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2016年11月28日 イイね!

緑色のクルマ(みんカラ投稿企画)

約2ヵ月ぶりの色企画ですね。
この企画は早々に下げられるのが通例なので、別件は後回しにして、早速取り掛かることにします。


最初は、恒例の殿堂。

○マツダ サバンナRX-7


画像の引用元=FavCars

緑のクルマで真っ先に思い浮かんだのはこれでしたし、当時のインパクトといい殿堂でよろしいかと。

恐らくは、先行していたファミリアのボディカラーを流用したのだろうと推測するのですが、この領域のグリーンはそれまでスポーティーカーで使われることがなかっただけに新鮮でした。

このボディカラーに、ベージュのタータンチェックのシートを組合せるというのが、実にお洒落でありました。


さて、殿堂を別格として以下5選です。
以前と同様、最後を除けばあまり捻ってはいないつもりであります。


○トヨタ カローラ30


画像はメーカーサイトより引用

今となっては、このクルマの現役時代を知らない方も多そうですが、同世代ならご納得いただけるはず。同時期の安全コロナと選択に迷ったのですが、明らかに台数が多かったのはこちらということで選抜。

何せ月販20,000台以上のペースで売れ続けて、しかもこの色の比率は比較的高かったのですから、幼少時代はそれこそあちこちで見かけるクルマでありました。ホワイトとかシルバーも見かけたように思いますが、イメージとして連想するのはこの色ですね。

一応、前期限定のはずですが、それにしても多かったよなと。



○日産 シルビア(S13)

画像の引用元=FavCars.com

ちょっと時代は飛びます。
S13シルビアは、カラーバリエーションが豊富で、実際様々な色を見かけたのですが、やはりイメージカラーのこれを挙げるべきということで。
この辺りから、日産のグリーン攻勢が始まったような印象もあります。

当時の間違いだらけ~では「このあいまいなグリーンはどうにもたまらない」という酷評でしたが、私は結構好きでした。

S13とグリーンの組合せだと、次にあげるダークグリーンも前期ダイヤセレクションのイメージカラーとして追加設定されて、結構売れていましたね。



○日産 ローレル(C33)

画像の引用元=FavCars.com

同時期の日産が並んでしまいましたが、私にはどちらも落とせませんでした。
歴代ローレルで一つ挙げるなら、全く迷わずにこの組合せとするという具合。

マークII3兄弟がホワイトを前面に出していたのに対する、日産の回答はこの色でした。
「時代の真ん中」を標榜するローレルによく似あっていましたし、販売比率も相当高かったように記憶しています。

画像の都合で、後期のメダリストとなりましたが、前期のクラブSの印象の方が強いですね。



○三菱 ディアマンテ

画像はメーカーサイトより引用

ローレルと印象が重なる感もありますが、初代ディアマンテも緑の印象が強いクルマですね。(白の多い?)あのクルマと違うの結論は、この領域になるということなのでしょう。

シグマの時に書いたとおり、ディアマンテは実際「カバリアグリーン」が最多量販カラーだったようです。

この時代のアッパーミドルサルーンは、各社の力作が並んでいて、実に選び甲斐のあるイイ時代でした・・・とやや遠い目になってしまいます。



○トヨタ キャバリエ

引用元=FavCars.com

他には、初代セルシオ・初代ウィンダム・140クラウン・90マークII(特にツアラー系)・100チェイサー(同じくツアラー系)等も浮かんだのですが、アッパーミドルサルーンばかりとなってしまいますので、ここだけは変化球ということで(笑)

まあ4ドアの方はイメージカラーでしたし、ああそういえば・・・的に受け取ってもらえれば幸いであります。


先に挙げたとおり、90年代のトヨタ車、特にアッパーミドルサルーンはダークグリーンがほぼ設定されていました。おそらくその契機となったのは、初代セルシオだと思います。この点でもセルシオショックが影響しているのです。90年代に入って急速に増えたグリーンガラスとの相性が良かったということもあるのでしょうけれどね。


それにしても、このシリーズ、何より選択が悩ましいというのが一つ。それと後から他の方の選択を見てなるほどと膝を打つことが多かったりします。それぞれの選抜を理由を絡めつつで眺めてみると色々興味深いものがありますね。
Posted at 2016/11/28 21:25:12 | コメント(8) | トラックバック(0) | みんカラ投稿企画 | クルマ
2016年11月26日 イイね!

