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タッチ_のブログ一覧

2014年09月30日 イイね!

達人の運転は何が違う?という話

達人の運転は何が違う?という話さて、いよいよ上級者(達人)ドライバーと一般ドライバーの運転の違いに迫ります。

前々々回のブログで、荷重移動の質と量が違うと書きましたが、質とは何か?量の違いって何なんだ?という話です。

ところで、「運転が上手」「上手な運転」の違いって判りますか?(謎)

行き掛かり上、コメントなどでやり取りすることも多いのですが、どーも両者の違いが曖昧なままに発言している人が多いように懸念しています(^_^;)。

運転が上手(ドライバーの技能)という事と、上手な運転(ドライバーの行為)は、同じようでいて全く違う話です。勿論、技能が行為に影響を与える関係ではありますが、この辺りは次回に詳しく掘り下げましょう。

とりあえず今回は、技能の高いドライバーとそうでないドライバーの運転(行為)にどのような違いが生じるか、ややデフォルメして違いを判り易くイメージにしてみました。

達人と言われるドライバーと凡人ドライバー(笑)、そしてそこそこ運転が上手な一般の上級ドライバーの3パターンを比較してみます。

先ずは、同一の初速からブレーキングを開始し、所定の停止線に合わせて停車させる場合です。

条件が同じにも関わらず、全然違いますねぇ(^_^;)。これが質の違い。一目瞭然ですね。

達人は素早く減速Gが立ち上がると、そのまま一定を維持して停車しています。
一方凡人(笑)は当然、ブレーキの踏み始めに適切な加減なんぞ判りませんから、停止位置に向けてブレーキの強さを調整せざるを得ませんので、どんどんブレーキが強くなります。

注目点は上級者と達人の違いです。上級者は達人ほどには素早くGを立てられません。それをやろうとするとブレーキを踏み過ぎたり揺り戻しを起こしたりしてしまいますから、達人よりもG変化に時間が掛かってしまいます。その影響は、停止までの減速Gの大きさに表れます。
3パターンを比較すると、達人が最も弱いブレーキで停止することが出来ています。


次に、やはり同一の初速からブレーキングを開始しますが、出来るだけ短い距離で止まって貰いましょう。

ここでは文字通り、ドライバーの技量の差が如実に表れます。これが量の違いです。

達人は減速Gが一番大きいが故に、もっとも短い距離で停止出来ます。
一方凡人(笑)は、兎に角思い切りブレーキペダルを踏み付けるしかありませんから早々にタイヤがロックアップして減速Gが低下してしまいます。

注目点はやはり上級者と達人の違いです。上級者は達人ほどには素早くGを立てられません。故に最大Gも達人には及びません。凡人よりは遥かにマシですが、達人と同じ距離では停止することは出来ません。

だって「『始めゆっくり、徐々に速く』を『一瞬』で、かつ『最大』に」なんて矛盾の塊でしょ?ww 故にこれが出来る人は達人ってこと(-_-)/。

荷重移動の質と量(技能)が違う事によって、運転(行為)にはこんなに差が生じるんですね(^_^;)。

凡人の例はまぁ論外として(^_^;)、我々一般ドライバーが目指すべきは達人レベルか?一般上級ドライバーか?目標をどちらに置くかは勿論、個人の自由ですが、着目すべきは達人と上級の違いです。

達人の域には簡単には達しません。故に達人は偉大なワケですが、我々凡人が今よりも一歩でも二歩でも上のレベルに上がりたいと思うのなら、達人と上級者との差を少しでも埋める、というのが道を誤らない精進ポイントになります。

つまり荷重移動(の早さと量)ですd(^.^)。

クルマが前のめりにお辞儀をする/左右に傾く。ペダルやハンドルを操作してクルマの姿勢が変化するときにクルマの重心点が移動してタイヤに荷重が加わります。これを適切(素早く移動させて一定)に制御して、タイヤの性能を最大限に引き出す事。クルマを運転する上で、もっとも難しいテクニックです。

マツダのSKYACTIVでは、ここが上手に出来るとi-DMが青ランプを点けて教えてくれます。
青ランプには"走行タイプ1"と"走行タイプ2"という二種類の点灯条件があるんですが、

ハイ、荷重移動が走行タイプ1なんです。

なぜ、走行タイプ1の方が走行タイプ2より高得点が得られるのか、これで解りましたね(^.^)b

こいつが、クルマを自在に操る上でもっとも重要であると同時に、もっとも難しいテクニックだからです。
Posted at 2014/10/02 00:37:21 | コメント(3) | トラックバック(0) | "上手な運転"の基礎知識 | クルマ
2014年09月29日 イイね!

