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タッチ_のブログ一覧

2012年04月29日 イイね!

改めてM/T車の魅力とは?

改めてM/T車の魅力とは?MT車が日本市場で復権するか?について長々と書いてみた(苦笑)。

市場の要求、メーカーの思惑、様々に考察してみたが、今日はボク個人のMTに対する今の想いを整理しておこうと思う。

以前にも一度ブログに書いているが、ずっとMT車を乗り継いで来る一方で、ボクは恐らく多くのMT愛好家とは少し異なる想いを抱いていたと思う。

曰く「MT車は『クルマを操る実感がある』とか『MT車の方が運転が楽しい』等の意見には、正直同意はしかねた、ということ。

ところが、アクセラを買いSKYACTIV-DRIVEを普段の足として使い始め、たまにNSXを転がすようになると、彼らが言っていた事がなんとなく、腑に落ちてきた。

確かに今でもMTを操ること=クルマを操る実感、という点には疑問というか、同意しかねる想いはある。別にMTの操作が上手だからといって、クルマの運転が上手とは言えまい。クルマを操る要素は他にも有り、MT操作よりも重要であり難しい操作もあるのだ。

だが、要は単なる表現の問題。伝え方もそうだが受け取り方の問題なのだろう。

シフト操作よりブレーキやステアリング操作の方が重要だし難しい、と言ったところで、シフト操作上手く出来なければクルマの動きはギクシャクしてしまう。ゼロかイチか?の話ではない。

そして現実問題として一般道を転がしている限りにおいては、クルマをスムーズに加速、減速させるためのシフト操作の頻度は少なくなく、それらがバッチリ決まるか否か?は運転の技量を印象付ける大きなポイントにはなるだろう。


MT車の楽しさ、って何だろう?

NSXを転がしながら最近、自問自答しているのだが、自分なりにはこういうことだ。

先ずは自動でないこと(笑)。いゃマジで(^_^;)、SKYACTIV-DRIVEが如何に優れていようとも、やはり完全にあらゆる場面で思い通りに動作してはくれない。ほとんど、そう95%とか98%くらいは全く不満も問題も無い。しかし2%とか、場面によっては5%くらい自分の期待に沿わないことはある。
ユーザーの使い方は様々だし、これをゼロにすることは本質的には不可能であろうし、ゼロにならないからといって批判するにも当たらないだろう。ボクもデメリットなどとは考えていないし、むしろ特性としてどう使いこなすか?どうにも制御が期待に合わない場面では潔くマニュアルモードにしてしまうとか、対処の方法はあるのだ。

コレに対し、MTはそもそも手動なわけなので、自分の期待に沿わないシフトチェンジはある筈が無い。発生頻度はゼロである。もちろんそのために操作の手間はある(苦笑)のだが。

次に手動のクラッチがあること。正確には足動かしら(苦笑)。
こいつはある意味厄介な存在。スムーズな発進・変速のためには巧みに操る必要があるのだが、逆に切るも繋ぐも、ゆっくりスムーズにとかスパッと素早くも自由自在である。要はドライバー次第。
この操作はクルマの動きにダイレクトにハネる。失敗すればショックがあったりギクシャクしたりする一方で、一連の動作が完璧にシンクロすればショックは皆無でスムーズにギヤが切り替わる。失敗すればショックがある操作がショック無く出来たとき「やたっ!」と心の中でニヤリとしてしまうのは、人間としては普通の反応であろう(笑)。

そしてやはりシフト操作でしょう。
Hパターンのゲートに沿ってレバーを前後左右に動かす、ただそれだけなのだが、これがなかなか心地良い。特に俗に「シフトフィール」と呼ばれるこのシフトレバーの動き、操作感が良好だと、本当に意味も無く操作をしたくなることもある。
これは梱包材のプチプチを指で”プチッ”と潰す快感に、きっと相通じるものがあるのだろう。やりだしたら止まらない、というアレである。

