
助手席のドアがボリュームを上げていくとビビっている。
しばらく放置しておいたが、ひどくなってきたので内張りをバラして様子を見てみた。
内側ドアロック部のリンクになっている板金部品の固定ネジが緩んでいた。この部品が振動してビビっていたようだ。
増し締めして終了。
ついでに、余っていた防振材「レジェトレックス」を、ドアロックまわりやリンクに貼り込んでおいた。
ここでちょっとデッドニングについて。
ドアのデッドニングとは、防振材でサービスホールを塞ぐ事、と思っている人が多いようだ。みんカラの整備からデッドニングで検索すると、穴を塞いで終了、低音が出るようになった、と書いている人が多い。
それはちょいと違うのです。あなたのは正確な音は出ていませんよ。
いやいや、私のもまだまだだけど。
デッドニングは、防振させることに意味がある。スピーカーリア側から回りこむ音をカットするのは、初歩の初歩。
基本は、ドアの剛性を上げて、振動しなくなるようにすることだ。
でも鉄板だから限界がある。少しでも振動を押さえ、スピーカー自体の振動を空気の振動に変えてやることが大事だ。
スピーカーのバッフル付近を頑丈に固める。レジェトレックスを2枚重ねて貼っている。
サービスホールを塞いだら、さらに重ね貼り。その上からヘラでお椀型にへこませ、形状的に強くしてやる。
あとは鉄板を叩いてみて、響くところは徹底的に貼る。
特にSVXでは、ドア後方側の鉄板が響きやすいので、重点的に貼り込んでやる。
そして、ドア内張りのドアポケット部を固定している板金ステイ、この剛性がまったくないので、レジェトレックスを何重にも重ね貼り。このステイが振動していると、内張り全部が振動するので、徹底的にやる。
中鉄板が仕上がったら、内張りと接触する面にスポンジの「エプトシーラー」を貼る。
ここで、ポイント。
低音を「ドローン」「ボヨーン」とさせているのは、内張りが振動しているから。内張りの振動をいかに抑えるかが重要。
内張りの広い面積のところに、レジェトレックスを重ね貼り。
私は先にエプトシーラーを貼ってしまい失敗しているが、スピーカー周りは特に重点的にレジェトレックスを貼ろう。
次に内張りを固定しているネジまわり、ドアポケットまわりにレジェトレックスを貼る。
内張りを固定しているピンのところに、振動を伝えないようにここにも貼り込んでやる。ここは、今にして思えばシーリング材を塗ってやってダンピングしてやってもよかっただろう。
外鉄板の防振は、正直適当でいい。吸音材の貼りこみは、音を聞きながらがよいが、スピーカーの裏側を重点的に、あとは適当でいい。
総じて、ドアの鉄板の中は、やりすぎるとよくないことになる。
中鉄板、そしてそれ以上に内張りを攻めたほうがいい。
そう。
スピーカーが固定されている中鉄板が振動し、その振動が内張りで増幅されてドロンコーンのように響く。
これがキレの悪い、どんよりした音の原因。
しっかりスピーカーを固定し、しっかり中鉄板の剛性を上げ、しっかり内張りを抑える。
デッドニングの力の掛け具合では、外鉄板1、中鉄板5、内張り7って感じだ。
アウターバッフルは、私にいわせりゃ内張りを抑える為にある。
とにもかくにも振動を抑えるのだ。
2台目SVXでオーディオをいじりだし、この3台目SVXでそのノウハウを活かした。
しかし、作業的にまだまだ失敗してるところ、甘いところがある。
今度組むなら、インナーバッフルは出来るだけ広い面積で作り、中鉄板はサービスホールをレジェトレックスで塞いだ後に、ダイナマットなどのアスファルト系防振材を全面張り。内張りもダイナマットを全面張りするだろう。
後ろの車がクラクションを鳴らしても、それが聞こえないくらいの音量で音楽を聴いている。
大音量でうるさい、と思うだろうが、音量とうるささは関係ない。
TVの音なんか蚊の鳴くような小さな音量でも、耳障りでうるさく感じる。
いい音は大音量でも歪んでいないから、耳障りじゃないのだ。オーケーストラの生演奏を目の前で聞いても、全くうるさくなく、心地いい。あれといっしょ。
しかし、これ以上私の車で音量を上げると、ベースの音が歯切れ悪くなり、高域がザラついてくる。これが、私の車の機器も含めたセッティングの限界。
一度、いいカーオーディオをしっかり取り付けてある車の音を、大音量で聞いてみましょう。音に対する概念が変わるから。そしたら、もっといい音で聞かないと人生の損失だと気がつくから。
なお、デッドニングをSVXぐらいの大きなドアの車でしっかり行うと、金庫のようにドアが重くなるのでご注意あれ。これっばかりはどーにもならんけどさ。
補足説明はこちら↓
20180913 追記
こんなこと書いてたのか。忘れてた。
たまにアクセスがありますね、このページ。
何年も前に全部やり直しました。現在はまったく異なります。
ショップの施工トレンドも、この10年で大きく変わってるようです。
このブログ、参考にしちゃいけません(笑)
20190622追記の追記
今どきならば、デッドニング材は振動の減衰率を高めるだけであって、剛性はあがらないので、響きが抑えられればOK。内側鉄板のデッドニングはそこそこに。
外側鉄板は吸音材を貼って、ドア内部の空気振動を早く抑えてやる。
大事なのは内張で、吸音材を貼りこんで、内側鉄板による空気振動を内張内部で抑え込む。
ってコンセプトのほうがいいようです。防振より吸音重視。