紀元前のローマの喜劇作家プラウトゥスはこう言った。
「たくさんの友人の中で、人が本当に信頼できる友人というものは極めて少ない。」
小生のようないい加減で取り柄のない人間でも、年に一度、忙しい合間をぬってわざわざ遊んでくれる二人の男がいる。昭和57年に同期入社したS氏とT氏だ。
いつもなら年末か正月に会うのだが、不覚にも小生がインフルエンザに罹患したため昨日とあいなった。
戦闘機のS4号には、一昨年すでに二人とも搭乗済である。
そこで、今回はお披露目の意味も兼ね、輸送機エスクァイア号を出動させることとした。
10時50分、自宅を出発。
定刻より15分遅刻の12時15分、小田急線某駅の斜め前に位置するT氏の自宅ビルにトウチャコ。
輸送機エスクァイア号にS氏とT氏が乗り込み、世田谷美術館を目指す。
フリオ・ゴンザレスの彫刻・絵画、小林敬生の木版画、北大路魯山人の焼物などをサラッと見た後、館内のレストランで食事しながら近況報告&昔話に花を咲かせようというプランである。
ここで、愛車フェラーリのエンジンをぶっ壊したT氏より提案あり。
どんな提案かと思えば、
➀輸送機のハッチを開け ②リフトを降ろし
③車いすで乗車 ④固定装置にドッキング
⑤リフトを格納 ⑥ハッチを閉める
までの一連の動作中、周囲に聞こえるように大音量でサンダーバードの音楽を流せ!・・・との仰せである。
さすがはT氏。フェラーリのエンジンを破壊しても、まだAMGとBMWとNSXの3台持っている男の言うことは違う。
そして、ガンダムではなくサンダーバードと言うあたりで歳がバレるのである。
そうこうしているうちに、世田谷美術館にトウチャコ。
美術館は砧公園の中にある
運搬用車両の駐車場に止めさせて頂く。S氏とT氏がエスクァイア号をのぞき込む
館内1階では、スペイン出身で「鉄彫刻の父」フリオ・ゴンザレスの展示が行われていた。
日曜かつ最終日のわりには空いていて、とても見やすい。
ピカソに影響を与え、またピカソからも影響を受けた話は有名だが、ゴンザレスがフランスにいたとき、ブローニュにあるルノーの工場で溶接工として労働していたことは昨日初めて知った次第。
ガス溶接は、後の彼の作品群に絶対活かされていたはずである。
やはりアートとクルマは直結していたのだ・・・と思うと、右脳がこそばゆくなるような前衛的な作品まで愛おしく見えてくる。
2階の展示では、小林敬生の木口木版画が印象に残る。
木口木版画とは、黄楊や椿のような極めて堅い樹木を輪切りにした(これを木口という)ものを版材とするらしい。
で、彫刻刀を使用すると思いきや、銅版画に用いるビュランという道具を使う。
ビュランも展示されており、丸い木の部分から太い針状の金属が出ている形状をしていた。
この丸い木の部分を親指と人差し指の間で持ち、針のような金属で前に押して刻み込むよう彫版するとのこと。用途に応じて5~6本使い分けている様子で、断面は長方形や菱型などいろいろな形があった。また、金属部分も太い釘くらいのものから、藤枝梅安が殺しのときに使う仕掛け針ほどの細さのものまである。
そして、何といっても驚くのがそのシャープな刻線。鳥や魚、虫や植物が実に細密に描かれていて、見方によってはグロテスクと思えるほど生命の息吹を感じた。
三人とも空腹に襲われ、館内にあるレストランのル・ジャルダンへ。
満員御礼の垂れ幕が下がっており、20分ほど待たされる。
話に夢中だったのと、腹が減っていたため、下手な写真撮影を忘れてしまう。
とにかく魚のコースでした・・・。
互いに近況報告。
そして、楽しい楽しい昔話。
16時に世田谷美術館を出て、再開発なった二子玉川へと三人でドライブ。
ここはみなとみらいか・・・と、あまりの変わりように唖然呆然とする。
40階クラスの高層ビルが6~7本、ニョキニョキとそびえ立っている。
赤信号で止まったら、楽天本社のビルがすぐ右側に見える。
立派な公園もできそうだ。
「玉堤通りはどこらへん・・・?」
と尋ねたら、
「今走ってる道だよ!」
とT氏に言われてしまった。
玉堤通りが何で2車線なんだ・・・!?
小生だけが浦島太郎の楽しいドライブも程なく終了。
小田急線某駅でS氏とT氏を落っことす。
19時20分、帰宅する。
「オヤジ、楽しかったか?」とタロウが出迎えてくれる。
「新しい友は新しい酒と同じで、古くなったら楽しく飲めるであろう。」
聖書より
イイね!0件
![]() |
トヨタ エスクァイア 2016年1月17日付の拙ブログに購入経過を記しておきましたので、興味のある方はご参照下 ... |
![]() |
輸入車その他 ???? 買い物、通院等に使用。 最高速度時速6・5キロ。 エスクァイア号のドライバーズシートとし ... |
![]() |
輸入車その他 ???? 買い物、通院等に使用。 最高速度時速6キロ。 約3時間の充電で20キロ程度の距離はこなし ... |
![]() |
スバル レガシィツーリングワゴン 14年間お疲れ様。 よく頑張ってくれました。 鳥取までの遠征・・・懐かしいなぁ。 次の ... |
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!