また、シフトフィールとか言うところの操作感、より具体的に言うと、クラッチを切ってレバーをニュートラルにし次のゲートに導くと、レバーがゲートに入る際にやや抵抗がある。この抵抗がミッションとエンジン回転がシンクロした瞬間に喪失し、スッとレバーがゲートに吸い込まれるように入ることがある。言葉で書くと冗長だが、一連の操作と動きは1秒以下の一瞬のことである。
この一連の動きのメリハリ感というか、全ての動きがタイミング良くシンクロした時の操作感は真にMT独特のモノである。"コキコキ"やら"コクッ"とか"スコッ"なんて擬音で表現されるヤツですな。


自分としても意外だったのだが、この一連の操作感に比べると、最新のATのパドル操作はなんとも味気ない(苦笑)。速さを追求するなら絶対パドルシフトの2ペダルというのが明らかで、ボク自身十年以上前から熱望していた機能なのだが、いざ手に入れてみたら”なんか味気ないね”なんて思ってしまうのだから、人間なんて勝手なモノである(^_^;)。

このシフト操作の快感、、、をどう捉えるか。MT愛好家で在り続けるか、渋滞等の場面での煩わしさ始めイージードライブに価値を見い出しATに乗り換えるか、ここが正にそれぞれのドライバーの価値観であり、善し悪しの問題ではない。

今のボクとしては、幸いにして2台を所有できていることもあり、今後はやはり最新世代のAT車を選ぶのだろうが、NSXは手放さないと思う。

そして、これから免許を取って車に乗り始める人たちには、一度MT車を所有することは勧めたいと考えている。AT限定免許を取得してAT車に乗ろうとしている方にまで勧めようとは思わないが、限定無し免許を折角取ったのであれば、やはり一度は経験してみる価値はあると思う。

ボクはクルマに乗り始める前からクルマ好きであったが、実際にクルマを所有し今に至るまで、ボクのクルマ観の形成に、MT車は当然ながら大きな影響を与え続けてくれたと思う。スムースに走りたいとか速く走りたいとか、色々な想いを抱きながらステアリングを握ってきたが、そんな自分の期待に応えてくれたり拒まれたり。そんなクルマとのやり取り、対話の中に、MTというある種の原始的なドランスミッションがあり、これがなかなか手強かったのだろう。要は苦労が多かった分だけ、得るものもあったということなのかな?

そんな経験や得た知識や見識が、自分としてはそんなに悪くない、と素直に思えるから他人様にも勧められるということだ。



最後に、シフトレバーの操作感に伴うある種の感触というか、先にも書いたが最初は少し抵抗があるが、その後にスッと吸い込まれるように入るアレ、、、(^_^;)

その感触というか快感というか、なんか男性なら心当たりが、、、ありゃしませんか?(笑)

ジャンルの異なるブログなので、皆まで書きませんが。。。
Posted at 2012/04/29 00:12:28 | コメント(4) | トラックバック(1) | 自動車市場 | クルマ
2012年04月24日 イイね!

日本のMT市場は復活するか?(5)

日本のMT市場は復活するか?(5)本日の副題「日本市場におけるATとは?」

MTがテーマのブログに何ゆえATを?と言う無かれ(^^;)。

結論としては、完全に実用車として市民権を得た、ということなのだが、これを認識しなければMTが生き残る活路を見出すことは出来まい。

というのも、、、

ボクが免許を取得した1980年代当時、AT車は今ほどには普及していなかった。とは言えボクが四輪の免許を取る少し前から実家のオヤジの愛車は既にAT車であり、その普及は急速であった。

しかし、ボクを含め当時の若者の間ではクルマを所有することはステータスであり、皆当たり前のようにMT車に乗りたいと考えていた。誤解を恐れずに言えば、当時AT車に乗ることは一種の後ろめたさを伴った。AT車は運転に自信が無い人、もっと言えば運転が下手クソな人が乗るもの、といった雰囲気があったのだ。

つまり、この頃の若者は先ずMT車を購入することが普通であり、あえてAT車を選ぶことはある種の勇気や割り切りが必要、そんな時代だったと思う。
一方、若者以外でもAT車が趣味に合わず、MT車を明確に選ぶ人も周りには大勢居た。実際、電子制御ATがようやく登場した時代であり、実用性においてはMTに劣る点がいくつもあった。最たるものが燃費であった。

