す通り、
これはガソリンエンジンであるSKYACTIV-Gの第二世代です。
本来ならSKYACTIV-G2と命名するのがもっとも自然だった筈。

更に言えば、このチャートは「ガソリンもディーゼルも理想の内燃機関を追求していくと、将来的には同じになる(ひとつに収れんする)」ことを示しているので、SKYACTIVが第三世代に進化したときにSKYACTIV-Xなる新しい名前が付く方が自然だと、ボクは思っていました。

しかしマツダがこのタイミングで新たな名前を与えた真意は恐らく、出来上がった第二世代SKYACTIVガソリンエンジンが、このチャートを作成した2010年より以前のマツダ自身の想定を遥かに超える良いエンジンに仕上がったから、ではないかと予想しています。

単に燃費性能を追求したエンジンではありません。追求したのはあくまでも効率であって、結果として燃費性能を大幅に高めながら、しかし動力性能も同時に高めています。これは画期的と言って良いでしょう。

ということで、このエンジンが次期アテンザに載るのを待って公約通りに愛車を取り換えることは確定しました(笑)。願わくば、このSKYACTIV-Xが3L超の直六となってボンネットに縦置きで収まり、後輪を駆動するクルマになることを祈るばかりです(^_^;)。
Posted at 2017/08/09 18:47:52 | コメント(4) | トラックバック(0) | SKYACTIV | 日記
2017年08月08日 イイね!

第二世代・名付けてSKYACTIV-X

第二世代・名付けてSKYACTIV-X遂に発表になりました。第二世代のSKYACTIV-G(ガソリンエンジン)。

それをマツダはSKYACTIV-Xと名付けました。

※因みにタイトル画像はSKYACTIV-G2.5Tなので、SKYACITV-Xじゃないですよ(笑)。だってまだ公開されておらんし(^_^;)。

マツダのリリースで公開されている情報が今日時点での全てですが、かつての妄想wと重ね合わせて、更に妄想が膨らみます(笑)。

HCCI (Homogeneous-Charge Compression Ignition:予混合圧縮着火)の実用化についてマツダは常々公言してきたワケですが、今回初めて正式発表です。ニュースリリースでは圧縮着火Compression Ignition(CI)を世界で初めて実用化と高らかに宣言しました(笑)。

しかし専門家の間ではHCCIの運転領域の狭さが実用化に向けた大きな課題である点は常識で、これに対するマツダの回答は

マツダ独自の燃焼方式「SPCCI(Spark Controlled Compression Ignition)」(火花点火制御圧縮着火)

と言います。要はCI(圧縮着火)とSI(火花点火)を運転(負荷)状況に応じて切り替えるようですが、これをシームレスに行うというのも凄い技術です。

更にニュースリリースを読んで気になった点がいくつか。。。

エンジン単体の燃費率は現行の「SKYACTIV-G」と比べて最大で20~30%程度改善はマツダが常々言っていた目標性能なので、特に驚きはありません。目標達成お見事!というところ(^-^)。

注目点は現行の「SKYACTIV-G」に比べて全域で10%以上、最大30%におよぶ大幅なトルク向上というところ。

CIによって可能となる超希薄燃焼では理想空燃比の倍となる薄い混合気となるため、どのくらいのトルクが出るのかが非常に気になっていました(^_^;)。理屈で言えばガソリンの量が半分になるワケで、単純にトルクも半分に減るの?という点。一方で燃焼室内の混合気が一斉に、一瞬で燃えるというCIの燃焼方式だと、PI方式との対比で生じるトルクは変わらないのか、増えるのか?

この疑問はニュースリリースを読んだだけでは解けなかったのですが、その理由は

圧縮着火(CI)によるこれまでにないエンジンレスポンスの良さと、燃費改善目的で装備したエア供給機能を活用し、現行の「SKYACTIV-G」に比べて全域で10%以上、最大30%におよぶ大幅なトルク向上*3を実現。

*3 現開発段階におけるマツダの測定にもとづく。


マツダのリリースより転載ですが、エア供給機能って?w

マツダの人見さんはエンジンに過給器を付けることを全く否定しておらず、将来的に(当時の文脈だと第3世代辺りから)過給器を付けることはほのめかしていました。しかしその目的は超希薄燃焼のため、空気過剰率を高めるためであって必ずしも高出力や高トルクを目指したものではなかったという話でした。

そして不確定情報ながら、第二世代のSKYACTIV-Gでは過給器に頼らず、自然吸気のまま圧縮比を18:1程度まで高めて、、、なんて話だったのですが、上記に転載した文章をそのまま受け止めると、第二世代からなんらかの過給器を装備しているようにも伺えます。ターボなのかスーパーチャージャなのかは現時点では判らないですが、、、(^_^;)。

ただ過給器を装備するならトルクアップするのは理解し易い話です。この辺りの事情が個人的に興味津々なワケですが、単純に「ターボ」とか書かずに「エア供給機能」とか言われちゃうと、、、ねぇww

という具合にニュースリリースを読んで妄想は更に膨らむばかり(苦笑)ですが、この辺りの仔細な情報は、早くても秋の東京モーターショーまで出てきそうもありませんねA^_^;)。

秋まで眠れない夜が続きそうです(苦笑)。
Posted at 2017/08/08 16:30:12 | コメント(4) | トラックバック(0) | SKYACTIV | 日記

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