もしも、オールドメルセデスで特に好きなモデルを挙げるなら

この記事は、今日はについて書いています。

発表からやや遅れてメルセデスの新しい取り組みである「ALL TIME STARS」について取り上げた所、「厳選オールドメルセデス」という実に奥深い(底無しともいう)話に展開されましたので、私もそちらに便乗してみることにします。

もっともこの話、放談が大前提とは言え、意外と現物が出てくるんじゃないかという危惧もありまして、タイトルからして慎重になっていたりもします(笑)

ついでの余談ながら、久方(約一年半!)ぶりの「もしも・・・」カテゴリでもあるようです。


さて先ずは、私的オールドメルセデスについてですが、前にも書いたとおり、幼少時代、近所にベンツ中古車の社長さんがお住まい&日々売り物予備軍を乗って帰られてきたこともあって、意外と旧い方の範疇は広かったりします。思い返すと、一番多かったのはW116で、W108やC107という時もあったような。

もちろん、その頃からは約40年という年数が経っていますから、この辺りは今だと現物が出てきたとしても「COLLECTORS」以上に類されることとなるのでしょう。放談だとしても、あまりに現実感が乏しいようでもあり。


そこでマイセレクトはもう少し、現実に近い所にします。以下、私的5選。

○W124 E220




メルセデスという枠を超えて、ミドルセダンの金字塔と言っていいと思います。
一般的な評価も高いとは言え、私も筆頭に挙げずにはいられない存在です。
その”正しさ”は今という時代からすると「清廉潔白」という言葉が相応しいかと。

E220はコメントの中でも触れたモデルです。
一般的な選択としては6気筒系を選ばれる方が多いような気もしますが、フロントの軽い4気筒というのが理知的に思いまして、数多いW124の中から私選としてみました。

マイナーチェンジ前後は悩みどころで、ここでは悩みつつで後を選択。1年限りとなった220Eの過渡期感も個人的には好ましく思いますが。



○W202 C240




先代の評価が高いがために、まだ評価の定まらない世代でしょうか。
もう少し年数が経つと、評価が上がってくる気もしています。
この年代だとW210との選択が悩ましいところですが、この大きさで十分かなという観点でW202を選択。

モデルは、W124の選択とやや矛盾感がありますが、ここではV6のC240としてみます。
W124共々、これ一台で今でも万用途に使えるセダンですね。



○W201 190E 2.3




W124がミドルセダンの金字塔なら、こちらはコンパクトセダンの金字塔です。
セダンの文化がすっかり衰退してしまったこの国での空前絶後感は、W124以上でもあります。

Aクラスセダンとでも銘打って、現行Cクラスをこのサイズに圧縮してくれたら次の候補は確定しますが、全く実現する気配はない気も(笑)
要するに、それぐらい貴重なセダンと言いたいわけなのです。

今の選択なら2.0でもいいと思うのですが、少し余裕を見て2.3を選抜。この辺りは往年のくるまにあ誌から影響されているのは間違いありません。



○W126 300SE



(画像は560SEL)

W124がミドルセダンの金字塔なら、こちらはフルサイズセダンの・・・以下略(笑)
バブル時代に一世を風靡して、この国のメルセデス像を定着させた存在であります。
当時はそれこそ、好き嫌いを表明するのですら憚られる存在でしたが、そこからだいぶ経った今では全く躊躇なくいいよなぁと言い切ります。

画像はロングですが、ショートの方なら現在のEクラスともクロスするサイズでありまして、何とか取り回しはできそう。5ナンバー枠が大きな影響を持っていた当時は、かなり大きく感じたクルマですので、この辺りも隔世の感があります。

今から乗るなら、我先に急ぐ必要もないでしょうから、300SEがよろしい選択かと。



○W123 230E



この年代でも実用として使えそうと思わせるのは、ある種メルセデスのマジックかもしれません。冷静になって考えると、初代クレスタや3代目マークIIとクロスする年代のクルマなのですが。