ところが、そんな時代はあっという間に過去のモノになった。振り返って見ると。

ボクが社会人になって5年と経たずに「AT車を選ぶのは運転に自信がない人」などという雰囲気は無くなり、同時にあえてMT車を選ぶ人を「クルマ好き」と決めつけるような空気となった。なるほど1990年には新車市場におけるMT比率は30%を切っている。

恐らくこの頃がターニングポイントだったのだろう。

それ以前はMT車は普通に選ぶもの。AT車はあえて選ぶもの。それがいつの間にかAT車が普通に選ぶクルマとなり、MT車は意図して選ぶもの、と立場が逆転したのだ。

この頃から、AT車は実用車としての立場を確立し、MT車はある種の嗜好品という認識となったのだろう。

AT比率の上昇(MT比率の低下)で述べたが、MT車の愛好家がなんらかのキッカケでAT車に乗り換え、AT比率上昇の要因になっていると書いた。なぜ?MT車を手放してAT車にするのか?ミッションの違いを除けば、両方共に同じクルマである。
MT車を降りてAT車に乗り換えるのは一般的であるのに、AT車からMT車に乗り換えるのはあまり一般的とは言い難い。この辺りに実用品と嗜好品の違いを見い出せるように思うのだ。でなければ、MT車の愛好家が行き着く先がAT車、ということの説明が付かない。

となれば、MT車が生き残る道は趣味性を強く前面に出すこと。より嗜好品としての色合いを濃くすることになる。ホンダのCR-Z、マツダのロードスター、トヨタの86、スバルのBRZなどが好例であろう。スズキのスイフトスポーツなども良き成功例であろう。

逆に言えば、そこまで趣味性が色濃くないクルマにMTの訴求力は期待薄となろう。AT車でも何ら不自由も不都合も無いのだから。

ここで誤解の無いように明記するが、ボクは何もAT車に趣味性が無いと断じているのではない。

たまたま買ったAT車にはi-DMなどという運転技術の診断システムのようなモノが付いていた。それをチェックしつつ運転をしていると、AT車だからといって運転が簡単などということは決してない。スムーズにかつダイナミックな運転をしようと思えば、ATだろうがMTだろうが関係無くクルマの運転は難しい。ということは十分に楽しめるということだ。

MT車が生き残る道として、ある意味実用性を捨てて趣味性に特化する、そういったクルマのキャラクターと合わせてMTをラインナップするのが打ち手のひとつと述べているに過ぎない。

しかし、こう考えてしまうと、やはりマツダのSKYACTIV-MTが日本市場に投入される可能性を見い出すのはなかなか難しそうだ。

ボク個人としてはフルSKYACTIVにSKYACTIV-DRIVEで十分に満足出来そうなのだが、こんなことを最後に書いてしまうと、読者に裏切り者!と怒られてしまうかな?(苦笑)
Posted at 2012/04/24 02:08:18 | コメント(4) | トラックバック(0) | 自動車市場 | 日記
2012年04月19日 イイね!

日本のMT市場は復活するか?(4)

日本のMT市場は復活するか?(4)あまりウケの良くない話題のようで。。。(苦笑)
コメントもあまり付かないのはいつものことなのだが、取り上げる話題が悪いのか、内容含めてボクの文章が悪いのか。。。(自爆)

貧弱な文才を呪うとしよう(^_^;)。

中途半端は主義じゃないし、途中で投げ出すワケにもいかないので、一頻り区切りが付くまで頑張ります♪

副題はお約束の「メーカーにMTをラインナップさせるには」だ。

コンパクトカーには比較的MTのラインナップが豊富だ。これには運転免許初心者を含めた、相応の需要があるとメーカーが考えているからだ。

一方、スモールカーより上のMTラインナップはほぼ壊滅状態。
コンパクトカーのボトムグレードにMT車をラインナップしているホンダ、マツダですら、1500cc以上のラインナップでMT仕様を用意しているのは、いわゆるスポーツグレードやスポーティーカーのみという惨状である。

つまり、メーカーはこのモデルレンジにMT車の需要は無いと考えているのだろう。

ボクもMT需要について検討してみたが、確かにここに需要がある、という仮説には辿りつけなかった。顕在化した需要であれ、潜在需要であれ、需要が見込めなければメーカーは商品を提供出来ない。
MT車が絶滅状態にある証左である。

