
中国が日本に競り勝った、インドネシア初の高速鉄道が、ようやく5月から、「全面着工」される可能性があるという。これは、ジャカルタと第3の都市、バンドン間(約140km)を結ぶ計画で、2015年に受注、16年1月に起工式が行われていたが、なかなか着工されずに不安視されていた。
中国メディアの同花順財経網は25日、この高速鉄道計画が全面着工される見通しであることを伝える記事を掲載し、着工が遅れた理由について分析した。ジョコ大統領肝いりの一大プロジェクトであるにもかかわらず、全面着工されないまま、2年以上が経過してしまったのはなぜなのだろうか。
開業予定は2019年だったが、来月着工では間違いなく間に合わないだろう。記事によると、開業は2020年にずれ込む見込みで、『インドネシア側(施工主)に問題があった』と主張している。
記事は、着工が遅れた主な理由は、「土地取得が進まなかった」ためで、3月の時点で56.5%しか進んでいなかったと指摘した。土地取得に際しては5580人もの、土地所有者との交渉が行われたと伝えており、土地買収に難航したことが垣間見えるが、記事は土地取得など「金と法律で解決できる」、『簡単な問題』であり、ここまで停滞したのはインドネシア側の、姿勢に問題があったことによると非難した。
記事では終始、全面着工が遅れに遅れたのは、インドネシア側の問題であり、中国は「迷惑」を被っているという論調で報じているが、実際には、中国側の問題も多いと見られている。国家プロジェクトのためなら、簡単に許可が下りる「中国」とは違い、インドネシアで土地取得に、時間がかかるのは想定内であったはずで、ましてこの区間は人口密集地であり、難航するのは予見できたことだ。やはり、日本に要請していればよかった、という声が出ることを危惧しているのかもしれない。
インドネシアは、ジャワ島を横断する、鉄道建設も計画中で、この計画は日本に要請するとの見方もある。また、ジャカルタ-スラバヤ間(約720キロ)に、最高時速160キロの準高速鉄道を整備する計画もあり、こちらも日本に協力を要請しているという。これで日中とのバランスを取りたいインドネシアの思惑もありそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF) サーチナ 2018/05/02 15:22
Posted at 2018/05/02 19:39:06 | |
トラックバック(0) | 趣味