前回久々に復活したブログに続いてちょっと書き足しましょうか。
前々から乗ってみたかったマツダ・CX-5についに乗ったので、その感想を。
今回乗せて頂いたのはXD Lパッケージ 4WD。
元々ディーゼルエンジンを待ち焦がれていた人間なので、ガソリンモデルはまたの機会にしました。
その日のショールームは天気も良く日曜日だったせいもあってか結構なお客の賑わいで、試乗もほんの少しだったのが残念。
しかも、久々の試乗という事もあって、自分で短い試乗の際に何を注視すべきか全く忘れて勘が戻らなかった事がもっと残念。
そんなこんなであっても感じた事を書きとめておきましょう。
では、早速乗り込んだ印象へ(この際、内外装の印象や好みはどうでもいいので。)
ポジションはまず問題なく収まります。
超ハイタワー座高の私にも窮屈感はなく、チルト・テレスコもあってありがたい。ホント、各メーカーでテレスコは標準装備項目に入れて欲しいです。
メーターやペダルの位置関係もちょっとタイトめにポジションを取っても、逆に少々ダルな感じでとっても意外としっくりきましたね。
ま、私はいつもタイトめで取りますが。
シートに関しては少々残念です。ちょっと安く造った感が見て取れます。
何て言うか…、コシがないです。ロングドライブにでもなれば有難くないでしょうね。
シートは乗ってる間じゅう体を委ねてる一番大切な部品です。
そこにしっかりと目を向けて欲しいです。
ま、それでもこの車のシートはそんなに悪い物ではないと思いますがね。
そろそろエンジンをかけます。
私の前にも試乗された方がいらっしゃいましたので問題なく初爆からすんなりとかかります。
ただ、ディーゼルは低温時始動性が問われますので、圧縮比14まで落としたこのエンジンの厳冬期の始動性が今でもちょっと心配です。
私の住む所は札幌近郊で極寒地域ではないとは言えども、この冬はテレビの見間違いじゃなければ-25℃をも下回った日がある程なので、新車時はともかく数年先の耐久信頼性がちょっと気になるんですよねぇ。
では走り出しましょう。
走り出しはじんわり踏まないとちょっとゲインが強めに出ます。特に蹴り出し~2、3速目辺りが過剰に反応する事もしばしば。
ま、これはドライバーの右足のセンスで随分と印象がよくなるでしょう。私のドライビングが未熟さ故の印象かもしれませんね。
蹴り出しから先は本当にブ厚いトルクで押し出され、本当に何のストレスもなく進みます。正直、これはやみつきになりますね。
試乗の最後まで全負荷くれてやる事はありませんでしたが、ペダルストロークにしてほんの数パーセントだけで事足ります。
ただ、ちょっと残念なのはエンジンのツキがほんのちょっとだけ甘いかなぁ、と。
何て言うかピックアップとかレスポンスとかで表現するのが難しい感じがするんですが、最新式ディーゼルエンジンにしてはちょっとボヤけた感触を作ったのかなぁ、という感じを受けました。上手く語現化出来なくて歯がゆいのですが…。
それに相まってなのかATの印象もちょっとだけ残念。
営業マンの方から教えて頂いたんですが、「トルコンはスタートデバイスだけに用いて、あとは全域ロックアップです。」と言う割にはちょっと変速がルーズでソリッドな感じには物足りない。
この辺りはもう一段キレ味良くあって欲しい感じがしましたね。
あと、これだけトルクの塊のエンジンなのだから、走行状況によってはもっと段飛ばしでもして、かつ、ギアホールドを多用してはいかがなものでしょうね?