これらのレンジのMT車は、完全に負のスパイラルに入っているのだろう。売れないから造らない。造られないから買いようが無い。この繰り返しでMTモデルが減少の一途という図式だ。

じゃぁ、どうすれば良いか?本日のお題である。


実は簡単だ。極めて簡単。先日のブログで予告した通り。

現在、過去のモデルの実績やら市場調査やらで「このクラスのMT車の需要は無い」とメーカーが判断しているとする。ならば、具体的な需要をメーカーに見せてあげれば良い

「ここにMT車の需要がありますょ♪」

という事実をメーカーが見付ければ良いのだ。その需要を取り込みたい、販売台数を上乗せしたいと思えば、メーカーはラインナップするだろう。

何をすれば良いのか?

ディーラーに行って「MT車をラインナップしてくれたら買いますよ」と言えば良いのだ。

ねd('-^*)

簡単でしょ?(笑)


ひとつ注意しなければならないのは、ただ営業マンに言えばイイというモンじゃない。なんせ売れないMT車である(苦笑)。営業マンにその声を黙殺されてしまっては意味が無い。ちゃんと本社にその声が届かないといけない。

ディーラーというのは販売の拠点であると同時に、お客様の声や趣向を集める重要なマーケティング拠点である。どこのディーラーにも、否どこのメーカーもディーラーからお客の声を吸い上げる仕組みを整備している。その仕組みに「MT車が出たら欲しい」という声を乗せるのだ。

話題のCX-5、MT車が無いのが不満だと吠えているMT愛好家を何人か知っている(苦笑)が、ブログで吠えていても全く意味は無い。何かが起こるはずもない。
吠えるならディーラーで営業マンに対してである。(^_^;)

好調なCX-5だが、時の経過と共に販売は落ち着いてくるもの。ずっと好調であればそれはそれで喜ばしい事なのだが(*^_^*)。日産のエクストレイルの販売実績を見るにつけ、CX-5の月販1,000台は如何にも控え目だ。少なく見ても2,000台くらいはコンスタントに売れるんじゃないか?と思っているのだが、それはそれとして。

もしCX-5の販売がある程度落ち着いたり、或いは失速したときに、メーカーは当然、テコ入れ策を考える。マイナーチェンジでi-ELOOPは当然、塔載するだろう。価格の見直しもするかもしれない。様々な策が考えられるワケだが、このとき

「MT車をラインナップに加えたら、月販XX台の上乗せが可能かも?」

思わせる材料を、彼らに与えてあげれば良いのだ。それがMT車が出たら買いたいかも、というユーザーの声である。

別に約束する必要は無い(笑)。ユーザーの声を受けて商品を出す/出さない、はメーカーの判断だ。同様に、本当にMTが追加になったとしても、それを実際に買うか買わないか、はユーザーの判断だ(爆)。

ことここに至っては、ユーザーが声を上げない限り、何も起こらないだろう。


「ボクはいつもディーラーに行く度に”MT車しか買わない”と言っている」という人も居るかもしれない。

それはつまり、そういうことを言っているのが貴方だけだからだ。
いくらユーザーの生の声と云っても、たったひとりの声ではメーカーは動けない。数が集まらなければ効果は期待出来ない。なにせ自動車は大量生産の商品なのだから。

数が必要なのだ。

もしそういったユーザーの声が集まらないならば、それはつまりそのクルマにMTの需要は無い!ということだ。

需要が無いところに商品は供給されない。極めて基本的な市場原理である。

この原理原則は曲げられない。子供じゃなければ解ることだろう(笑)。
Posted at 2012/04/19 01:36:47 | コメント(3) | トラックバック(0) | 自動車市場 | クルマ
2012年04月16日 イイね!

