
この話題はもう少し後、CX-30が発売になってその販売傾向が見えた辺り(半年後?)くらいに書こうと思っていたのですが、、、(^_^;
なかなか興味深い記事を見付けちゃってw、もう書いてしまおう(笑)。
企業研究・マツダ 高級路線の行方(日本経済新聞)
「マツダ3」不振で不協和音 部品・販売「殿様商売だ」
マツダが挑む「脱コスパ頼み」 米市場にご当地SUV
マツダが悩む「乗り換えられる」リスク 保有期間短く
有料記事で恐縮ですが、部品メーカーなど身内の声(本音)も紹介されていて、なかなか面白い記事でした。
北米向け新型CX-Xが開発中なんて話とかw
※上記の3本がひとつになった記事は
こちら
マツダの高級路線については、特に一部のクルマ好きやマツダファンには批判の声があります。その気持ちはわからないではないですが、一方でマツダなりの危機感もボクは理解しているので、マツダは苦しくてもそういった批判の声に抗して進んで行っていると捉えています。
ただ、勿論とっても難しいことなので色々と問題が起こるのは仕方が無いものの、マツダの高級路線に肯定的なボクをして、それってどうなんでしょう?と思うことは色々あるワケです。日経新聞の記事でも「プレミアム路線が急速過ぎる」「殿様商売だ」なんて声が紹介されていますしね(^_^;)。
以前のブログでも取り上げていますが、マツダは第6世代の7~8年間でも相当に販売価格は上げていて、直近のMAZDA3から急に大幅値上げしたワケではありません。
例えばアテンザで云えば
先代が200万~275万円。
GJアテンザ初期が250万~340万。(約25%UP)
GJ MAZDA6最終型が283万~424万(42%~54%UP)
なんて具合です。
ところがMAZDA3は先代の
BMアクセラの195万~331万という価格帯から
実は11%~7%程度(218万~355万)しか上がっていないので、冷静に受け止めればそんなに殿様商売という話ではありません。(
以前のブログ)
ただこういった数字を挙げての理屈はあくまでも理屈であって、最終的にその価格を「高い」と思うか思わないかは、
消費者個々人の判断です。ここが商売の難しいところ(^_^;)。
マツダの役員クラスの人たちはあっちこっちのインタビューで「急激な値上げはしない」「価格はお客様が決めるもの」と発言しているので、上記の事はボクがわざわざ言及しなくても彼らは
解っているハズでした。他方で価格に見合う価値を認めて貰いながら、その価格を徐々に上げていっても変わらず選んで貰えるブランドになる!というのが彼らの意思なので、新商品の価格は上げていかなければなりません。
この塩梅というか、加減が正に難しいところなワケですが、
現時点を切り取って評価すると、
マツダの高級路線は性急過ぎるというのが市場と、業界関係者の結論と言わざるを得ないようです。
MAZDA3のクルマの出来は凄く良いですし、上記の通り価格上昇は最小限とは言わないまでも、内容を見れば適性な上げ幅とボクは思っていますよ。しかしマツダの高級路線を理解しているボクをしても、MAZDA3の販売価格は
事前の予想より少しずつ高かった。
実はこの個々人の「予想より
少し高い」という印象って、実際の商品を見てその出来が予想以上だったとしても、意外に「だったら予想より高くても仕方が無い」とはならず、「少し高い」という印象だけが残ってしまったりします。それでも買ってしまえば忘れちまうものですが、ハンコを付くまでの間は確実に消費者を悩ませて、場合によっては「買わない」と決断させるリスクになります。
そしてそのリスクを回避する有効な手段が実は「値引き」で、その人の「少し高い」部分を取り去ってあげると商談がスムーズに進んだりします。しかし今のマツダはこの値引きを徹底して絞っているので、その手は使えません。
この辺りは、特に高級路線を敷くマツダにとっては本当に難しい課題で、CX-30の販売価格ももう決まっているようですが、本当にこのまま突き進むのか、少し冷静になって考えて、値付けと値引きに関しては微妙に軌道修正を図るのか、考えた方が良い局面に来ているのかもしれません(^_^;)。
これも以前のブログで書きましたが、値付けは一旦してしまうと下げられません。
他方で販売が好調に推移すれば、今のマツダなら頻繁な商品改良のタイミングで、価格を上げていく機会はいくらでもあります。
どうもマツダは、紹介記事でも述べられている通り
従来と客層が変わったことに勝機というか、活路を見出している節がありますが、それ自体を否定はしないものの、
行き過ぎるのは危険とも思います。
MAZDA3は確かにメルセデスのAクラスやBMWの1シリーズと競合すればまだ十分に安い(価格競争力がある)ワケですが、それってカローラやシビックを買う客からメルセデスやBMW、Audiを検討する客にターゲットをシフトする(対象顧客を変える)ことなんです。
これが何を意味しているのか?関係者はちゃんと理解しているんですかね(^_^;)。
そしてゆくゆくはそういったブランドに「価格以外の何か」で勝っていかならんのですよ。
日経の記事に
「米国では価格の割に車両性能が高い『コスパの良いブランド』として見られてきた。他社が値引きするなかで、値引きをやめた差額分の価値が伝わっていない」
という記述があります。これは米国の話ですが、果たして日本ではどうでしょう?
以下は仮説ですが、アクセラからMAZDA3に代替わりして、月間販売実績がさほど変わらずに推移したとします。しかし販売実績の中身を詳しく見たら
・従前からのアクセラ(或いはカローラやシビック)の顧客は販売減
・メルセデスやBMWなどの外車を所有、或いは検討する顧客は販売増
で、辻褄があっていたとしたらどうでしょう?
従前の顧客が買わない理由は、価格に見合う価値を見出せない(納得がいかない)からでしょう。
外車を検討する顧客が買う理由は、メルセデスやBMWより明らかに安いから、かもしれません。
もしこういう状況に陥ったとしたら、これって
どちらの顧客に対しても商品の価値を十分に伝えきれていない危険性がありませんか?
魂動デザインやSKYACTIVエンジンはマツダ車の魅力ですが、こいつらは目に見えるから多くの説明は不要です。しかし
人馬一体は目に見えません。故に説明には工夫を要するワケですが、「人が歩くように走れる」とか「意のままに走れる」なんてチンプンカンプンな説明で大丈夫なのか?(苦笑)
大体「意のままに走れるのがマツダ車の魅力」って言ったって、世の中で「私は意のままに走れません」なんて思っているドライバーって居るんでしょうか?(^_^;)
「オレはマツダ車じゃなくても意のままに走れるぜ!」って考えているドライバーに「意のままに走れるのがマツダ車の魅力なんです」って説いたって、全然響きませんよね?(苦笑)
このような点を含めて、顧客にマツダ車の魅力を如何に伝えるか?ちゃんと伝わっているか?は、上がり続けるwマツダ車の価格の納得感、更にはマツダの高級路線の是非にも関わる重点課題だと思っています。
だって消費者は、価格に見合う価値があると認めれば文句は言いませんからね(笑)。
Posted at 2019/09/13 14:08:52 | |
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