Response記事より,
「1月8日に発表されたブリヂストンの「プレイズ PX」は,「疲れにくいタイヤ」として
新たに開発された。発表会に臨んだブリヂストン 執行役員兼プリヂストンタイヤ
ジャパン代表取締役社長 真鍋利明氏は,新しくなったプレイズの開発意図と市場
での位置づけについて語った。
ブリヂストンが考えるタイヤの性能は,静粛性,乗り心地,直進安定性,ドライ,
ウエット,低燃費,ライフ(耐久性)の7つから構成される。各要素の性能や味付け
によって,そのタイヤの特徴やブランドポジションが決まる。静粛性や乗り心地に
特化すればプレミアムタイヤになり,低燃費やライフに寄せればリーズナブルな
エコタイヤとなる。プレイズは「疲れにくい」という,ややわかりにくいコンセプトを売り
にしているが,その意図を真鍋氏は次のように説明した。
「車の走る・曲がる・止まるを支える7つの性能項目を高めることで,製品としての
安全性を高めることはできますが,最終的に操作をするのはヒトです。いまや,車の
運転そのものはそれほど難しいものではありませんが,ちょっとした操作ミスでヒヤリ
とした経験はだれもがあると思います。操作ミスなどはさまざまな原因で生まれますが,
運転するヒトの心理的負担,身体的負担を軽減できれば,車全体の安全性を高めること
ができるはずです」。
つまり,タイヤそのものの物理的な特性や機能だけでなく,タイヤの働きによって
ドライバーの負担を軽減することが開発の狙いだったという。では,ドライバーの負担
とは何だろうか。ブリヂストンでは,そのひとつに「運転中に無意識にたまっていく
疲れ」に着目し,これを低減しようと考えた。
「ドライバーは運転中,直進やコーナリング,レーンチェンジなど細かなハンドル修正を
行っています。直進中だとしても無意識に細かい操作をしているのです。この作業が
無意識のうちにストレスとなり蓄積されて“疲れ”となります」。
この観点からプレイズでは,タイヤの直進安定性とステアリングの応答性を高め,無意識
の操作を減らすように設計されている。そして,それをヨーやロールのような物理的特性
だけではなく,ドライバーのストレス値によっても定量化し,「疲れにくい」を実証したという。
なお,ストレス値の計測・分析には慶應義塾大学 理工学部 満倉靖恵准教授の脳波研究
が応用されている。満倉准教授監修の比較感応テストではすべての被験者でストレス
値の低下が確認できたそうだ。
ブリヂストンには,純正装着のネクストリィを基本モデルとし,スタンダードモデルとしての
エコピア,スポーツ性能に特化したポテンザ,プレミアムなレグノといったブランドが存在
する。これらは,横軸をスポーツ性能,縦軸をプレミアム性能とした平面グラフ上にマップ
することができる。
商品のブランドポジションを可視化する際,よく使われる手法だが,プレイズはこのマップ
ではどこに位置づけられるのだろうか。真鍋社長はスライドを示しながら,プレイズは性能
特性面ではエコピアに近いポジションにありながら,「疲れにくい」といういわばZ軸の付加
価値を持った製品だと説明した。」
とのこと。
Posted at 2016/01/09 22:32:15 | |
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