日本のMT市場は復活するか?(3)

日本のMT市場は復活するか?(3)初回はMT比率が下がっていくカラクリについて述べた。

クルマの買い替えにおいて、
(1).MT車からMT車へ買い替えてもMT比率は変わらない。
(2).MT車からAT車へ買い替えるとMT比率は下がる。
(3).AT車からMT車へ買い替えるとMT比率は上がる。

新規購入においては、
(4).AT車を買う人がMT車を買う人より前年に比べて増えれば、MT比率が減少する。
(5).AT車を買う人がMT車を買う人より前年に比べて減れば、MT比率が上昇する。

そして、MT比率が増えるためには、

(2) < (3)+(5)

の関係が成立しなければならない。

二回目では、MT車の需要がどこにあるのか?について述べた。
(2)を減らせるか?MT車からAT車(2)を減らし、(1)ないし(3)のユーザーは増やせるのか?
これはなかなかに厳しいと思われた。

一方、(5)が増やせるか?ここには光明が見出せそうだ。
新車市場で既にAT車比率が95%を越えているにも関わらず、運転免許取得者の50%がMTが運転出来る”限定無し”免許を取得しているのだ。

なぜか?

予想は出来ているのだが、ここは一番、本人たちに聞いてみよう♪ってことで、会社の若手社員を捕まえてリサーチしてみた。サンプリングは男性3名、女性1名の計4名。サンプル数としてはあまりにも少ない(苦笑)が、当事者の声であることには違いない。大卒の若手社員なので免許取り立てというわけではない点はご容赦頂きたい。4人とも自己所有のクルマはない。

4名中、男性2名、女性1名が限定無し、男性1名がAT限定であった。

限定無しの3名に「なぜAT限定免許を取らなかったのか?」を聞いたところ、要すれば

・どうせ取るなら限定がない方が良い
・クルマの運転免許を持っているのに「XX限定」と付くのはカッコ悪い


ということだそうな(^_^;)。

ちなみにこの3人、クルマは欲しい気持ちはあるものの、具体的な購入プランは無いらしい。若者のクルマ離れを象徴している?かどうかは解らんが。実はこの3人の回答、ボクにとっては予想通りだった。

AT限定免許所有の1名に「なぜAT免許にしたの?」と聞くと、彼の答えはある意味、ボクにとっては意外、かつ新鮮だった。曰く、

・実家のクルマもAT車だし、自分もMT車を買う気はない
・欲しいクルマがあり、それはATなのでMT免許を取る必要が無い
・今後もMT車に乗るつもりはないが、もしMT車に乗りたくなったら、そのとき限定解除すれば良い


これはボクの偏見だったのだろう。AT限定免許の取得者はMT免許取得者よりクルマに対する主張や志向性は弱いと思い込んでいたのだが、ナカナカどうしてAT限定免許の彼が一番、クルマに対して明確なビジョンを持っていた。ある意味、嬉しい誤算というか、楽しい意外性の発見であった。

さてMT免許の3人に話を戻す。

彼らがAT限定免許にしなかった理由は前述の通りだが、更に「MT車を買う気があるのか?」と聞くと、答えは歯切れが悪かった。

先ず、経済的な問題からクルマは欲しいが購入については全く予定がない。よってMTかATかはおろか、具体的な車種などについてもほとんどノーアイディアというのだ。ちなみに実家に住んでいる子は当たり前に実家のクルマを運転するのだそうだが、どれもAT車だという。3人とも免許は取ったものの、免許取得以来、MT車を運転したことはなく、今、運転出来る自信はないという。
う~む、MT比率減少に歯止めを掛ける期待のルーキーたちの、実情は意外にこんなものかもしれない。

このブログを含む一連のテーマは日本のMT市場の復活であり、彼らには是非一度はMT車を買ってもらわなければならない。

どうするか?

日本のMT市場の活力を取り戻したい貴方に何が出来るか?