70年代中盤過ぎの登場ということで、80年代のモデルとは違ったクラシック感がイイ感じではあります。


以下、再びの私考察
一つぐらいはセダン以外からとも思ったのですが、結局セダンが並んでしまいました。
やはりここはセダンの名門と改めて思います。123・124ですと、ワゴンやクーペの佇まいもいいですし、もう少し範疇を広げると、SLやSLCもいいのですが、基本はセダンにある気がするのですね。

あとは、本文中でも触れたとおり、ベストの選択等、自動車雑誌や同評論家陣に影響されている部分が想像以上に多い気がします。80年代から90年代初頭という選択しかり、排気量は小さいほうがいいという点もしかりです。

このあたりは、このブログを読まれている方も同じような感じじゃなかろうかと想像するところでありまして、そういう意味では直球勝負している分、共感も多いかなと思うのですが。

(画像の引用元)
FavCars.com
Posted at 2016/11/26 23:06:07 | コメント(9) | トラックバック(0) | もしも、で始まる仮定の話 | クルマ
2016年11月23日 イイね!

マークXのマイナーチェンジ

昨日、トヨタ マークXがマイナーチェンジを受けました。

直接の関係こそないのですが、セダン好きかつ以前に「コミ300万セダン」という話題で取り上げたクルマですので、軽く雑感を記しておくことにします。


このマイナーチェンジ、メーカーからのプレスリリースが見当たらずのようですので、公式発表資料としてはここになるのでしょうか。(参考リンク:商品解説開発責任者インタビュー

主な変更内容として挙げられているものの内、デザイン変更についてはきっと評価が別れるのだろうな、基本性能の熟成についてはきっと良くなったんでしょ、ということで触れずにおきます(笑)


残りの2つ、先ずは従来設定されていたラグジュアリー系のプレミアムに替わり、新たに上級スポーツとして新たにRDSが加わった点から。

ラグジュアリーセダンに魅力を感じる自分的にはやや残念な変更ではあるのですが、Dセグメント以上のセダン系が全般的にスポーティ志向を強める中では仕方がないのでしょう。何せ、あのクラウンも現行に至って、ついに後発のアスリートが伝統的なロイヤルの比率を上回っているとのことですし。

マークII時代に遡って当て嵌めると、ツアラーがグランデに取って代わったようなものと考えれば、結構感慨深くもなりますかね(笑)



エンジンは、今回ダウンサイジングターボへの換装や3.5Lの廃止という噂もありましたが、結局従来と同じV6の2.5Lと3.5Lが残される形となりました。2.5Lに関しては、社内他車の換装が進んだことで、クラウンロイヤル共々残った形です。

ここはもしかすると意見が分かれるかもですが、私はこの継続に賛成を投じます。今やマークXの大きな魅力となっている、抜群のコストパフォーマンスに貢献できるのはV6・2.5Lなのです。実性能なら直4・2.0ターボとなりますが、それに伴って価格が上がってしまっては、マークXの場合、あまり旨味がないかと。



おそらく作り手は、スポーティを強調して上級グレードへ誘導したいのだろうと推測しますが、価格表と主要装備一覧を並べての私的結論としては、最廉価のFパッケージに最大のバリューを見出します。オプションが限られますので、どうしても外せない装備がある場合のみ、上位を選択というのが良さそう。グレードが上がるほど他車の価格に近付いてしまいますので、そうなるとマークX以外にも目移りしてしまいます。

話をFパッケージに戻しますが、ここ最近、新車のお値段って上がる一方だなと思わされる中では、セフティセンスPが付いたことでやや価格が上がったとはいえ、それでも税込約265万円って、相当なお買い得価格に映るわけです。

開発責任者の方が挙げられているライバル車の中でも抜群の価格競争力(唯一価格で対抗できそうなのはティアナXEのみ)でありますし、一クラス下のプレミオですら、2.0だと約240万円~と書けば、ほぼご納得いただけるでしょう。ジャンルは異なりますが、86だってGのATだと同じくらいの価格となりますしね。

D・Eセグメントのセダンという視点で評価すれば、レーダークルコンが全車速対応でない点や今時アイドリングストップすら備えない点は指摘に至る事柄かもしれませんが、265万円のセダンだと思えば、それらも十分許容範囲だと思います。逆にある程度の割り切りがあるからこそ、この価格とも言えるのです。


