気なっているのに、
気の無い振りをしているものってありますよね。
クルマ好きとしては非常に気になるクルマでも、
家族を想うと躊躇してしまうクルマ・・・
私のそれはWRX-STIでした。
気にしてしまうと本気になってしまいそうで・・・。
本気になったら欲しくなるのが目に見えていますし・・・
その禁断のWRX-STIを
1週間も自由に乗れる機会に恵まれました。
レガシィ車検時の代車です。
1週間で走った距離は550km。
箱根へのツーリングや
家族(4人)でのドライブから
日常の買い物まで
様々なシチュエーションを走った感想を
家族を想うクルマ好きの
次期ファミリーカー候補としてまとめてみました。
エコカーやミニバンだけがファミリーカーじゃない・・・
と嘆きの家族を想うクルマ好きの皆さんの
奥さんや家族を説得する参考になれば幸いです。
なお比較対象は、愛車の先代レガシィ(BP5ターボ/5MT)です。
家族を想っていない!って言うツッコミはなしです。。
では、さっそく
これが1週間だけの愛車・・・

WRX-STI A-Line typeS Packade (5HB)
2500ccターボ 5AT 300ps/35.7kg 1490kg

18インチのBBS製STIホイールと

アルカンターラと本皮のバケットシートが装備された大人の仕様です。
外観は
先代インプレッサに245/40-18の極太タイヤを履かせるために広げられたブリスターフェンダーが、普通のクルマではないことを主張しています。

このブリスターフェンダーの造形は、意外にもキレイでした。
ただし、運転席よりも張り出した全幅は、車庫入れに慣れを要します。
特に立体駐車場は要注意です。
乗り込んでみると・・・
アルカンターラと本革にSTIの刺繍がされたシートや、中央に大型のタコメータが配置されたメータパネルがカッコ良いです。


いたる所にSTIのロゴが入っている点もクルマ好きには溜まりませんね。
でも・・・
ダッシュボードやドアトリムは思いっきりプラスチックです。
サンバイザーやグローブボックスの操作感など、とても300万円以上するクルマとは思えないチープさです。

ベースが先代インプレッサなので仕方ないですが、
シートやハンドルが高品質なパーツを使っているだけに残念な点です。
流行りのプッシュスタートでエンジン始動をすると、
最近聴かなくなったスバル特有のドロドロ音を感じる事が出来ます。
A-LINEは
不等長エキマニなのですす。
鼓動が伝わってきて愉しいエンジンです。
後ろ姿のマフラーは、迫力満点な極太4本だし。

でも、このマフラーから想像する勇ましい排気音は聴こえて来ません。
音量も音質も純正マフラーそのものです。
残念な点ではありますが、ファミリーカーとしては静かでイイのですね。
Dレンジでアクセルを踏むと普通に走りだします。
A-LINEは、通常のATなので走るのに難しいことはありません。
むしろ2500cターボのおかげで、低回転でも余裕の走りです。
しかし・・・乗り心地は
硬いです。
レガシィも乗り心地が良いクルマではありませんが、WRX-STIは更に数段ハードです。
路面のチョッとした凹凸でも、激しい突き上げと常に路面からの振動を感じます。
路面のヒビさえも感じる位・・・と言ったら大袈裟でしょうか。
この乗り心地なら・・・
オートバイの方が乗り心地イイかも。。
そしてロードノイズ。
245/40-18という極太タイヤのを履いているせいか、かなりのタイヤノイズが車内に侵入してきます。
この極太タイヤの影響か、轍にも敏感な印象を受けました。
乗り心地を含めた脚は、大人のWRX-STIを謳うA-LINEなら、もう少ししなやかでも良いと思いました・・・。
もしWRX-STIを購入したら、もう少しソフトで静かなタイヤに交換するのもありでしょうか。
それでは、それぞれの状況で出掛けたときの感想です。
【ファミリーカーとしてのWRX-STI】
家族4人で箱根に出掛けたときの感想です。
居住性は家族4人でも◎です。
子供たちから、後席はレガシィより広い!と言われたくらいです。
そして、硬い乗り心地も盛大なロードノイズも意外にも家族からの苦情はなし。
ウチの家族はミニバンに5分で酔う家族なので・・・
でも、快適なミニバンに馴れている家族ならクレームは確実な硬さです。
購入を検討の際、家族を試乗させないことをお奨めします。(^_^;)
家族からの唯一の苦情は、
後席の子供たちが「寝れない!」とのクレームだけ。

その理由は、固いシートと固い内装(ドアのトリム)で、硬い足廻りで突き上げるたびにショックが伝わって痛くて寝れない・・・との事らしいです。
4人乗車の走りは、2500ccターボのトルクでドコでも余裕たっぷり。
運転は楽でした。
アクセル踏めば速い速い。
そして燃費は、
ファミリーカーとして大人しく走った箱根往復で
10km/l。
思った以上に良い数値で、これならミニバン並でしょうか。
レガシィなら13km/l位は走るけど・・・。
【市街地のWRX-STI】
通勤時間帯に市街地から郊外へ向けて走ったときの印象は、
ATなので渋滞もラクラク、ダッシュも効くのでストレスフリー。