ボクは、一連のリサーチの最後に、彼らにこんなアドバイスをしてみた。

MT車の運転は自転車に似ている。慣れるまでは難しいと思うかもしれないが、一旦身に付いてしまえばほとんど意識しないで操作も出来るもの。一度MT車を購入して数年乗れば、AT車に乗り換えた後も意外に忘れないものだ。一方、免許を取ってからいきなりAT車にばかり乗っていると、まず間違いなくMT車は乗れなくなるし、改めて乗ろうとも思わないもの。
免許は云わば資格だ。しかし実際には経験を通じて技能を身に付ける必要がある。貴方たちは"限定免許はカッコ悪い"と言ったけれど、「免許は持っているけど運転出来ない」のは、「限定免許だから運転出来ない」よりもっとカッコ悪かないかい?(苦笑)。
折角取った資格を無駄にしないために、若い間に一度MT車に乗って技能を身に付けることは、ボクは悪い選択じゃないと思うよ。


このアドバイスが彼らの心にどう響いたか?少なくとも話を聞いた直後の彼らは「う~む、確かにその通りかもしれない」という顔をしていた。

自画自賛になってしまう(苦笑)が、このアドバイスのポイントは2つある。

ひとつ目は、彼らがMT免許を取った理由とアドバイスがシンクロしていること。当然、違和感無く受け入れられる可能性は高くなる。
ふたつ目は、「MT車は運転が楽しい」とか「AT車は運転がXXXX」などということには、全く言及していないこと(笑)。

リサーチした彼らは少なくとも「走りが楽しいMT車に乗りたい」などということは全く考えていないのだ。MTが楽しいかATが楽しいか、などという考えも無い。そもそも彼らはまだ"クルマ好き"ではないのだ。そんな彼らにクルマ好きの論理で、もはや少数派であるMT愛好家の"MT車は運転が楽しい"などという主張をぶつけても、説教されているようなモンで迷惑以外のナニモノでもあるまい。彼らには、これからクルマ好きになってもらわなければならない、この点を忘れてはいけない。

彼らの購入意欲をうまく刺激する上手なアドバイスが肝なのだ。

もちろん、クルマが好きでMT車が欲しいという人は、思いっ切り煽ってあげれば良い。クチコミではないけれど、初心者、初級者に対して先達たる我々が上手に導いてあげること、これは間違いなくユーザーである我々にしか出来ないことだ。

そうした中で、ひとりでも多くの初心者がMT車を経験すれば、その中にはMT愛好家が主張することろに共感し、MT車を何台か乗り継ぐ人も現れよう。
 

初心者に対するアプローチに関するボクのアイディアはこんなところだ。他にも色々な事が考えられよう。有効だと思われる様々な取り組みは歓迎されるが、くれぐれも彼らの考えを無視した、自己の考えを押し付けるような言動や行動は避けるべきだ。


さて、需要については以上だが、供給側についてはどうか?

初心者は当然、若年層が多数を占めるであろうから、購入出来るクルマは限られる。軽自動車やコンパクトカーが中心となるだろう。200~300万円クラスに手が出る人は少数派だ。

主要各社のコンパクトカーにMT車の設定はあるのか?

トヨタのヴィッツにはRSというスポーツグレードにMTがある。日産マーチには無し。
ホンダのフィットにはなんと!ボトムグレードの13GとスポーツグレードのRSにMTがあり、最近追加になったRSハイブリッドにもMTがある。マツダのデミオにもベースグレードの13C、15C、SPORTSにMTの設定がある。

今やMT車は一部の愛好家向けのモノ、であるならばコンパクトクラスのボトムグレードにMT車を設定しているホンダ、マツダの意図はなんだろう?トヨタのようにスポーツグレードのみに展開すべきじゃないのか?

もし、ホンダとマツダがこのクラス、価格帯に意外に底堅いMT需要があるとの認識からラインナップしているとするならば、ボクの仮説は外れていないということになる。それはどうでも良いが、少なくとも初心者の手が届きやすい価格帯にMT車がラインナップされていることは事実だ。

ボクが主張する「メーカーは需要が見込めるなら供給する」の意味するところがコレなのだ。


後は、MT車を買った初心者である彼らも含め、買い替え需要を如何に喚起しメーカーにより上位クラスのMT車ラインナップを増やさせるか。

初心者のような需要を見出せなかったことからも道のりは険しいが、ユーザーである我々に出来ることは実は簡単なことなのだ。

話題のCX-5、2年後のマイナーチェンジを機にSKYACTIV-MTを出させることも、場合によっては不可能ではない。

興味あります???(^m^)

次回に続く(笑)。

Posted at 2012/04/16 02:31:12 | コメント(5) | トラックバック(0) | 自動車市場 | クルマ
2012年04月14日 イイね!