それと、Fパッケージとは価格や性格付けは異なってきますが、最上級3.5も同様に他車比ではかなりのバリューであることを強調しておきます。これも8速ATとか言うのはやめて、今の価格を享受するのが正解かと。


こうして書いてきて改めて思うのは、300万セダンの時に触れたとおり、今のマークXって、末期のKP61スターレットと同じような状態なんだなということ。あのクルマも、ライバル車が変っていく中でしぶとく残って、その走りやお買い得感を強調したクルマでありました。


おそらく、そんなに遠くない将来、マークXは現在の形から大きく変わらざるを得ない状況にあることは間違いないと予想しています。きっとその時には、クラウンロイヤルに残るV6も消えることになるはずです。そうなると、FRセダンを購入するには最低400万円、さらにV6もとなると500万円は必要ということにきっとなってしまうことでしょう。


そう考えれば、採点は自ずと甘くなる、そんな微妙な立ち位置にあるのが、現在のマークXですね。
Posted at 2016/11/23 23:02:17 | コメント(8) | トラックバック(0) | 新型車雑感 | クルマ
2016年11月21日 イイね!

ALL TIME STARS

古の設計者の想いの準備を進めていたのですが、思うところありて、一旦公開は見合わせて再考することに。

冷却期間を置く間の繋ぎの話題として、少し前に気になったニュースを取り上げることにします。

あまり話題とならなかったようですが、1ヵ月ほど前となる10月26日にメルセデス・ベンツ日本(株)からとあるプレスリリースがありました。


冒頭部分を引用してみます。

引用ここから---------------------------------------------------------------

 メルセデス・ベンツ日本株式会社(以下MBJ、社長:上野 金太郎、本社:東京都品川区)は、往年のメルセデス・ベンツを新たなオーナー様のもとにお届けするサポートサービス「ALL TIME STARS®」を本日より開設いたします。

 本サポートサービスは、メルセデス・ベンツ正規販売店でクラシックカーをご購入いただく際に役立つ正確な情報を、インターネットの特設サイトにて提供します。当時、メルセデスの最高技術で最善を尽くし造られた伝説の名車の数々を、より多くの皆様に知っていただき、新たにその一台をかけがえのない愛車としていただくためのサポートサービスが「ALL TIME STARS®」です。これによって、お探しの一台を短時間で検索することが可能となります。

---------------------------------------------------------------引用ここまで

(全文はこちら


要するに正規販売店でクラシックカーを購入できるようにするのと、そのサポート情報を提供するというのが柱となるようです。(このことで新たに特設されたサイトはこちら


もちろん、普通の認定中古車のように気に入ったクルマを即購入できるというわけではありませんが、メーカー(この場合は日本法人)直々でこういったサービスに乗り出すというのは、素直に凄いなぁと思います

他社でも、良質のクラシックカーを一部販売店が見出し、時折展示するという事例はありましたが、ここまで大々的にというのは記憶にありません。


以前に取り上げた「ヤング・クラシック リフレッシュプログラム」と合わせて、これもメルセデスの本気の一つということなのでしょう。


今のところは、まだ開設直後ということもあり、掲載数は少なく、今後どういう展開となるかも分かりませんが、試金石的試みとして推移を見守りたいと思います。


現状の掲載数は、R129が主のようです。
私的に気になるのは、もちろんW124の300E(笑)
四半世紀を隔て改めて見るW124は、今のメルセデスを見慣れた視線からすると、敬意を込めて「質実剛健」という称号を贈りたくなる存在感があります。この時代は、いつかは・・・と考えることすら出来ませんでした、などとやや遠い目になりつつ。
現在の市場相場が分からずのため、この表示価格がどうなのかは判断しようもないところです。



最後にこのプログラム、決してメルセデスじゃなきゃできないというものではなくて、トヨタ・日産をはじめ、その気にさえなればやれそうなメーカーもいくつかあるんじゃないかとは思います。
もちろん、一部部品のリプロダクトであるとか、旧い世代を見直そうという動きがあるのも承知の上で、メーカーはもっとこの種の働きかけをされてもよろしいのではないかとも。

現存車の延命については、一部のマニアや専門店にお任せというのでは寂しい感が拭えません。何故にこう書くのかと言うと、メーカーが加担していかないと、「古き良き時代の名車」がどんどん失われていくのではという危機感があるから。

私自身は、補給部品の打ち切りに負けて代替してしまった人ですので、外野的視点で書くこととなってしまうのですが。。。
Posted at 2016/11/21 20:20:22 | コメント(7) | トラックバック(0) | 気になったニュース | クルマ
2016年11月13日 イイね!

