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昨日に続いて、もう少し母の話を‥。

母はもう少しで女性の平均寿命を迎えようとしています。
様々な病気や認知症の症状が現れても不思議ではありません。

この春の入院中には一時認知症が来たかと思わせるような事がありました。
無表情になり昼でも寝ていることが多くなったのです。

結局のところ、これは薬の副作用だったようで薬を止めるとみるみる改善しました。
病気が回復していく上で役に立ったのが音楽でした。

母は昔から歌が大好きで、少し前までは大正琴を習ったりコーラスの会に通ったりしていました。
昔の童謡や唱歌の入った音楽全集を何セットも買い集めていました。
今でも昔聞いた膨大な量の歌詞を憶えています。

それが役に立ったようで、表情も豊かになり病気の症状も改善していったのです。

そんな母とのドライブですが、昔の話や友人の話や旅行の話などに花が咲きます。
何度も聞いた話なんですが、それはぐっと我慢して話を続けます。


そんな母が先日のドライブ中に突然黙ってしまいました。
ちょっと心配して「具合が悪いんか？」と聞くと、「この曲を聞いていて、ちょっと泣けてきた」と言うのです。

今までのドライブでは、音楽は話をするために殆ど聞こえない音量にしていました。
洋楽やインストゥルメンタル曲を掛けることが多かったんですが、その時は昔のフォークソングの「神田川」や「精霊流し」を普通の音量で流していたのです。

そんなマイナー調のフォークソングを聞いてウルウルッと来ていたのです。
特にその曲に纏わる悲しい出来事があった訳では無いのに、です。


リクエストによって家で聴くためのマイナー調なフォークソングを集めたCDを作りました。
前述の２曲の他、かぐや姫の「妹」や「僕の胸でおやすみ」、さだまさしの「秋桜」や「無縁坂」、井上陽水の「心もよう」などマイナーな曲のオンパレードです。
歌詞も欲しいらしく、タブレットで検索した歌詞をノートに書き写しています。

歌詞の検索サイトは著作権の関係で印刷やコピペも出来ないようになっているようです。
書き写すという作業は頭や手の活性化に役立つはずですし、泣いたり笑ったりと感受性が豊かになるのは認知症予防にも良いはずです。

今日もフォークソングのCDを聴きながら、使う宛のない編み物をしている母です。