日本のMT市場は復活するか?(2)

日本のMT市場は復活するか?(2) 第二回の副題「MT需要はどこに?」

少し間が空いてしまってスミマセンm(_"_)m。
今週、仕事が超ハードだったもので。。。(汗)

ユーザーである我々が商品の需要が「どこに?」と探すのは本末転倒なのだが、メーカーがMTのラインナップを次々と消滅させている現状を理解するには、MTの需要が果たしてあるのか?ここに想いを馳せてみるのには意味がある。

事実、ボク自身はこのブログを書くために思いを巡らせた結果、思わぬ需要を発見した(-_-)v。
これは後に述べる。

MTに限らず商品、コンパクト、ハッチバック、SUV、スポーツカー、それぞれの商品にはターゲット顧客がある。いわゆる「商品を買ってくれるお客様像」である。

ここで重要なのは、このお客様像はある程度抽象的であり、かつ一定量の塊が必要であること。しかし量の大小は極端でなければ問題は無い。

大き過ぎると顧客を絞りきれていない、つまり特徴が無いため結局、誰にもアピールしない危険がある。
小さ過ぎると、そもそもビジネスとして価値が無いということになる。

そして一定量の塊とは、クルマの場合はモデルライフの中でコンスタントに売れることを意味する。

MTに関して言えば、既に10年前に新車販売の5%まで減少しているが、絶対量としての5%が良いとかダメとかいう話ではない。メーカーが考える販売計画上の数字に対して、多いか少ないか、これが少なくとも提供側であるメーカーにとっての「是か非か」である。

メーカーとて馬鹿ではない。MT需要が比較的高いスポーツカー等であれば当然、3割、4割の販売比率を見込むであろうが、そうでない車種であれば、旧モデルの販売実績や傾向から、作り手の論理としての適切な比率で販売計画(生産計画)を立てる。それが可能であれば車種全体の5%なんていうことも有り得るだろう。

仮に「10台に1台はMTが売れる。」或いは「20台に1台はMTが売れる。」と考えたのなら、そのモデルライフの4年とか5年の間、ほぼ毎月10台に1台or20台に1台、MTが売れてくれないとメーカーは困るのだ。

じゃぁその10台1台/20台に1台の割合で買ってくれるお客さん、これってどんな人?

というのが需要である。そんなお客を見つけられるか?だ。


最近話題のマツダのCX-5。SKYACTIV-MT塔載車が日本国内向けには提供されていないが、仮にラインナップされるとしたら、どんなお客さんが買うのだろう。

マツダのニュースリリースによれば、CX-5は30代から40代を中心にデザイン、走行性能や燃費性能の高さ、積載能力の高さが評価されているという。
メーカーは当たり前だが、商品の発売前にこういった点を魅力とすべく企画、開発を行う。

仮にマツダが「30代から40代でSUVならではの積載性能に加えて、高い走行性能と燃費性能を求め、個性的なデザインで自己表現したい人」をターゲットに据えていたのなら、その狙い通りの顧客に支持されている、ということになるワケだ。

では、CX-5にMT需要があるのか?

残念ながら、ボクには需要が見つけられなかった(^^;)。

「CX-5にMT需要は存在しない」と宣言しているのではないので、くれぐれも誤解のないように。
ボクなりに様々視点や発想を変えて考えてみたが、見つからなかったということ。

SUVというカテゴリーからヘビーデューティーな用途を求めるユーザーの存在を否定はしないが、そもそも昨今のこのカテゴリーの需要はライトユーザーが多数と聞く。シティユース中心ということ。
そんな話を聞くと、MTを欲しがるユーザー像が余計にイメージ出来ない。

発想を変えて、日産のエクストレイルの実績を紐解いてみる。

2007年の現行型がデビューした当初2ヶ月の受注状況。このときディーゼルはラインナップされていない。月間販売計画2000台に対し2ヶ月の初期受注が10,000台。MT比率は3.3%。
2008年9月にクリーンディーゼル(MTのみ)を発売。月間販売計画100台に対し1ヶ月の初期受注が1,000台。
2010年に7月にマイナーチェンジしてクリーンディーゼルにATを設定。1ヶ月の初期受注8,902台、内クリーンディーゼル3,066台、MT比率はディーゼル車の9%というから270台以上はあったようだ。エクストレイル全体に対しては3%ということになる。

