今更ながらこの車に乗ることが出来たので感想を少々。
まず最初にオーナーさんをはじめ、この車のファンの方達にはお叱りを受けそうですが、僕個人もこの車は好きな車の一つだっただけに、とても残念な印象となってしまいました。
もし、お読みになって気分を害される方がいらっしゃいましたら申し訳ありませんm(_ _)m
自分で買った車でも平気でダメだしをする性分ですので…。
実はこの車には発表直後に試乗した事はあったんだけど、今回は代車なので結構長い時間付き合う事が出来たので以前に乗った時の印象を思い出しつつ味わってみました。
今回お借りした車はMC前NAモデルで、発表された時の車とは基本的に差は無いはず。
なので、その時の印象と概ね同じなのだけど、今回は乗った時間が長いのも手伝ってか元々あまり印象の良くなかったのが以前よりも更に僕の評価は残念な結果となってしまった。
タイトルにもある通りモベっちの車検の為、以前よりお世話になってるホンダへ向かい、営業マンと一時間半にも及ぶ僕の一方的な能書きも終え、代車のキーを受け取り、我が家へ向かうべく早速乗り込む。
僕:「ん?やっぱダメだ、コレ。」
営:「はは、もうダメですか(苦笑)」
営業マンも所有してる車というのは当然知ってるのだが、一切の遠慮無しに文句を浴びせる(笑)
さて、本題の一発目からの
ダメですが、着座位置が全くダメ!
これだけ背の高い車なのにも関わらずひたすらに低い位置に座らせられる。
更にシートの出来もダメ!小さく平坦でコシが無い。うちのモベっちよりはマシですがね。
当然、この位置に座ると巨塔と自負する座高である僕の頭上に不自然なほど広大な空間が存在する。
こんな位置に足を投げ出した姿勢で座っては重心の高いこの車のロール方向の動きに対して尻を支点として上半身が揺すられ、足で揺れに耐える事が出来ない。
更にこのポジションに対して各ペダルの角度も合っておらず、非常に足首に負担を強いるもの。
その車の走行性能がどうこう以前にドラポジさえしっかりしていれば随分と印象も良くなるのになぁ。
逆に後席に目を移すと、これがかなり高い位置に座る事になる。と言うよりこちらが後席としては丁度いい高さで、逆に不自然な程前席が低く見えてしまうほど。
しかし、シートは平坦でコシも無く前席と同様に長時間座り続けるのは少々辛い。
さて、のっけからダメ、ダメと言ってはみたものの走ってからの印象が良ければ救われるのだけど、これがまた残念で…。
この車のエンジンはフィットより採用されたi-Dsiと呼ばれる2バルブ・2プラグ方式を用いた660ccバージョンで、フィットのL13A型が非常に印象の良いユニットだっただけに期待度が大きかったのだけど、実際はとっても低速トルクに乏しくガサツなユニットだった。
とにかくルーズに回ってるだけで、回転の伸びに対してトルクが全然ついて来ない。
更に必然と言うべきか、それと相まってATが何しろ滑る。
それは軽のATはストール回転が高めという事を考慮しても。
やっと4速化となってロックアップ機構も備わり、一応時代の流れに追いついたのに、劇的にトルクの無いエンジンを補うべくトルコンが滑りまくりで、忘れた頃にやっとこさ車速が伸びてきて、これじゃあ運転にメリハリをつけるのは非常に困難だし、何より実燃費は決して良くならないのでは?
足回り関連については、まずパワステがちょっとねぇ。
中立付近に妙に抵抗があり、その先は逆にアシストしすぎ。電動というのは時代の流れで仕方ないにしても、もう少しマシな作り込みは出来たはず。
これもまたフィットを引き合いに出しますが、あっちの方が随分とマシな方。
更にフロントの足回りの剛性感に乏しく、いつもグニャグニャ、フラフラして60km/h程度でゆるいカーブを抜ける際も狙った所より外へ逃げてしまう。
荒れた路面では脚がドタバタし、路面を捉える事が出来てない。真っ直ぐ走る事さえままならず、常にタイヤ1~2本分程度は左右に修正しながらの随分と神経を使う
運転を強いられる。
もうひとつブレーキにも少々。
最初の踏み始めから効き始めるまでが非常にルーズでダラダラと滑る感じがある。
そこから先に減速度が必要な場合は当然更なる踏力が必要で、女性の踏力では少々管理しづらいと思う。
ペダルを踏んだ初期からすぐにカクンと減速度が立ち上がる必要は全く無いのだけど、もう少し節度ある効き方が必要でしょう。
この車は極端な程に女性へと向けた商品のはずで、であれば運転のスキルが高い人ばかりが乗る訳では無いのが大前提のはず。
そのスキルの高くないであろう人達にこそ逆にメーカーがしっかりとしたプロダクツを用意してあげるべきで、そういった観点からするとこれ程ナーバスな車ではお世辞にも及第点はあげられない。
この車のすぐ上に位置するフィットが良い出来で世に出す事が出来たのだから、軽自動車でもそれが出来ないはずがない。
次期型への願いを込める意味でも敢えて厳しい意見とさせて頂きましょう。
でもでも、そうは言いつつも車検に出した我が家のモベっちと比べたらしっかりと進化の跡は見受けられ、軽自動車の販売台数が頭打ち感が出てきたと言っても最近の軽人気を見る限り、軽自動車もしっかりと市民権を得られた証拠でしょう。
最後にこれからのホンダ製軽自動車に期待して終わる事にしましょう!