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2020年07月10日 イイね!

マツダの気になる未来(2)

マツダの気になる未来(2)さて、マツダの方向性。


それは藤原副社長がかつてメディアで語っているのですが、自動車評論家の国沢氏は"面白くない方向"と断じているヤツ。


改めて語ると、今のマツダ車が目指しているのは人馬一体で、それは
・ドライバーの運転操作次第でクルマの動きが変わること
・各車毎にスイートスポットのようなものがあって、そこを外すと気持ち悪い反応がドライバーに返るように作り込んである
・スイートスポットにハマると気持ち良い反応がドライバーに返り(i-DMが青ランプを点けて支援)、ドライバーの意識がそこに向くと、ドライバーとクルマの対話が始まる
・ドライバーが操作(アクション)と反応(リアクション)を意識した運転になり、「操作」と「期待する反応」が一致してくると、運転という行為が俄然、楽しくなってくる(フロー理論の成立)

ってな具合です。ね?一言で説明できないでしょ?難解である所以です(^_^;)

ただ、この楽しさにドライバーが気付くと、非常に特徴的な反応が起こります。

その最たるモノは「スピードを出す、速く走る、といったモチベーションが下がる」こと。

運転の楽しさとかいうと「スピードを出す」ことと考える人は多いです。だから他の多くのメーカーのラインナップに於いても、大パワー、ハイスピードというヒエラルキーが存在します。エンジンがデカい、馬力がデカい、速く走れることが偉い、という価値観ですね。

ところがマツダ車の方向性(価値観)は、この一般の価値観には背を向けているのです。なぜならマツダ車に於ける「優れている」評価基準は「如何にしてドライバーの意のままにクルマが動くか」であって、そこに「スピード」という条件は無いので(^_^;)。

勿論、運転はスピードが上がれば難しくなる真理がありますから完全に無関係ではありませんが、スピードは飽くまで「出しても良い」であって「出さなくても良い」でもあるわけです。

だから今のマツダのラインナップに於いて、かつてのマツダスピードのような「大パワー・ハイスピード」を売りにするグレードが無いのは、今のマツダのクルマ造りの価値観にそぐわないから、という極めて単純な理由なのです(^_^;)。

で、です。d(^_^)

なんでその方向性を選んだか?その理由はもちろん企業の生き残りにあるワケですが、藤原氏の言に拠れば、
・一般的な高性能の価値基準(=速いのが偉い)で戦ったらドイツ勢の後追いに終わる(彼らの土俵で戦っても絶対に勝てない)という悟り
・初代ロードスター(NA型)という、ドイツ勢が後追いしてきたにも関わらず負けなかった独自の価値感が、実はマツダ自身の中にあったという気付き
・そのマツダの独自の価値基準が人馬一体であり、スピードという価値基準とは異なっていて、これを極めて行けば良いのではないか?という仮説

ということになるワケ。

要は彼ら(欧州勢)の土俵で勝負するのではなく、自分たち(マツダ)の土俵で戦って勝てた世界で勝負しよう、ということですよ。

だって初代ロードスターってスタビリティもアジリティも特段優れていたワケではなく、パワーだってハッキリ非力だったでしょ?(苦笑)
欧州勢含む他社が「オープン2シーターは意外に売れる!」と気付いて後追いしてきて、よりハイパワーでハイスピードで走れる商品が沢山、市場に出しましたけど、結局多くが消えてしまいました。

今、最新のNDロードスターに真っ向からぶつかるライバル車って、市場にほとんど無いですよね?

つまりロードスターは欧州勢を含む他社に負けずに生き残った事実です。
オープン2シーターという極めて趣味性の高い、まぁ大量販売が見込めない嗜好品のようなクルマが、です。

だったら・・・!

このロードスターと同じ価値観をマツダの全ラインナップに埋め込めれば、コンパクトもハッチバックもセダンもSUVも、他社がどんなのを出してこようが負けずに生き残れる可能性があるじゃないですか(^_^;)。

だから、

・パワーユニットは馬力を追わない。
・足回りを固めない。
・「速いこと」を売りにしない


クルマ造りとなるワケですが、これが昨日紹介した国沢氏などに言わせると「面白くない方向性」なんですね(^_^;)。

ここまで読んだ皆さんはどう思うでしょう?

国沢氏の言う通り、パワーがある、クイックなハンドリング、などの価値観は解り易いです。これは細かな説明抜きに、乗ってアクセルを踏む・ハンドルを切れば「おぉ!」となりますから、ゴニョゴニョ能書きを解説しなくても、まぁ誰にでも解ります。

実はマツダだってSKYACTIV世代の前は、世間一般に解り易いパキパキ(笑)のスポーティさを売りにしたクルマ造りをしていました。だからSKYACTIV以前からのマツダのファンは、そのスポーティさが気に入ってオーナーになった人も多いでしょう。そしてその頃の「人馬一体」はロードスターだけのもので、それ以外のマツダ車は人馬一体を売りにはしていませんでした。

そうSKYACTIV世代(正確に言えばSKYACTIV前夜となるCWプレマシー)から方向性を転換しているのです。

その以前と今現在の方向性の違い、そしてそれがオーナーに与える印象(インプレッション)の違いを、山本シンヤ氏が非常に解り易い比喩でこんな風に語っています。

MAZDA3にもの申す!「水ではなくてH2O。いいクルマなんだけれど、後味がなさすぎる」マツダ3 SKYACTIV-X 6速MTで長距離をドライブして感じたこと(Motor-Fan.jp)

曰く
・非常に抽象的で申し訳ないが「後味が薄い」のである。
・昔のマツダは先味……パッと見た印象はイマイチ(失礼)だったものの、乗ると「おっ、いいよね!!」「良く走るじゃない!!」と感じさせるような中味/後味の良さがマツダファンを獲得してきた理由だと記憶している。
・今は先味/中味はいいけれど、後味が……と逆転してしまった気がしている。

で、これは非常に示唆に富む表現だと思いました。

人馬一体「クルマがドライバーと一体となって、まるで手足のように」の理想を突き詰めていけば、理論的にクルマの存在感は消えるんです。だって自分の手足なんだから(苦笑)。
それによって得られるモノは有るのですが、一方で失うものもあって、山本シンヤ氏の言う「後味」などは、正に失ったモノのひとつで、それが「是なのか非なのか」ですょ。d(^_^)

だから昨日の国沢氏の主張などが出てくるワケです。

ここまでの解説を読めば、これまでの経緯や意図を無視してSKYACTIV以前に「先祖返りせよ」ということなので大本営wに言わせれば「何を馬鹿な!」なのですが、右か左か?ゼロかイチか?で議論してしまえばそうでも、今の方向性は是としても「商品の出来(仕上がり)としてちょっと行き過ぎでないの?」という捉え方であるならば、これば十分に検討の余地があるかもしれません(^_^;)。

ただ、ボクは昔のマツダスピードのようなグレードに「逃げる」のは、少なくとも今は上手くないと思いますけどね(苦笑)。

その理由は今日の長くなっちゃったので別途(爆)。

と、前置きが昨日のブログに続いて2本になっちゃいましたが、本題はここからです。マツダの今の方向性が何で、どういう経緯でそうなったのかは上記の通りで、最新の第7世代は現時点の理想形であると理解すれば、ボクは方向性には同意し、支持しています

しかしコンセプトに関しては是でも、その仕上りに関してはやや疑問符が付く点があって、その最たるパートはSKYACTIV-Xを含むパワーユニットです。

ハイ、本題(核心)については次回(苦笑)。
Posted at 2020/07/10 14:14:58 | コメント(3) | トラックバック(1) | マツダ | 日記

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