
純正シートは比較的良く出来ているほうだ。長距離を走っても、疲労は少ない。これには、座面のたっぷりした広さで、体重を逃がしていることが大きいと思う。また、電動で細かく調整できるのも、疲労を軽減することに役立っている。疲れたら少々姿勢を変えてやれば、同じ箇所が痛くならずにすむからだ。
VLのレザーシートは、他のSVXよりも疲れると思う。特にへたってきたシートでは、それが大きい。これは、滑りやすくてホールドが悪いレザーで、なおかつクッションがへたってきて面圧をうまく逃がさなくなってくるからだと思う。
純正シートで疲れないようにする一番の手は、左足でサポートをしっかり踏みつけ、腰をシートにフィットさせることだ。
こうすることで、横揺れを防ぎ楽になる。そう、横揺れだ。これが疲労に大きく関わっていると思う。
私は、2台目VLのシートがへたっているのがだんだん我慢できなくなり、勢いでRECAROを買ってしまった。
純正のルーズな座り心地は捨てがたかったが、レザーの滑り、腰の横ブレが我慢できなくなったのだ。
果たしてRECARO。最初はサイドサポートに違和感あって、体が合わなかった。徐々に慣れてきて微調整した結果、純正とは全然違う疲労感の少なさ、特に800km走った後で徹夜で呑みにいけちゃうくらい元気が残っている自分に驚いた(笑)
純正だったら、1日横になってるところだ。
RECAROの良さは、まずシート形状がよくて、面圧をうまく拡散させていること。シートが比較的固いのに、座り心地がいいこと。細かく調整できること。布で滑りにくいこと。私のシートで言えば、シートヒーターとベンチレーターが入っていて、冬の寒さと夏の暑さを少々だが和らげてくれる事、などがある。
いずれにしても、長距離乗ってるとありがたみが解る。どう考えても、買ってよかったと思えるものだ。本当に長距離ツアラーとしての性能向上を求めるなら、シートを交換するのがいいと思う。どこまでも走りたく、いや、座っていたくなるから。
しかしだ。
交換後初めて乗って思ったのは、車ってこんなに揺れてるんだ、ということだ。
シートはボディのゆれを吸収してくれない。ダンピング効果はあるが、振動の周波数が違うようだ。固めになって体全体にフィットするクッションは、ボディの細かいゆれ、振動の中に混じった不快なゆれなどを明確に伝えてくる。
つまり車がヤレてることを、しっかりと認識できるようになってしまうのだ。
ヤレたシートを交換したら、車全体がヤレていることに気がつかされる。昨日まではこんなにボロだと気がつかなかったのに、だ。
それもだ。
ダンパーの動きとは違う部分の、振動の収まりの悪さなども伝えてしまう。
この前輪のとっちらかり感はダンパーじゃない。ブッシュだ。マウントも振動の収まりが悪いぞ。あれ?ステアリングもナマクラだ等等。
なんというか、体が感じている振動は複雑にいろんな周波数や振幅が混じってるのに、それはどれとどれの振動かなって思えてくるのだ。
そう思うには、inputに対するoutputがあるから。ギャップを越えたり、ステアリング操作だったり、アクセルon/offだったり。それらの操作と、伝わってくる振動のズレや期待値との相違から、なんとなく感じ取れるようになってくるのだ。
さあ、そうなると乗るたびに不快になってくる。
悩んで困って踏ん切りつけてダンパー交換、ロアアーム交換(ブッシュ内蔵)、マウント交換、デフマウント交換(リアサブフレームごと交換)とか考え始めちゃう。これを換えたら新車の感触が戻るかも!(実際やりましたよ、ええ。)
でも、こんな年式のクルマにお金掛けるのはどうなんだ?自問自答を繰り返す日々の始まり。
で、交換しようって思った人は、次から次へと交換地獄。荒行だ。
降りた人は、あの車はよかった、なんて昔の女のようなことを思い出す。
何が正解かは、本人の中にある。他人からみたら不幸でも、本人には天国なのかもしれない。案外天国って、そんなもんだ。
ヘタった車にRECAROシート。罪深い禁断の果実なのかもしれないね。
ps:でもRECARO、やっぱりいいよ。次の車を買ったら、シートは移し変えるよ、俺は。
Posted at 2005/11/25 22:29:53 | |
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SVXモディファイ | 日記