
シリーズものっぽいタイトルですが、続編があるかどうかは不明です(笑
本土から切り離され、海に浮かぶ小宇宙とも言われる離島。
今でこそ、通信・物流・交通インフラの発達により誰でも簡単に情報を入手し、訪れることが可能になりましたが、離島の持つ隔絶感は訪れる人々の心を捉えて止みません。
かく言う私もそうした島の魅力に取り憑かれた一人ですが、実はあんまり離島には行けてません(;´ω`)
去年の7月に
的山大島(長崎県平戸市)に行ったのが最後です。
そこで、連休最終日となる5月6日(火)に、山口県萩市沖にある見島という島に行ってきました。
普通に地図を見ても、山口県にこんな島があることは気づかれにくいかもしれませんが、実は結構有名な島だったりします。
その理由は、日本で唯一の純粋和牛である「見島牛」の産地だからです。
(西洋種の影響を受けていない日本の在来牛としては、他にトカラ列島の口之島に生息する口之島牛がいます)
和牛のルーツである見島牛は国の天然記念物に指定され、年間10頭程度しか市場に出回らない「幻の牛」で、そのお肉は、細かいサシがよく入った極上の霜降りだとか・・・・・(;゚ー゚)ゴクリ
肉好きの私としては、口にするのは無理にしても、その姿くらいは実際にこの目で拝んでおかなくてはなりません!
ちなみに、見島牛とホルスタインを一代交配させた牛は「見蘭牛」のブランドで販売されており、萩の道の駅などで食べることができます。
閑話休題。
今回は行き先が周囲17.5km、南北約4.6km、東西約2.5kmの小島だということもあり、ハスクで行ってみました。
自宅から萩市までは100km弱なので、ハイエースに乗っけていくか自走するか悩んだのですが、もう4ヶ月以上まともにハスクに乗っていないこともあって、自走していくことに。
あんまり舗装路は走りたくないんですが、新しく付けたキャリアの具合も確認したかったですしね。
見島へは、萩市街地から高速船が出ていて、バイクの積載も可能です。
第一便の出港が8:20だったので、6時前に家を出発。
下道オンリーのR489→R376→R262のルートです。
この日の最高気温は22℃の予報だったので、それに合わせて軽装で出かけたのですが、これが大誤算でした。
道路脇に設置してある温度計の表示は3℃。
萩市につく頃には、もはや指先の感覚がなくなっていました。。。
とりあえず乗船手続きを済ませて船を待ちます。
港内にはクラゲがいっぱい。
珍しかったので撮ってみました。
そして8時頃に乗船する高速船「おにようず」が入港してきました。
ちなみに、おにようずとは漢字で「鬼揚子」と書き、見島の伝統で、長男が生まれたときに祝って揚げる大凧のことだそうです。
運賃は人間1940円、バイク3880円。(片道)
ある程度離れた島なので、やはりそれなりにかかりますね。
船に乗り込んで、いよいよ見島へGOです。
ところで見島の地図を見て、なんかの形に似てると思いませんか?
これだとわかりにくいかもしれませんが、右に90度回転させると・・・・
ほら、牛の形をしてるでしょ?(右が頭)
牛の形をした島に天然記念物の牛。いやが上にも気持ちは高ぶります。
早くこの目で見てみたい!
ちなみに萩市周辺には他にもいくつか島があって、みなフライパンをひっくり返したような、上が平らで周囲は崖っぷちという形をしています。
これは尾島。
こっちは相島。
定期船も出てるみたいなので、今度上陸してみようかな。
さて、「おにようず」ですが、約45km離れた島まで70分で到着します。
結構な早さです。
実際、外海に出ると2000馬力のディーゼルエンジン2基が唸りを上げて加速し、速力は23ノット(約43km/h)に達します。
波の荒い日本海側でこの速度な訳ですから、船は当然揺れまくります。
船酔いにひたすら耐えて約1時間、見島に到着!
折り返し萩に向かう船では、島民が出発する人の門出を祝って?色とりどりのテープを投げてました。
フェリー乗り場にて。
この島は渡り鳥が数多く飛来することでも有名で、バードウォッチャーもたくさん来ていました。
港のそばにある、見島牛の記念碑。
この日は良く晴れていて風も心地よく、かなりのバイク日よりでした。
さて・・・・まずはどこに行こうかな・・・・
とりあえず牛を見に行こうと思いますが、牛のいる場所に行く途中に「ジーコンボ古墳群」というのがあるみたいなので、そこに行ってみることに。
のどかな田園風景が広がるここは、八丁八反と呼ばれる田園地帯。
適当に道を進んでたら、なんかエライ場所に来てしまいました。
どう考えてもこの道は違いそうなので引き返します。
少し戻ったところに案内板がありました。
遺跡と言っても、こんな感じのが所々にあるだけ・・・・
島には各所に、古墳ではないのですがこのような「笠石」というものも見られます。
島の原始宗教の遺物とされていて、テルさんのアレ・・・・ではなくて男根をイメージしたとされるもので、笠の上に石を載せると願い事が叶ったり良縁に恵まれたりするんですって。
続いて見島牛放牧場へ。
いました!
