
i-DMのティーチング機能は、ドライビングサイクル毎に“ドライバ及び同乗者が気持ち良くかつ環境にもやさしい運転”がどの程度出来たかを5.0点満点で評価する。
獲得したポイントはアベレージポイントとして記録され、アベレージポイントが4.8以上を5回のドライビングサイクル、維持すると、ステージが上がる。
工場出荷時は1st、2nd、3rdステージの3段階だが、特定操作を行うことによって4th、5thステージの5段階に切り替えられる。ちなみに5thステージが最高難易度とJDFのNews記事にあったが、ボクには正直なところ、ステージが上がって何が難しくなるのか良くわからない(^^;)。
スコアはi-DMインジケータの青ランプが点くと加点、白ゲージが点くと減点されることが多いのは、昨日のブログで記載した通り。
但し、スコアはこれらと同時に躍度(辞書で調べたが出ていなかった。「乗車員が車の挙動により強制的に体を動かされる頻度」のこと)が多いと減点されるため、調子に乗って加速と減速を繰り返していると高いスコアは得られない。
以上を踏まえ、高得点を獲得するには。
1.走るコースを選ぶ
自分が良く知っており、走り慣れたコースを走ること。交通量、流れる速度、信号のタイミング、左右折車の多さなど、走行環境が良くわっていて、自分が走り易い、自分のリズムで走れるコースが高得点が出し易い。当たり前のことだが、運転環境が良好であれば、それだけ気持ち良く走れる道理。
2.複雑な路地など、曲がりくねった道は避ける
緑ランプを点けっぱなしで、どんなに丁寧な運転をしても、入り組んだ路地等を長時間走ると、減点される可能性が高い。ショッピングセンターの屋内駐車場のような場所も同様。相当丁寧に走っても、-0.2くらいは覚悟しなければならない。これが多分、躍度の判定で減点されていると推察出来る。
コースを選ぶことと同様だが、減点が避けられない場所には近づかない。
「そんなこと言っても・・・」という方もいるだろう。住環境によってはどうしても避けられないコースもあると思う。例えば自宅が複雑な路地の先であるとか。そのような場合は、細心の注意を払いつつ、丁寧な運転で難所をクリアするしかないが、例えばいつも通っている裏道がそのような場合、しばらくはあえて早めに幹線道路に出るとか、とにかく難易度の低いステージを選ぶことが高得点を得るには有効ということだ。
コース選定の次は、そのコースの走り方だが、
3.車間距離を十分に取る
どんなに精通した走り易い道路でも、貴方ひとりで走っているワケではない以上、周りのクルマの動きに必ず影響を受ける。例えば前走車のブレーキランプが点灯したら、多くの場合、こちらも減速を余儀なくされる。前走車のブレーキランプに条件反射のように反応してペダルを踏み変えると、まず丁寧な操作は不可能。ということは、周りのクルマの動き、変化に「即応しなくても良い」状況に自分を置かなければならない。これが早い話、車間を十分に取る事となる。
4.自分のリズムで走る
交通環境の中で、自分勝手に走れといっているのではない。貴方も含めて交通環境なのだから。
信号に従い、クルマの流れに乗って走るわけだが、あくまで主導権を自分に置く。つまり「先読み」をして、先手先手で運転することだ。前のクルマがブレーキを踏むのは、信号が変わるとか、その前のクルマが左右折のウィンカーを出したとか、何かがある筈だ。信号の変化は歩行者用信号の点滅等で察知が出来る。前走車の左右折も、ペースの変化から予測することも可能。減速させられる前に自分から減速する、受動的ではなく能動的に運転することによって、自分のリズムで加速、減速が行える。
まるで安全運転のアドバイスのようだが、まさにその通りなのだ(^^)。
続いて、具体的な運転操作について
5.発進、加速のとき
しなやかな加速だが、その加速の度合いはドライバーが身体で、その加速Gを覚えこむことが一番だ。だが、それだけだとこんなブログを書いている意味も無いので、ボクが発進のときにやっている操作について紹介したい。
まず、信号待ちから発進のとき、目の前の信号が青に変わる前にブレーキペダルを緩めてエンジンを始動する。青と同時にブレーキをリリースすると、クルマはクリープで動き出す。動き出すと直ぐに緑が点灯するので、そこで間髪を入れずにアクセルを”じわり”と踏む。この”じわり”が過ぎると白が点くので注意。適切な踏み込みによる加速が得られると、エンジン回転数2000rpm少し手前でランプが緑から青に変わる。後は2200rpm辺りでシフトアップする程度にアクセルペダルを維持すると、60km/hまで、ほぼ一本調子で加速していき、ずっと青が点灯したままとなる。
このように上手く発進出来た場合のしなやかな加速で、一度だけだが一回の加速で0.5加点されたことがある。0.1から0.2は確実に加点される。
