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2020年07月17日 イイね!

マツダの気になる未来(4)

マツダの気になる未来(4)前回ブログから一週間、空いてしまいましたが続きです(^_^;)。



過去3回を簡潔にまとめると


・マツダは然るべき理由があって、明確な意思を持って今の方向性でクルマ造りを追求していますが、それは一般には非常に解り難いものです。
・それ故に、自動車評論家の国沢氏などは「面白くない」「もっと面白い方向のクルマ造りをすべきだ」「マツダだったら出来るハズ」と指摘しますが、彼が云う「面白い」は「解り易い(=速いのが偉い)」という価値観なので、指摘は或る意味、真っ当というか有りうべし意見ではあるものの、今のマツダの方向性には相容れません。
・じゃぁ彼が「面白くない」という今の方向性「人馬一体」にどの位の勝算があるのか?が焦点をなるのですが、最新のMAZDA3を取り上げると、疑問に感じる点が無いこともない。


こんな感じでしょうか(^_^;)。

加えて、近年のマツダ車は徐々に価格が上昇傾向にあります。それはマツダ自身が目指しているところではあるのですが、そこに一抹の不安というか、リスクを感じます。

先ず商品云々以前の問題。

マツダが「マツダ・プレミアム」という言葉で説明した目指している姿は「お客様にとって特別な存在となり、ずっと選ばれ続けるブランドになりたい」であって、必ずしも高額商品のブランドになりたいワケではありませんでした。

もちろん、同セグメントの他社商品より多少高くても選んで頂ける、というのも目指す姿には含まれるのですが、丸本CEOはインタビューで「誤解された」と回述していますし、藤原副社長も最近は「値段を上げたいとは思っていない」と火消しに追われています(苦笑)。

これなどは明らかにユーザーコミュニケーションの失敗と言えます。

そして肝心の商品ですが、既にで紹介した通りマツダが追及している人馬一体って「乗れば説明不要で誰にでも解る」良さではありません。誰にでも解り易いのは「速い」「クイック」「凄い」という、マツダがその土俵で勝負するのは止めた領域のモノです。

「解り難い」ながらも、知れば面白さにハマる魅力があるのであれば、ちゃんと説明し、体験する機会を設け、その魅力を訴求すべきだと思うのですが、なぜかマツダはそれをしません。これもユーザーコミュニケーションの課題と言えます。

このような背景がある中で、それでも他社より少し高い、値引きをしないにも関わらず顧客に選んで貰うとしたら、一体何が必要か?
逆に言えば何が足りないと「高い」と言われるのか?ですよね?

先ず理屈(頭)で考えれば、
A.マツダ車にしかない独自、独特の何かがある
B.ライバルと比較して、マツダの方が優れている何かがある

この二つのどちらか、或いは両方があれば、顧客は多少は高くてもお金を出すでしょう。
もちろん自分の経済力の範囲内でw

逆に二つ共に無い、或いはあっても価格に納得できるほどの魅力が無ければ、財布の紐は緩まない道理です(^_^;)。

ここで初代CX-5を皮切りとした第6世代の魅力が何だったのか?上記のA.、B.を当て込んでみます。

マツダ車の魅力は、①SKYACTIVエンジン、②魂動デザイン、③人馬一体の走りが代表ですが、

①SKYACTIVエンジン…A⇒B
②魂動デザイン…B
③人馬一体の走り…A


となるワケです。

①SKYACTIVエンジンがA.⇒B.となっている理由は、初代CX-5登場当時、日本のディーゼル乗用車市場はほぼ壊滅していて、ディーゼルに乗りたい人にはほぼマツダ一択で競合が存在しなかったから。欧州ではそうではなく、日本でも追って輸入車を中心に選択肢が増えてきましたから、そうなると優劣の勝負になるのでA.⇒B.と変化したワケ。

②魂動デザインもマツダ独特のモノではありますが、エクステリアデザインというのはどんなクルマも持っているので(笑)、正にライバル比で優位性が問われるからB.です。

③人馬一体の走りは正に、(2)で解説した通り他社には無い独自のモノです。「運動性能とか操安性なんだから他社の優劣じゃないの?」と思う人は是非(2)を再読下さい。

さて、ここで改めて第6世代マツダ車の魅力を振り返ると、実は購買の決定を左右する重要項目は①と②であって、③が理由で購入に至る顧客は極めて少数(或いはほとんど皆無に近い)と考えられます。理由は既に述べた通りで③は解り難いから。デザインは一目瞭然だし、エンジンはスペックや試乗でアクセルを踏めば解ります。