現状ではまだちょっと旧来の日本のATの悪しき慣例に基づいた様な変速のビジーさが残ってる気がします。
多段化も結構ですが、それよりもセッティングをもう一歩、いや半歩でも詰めて欲しいです。
それからブレーキに関しては特に極低速域でのゲインが強めに出ますね。
日本車のブレーキのセットはどうもチョイ踏みで効く事が求められてるようで、踏み始めの制動感がごく一部の車種を除いて過剰に出る傾向がありますね。
しかし、その先での制動力、制動感に乏しい事が少なくない。
以前からの私のブログで何度も書いてるとは思いますが、ブレーキは踏力の制御。
その踏力に応じてきっちり制動力を発揮しなくてはなりません。
この車もそういう意味では今一歩。
まあ踏力を増した先での制動感が出ないズルズルとした感じはさすがにありませんが。
タイヤを含めた足回りに関しては、試乗車がまだド新車のせいか、或いは全体的に車がまだ温まりきれてなかったせいなのかちょっとフロントとリアのバランスに欠いた印象がありますね。
いくら圧縮比を可能な限り落とした最新式の軽く仕上げられたディ-ゼルエンジンとは言えどもエンジンは少々重く、それを支えきるにはちょっと足りてないんでしょうかね。エンジンの揺れ?もちょっと顔を出す事がある気がします。
エンジンマウントで印象が変わるでしょうかね。
ハナがちょっとバタつく感じが少し顔を出す事もありました。
この感じは17インチ仕様ではどうなんでしょうね。
少なくともこの19インチ仕様はもうひとつ詰めきれてないんでしょうね。
55扁平という事で、昨今の車にしてはそれほど高扁平ではないとは思いますが、少なくともこの19インチ仕様においてはヨーのゲインが強めに出ますし、コーナリングパワーが出た先の旋回中において更にステアリングをちょっと切り増した先でも少しゲインがきつい感じがします。
この辺りは17インチ仕様だと随分と良いんではないでしょうか?エアのボリュームも多く取れますし、縦バネ感も良く、路面から急にタイヤを叩かれてもマイルドにいなすと思いますしね。
ま、乗ってみないとわかりませんが。
ここまでは細かい点ですので、全体的に見れば些細な事でしかないです。
正直言ってここまでしっかりと造りこまれた感のある日本車は珍しいとさえ思います。
が…、個人的に非常に残念でならない点がひとつだけ存在してます。
それはパワステが大きく起因してるであろう操舵感です。
これはもう本当になんとかしてもらいたいレベルです。
営業マン情報によりますとコラムマウントタイプの電動PSだそうですが、ここまでの気合が込まれた出来なのにも関わらず、何故に安易なシステムを採用したのか理解に苦しみます。
中立付近は例に漏れず妙な壁感の演出、速い転舵においてはモーターのイナーシャ感がありありで必要以上にするすると回ろうとする。
逆にその戻しがそのイナーシャを引きずって引っかかる感触が出る。
とてもステアリングから路面とコンタクトを取るのに苦労する操舵感で非常に残念です。
営業マン曰く「女性でも違和感なく扱える様にしたセッティングなので…。」というような事を仰っていたが、それは違う。
女性だろうが誰だろうがしっかりとしたインフォメーションをドライバーに伝えてあげるべきであり、むしろ身勝手な運転をする多くの男性なんかよりも女性の方が車両からの情報を正確に伝えてあげるべき。
「女性ドライバーに対しては安易に適当なセットでも大丈夫。」だとでも思ってるかのようだ。
恐らくはコスト的な問題でのこのシステムの採用であってもちろんメーカー側ではそんなつもりはないのだろうが、今まで担当して頂いたマツダの営業マンの中でもとりわけ熱意ある良い感じの方だっただけに、逆にそんな苦し紛れの営業トークが発端となった良くない印象のステアリング系の仕上げが残念でなりません。
まあそうは言ってもこのコラムマウントタイプのパワステの中で最悪の感触って事では全く無いですが、ただ、マツダにはもっと感触の良いアクセラに採用したシステムもある訳で、どうしてここまでの出来を成し遂げた車にも関わらず安易に安価なシステムを採用してしまったのか理解出来ないし、非常に残念でなりません。
最後にごちゃごちゃと訳のわからん能書きが続きましたが、全体的に見ると素晴らしい出来だと思います。
近年世に出た国産車では満点の出来なのではないでしょうか?
ま、最近はそんなに多く試乗させて頂いてる訳でもない人間ですし、ほんの数分、数キロで車を味わうなんて出来るはずもない素人ですがね。
ただちょっとツメの甘さ、画龍点睛を欠く印象が残念な、でも、素晴らしい車だと思いました。
一週間くらいのロングドライブをしてみたい車ですね♪