ここまで上手くいかない場合でも、同様に発進して2000rpm強で2速にシフトアップ、2速で2000rpmに届く辺りで青が点灯することもある。この場合、アクセル一定だと4速にシフトアップしたときに青から緑に変わってしまい、そのまま加速を続けるとまた青になるという動きをする。青を点け続けるには最初に緑から青に変わった後、ややアクセルを踏み増してやる必要があるが、そうすると回転数は2500rpmから3000rpmまで引っ張ってからシフトアップするようになる。
ボクの中では、そこそこ上手くいった加速となっていて、こちらの方が成功率が高い。
交通環境によっては、アクセルを踏み増せず、青を点け続けることが出来ない場合もある。ただ、そんな場合でも、一瞬でも青になったとして、とりあえずは良しとする。青の持続に拘って加速を続けると、前走車との車間が詰まってブレーキで失敗するリスクが高まる。急なアクセルOFFでも白が点くこともあるので、青で得た加点を失う可能性も高くなる。
6.減速、停止のとき
減速も加速と同様に、丁寧なペダル操作でスムーズに減速Gを立ち上げ、ある程度以上の減速Gを発生させると青が点灯するのだが、この”ある程度の減速G”の見極めは結構、難しい。まして、身体に覚えさせてコンスタントに出来るようになるには時間が掛かる。失敗を繰り返せば高得点は難しい。
そこで、以下の方法を取ると比較的、難易度が低く、コンスタントに青を点灯することができる。
減速Gはさほど強くなく、ペダルを踏んでも緑のままで構わない。但し、そのペダル踏力を維持し減速Gを一定に保つのだ。減速Gを維持しながら速度が低下していくと、ある一定時間の後に青が点灯する。
猿渡主査曰くの「減速G一定できれいに停める」である。クルマが停止するまで青のまま、停止後、しばらく青が点ったままとなり、後に消灯すれば完璧である。
しかしこの、減速G一定できれいに停めるのは、別の意味で意外に難しい。停止線の遥か手前で止まってしまったりすることもあれば、停止線で止まり切れず、ブレーキの踏み増しを迫られることもある。ブレーキングを開始する速度や停止線までの距離によってブレーキの強さは変わるし、ブレーキの強さが弱ければ青が点かず、ブレーキが強すぎれば白である。前走車が居る場合には、自車の停止位置の見極めも難しい。減速は加速に比べれば難易度は高い。
7.旋回について
旋回でも適切な速度、ハンドル、アクセル操作で青を点けることは可能だが、先ずは加速、減速操作で丁寧な運転、しなやかな運転が出来るようになることを優先することを薦める。曲がる場合、これも教科書的ではあるが、スローインファーストアウトが基本である。十分にゆっくりな速度で進入し、ゆっくりとハンドルを切って、アクセルをやや踏み込みながら曲がることを意識する。そしてこのとき、青が点くことにはあまり拘らないこと。
加速や減速に比べて、旋回は遥かに頻度が低く、つまるところ反復機会が少ないのだ。その分、習熟には時間が掛かるため、先ずはアクセルとブレーキ操作の習熟を優先すると良いと思う。もちろん、少ないチャンスを有効利用するためのチャレンジも大切ではある。
個々の場面における操作は以上の通りだが、ドライビングサイクル全体を通じて心掛けていることは以下の通りだ。
8.ミスをしない
白のゲージをとにかく、点灯させないこと。今日のスコアが5.0のまま結構な時間、走行していても、急制動一発、白ゲージ2つも点ければ一気に0.2から0.4も減点される。2回、3回立て続けに白が点けば、あっというまに4.0以下まで減点されることもある。そこから5.0まで得点を戻すのは、結構大変である。
9.コンスタントに青を出す、でも拘らない
青を出せるところで、自然に青が点く運転が出来るようになること。但し、運転環境次第では、青が点かない、点いても維持できないこともままある。でも、青を点けることに拘ると、運転のどこかに無理が生じる。そのツケは必ず後に影響を与える。例えばクルマの速度や前走車との車間など。
その結果として白が点くような操作をしてしまっては、本末転倒な結果になり兼ねない。
一度の、青の点灯には意味は無い。可能なときに、いつでも青が点けられることこそが大切だ。
10.一定の速度を維持し、全ての操作をゆっくりと
最後に、そしてもっとも基本的なことだが、不必要な加減速を極力控え、一定の速度を維持すること。これは躍度の判定にも関係することだが、ドライバーや乗員に心地良い運転が、青が頻繁に点灯するような、加速や減速、旋回が繰り返される運転である筈がない。必要な加減速を終えた後は、速度は一定に保つべきだ。そして、必要なクルマの加速度変化は、操作をゆっくりと行うこと。アクセル、ブレーキ、ハンドル操作の全て。青も白も点かない状態となるが、これを維持すること。
i-DMで高得点を得る方法について、ボクなりの経験に基づいて書いてみたが、もしかしたら
「”高得点の出し方”みたいなモノで高得点を出すことに意味があるのか?」
などと考える人も居るかもしれない。
次回は、その辺について書こうと思っている。
結論を先に言ってしまうと、”
意味は大いにある”のだ。断言しちゃおう(^_^)。
だから、こんなアンチョコのようなブログも書いているし、アクセラやデミオのオーナーには是非とも有効に活用して欲しいと思っている。