これらの数字から日産はどうもエクストレイルのMT販売比率を5%(100/2000台)と計画していたと見て取れるが、実績としては3%だった、と見える。もちろん初期受注の状況のみに着目しており、累計の数字ではない。ただ、初期受注でこの状態であれば、時間経過と共に受注が落ち着いてきた後のMT車の販売について5%キープは相当に厳しいように見える。

そして、これらの数字を眺めてみて、台数ベースでは「意外に売れてるじゃん?」と一瞬思ったものの、販売比率、予実差異という視点で見ると、やはりメーカーの思惑(月間販売目標の5%)程には需要が無いとしか見えない。しかも、このエクストレイルのMTを買った人たちがどんな人なのかもイメージ出来なかった。


MTの需要は無いワケではない。しかしその比率は5%以下。

これは日本の新車市場全体のMT比率に近いように見えるが、実際はMT比率の高いクルマとの合算した結果であるから、個別車種でMT車になんらか魅力(売り)がない車種は、更に低いということが想像できる。日産エクストレイルの販売計画から「メーカーの考える採算ラインが販売全体の5%」だとすると、ラインナップする意味が無い/ラインナップするだけ非効率(車種毎の採算の足を引っ張る)ということかもしれない。

しかし逆に、もし5%以上の需要さえ見込めれば、ラインナップする意味も価値もあることになる。


どこかにMT需要は無いのか?


視点を変えて、前回紹介した視点で考えてみた。買い替えと新規購入、である。

そして見つけた。非常に面白いデータである。


毎年、新規に免許証を取得する人は実に140万人以上いる。そしてその約半分がAT限定免許である。

この数字、貴方はどう見るだろうか?

免許取得者の半分AT限定なのか? と見るか その逆か?


ボクは後者である。これらの初心者は当たり前だがこれからクルマを買う新規購入者である。もちろん免許を取得した年に買うとは限らないし、数年の内に必ず買うとも限らない。

しかし、新規に免許を取得し近い将来新規購入をするかもしれない人が毎年140万人というレベルで発生し、その約半分がAT限定ではなく、あえてMTに乗れる限定無しの免許を取得しているのだ。

なぜ?新車販売の95%以上がAT車なのに。AT限定免許にすれば免許取得の費用負担も若干軽くなるのに。あえて限定無しのMT車が運転出来る免許を2人に1人が取得している。理由はもちろん彼らに聞かなければ判らない。

新車販売におけるMT比率が5%以下にも関わらず、初心者のMT比率は50%という大きなギャップ。
仮に70万人という塊が全員MT車を買えば、400万台という新車販売市場全体において、15%を大きく越えるレベルである。5%以下というMTの現状に照らせば、非常に大きな潜在需要ということになる。

彼ら初心者はいわば新規参入者であり、大半が新規購入という購買行動を取る可能性がある。
(実家のクルマを譲り受け、将来的にそれを買い替える、という人も居ようが)

もし、彼らが素直にというか自然にMT車の購入に動けば、新車販売におけるMT比率の傾向を変える可能性があるのだ。


眠くなったので、次回に続く。。。(ぉぃぉぃ)
Posted at 2012/04/14 01:25:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車市場 | クルマ

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Mazda6に乗っています(笑)。
ホンダ NSX 玩具車[おもちゃ] (ホンダ NSX)
別名「愛人」。つまり家族車は「正妻」(笑)。 極めて従順。しばらく放っておいてもスネたり ...
ホンダ CBR1000RR(SC57)後期 なんちゃってサイクロン号 (ホンダ CBR1000RR(SC57)後期)
2007年式の300台限定、国内仕様。 アラカンとなって、人生やり残したモノが何か無い ...
マツダ アテンザセダン マツダ アテンザセダン
フルSKYACTIVの何かに買い替えるまで、とBLアクセラに15ヶ月。 XDのAWDが出 ...
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