今日は魂赤号の6ヶ月点検。
総走行距離はおよそ3,250kmほどでしょうか。
まあ特に問題も無く、エンジンオイル&エレメント交換、マツダコネクトのVer.upを依頼。
ただ、一つちょっとした不具合が…。
我が家のも例に漏れずドアトリムのテープはみ出しがあり、これは後日、部品が左右揃い次第交換対応って事に。
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さて、その足でFordのディーラーにおじゃましまして、前もって試乗予約していたFiestaに乗せて頂きました。
前々から乗ってみたくていたんですが、札幌周辺であっても何せ販売拠点が少なく、私の自宅のご近所には当然のように無い為になかなか乗れず仕舞いだったんですね。
ですが、今回、街中ですれ違ったFiestaが私の目にはとてもカッコ良く映り、これは何としても一度実車に触れてみたいと思い立って念願の試乗となりました。
エアロがカッコいい、という事じゃないです。寧ろどちらかと言えばエアロは嫌いな方ですから。
いつもの様にダラダラ前置きが長くなりましたが、それでは印象を少々書き留めてみましょう。
まずはこの車は先代マツダ2、日本でいうDE型デミオと基本コンポーネントが共用という事みたいなんですね。
そういう意味ではデミオと仕立ての違いがどうあるのか興味ありますね。
日本に導入されてるモデルはモノグレードの様ですが、出来れば素のグレードと何でもテンコ盛り仕様の2つは用意して欲しかったかな。
と言うのも、担当して頂いた営業マンの説明を聞き違いで無ければ本来本国では14インチホイールが標準と聞きましたし、日本仕様の45偏平16インチ仕様は幾分大袈裟な仕様に思えるから。幅も195も必要でしょうかね?175~185ってとこで良さそうな気もします。
エアボリュームを確保して縦バネ感も良さそうな185/55R15?いやいや175/65R14辺りで乗ってみたい♪
175だとちょっと幅が物足りないでしょうかね。
まあでも現状サイズでも嫌みはありませんがね。
トレッド面が硬すぎてゴロゴロした感触も無く、それに加えてEPSの操舵感も悪くない、と言うか多くの日本車よりも寧ろ良い。
若干の壁感が顔を出す事があるものの、操作力も軽すぎてスカスカなんて事も無い。
割りと素直な感触ですね。
脚の感触も良いですね。
少々硬いかな?と最初は感じたんですが、なかなか良くダンピングが効いてて落ち着いた素直な脚ですね。
もう既に私の住む地域では気温があまり高くないので、走り出して車の各部が暖まってから多少落ち着いてくるようです。
先代デミオはどちらかと言うと身のこなしの軽い感じで今回のFiestaとは異なった印象がありますが、仕立ての違いでしょうか、ステアリング系もサスペンション系も、それからそれに伴うフロア廻りの強さもデミオより一回り大きな車の様なしっかりとした感触です。
まあ実際デミオよりも100kg以上重いですから、そう感じる部分があるのかもしれませんが、私としてはこちらの方が好印象ですね。
特にリアの仕立てはこのクラスではなかなかの特筆もの。非常に落ち着きのある良い脚ですね。
あのリア脚があっての落ち着いた感触でしょうか。
あと脚の印象に付随してシートがこのクラスとしては相当に良かったです。
あまり立体的に凝った形状とは言えませんが、しかしながらサポートも良好、シートまで踏まえた車全体としてのダンピングの躾がとても良い。
立派な見栄えのシートでは無いんですが、これは多くの日本車には真似出来ない仕立てですね。
実はこういう縦バネ系の仕立てを是非ともDJデミオやCX-3(特に16インチ仕様のXD)に期待したかったんですよ。
こういう基礎となる部分は遠く及んでないのが残念。実力差はまだまだ決して小さくない、そういう印象です。
特にリアの仕立ては完敗。
と、ここまでは良いんですが、逆に好まない点も少々。
まずは私のドライビングポジションには有り難くない空間です。
Aピラーの傾斜が強く、フロントウィンドウ上端が若干目の前に迫った感じで、どうも好きじゃない。
シートリフター、ダイアル式角度調整機構のバックレスト、チルト&テレスコがあるのでポジションが取れないと言う程じゃ無いんです。
でも、私の好む姿勢でポジションを取るとフロントウィンドウ上端位置が額に迫る感じが最後まで馴染めませんでした。
空間が狭いってのとは違うんですよ、どちらかと言うと各部の位置関係が好きじゃないとでも言うんでしょうか。
まあ私の高い座高と背を立てたドラポジが合わないだけでしょう。
この車のイニシャルのドラポジに対して私のドラポジがイレギュラーなんでしょうね。
あと、オーディオ周りのデザインは正直嫌いです。
センターの一等地にあるスティック状の操作系はまあ良いとして、その周りにあるキーが一目で見てどのキーがどういう役割のキーなのか確認しづらく、同じ様なキーが並びすぎじゃないでしょうか。
ちょっとテカテカ、コチャコチャしすぎ。
昨今のデザイントレンドではない感じですね。好みが分かれるでしょう。
慣れれば問題ないはずですが、少なくとも私の好みでは無かったです。
メーターまわりも好みが合わないですね。