「正しい操作」が正しい(笑)理由

「正しい操作」が正しい(笑)理由前々回ブログで荷重移動とタイヤのグリップの関係を、前回ブログでダメな操作によって生じる"揺り戻し"がなぜダメなのかを自動車運動力学的(笑)に説明しました。

その上で、基本となる「正しい操作」をおさらいしましょう。

タイトル画像は昨年初め、ボクが最初にi-DM活用術を書いた時に紹介した操作の基本です。

ボクの勝手な想像ですが、この「はじめユックリ、徐々に速く」という運転操作が正しいというのを多くのドライバーが知らなくて、ボクのブログを読んでこれを知り、やってみるとなるほど白ゲージ(白ランプ)減点がなくなってi-DMを嫌いにならずに済んだ人が、意外に多いのではないでしょうか?(^_^;)

ではこの”はじめゆっくり・・・”がなぜ正しいのか?その理屈はここ2回のブログでも説明してきましたから、ここで改めて書かなくても大丈夫ですよね?d(・_・)ね?ね?

え?説明しろ?

まぁ、書かないとこのブログはボクには珍しい短文になってしまうので、しょーがないので書きましょうか(^_^;)。


ここでもブレーキングを例に説明しましょう。

一定速度で走っているとき、クルマの四つのタイヤには車両重量配分の通りに荷重が掛かっています。この状態は荷重移動が生じる前ですから、相対的にはタイヤのグリップが低い状態です。

先ず「はじめユックリ」にしたがい優しくブレーキペダルを踏み始めます。

それに伴い、少しですが荷重が前輪に移動します。やはり少しですが、タイヤのグリップが上がります。

続けてブレーキペダルを更に踏みます

それに伴い、更に荷重が前輪に移動します。先ほどに加えてタイヤのグリップが上がります。

更にブレーキを踏み込みます。

それに伴い、更に荷重が前輪に移動し、、、グリップが更に高まり、、、


ハイ、もう解りましたねd(^.^)

最初の「はじめユックリ」はキッカケ作りです。少しではありますが荷重を移動してグリップを上げます。グリップが上がるのを追い掛けるようにブレーキを踏み増し、更に荷重が移動、グリップが高まり、、、というように、

荷重移動→グリップ上昇→ブレーキを踏み増す

というスパイラルに導くことによって、タイヤの性能を最大限に引き出すことに繋がるのです。


恐らくボクのブログを読んだ多くの人が、書かれている通りに「はじめユックリ・・・」を実践してみて、なるほどアクセルやブレーキをこうして踏めば、多く/強く踏んでも白ゲージが点かず、加減によっては青が点くというのを経験したと思います。しかしそれが「なぜ?」なのかが解った人は少なかったかもしれません。「こんな風に踏めばi-DMは減点しない」と知って「i-DM流操作方法」なんて思った人も居るかもしれませんが、別にi-DM流でも何でもありません(^_^;)。

荷重移動を追い掛けるように運転操作をすることによって、タイヤの性能を引き出す基本操作なのです。

前々回のブログで説明した荷重移動の理屈と同じでしょd(^.^)。

ということで、続きは次回(笑)。
Posted at 2014/10/01 01:29:53 | コメント(0) | トラックバック(1) | "上手な運転"の基礎知識 | クルマ
2014年09月28日 イイね!

"揺り戻し"はダメよ♪の理由

"揺り戻し"はダメよ♪の理由前回のブログで、荷重移動がタイヤのグリップ力を高める重要な効果があり、プロ(上手な)ドライバーと、そうでないドライバーの運転に於ける大きな違いも、この荷重移動を伴う運転操作に鍵があると述べました。

それでは、ヘタなドライバーの運転操作のどこにどんな問題があるのでしょう?

マツダのSKYACTIVに塔載されているi-DMでは、ドライバーの運転操作がよろしく無い場合にタイトル画像のような白ゲージを最大3段階で表示し、"今回のスコア"をガッツリ減点します。

マツダ技報ではこれを「乱暴な運転」と表していますが、具体的には

「加速度変化によって体が前後または左右に動かされ,動きが急激な場合は振られた体の動きが“オーバシュート”し,更に体が跳ね返ってくる」という現象

に着目したと言います。

この「揺り戻し現象」がヘタクソの証(笑)ということのようですが、確かに同乗している際にドライバーにそんな運転をされたら、乗り物に酔い易いボク等は「コイツ、運転ヘタクソ!」と悪態のひとつも付きたくなります。