古の設計者の想いとは(初代カルタス後期・後編)

古の設計者の想いとは(初代カルタス後期・後編)初代カルタスのマイナーチェンジ話、後編です。
いただいたコメントの印象からすると、(特に前期型は)やはり地味な印象が強いといったところでしょうか。

キリのいい部分がなかなか見つからなかったこともあって、前編の最後に少し載せたのですが、この初代カルタスというクルマ、GMの意向がかなり強く反映されていたようです。というか、むしろ設計の主導権はGMにあったぐらいが実情のようです。

GMの最大の要望である燃費だけでなく、内外装のデザイン等についてもGMからの言及があったことがI型のインタビューで語られています。

そうした背景が、どうしても国内におけるカルタスの存在感の点に影響したことは間違いありません。先ずはその辺りの話が続きます。


高原 つくっていらっしゃる方も、これでいいと思っていないな、どうしてもGMがこうしろ、こうしろっていうんで仕方なくやっているっていうのがとっても印象に残ったんで、その反動が一気にきたなと・・・(笑)。

石川 設計のほうにしてみればさんざん言われてひどい目にあっていましたから、GTをつくらせてもらえるなら、この際、目いっぱい行けと、これはもう反動で確かに言えると思いますね。しかしGMは、スプリントというのは今でもバックオーダーを抱えておりまして・・・。6万台ぐらい枠を持っているんですけども、実際、足りなくて、アメリカ市場ではバックオーダーを抱えているということで、GMの考えているコンセプトというのは間違ってはいなかったんですし、先程も言ったように、グローバルな考え方でいうならば、14万台出たというクルマは、私は失敗作じゃないと思っていたんです。ただ、先程言ったように国内の場合はそんなことじゃ現在は満足しないということで・・・。

高原 ちょっと苛烈ですかね。


石川 国内の場合は、ヨーロッパとアメリカからのミックスチュアになっているんですね。外観的にもかなり苛酷なホットロッド的なやつだとか、またはかなり強烈なイメージというのはアメリカからも受け継いでいる人もいますし、基本的にはクルマの歴史はヨーロッパから来ているということで、日本の国内でミックスされている中で、かなり高性能に仕上がってきているんです。そういう中で、下駄だなんていうのは日本じゃコンセプトとしないわけですね。下駄っていうのはアルトで結構なんですね。だけどやっぱりリッターカー、1300ccクラスで下駄だなんていうのは実際にはあり得ないんで、またうちでも変わらなければならないと思ったのは、去年のモーターショウの、先程言ったRS-1、これで一気にスズキらしいっていうふうに印象付けられましたから、むしろ外から答えを出してもらえましたもんですから、我々にしてみても非常にやりやすい。

---------------------------------------------------------------引用ここまで

前回あった、若者のクルマ感がその最大だと思うのですが、それ以外の国内ユーザー層もまだまだクルマに対して厳しい目があった時代です。全方向で「いいクルマ」を欲しがっていたという言い方でもイイと思います。

セカンドカー需要が増えつつあった軽自動車においても、いいクルマを求める声に対して、各社地道な努力を重ねていたくらいですから、これがリッターカー、1300ccクラスともなると、より一層声が強くなるのは自然ではありました。


あとは、引用元にあるスズキの小型車像の点ですよね。
I型はそこからして暗中模索だったことを伺わせます。



続いては、このビッグチェンジのもう一つの目玉であるリヤサスペンション変更に関する話です。

高原 リヤサスペンションのことで、試乗会のときも、GMのほうはこういうふうにしたいといっても余り評価してくれないというふうなことで・・・。

石川 私は反対されました。

高原 ですけど、明らかに質感が上がっているんですけどね。

石川 結局、アメリカのクルマというのは、つい10年前まではあのフルサイズのクルマだってリジッドでやっていた国ですから、とにかく基本的にはでかくてフワフワしてりゃいいというのがクルマだというふうに、GMの人も言っていましたよ。クッションがよくて、でかい人間がゆったり座れて、とにかくどうあれカーブきったらどうしゃがもうが、どう傾こうがそれは構わないんだ、とにかく心臓に負担がかからないように乗れることが一番いいんだって。(後略)そうするとボワーっと乗っているのが一番いい・・・。