青く光る針も個人的には興醒めです。
それと、存在感の大きなホイールに合わせてるのか少々仰々しいエアロの組合せが何とも安っぽく、少々私の好みからは外れてしまいます。
どうして海外の車を日本仕様として持ってくるのはこういう仕様が多いんでしょうか。
インチアップにバネレートアップのローダウン、その上仰々しいエアロ付き。
この車のエアロなんかはそれほど嫌いでは無いものの、もっと素で美しい車が結構多いのに、と思う訳なんですが。
メカニズム的にも素のモデルは入って来てない車種がほとんど。
もっとシンプルモデルも味わいたいですよ。
まあこれも私の好みの話ですね。
一番最後になりましたがエンジン関連もちょっとだけ。
3年連続インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー受賞される程の代物なので、今更私ごときが能書きをたれる事に意味はありませんが、巷で言われてる様に3気筒のネガなんてまず感じませんし、1L未満の排気量という事も言われても気付かない程でしょう。
確かにNAゾーンはありますし(当たり前かもしれませんが)、ターボエンジンならではのトルクの増え方もありますが、エンジンにそういう感触を好まない方であっても恐らく嫌みに感じる事は無いんじゃないでしょうか。
そんな嫌みは我が家のCX-3の方が格段に満載です(笑)
当然の様に定常走行からのミリ単位のペダル操作に対してもレスポンスはきちんと返ってきますし(まあそうじゃないと現代のエンジンとしては失格ですよね)、多少ラフに踏み込んでみた状況でもガソリンターボの場合は入ってくる空気量を睨みながら効率低下を最小限にすべく点火時期を極力リタードせずにブーストもしっかり管理出来てるそうですね。
ガソリンターボはとってもノッキングの問題がついてまわるはずで、しかし、レスポンス悪化なんて感触は短い試乗コースではまず感じませんでしたね。
その良質なエンジンに組み合わせられるミッションが6DCT。
日本の多くの走行パターンにおいてDCTの主に低速時のギクシャク感が顔を出すシチュエーションが嫌われるのと、ユニットの冷却が追い付かず油温上昇からくる信頼性の問題が取り沙汰されているのは耳にしてはいますが、制御改善&信頼性向上をより努力して貰うとして、やっぱり変速機としてのポテンシャルは非常に捨てがたいと思います。
パワートレーンの全体的な印象はちょっとだけマイルドなセッティングに感じますね。
小排気量ガソリンターボエンジン+DCTとなればどうしてもVW車、その中でも対FiestaとなればやはりPoloと比較したくなりますが、個人的に新しいBlueMotionにはまだ乗ってないので、従来のTSIコンフォートラインとの比較となりますけども、その比較では互いにスペックこそ近い物ではありますが、車の出来や方向性は似て非なる物と言えましょう。
Poloの方はドイツ車らしく?機械としての精度感を追究した感じで、きっちり造り込んだ印象がありますが、半面、どこかゆとりの無さにも似た印象を感じてしまい、こういう高精度感が好きな人はいるでしょうが、最近、私としては少々窮屈に感じてしまうんですよね。
まあGolf程ではありませんが。
どこかこう付け入る隙の無い、「黙ってこれに乗っていれば良いんだ。」と車から言われてる様で、車からの強要とまでは言いませんが、ちょっと息苦しさを覚えます。
それでいて近年のメルセデスを筆頭にカッコが結構エグいのが少なくなく、勝手な解釈かもしれませんが、ドイツ車=論理性の塊的な物がデザインから感じとれず、某国産大手のデザインとは別種の気持ち悪さが近年のドイツ車全般から多少の差こそあれど感じてしまいます。
しかもちょっとスタイリッシュとは言い難い。
車全体から発する無機質な中からの暑苦しさとでも言いましょうか…。
デザインの好みの話に飛んでしまいましたが、ちょっと話を戻して、FiestaはPoloから較べると、例えばパワートレーンの制御ひとつとってもトルクの出方も変速の速さも一呼吸遅い。
でも、それが良い意味で車のキャラクターとなってると思いますし、良い意味でのゆるさが私個人としてはこちらの方が好きですね。
ただちょっと残念なのが、少々お値段が高い設定に思えます。
もう少し素の装備で199.9万円とかだったらもっと魅力的に映るのになぁ、と思います。
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最後になりますが、この車はいたって普通に良く出来た車だと言う事を強く感じました。
全てのクオリティが高いとまでは感じませんが、普通の車の普通以上の仕上げ、造り込みには驚きましたし、自動車王国と称された国の底力を見た、そんな印象です。
同クラスの国産車にはこれだけの出来の車は皆無(まあ少々お値段も異なりますが…。)
でも、Fordって高級自動車メーカーではなく、あくまでも一般実用車メーカーだと思うのです。
そういう意味では国産自動車メーカーも同様だと思うのですが、実力差はまだまだ相当にありますね。
とても残念な事です。
せめて同じ土俵に上がれるくらいの造り込みと日本ならではの和の仕上げ感を期待しています。