実家の猫です。
実家にはこの他にも猫が何匹かいて、基本的にはあまり僕に友好的でない子のほうが多いのですが...
この子はどうやら別のようです。
実家に帰った時には必ず足元に擦り寄ってきて、抱き上げるとちょっとの間であればゴロゴロいって喜んでくれます。(長時間抱きかかえようとすると怪我しますw)
この子と出会ったのは8年ほど前、父の車を借りてひとり深夜のドライブに出かけていた時でした。
(すでにその頃から無駄に車で徘徊するクセはあった模様^^; < 僕)
市道をダラダラと走っていると、突然ヘッドライトが道路の真ん中に佇む小さな障害物を照らしました。
「スーパーの袋かな?」
と一瞬思いましたが、念の為に停止してよく見てみるとどうやらふるふると体を震わせた小動物のようでした...。
横を向いてちょこんと座っていました。道路の片側のど真ん中。
このままではとても進行できません。
車を降りていけばきっと怖くなって逃げるだろうな、と思っていましたが、
降りて行って近づいても全く逃げる素振りはなく、ヘッドライトに煌々と照らされていることにも気付いていない様子。
なにか変だなと思いながらもそのままにはしておけないので、そっと抱きかかえると
「ぴゃあぁ〜!」
という鳴き声。
この時点で初めてそれが「猫」だということに気付きました。。
そんなところにいよいよ他の車が接近してきていたので、
もう手段を選ばず咄嗟に車の中に乗せて一緒に走り出すことに。
そうしたら急に怖くなったのか、ずーっと鳴きっぱなしの状態^^;
助手席におとなしく座ってるなんてことは不可能ですし、調度良いダンボールの箱やバッグも持っておらず。。
自分の着ていたパーカーのお腹の部分に子猫を入れて、パーカーの下の部分をパンツにINし、カンガルーのような状態でそのまま最徐行にて帰宅することにしました。
...幸いなことに家を出発してから1キロほどでの出来事、そして深夜だったということもあり他の車とも遭遇せずに無事に子猫を家まで搬送することができました。
すっかり寝ている母を叩き起こし、
「助けてやってくれ...!」
と連れて帰った子猫を差し出します。
一瞬寝ぼけながら、「...かわいい!」と喜んだ母でしたが、
部屋を明るくしてマジマジと見つめるとその顔色が変わりました。
全身にこれまで見たこともないような数のノミがうじゃうじゃ這いまわっていたんです。
説明が難しいのですが、一番わかりやすそうな例えで言うと胡麻団子のような状態です。。
ノミに栄養を吸い尽くされ、衰弱しきって目がほとんど開かなくなってしまっていたので
僕の車のライトにも反応できなかったのでしょう...。
すぐさまノミの撤去にかかります。
暖かいシャワーをかけながらひたすら指でゴシゴシ。。
いきなりなにをされているのかわからなかったろうに、子猫はずっと鳴きじゃくってます。。
ところが、ある程度ノミ除去の目処が立ってくると、今度は暖かいシャワーが気持ちいいのか
お湯をかけられながらゴロゴロいうように...。
少しでも回復したならいいなと、体が冷えないうちにタオルで拭いてドライヤー。
キレイになったはなったものの、目は開かないし顔はまだグチャグチャです。。
極めて体の状態はよくないように感じました。
よく生き残っていたな、という印象。。
ごはんは食べれるようだったので缶詰をお腹いっぱいになるまで食べさせると、
安心したのか猫ベッドで眠りにつきました。
このときはなんとかこの調子で栄養状態が良くなることを祈るばかりでしたが...
明くる日、早くも体調が回復してきたのか子猫はちょこちょこ歩き回っていました^^;
(若いからか回復も早い?)
それから数日かけて、みるみるうちに回復していきます。
毛艶もよくなり、ようやく目も開くように。
洋種が入っているからか、目が青いです(^^)
オスだったことも判明し、大きく立派に育ってほしいという思いと、
自分が拾ったということもあってカッコイイ名前にしたかったので(爆)
かの御大が誇る名作ジャングル大帝から取って
「レオ」と名付けました。
元気になると、今度はヤンチャが始まりますw
当時できたばかりだった船橋のIKEAで
キャットハウスを買ってきてあげたときの写真が残っていました。
手に噛み付いてみる。
レコードをかじる。
いっぱいかじる。
夕飯が気になる。
とっても気になる。
ブラインドの紐で遊ぶ。
蛇口の水が気になる。
そしていつしか、立派な「レオ」に。
でも、やってることはあまり変わりませんw
...この写真たちは、いま見ても涙が出そうになります。
自分と出会わなかったらこの子はどうなっていたのか。
間違いなく他の車に轢かれるか、運良く移動できたとしても栄養失調で死んでしまっていたのではないかと思います。
体は大きいけど臆病で、誰にでもなつくような「対応力」の高い猫ではありません。
それでもたまに実家に帰った時にしか会わない僕を忘れないでいてくれるのは
あの日の出来事があったからなのでしょうか。覚えているとは思えないんですけど...。
言葉が通じなくても、つながっている絆のようなものを感じたりします。
一期一会。
本当にいろんな物事のタイミングで人生って動いているんだなと感じます。
運命とか予知能力とかその他全くもって信じてなんかいませんが、
起こるべくして起こる出来事っていうのはもしかしたらあるのかもしれないなと
この子との不思議な出会いを経て考えるようになりました。
僕の場合は人と猫、でしたが、人と人でも同じことが言えるんだろうな、と。
さらに言うと、人と車、とかもあるのかもしれないな、と。
言葉はなくとも接し方や関係性で深まる絆が、何ものにもあるんじゃないかと。。
そう考えると、色々なものに暖かい気持ちで接することができるような気がしたり。
(なかなか難しいですけどねorz)
うまくまとまりませんが、猫ブログを見ていて思い出したことを
木曜深夜のモヤモヤに乗せてお送りしました^^;