ということで、同乗者が不快というのはヘタクソドライバーの称号を与える表向きの理由としては大変判り易い。マツダもi-DMをマツダ・テクノロジー・フォー・キッズのひとつと位置付け、第8回キッズデザイン賞において、最優秀賞となる「内閣総理大臣賞」を受賞していますし(^_^;)。

まぁ表向きの理由はそれでイイんですが、ここではボクが真の理由を説明しましょう♪車両運動力学的に(笑)。

ハンドル操作やペダル操作によって荷重移動が生じ、クルマは前後、左右に傾きます。ここではブレーキングによる前のめりの荷重移動を取り上げましょう。

揺り戻しが起こるというのは、ブレーキを踏んでクルマの姿勢が前のめりになり、前輪に一旦荷重が乗った直後に、その反動で乗員やクルマの姿勢が前から後へ若干、文字通り揺り戻される状態です。乗員の動きとしては、停車直後に起こるカックン・ブレーキをイメージすると判り易いでしょう。

揺り戻すと何が起こるか?

ブレーキングによって前輪に仮に+100kgの荷重が掛かるとします。この荷重移動を維持出来れば、+100kgによって高められたグリップ力をそのまま制動力に活用出来ます。
ところが、揺り戻しが起こるという事は、例えば+100kgで前輪が5cm沈み込んだ後、それが反動で2cm伸びてしまうということです。この場合、つまり前輪の沈み込みは3cmとなってしまいますが、+100kgの荷重で5cm沈むんですから、3cmの沈み込みまで戻ってしまったら、荷重は+60kgに目減りしていることになります。

つまり、揺り戻しが起こってしまうと、折角移動した荷重が抜けてしまうんですね(^_^;)。

荷重が抜ければ、タイヤのグリップ力も減少してしまいます。F=μPの方程式の通り(^-^)。

ということで、一旦移動した荷重が揺り戻しによって抜ける事の無い、前のめりや傾きといった車両の姿勢変化が起こったときに、もっとも傾いた状態でクルマの姿勢変化がピタリ!と止まるように、ハンドルやアクセル、ブレーキを操作できるのが、上手なドライバーという話d(^-^)。

そしてこれが、子供を車酔いさせにくい、スムーズな運転操作でもあるんですが、まぁそれは表向きの理由という事で、今日はここまで(笑)。

つづきは次回(^_^)b
Posted at 2014/09/30 02:22:36 | コメント(1) | トラックバック(0) | "上手な運転"の基礎知識 | クルマ
2014年09月26日 イイね!

"荷重移動"の話

"荷重移動"の話何人が楽しみにしているか分りませんwが、待望の第二段(^_^;)。

前回ブログで、G-G Diagram(=摩擦円、G-Bowlログ等)の話と、なんで丸くせにゃイカンのか?という話を紹介しました。それは要すれば、タイヤの性能を余すことなく使えるドライビングテクニックであり、上級ドライバーであればそれが出来るという話なんですが、今日はこの円の大きさが実は一定ではないという話。

タイトルは別のモノを考えていたのですが、意地悪なお友達wがズバリ!コメントでネタバレしてくれたお陰で、観念してこのタイトルにしましたf^_^;)。

荷重移動

前回同様、これも分っている人は意外に少ない?かもしれませんが、そもそもコレってナニで、一体ナニが嬉しいのか?という話(笑)。

先ずタイトル画像は新型のDJデミオのコーナリングシーンですが、車体が傾いているのが分りますか?以下は停止状態のデミオ君ですが、タイヤとフェンダーの間が、軽く拳一個くらいは入りそうなのに、コーナリング中では指一本くらいまで、隙間がつまっていますよね?

これは一体どーゆーことなのか?(笑)
タイヤとフェンダーの隙間が狭くなるという事は、サスペンションが縮んでいるからなんですが、ナニが起こるとサスペンションって縮むんでしたっけ?w

例えば停止状態のクルマのトランクに100kgくらいの荷物を積んで、更に75kgの男二人を後席に乗せたりすると、クルマが後下がりになってリアタイヤとフェンダーの隙間が狭くなるというのは、想像し易いと思います。なぜ狭くなるのか?そら100kg+75kg×2=250kgを車両の後に積んだからなんですが、このようにして重さが加わるとリア・サスペンションは縮みます。

じゃぁ、タイトル画像のようにカーブを曲がるときに車体が傾いたり、ブレーキを掛けて車体が前のめりになるというのはどういうことか?上記の荷物や人を乗せた例に照らせば、その瞬間だけそのタイヤに停止状態よりも大きな重さが掛かっていることになります。当り前ですが、走っている最中のクルマの重量は変化しませんが、四つあるタイヤのどこかに重さが加わる(逆にそれ以外のタイヤからは重さが抜ける)という現象が発生し、その結果として車体が傾いたり前のめりや後下がりになります。この現象が荷重移動です。