第6世代トップバッターのCX-5がブレイクした理由のひとつにSKYACTIV-D2.2の魅力があったハズで、420Nmの大トルクでグイっと出る力強さはトヨタのハイブリッドなどの「エコカーとは燃費が良いけど走らないクルマ」という常識を覆すモノでした。しかも燃料が軽油で単価が安い。そして実際に購入した人の、長距離巡行で20km/Lを超える実燃費の口コミなど「低燃費で軽油は安く、しかも力強い走り」というのは誰にでも非常に解り易かったと思います。

他方、非常に解り難い「人馬一体」ですが、実はその魅力は丁寧な説明抜きでも一部の顧客に響く場合がありました。曰く「運転がし易い」「運転が楽しい」とオーナーが感じた場合です。

ということは、、、ですょd(^_^;)

第6世代マツダ車の3つの魅力は、、、

①SKYACTIVエンジン、②魂動デザイン…今現在マツダ車オーナーではない新規顧客に有効
③人馬一体の走り…既存の第6世代オーナーには有効


という事になるワケ(^_^;)。

だからマツダが「人馬一体」についていくらプロモーションをしても、第6世代のオーナー以外の人たちにはほとんど効果がない(=意味が無い。無駄な努力)でしょう。申し訳ないけど(^_^;)。
第7世代のデビューに先立って「人間が歩くように」とか一生懸命説明しても、そんなの全く響かないし、大体何を言っているのかチンプンカンぷですょ(苦笑)。

一方で①、②は丁寧な説明(能書きw)は不要で、今マツダ車に乗っていない人たちを惹き付けるには、とにかくこの2つが勝負です。

ではここで第7世代について、以上を踏まえて改めて考察してみましょう。

①SKYACTIVエンジン…B
②魂動デザイン…B
③人馬一体の走り…A
④上質なインテリアデザイン…B
⑤高い静粛性…B
⑥高品位なオーディオシステム…B


ってな感じでしょうか。注目すべきは、人馬一体以外は全部B.ということ。

そして旧型比で価格が上がりましたが、量販グレードは抑え気味ながら、XDと目玉エンジン搭載のXは思い切って価格を上げました。

結果「高い」「マツダは高級路線」という噂が広まりました。

そらそーですよね?単純に競合他社商品と優劣を比べるポイント全てで品質が上回っていても、それで価格が高かったら誰が見ても「高級路線」です(苦笑)。

特に第6世代の初期には売りじゃなかった④、⑤、⑥。ずっとレベルアップを続けてきたとはいえ、第6世代末期モデルと比べてもジャンプアップと言えるくらい良くなって、そして価格も上がれば、ねぇ(^_^;)。

こうして見ていくと「それでも新しいMAZDA3がイイんです」と思ってくれるか否かにおいて、既存オーナーが③人馬一体の走りの魅力がどの位、響いているかが極めて重要になってきます。

なぜなら、ウチのグループのメンバーなんか、価格に対する話題(不満)なんかほとんど上がらず「次もマツダ」ってみんな言ってるもん(笑)。なぜか?といえば、これも単純明快で、人馬一体がA.。これはマツダ車にしか無いんだもん(^^;。

というワケで、クルマ造りを一生懸命頑張って、品質を物凄く上げてきている今のマツダ車は、マツダの人が何を言おうが高級路線にしか見えず、今後Largeモデルで更に価格帯の高いモデルを出していけば、そのイメージは定着していくでしょう。それに伴って高級ブランドというイメージが上手く付いて来れば良いですが、それには販社の接客レベルとか、クルマ造り以外の課題も色々と付いてくることになるので、リスクは更に大きくなります。

更に加えて、昨今のコロナ禍です。

これのせいで世界中の経済がズタズタになりました。恐らく景気は後退して、戻ってくるまで数年掛かるでしょう。景気後退局面で、既に高級ブランドと認知されていれば需要は逆に底堅いですが、高額路線で既存オーナーを置いてきぼり(付いて来れない)商品展開なんかしてしまったら、下手をしたら大変なことになります。

このプレゼンテーションをそのまま受け止めれば、Largeモデルは今のラインナップの上に乗っかるような価格レンジの商品になります。
イメージとしては現行CX-5(300~400万)が、CX-50(400~500万)って感じでしょうか。
もしコロナ禍がなければ、それでも一定数の既存客は付いてきたでしょうし、新たな顧客の獲得も出来たでしょうが、今のこの状況で、新型コロナウイルスがいつ終息するかも景気回復も不透明で、同じようにはいかないんじゃいか、とか。

他社との決定的、かつ唯一の差別化要因である人馬一体の魅力に対する既存客への訴求にほとんど手が付いていない状態で、イケイケドンドンで高額商品を出していって、本当に大丈夫なのか、というのに、ボクは今、凄ーく心配しているワケA^_^;)。
Posted at 2020/07/17 23:59:10 | コメント(0) | トラックバック(0) | マツダ | 日記

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