意外にウケた、
とてもつまらない話の第2弾(^_^;)。
こうしたSNSでの情報の交換を始めると、不愉快/腹立たしいことも良くある反面、当然嬉しい/楽しいこともある。
不愉快な事は大人の対応でなんとかするとして、嬉しい事は素直に喜んで今後の糧にもなるのだが、実はもうひとつ「ちょっと困ること」という厄介な話もある(苦笑)。
約4年ちょっと前に書き始めたブログだが、i-DMを中心としたドラテクの話がかなりのウェイトを占めるようになったのは当初の想定外。この話題に反発してイチャモンを付けてきたり陰口を叩く輩が少なからず居るというのは
前回解説した通りだが、それに数倍する共感してくれた人、参考にしてくれている人たちも居る。それは良い。
じゃぁ、一体何に困るのか?
ボクがブログに書いている事に反発する人たちは、運転に関する知見が貧弱である点が理由のひとつなのだが、一方でボクのブログに好意的な人たちとて、必ずしもその辺の知見に富んでいるワケではない。実は似たり寄ったりだったりする(苦笑)。
運転の上手さには必要となるスキルがあり、そのスキルレベルの高低がすなわち上手さのレベルとなるのは何事もそうで、物事の上手さという点に於いては
バリエーションなどは無く基本的にはひとつであるが、スキルの
レベルは実に様々であって、それは個人の目標、センスや努力によって到達できるレベルが異なる。
これも何かのスポーツに例えれば、ご近所の愛好家レベルなのか、市区町村大会レベル、都道府県大会レベル、全国大会レベル、全日本選手レベル、といえば解かり易いと思う。
スキー、テニス、ゴルフ、なんでも良いから当て嵌めてみれば明らかで、どのレベルであっても出来なければならない事、やっちゃダメな事は何も変わらず、違いは「出来なければならない事が、どのレベルで出来るか?」この差に尽きる。
この点に関する理解があやふやであるが故だろう、i-DMに興味を持ちボクのブログに好意的な人の多くが
「自分もタッチ_さんのようになれる」と結構安直に考えてしまう(苦笑)。よもや自分が途中で躓いたり、挫折するなど夢にも思わない。
この考えを助長してしまうのがi-DMのティーチング機能(つまりスコアやアベレージ)なのだが、ボクのブログを読んで走り方や走る道をちょっと工夫してあげれば、1stステージや2ndステージでは簡単に5.0点が取れてしまう。そうなると3rdステージに上がっても同様に高スコアが取れて、2~3ヶ月でタッチ_さんと同じレベルに達すると思い込む。でステージアップを急ぐという流れだ。
しかし世の中そうは甘く無く(苦笑)、3rdステージや5thステージに挑戦してなかなか安定して5点が取れない、或いは全く5点が取れなくなって初めて「自分はタッチ_さんとは違うのだ」と身の程を知ることになるのだが、まぁ後の祭りである(^_^;)。
i-DMによってトレーニング出来るスキルというのは実は非常に難易度が高く、1~2ヶ月で簡単に身に付くものでは無い。そもそも運転と言う行為自体、多くの人が考える程に簡単なモノでは無いのだが、ボクが再三ブログで「最初はスコアを気にするな」「ステージアップは急ぐな」と書いているのとは裏腹に、こういった人たちも最初はスコアやステージしか目に入らない。
愛車の納車前に「5thステージでアベレージ5.0を目指す!」とか勇ましい事を言う人や、納車後に一刻も早く3rdステージに上げようとする人、実に様々な人たちが居るのだが、そんな彼らの書くブログの話題も「納車後XX日でXXステージに上がった」とか「今日のスコアはXXだった」などという話ばかり。
実はボクがi-DM攻略法を公開して以降
「タッチ_さんのブログのお蔭でXXヶ月で3rdステージ・アベレージが5.0点になりました。」
という謝意のメッセージやブログコメントをいくつも貰っているのだが、それらを受け取ったときのボクがどれだけ
落胆したか、彼らは知る由もないだろう。
非常に残念な話なのだが、こういった人たちはスコアの呪縛からは逃れられない。なぜならば必要なスキルが身に付いていない上、それが何なのか理解も出来ていないからだ。結局減点を避ける方法、数少ない場面で確実にスコアを積み上げる方法に長けていくだけなので、走行条件が少し変わればスコアは下がり、いつまで経ってもアベレージは安定しない。それはつまり「上手くなっていない」という話なのだが、そもそも上手な運転とは何なのか?i-DMは一体ドライバーに何を求めているのか?目先のスコアしか目に入らなければ理解も進まない。i-DMに関して何年経ってもスコアしか話題に出来ない人ほど実はスコアに苦労をしていて、ご本人が一生懸命取り組んでいるが故に出来る事ならなんとかしてあげたいとずっと思っているのだが、どーにもならない(^_^;)。
ボクが初めて書いたブログが「攻略法」ではなく「活用術」であった理由が何なのかも、恐らく理解されてはいないだろう。
スコアを取りに行くのではなく、自分がしたいように自由に運転する中で
自然にスコアが出るようになるためには、先ず必要なスキルを身に付けること、そしてそのスキルを適切に駆使する運転に努めること、そのためのi-DMというツールの活用の仕方は?という話なのだが、執筆者が「書いている」という事と、読者が「どう受け止めたか」ということの間に、これほどの大きなギャップが生じるモノなのか!というのが3年経ったボクの正直な感想である。
勿論どのレベルを目指すのか?というのはドライバー個々の自由であるから、そこに本来は口を差し挟むべきではないのだが、それではボクは一体、i-DMに興味を持った人たちをどこに連れて行きたいと考えているのか?