つまりその瞬間だけですが、左側のタイヤ(タイトル画像)だったり、前二輪のタイヤ(ブレーキング時)に通常+何十キロ、場合によっては+百キロ以上の重さ(荷重)が掛かるんですね。

じゃぁこの荷重移動が起こると、一体ナニが嬉しいのか?やっと前回ブログの続きです(笑)。

タイヤのグリップ力を示す摩擦円の大きさが変化する、と説明しましたが、理由は単純明快です。
それは摩擦力を示す以下の方程式の通り(笑)。

F=μP

F:摩擦力
μ:摩擦係数
P:荷重


タイヤの摩擦係数は変りません。荷重は、荷重移動によって変化します。荷重が増えれば摩擦力が大きくなる、クーロンの法則ですねd(^.^)。

つまり、クルマが動いている間、実はタイヤのグリップ力(摩擦力)というのは意外や変動しているんですね。減速すれば前二輪、加速するときは後二輪、カーブを曲がるときは外側二輪に荷重が移動することによってグリップ力が高まります。それが加速も減速も旋回もしない状態に戻れば、荷重も四輪に均等に(正確には車体の前後重量配分の通りに)戻ります。

これが、摩擦円の大きさ(半径)が変化する理屈ですが、じゃぁ上手なドライバーとそうでないドライバーの違いは何か?

例えばプロのレーシングドライバーとアマチュアドライバー、同じクルマでコースを周回させてみると、結構上手なアマチュアドライバーでも、プロドライバーより1km当たり1秒以上は平気でラップタイムが違います。つまりプロよりアマの方が遅いんですが、クルマは同じなのに何が違うのか?そらドライバーの腕前が違うからですが、より具体的な違いは何なのか?

プロの方がタイヤのグリップ力を余すことなく引き出せるというのがもっとも大きな違いですが、ひとつは前回紹介した話。そしてもうひとつは今日の話題。要はプロドライバーとアマチュアドライバーでは荷重移動させる荷重の質と量が違うんです。

だから、プロの方が短い距離で減速出来たり、より速いスピードでカーブが曲がれたりするんですねd(^.^)。

じゃぁその荷重移動の質と量の違いは、一体何によって生じるのか?

荷重移動は既に説明した通り、減速したり旋回したり、加速することによって生じますね。減速するためにドライバーはブレーキを踏み、旋回するためにハンドルを切り、加速するためにアクセルを踏みます。ということは、、、

プロドライバーとアマチュアドライバーは、ペダル操作ハンドル操作違いがあるということになります。

ハイ、段々核心に近付いて来ました(^-^)。
i-DMが、ドライバーの運転操作毎に○(青)とか×(白)とかってやってる理由が見えて来ましたか?(笑)

というところで、つづきは次回d(^.^)。
Posted at 2014/09/27 17:51:23 | コメント(4) | トラックバック(0) | "上手な運転"の基礎知識 | クルマ
2014年09月25日 イイね!

なぜ丸いのが良いのか?

なぜ丸いのが良いのか?ハイ、お待たせしました(笑)。

待望の新シリーズ「上手な運転の基礎知識」の第一弾(^_^;)。

G-Bowlアプリの登場で、一部の間ではすっかりメジャーになったボール回しですが、上手な人の運転だとこの軌跡が円周に沿って丸く移動するといいます。したがって「上手になるため」に「軌跡が丸くなるように」練習に励むワケですが、、、なんで上手な人は丸くなるように運転するんでしょう?d(・・)

という話。

タイトル画像はマツダが現行プレマシーで「ダイナミックフィールの統一感」という考え方を確立したとマツダ技法で報告した際に紹介した図です。

G-G DiagramとかFriction Circle Image(摩擦円)と紹介されていますが、モータースポーツをカジッた人ならお馴染み(常識)のモノです。が、何を意味しているのか理解している人は、意外に多くなかったりして(苦笑)。

タイトル画像は前後方向の表現がG-Bowlのコレとは上下逆さになってます。
減速→旋回→加速という運転をした場合のG-Bowlの軌跡はこんな感じですね。

したがって、タイトル画像を上下に逆転すればG-Bowlのイメージと一致するんですが、まぁ表示方法の問題なので、大した話じゃありません(^_^;)。


この図の説明に「Limit Drving at Test Circuit(テストコースおける限界走行)」とありますね?