ただし、燃費は落ちまくりの6km/l台。。
そして、ハンドルが重いので
両手でしっかりとホールドする運転姿勢となります。
超軽な電動パワステのような、片手クルクル・・・のハンドル廻しは出来ません。
このシチュエーションでは、走った距離の割には疲労は大きかったです。
とくに硬い乗り心地で揺すられ続けられた首が疲れました。。
【高速道路のWRX-STI】
動力性能は文句なし。
追越加速も抜群です。
クルージングはクルコンが装備されているので、
ノンビリと90km巡行でもイライラしません。
でも、クルコンを使用しても燃費はそれ程延びません。
せいぜい10km/lくらいでした。
そして、高速道路でもハンドルに忠実な挙動をするため、
気を抜いてよそ見するとよそ見した方向へクルマが進んでいきます。
オートバイでは、曲がりたい方向に目線を向けろ・・・
と言われますが、WRX-STIはその通りの挙動をするので気が抜けません。

硬い乗り心地、キツイ突き上げとロードノイズで、遠出の快適性は期待できないと思われます。
愉しく乗れるのは箱根への道中ぐらいでしょうか。。
【山路のWRX-STI】
心躍る椿ライン/箱根のドライブです。
WRX-STIは、普通に曲がるだけでも手応えがハッキリして安心感があります。
タイトコーナーが続く椿ラインをそれなりのペースで駆け上ることが、愉しくないわけがありません。
気持ちを集中させて、狙ったところへタイヤを乗せていくその感覚は
まるでオートバイの操作感。
気持ち良く愉しいひと時です。。
2500ccターボの分厚いトルクで、ドコからも
グォ!っと加速するフィーリング(それでも3000回 転くらいから伸びますが)は、とても速いのですが・・・
2000ccターボの高回転に向けて炸裂するほうが愉しさ◎。
そして、
パドルシフトでのシフトダウンは、ブリッピングが気持ち良いのですが、
エンブレの効きは弱い印象です。
カーブを抜けて、アクセルを踏んだ瞬間のダイレクト感は希薄で、
せっかくの愉しさがスポイルされてしまっている印象もありました。
構造的にATのトルコンスリップは仕方ないのでしょうけど・・・。
この点は、MT乗りだから感じる点だと思います。ATに乗りなれている方には気にならないかもしれません。
あと、
コンパクトな車体の割に車重がある(1490kg)ためか、クルッと曲がる印象はイマイチ。
重い車体を太いタイヤで強引に曲がらせている印象です・・・かな。

それでも
すごい勢いで加減速を繰り返しながら
ゴリゴリ曲がって行くWRX-STIを操っていると
気持ちイイ汗を感じながら、愉しいドライブが味わえます。

でも、このクルマの本領はさらに先、
冷や汗・・・、いえ冷や汗も出ない領域かも知れませんね。。
箱根に出掛けた翌日、
強い力でフットレストを踏み続けた左足の付け根に
軽い筋肉痛を感じ、
そして、まるでオートバイで走った様な身体の疲労は数日残りました。
WRX-STIが、オートバイと同じく走る事を愉しむ
マシンと考えれば納得です。

WRX-STIの性能を引き出すことは無理ですが、
このフェインダーの膨らみが、愉しさと本気の証・・・ですね。
(※)いちクルマ好きの一般ドライバーの感想です。
腕に覚えのあるドライバーや、WRX-STIのオーナーさんは異なる印象を受けると思います。
そのときは、聞き流してください。m(_ _)m。
さて、
WRX-STIはファミリーカーとして通用するのでしょうか?

平日は、
A-LINEなら、AT限定免許の奥さんでも運転できるので、買物クルマとして活躍できます。
休日の家族サービスでは、
家族4人でも問題ない居住性が確保されています。
ちょっと乗り心地が硬いですが許容範囲・・・でしょう。。
駐車場に停めていても、
ちょっと筋肉質なコンパクトカー(?)に見えるので、近所の目は気にならない・・・かな。
そして休日の深夜や早朝に、
独り抜け出してWRX-STIを走らせる自分へのご褒美・・・
うん。。
最高のファミリーカーですね♪
ミニバンと変わらない金額で、世界で競えるクルマが手に入る・・・
これって安いのではないでしょうか。
エコと環境が重視されるご時世・・・
こんなハードなクルマが
こんな値段で普通に買えるのは最後かもしれません・・・。
そう思うと、
こんなクルマでもファミリーカーとして検討する価値はあるのかな・・・と思ってしまいます。
気になっている人は、
ぜひ奥さんを説得してみては如何でしょうか。
でも私の理想としては・・・
A-Lineを大人のWRXと謳うのなら、
足廻りをもっとしなやかにして・・・
そして、大人のMT仕様(A-LineのMT仕様)も欲しいです♪
最後に、
このクルマに乗っていると白バイやパトカーから熱い視線を感じる事が何度かありました。
ときには、反対車線から擦れ違い時に振り向いてまで。。
人気抜群ですね。(*^_^*)