こんな風に色々と思い悩むことがありながら、なぜそこまで一生懸命になっているのか?
それは過去に何度かブログにも書いているのだが、案外理解している人は少ないかもしれない。
ボクがi-DMを他人に勧めたいと考えた唯一にして最大の動機は、実は
「楽しさ」なのだ。
BLアクセラで初めて峠を走ったのが2012年1月。自分なりに思い通り、つまりi-DMのランプやスコアを無視して走ったときのスコアは確か5thステージで3.5点前後だったと思う。場所は伊豆で、結局自宅に戻るまでに4.3点くらいまでしか回復しなかった。そのときのBLアクセラの印象は「悪くない」という程度で、特に感銘を受けることも無かった。
ところが2012年12月。特に意識せずともi-DMの青ランプが自然に点くようになってから箱根の峠を走った印象が「無茶苦茶楽しい」であったのだ。クルマは何も変わっていない。にも関わらず約1年前に伊豆で受けた印象とは全く別物の、なんとも表現し難い楽しさを感じて驚いた。そしてそれがきっとマツダが謳う「人馬一体」であり、
1年前とは別次元の「走る歓び」に出会えたのだった。マツダがi-DMを「人馬一体を目指したシステム」と謳う真意がスッと腹に落ちた瞬間だった。
後は「この
楽しさを、最新マツダ車に乗る多くの人に知って欲しい」という一念だけだ。
ブログもオフミも全ての根っ子はここにある。しかし如何せん、この
楽しさを味わうためにドライバーは一定レベル以上のスキルを身に付けなければならない。これが容易では無い事は自分自身がそこに到達するのに1年掛かったことで痛いほど理解していた。もっともその半分は迷走(正解探し)に費やしたし、実はこの時点ではブレーキングスキルが足りておらず、それを埋めるのに更に迷走半年、スキル習得半年を費やしている。多くの人がそんなに長期間、地道な努力をするのは難しいだろうと考えた。ボクの踏んだ轍を繰り返さず、なんとか最短期間でスタートラインに立つことは出来ないか?ブログもオフミも、そのための試行錯誤の3年間と言っていい。
結果的にではあるが、3年掛かってボクが本当に知って欲しい事に気付いてくれた人たちがようやく現れてくれた。まだ20名にも満たないが、この二つのブログを読んだときは心底嬉しかった。
Be a driverなオフミ第4戦に参加しました!
Be a driver なオフミ最終戦に参戦してきました
しかしこの人たちとて、ここまで来るのにオフミ初参加から1年半以上を費やしている。
しかもここ1年は相当な努力をした結果である。事は簡単ではないのだ。
それでもこういった人たちの存在が大きな励みになったことは間違いない。
今後オーナーになる人も、今はまだスコアにしか目が向かない人も、
i-DMの向こう側にある走る楽しさにひとりでも多くのオーナーが気付いてくれること、これがボクのモチベーションの源だ。
オーナーが自由に、自分の好きなように走って青ランプが自然に点くスキルを身に付けること。それさえクリア出来れば、実はスコアなんかどうでも良いのだ。

最新のi-DMトレーニング画面には、ブレーキ、ハンドル、アクセルの三操作に対する青・白の割合を示すグラフが追加されている。
この改良を行ったマツダのエンジニアも「青ランプが大事」という認識なのだろう。
「スコアより青ランプ」3年前にボクがi-DM活用術で提唱したこの点は未だにブレていないのだが、恐らくそれが正しい認識であることはこの画面の仕様が物語っていると思う。
個人で出来る事には限りがあり、どこまで続けられるかも定かではないが、今はもう少し頑張ってみようと思っている。