これはテストコースで恐らくマツダのテストドライバーがクルマの限界領域ギリギリで走らせたときのクルマに生じた荷重変化をグラフ化したと想定出来るんですが、その軌跡は結果的にある領域の円周に沿った動きとなりました。

この円が何を表しているかというと、タイヤの性能特性なんです。だから摩擦円とも呼ばれます。

図の上下は前後方向のグリップ、左右は左右方向のグリップを示します。これがある半径の円周から外に出ないということは、それがタイヤのグリップ力の文字通り限界であり、円周を示すという事は、中心点からの半径がグリップ限界ということ。

より解り易く言えば

①タイヤのグリップ力を減速(円周の上方)に100%使った場合、クルマを旋回させる余力は無い。
②タイヤのグリップ力を旋回(円周の右もしくは左)に100%使った場合、クルマは加速も減速も出来ない。

なんてことです。逆に言えば

①'減速中から旋回を始めたければ、ブレーキを緩めなければならない。
②'旋回中から加速したければ、ハンドルは戻さなければならない。

ということです。

つまり、この理屈をキッチリ理解した上で、タイヤのグリップ力を限界まで引き出して走れば、そのクルマに生じる荷重変化(=タイヤのグリップ力)は、自ずと円周に沿った動きになるという話であり、そんな風にタイヤの性能を引き出せるドライバーが優秀(上手)という事です。

ところでタッチ_さん、ここまでって限界走行の話ですよね?そんな世界には縁の無い一般ドライバーの、一般道での合法走行に於いてもコレって意味があるんでしたっけ?(・・;)ノ

それをマツダでは色々検証したんだそうですね、マツダ技報に拠れば。そりゃそーですわな、プレマシーは何しろ多人数乗車のミニバンです。「テストドライバーが限界で走らせたときにこんな動きをする(させ易い)車が優れたクルマなんです」なんて主張したところで、「それってミニバンでも意味があるのか?」なんてツッコまれて、ちゃんと答えられなければ説得力がありません(^_^;)。

結果は、限界領域の遥か手前の日常走行領域でも、こんな風にクルマを動かせると乗員の身体的負担が少ないという実験結果が得られたそうです。また、別の研究でも「一般走行領域においてG-Gダイアグラムを円形にするエキスパートドライバの走りを車両運動力学的に解析した結果,これが各輪タイヤへの負荷が最小となるような運転ストラテジであることが明らかにされている。」と紹介されていて、自動車技術会学術講演会前刷集 No.8-08,p9-14(2008)に「横運動に連係して加減速を制御する車両の横運動特性に関する検討」というタイトルで報告されているようです。

要はクルマを限界領域で走らせるとは、理想的な状態で性能を引き出すことであり、そのような状態は限界遥か手前の日常領域に於いても、やはり理想的であるという事です。つまりモータースポーツで常識とされる様々なテクニックは、クルマを走らせるペースが全く違う一般道の日常走行に於いても同様に意味がある事を、これらの事実が示しています。

ちなみにこの摩擦円、縦方向が前後の動き、左右が横方向の動きですから、円周に沿った動きをさせようとすれば、減速・旋回・加速が連携しなければなりません。例えば速度一定で左右に曲がる場合は軌跡は真横にしか動きませんし、真っ直ぐな道で減速、或いは加速する場合は上下にしか動きません。当り前ですよね(苦笑)。

ということで、上手なドライバーは丸くなる。丸く出来れば上手と言われる。という話。

ただ、話はここで終わりません(笑)。

この摩擦円の半径がグリップ限界という話(マツダ技報ではほぼ1.0G)ですが、上手なドライバーとそうでないドライバーでは、このグリップ限界値が変ってきます。ヘタなドライバーは半径が小さくなっちゃうんですね。つまり、丸く出来るだけでは十分では無いと言うか、これは上手なドライバーと言われるための要素のひとつにしか過ぎません。

その辺はまた次回d(^.^)。

最後に理解度確認テスト(笑)。

摩擦円の半径がタイヤのグリップ(性能)限界だと述べましたが、この限界を超えた場合にグラフ上の軌跡はどう動くでしょう?その答えも次回(笑)。自信があればコメント欄に答を書いてもイイですが、恥をかかないようにご注意を(爆)。
Posted at 2014/09/27 07:11:56 | コメント(2) | トラックバック(0) | "上手な運転"の基礎知識 | クルマ

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何シテル?   12/08 20:22
意のままに、思い通りにクルマを操ることに興味があります。 ドライバーの意のままに反応するクルマが好きです。 そんなクルマの技術的背景、メーカーのクル...

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