天然記念物の見島牛です!意外と小ぶり。
一頭だけやけに人懐っこいのがいましたが、臆病な牛のようで、人が近づくとさっさと逃げてしまいます。
牧場の先には日崎という小島があって、不動明王を祭った小祠があるらしいのですが、行くのがかなり大変そうなのでやめました。
島の道はどこも狭いです。
黄色のガードレールが、ここが山口県であることを思い出させてくれますね。
島内唯一のダム、見島ダム。
ダムから、八丁八反の水田地帯を臨みます。
近くにあったヘリポートにて。
ダムの下には「鬼揚子」のタイル絵がありました。
中学校の廊下にも鬼揚子のミニチュア版が。
次にやってきたのは、これまた天然記念物のイシガメ・クサガメ生息地。
亀を探してみると・・・・
こいつがそうかな?
この日は天気が良かったので、倒木や岩の上で甲羅干ししてる姿もよく見られました。
お昼にはまだ時間がありましたが、このあたりでお腹が減ってきたので、一旦集落に戻って何か腹に入れることにしました。
なんせ、朝飯は来る途中の船の中で全部出してしまいましたからね・・・・・(笑
島には軽食屋が2軒ありますが、そのうちの一つ、「八里ヶ瀬」へ。
普通の集会所みたいな感じで、余所者は入りづらい雰囲気。
店内は普通の喫茶店でした。
刺身と天ぷらの「八里定食」を注文。
定食に付いてくる味噌汁は「グベ汁」と言って、いろんな貝が入ってるんですが、、、、
なんかすごいのが入ってました。
見た目はグロテスクですが、良い出汁が取れていてなかなか美味かった。
余談ですが、八里ヶ瀬というのは見島の北に位置する日本でも有数の天然漁礁のことで、クロマグロの漁場としても有名です。
以前、タレントの松方弘樹さんが、ここのマグロトーナメントで300kgの大マグロを釣り上げてニュースにもなっていました。
腹ごしらえをした後は再び島内を散策。
福戸城跡。
城があった高台は、現在は灯台として使われていますが、その灯台周辺の設備も良い感じに寂れています。
砂防ダムがあったので、バイクを乗り入れて写真を撮りました。
島の西側には自衛隊の基地があって、北のテポドンから我が国を守ってくれる第一の砦となっています。
ここから、島の一番北にある「北灯台」に向かいました。
同じ場所から日の出と日の入を見ることができる、日本でも珍しい場所です。
この場所からの風景はマジで最高でした。
広い海と青い空。よく手入れされた草地。最高。
その後、島の西側にある宇津地区へ。
棚田の田園地帯が広がる閑静な場所です。
港のそばにある砂見田海水浴場。
すごく綺麗で、南国のプライベートビーチみたい。
近くの断崖絶壁には、日本三大正観音の一つ「宇津観音堂」があります。
鳥居のトンネルを抜けると・・・・
崖の中腹に観音堂が見えてきます。
入口にあった石灯籠
そばにお地蔵さんがあって、「見島八十八ヶ所」という看板が立てられていました。
どうやら、島内にこういったお地蔵さんが八十八基あるみたいです。
全部は確認できませんでしたが、これらを探しながら島内を巡るのも楽しそうですね。
観音堂。
中では法要みたいなのが執り行われていたので、入るのは憚られました。
この砲弾は、日露戦争のときのものだそうです。
天然の岩を利用した石灯籠。
こういうセンスはいいね。
溶岩ドームでできた海中洞窟。
観音堂の入口のそばには未舗装の林道があって、そこを入ると・・・・
何とも気持ちの良い草原地帯に行くことができます。
日本じゃないみたいな壮大な風景。
気持ちよすぎます。
以上で島内散策は終了。
島内を、それこそ隅々まで堪能し尽くすことができました。
さようなら見島!
すごく楽しかったです。
来て良かった!
貴重な牛を見て牛肉が無性に食べたくなったので、萩市に着いてから、見蘭牛を食べることができる「網焼きレストラン見蘭」に行きました。
特選5点盛り。
と、大盛りライス+わかめスープ。
大盛りライスは2杯食いました。
やっぱ肉には米ですな。
見蘭牛、美味すぎぃ!
美味いものが食えて、良い景色が見れて、充実したツーリングでした。
やはり島は良いものです(´ω`)
次はどこの島に行こうかな~