 ただ、今度のビッグチェンジで足を変えたいということで、一体なぜ変えたいんだという質問を受けまして、国内も含めて性能を上げていくために、または全世界的に考えた場合は、とにかく我々、変えなきゃならない。そういう評価も受けているし、リーフじゃ駄目だという評価も受けた。変えたい、重量上がります、コスト上がりますということで、変えたいけれども何とか見てくれないかという考え方でむこうへ出したら断られたわけです。じゃ、サスだけで変更する場合、フロアから何から10億ぐらいかかるわけです。

高原 かなり高いものだった。

石川 じゃ、リヤサスのところだけとにかくスズキでぜんぶ持ってやったら、償却から考えれば7万台から8万台出れば、一応、償却できるという考え方で計算をしたわけです。うちで責任をとります、だから変えたものにまず乗ってくれということで乗せたんですよ。そしたらやっぱり評価がよくて、こんなにいいものか、こんなによくなるのかとGMで言うわけです。だからGMのテストのデパートメントの人たちはものすごい評価をしてくれたわけです。しかし、GMのもとのトップも、とにかく変えて重量が上がる、コストもかかる、しかし、それに見合っただけの性能が上がっているということで、むこうも許容してクルマを買ってくれる。ただしそのときにはやはり燃費ナンバーワンということが旗頭にありましたから、これはとにかく守ってもらわんと困る。重量は重くなりました、燃費は落ちましたじゃ・・・。

高原 それは困る。

石川 これはもうスプリントとしての最大のメリットがなくなるからということで、重くなろうが何しようが、いわゆるEPAの燃費ナンバーワンは取ってくれ、という要求でしたから、とにかくやりまして、燃費ナンバーワン取れて、結果的にはサスペンションもむこうが許容してくれて買ってくれるということです。むこうでも気に入ってくれまして、買うに値するクルマであるという、むしろ最大の評価を受けまして、いま出しているわけです。

 従いまして、初めの計画の時点から足は何としてでも変えたい、ほかは何もしなくてもいいから足だけでも変えたいというような・・・。マイナーチェンジではないか、足まで変えるようなマイナーチェンジというのはあり得ないぞ、ということで社内でもいろいろありましたけれども・・・。


高原 そこまでやるんだったらフルチェンジしちゃったほうが早い。

石川 そうそう。いってみればメインフロアまでで、あともう全変えですもんね。リヤフロアも全部、フロアまで変えちゃうなんていうのは、本当はマイナーチェンジじゃあり得ないんであって、コンセプト自体が変っちゃうということですから・・・ビッグチェンジ。ビッグチェンジというのはマイナーチェンジじゃ私自身もちょっと情けないと思いましてね。

高原 実際マイナーじゃないですからね。

石川 悲しいですからね。随分カネもかけまして、情けないんで、せめてビッグチェンジというふうに言っているんですけれども、変えられたこと自体、私は今にしてみれば、足を変えずしてGTをつくっても評価はどうであったかと思うと、空恐ろしいもんで・・・(笑)

---------------------------------------------------------------引用ここまで

I型のリヤサスは、登場時点でも国内では時流から外れつつあったリーフ式が採用されていました。それまで主流だったリーフ式は、70年代初頭ぐらいにコイルへの移行が始まって、70年代末には商業車を除けば、ほぼ採用されることはなくなっていたものですから、カルタスのネガとして指摘される点となりました。

この採用、ここもどうやらGMの「燃費とコスト」という要望が優先されたようです。リーフのメリットとしては、軽くできたために下のランクで(適合)できた点と安全関係がうまくパスできた点が語られています。あくまでもアメリカ優先の話ですね。

ちなみに、スズキ側の設計は当初から全く違うクルマだったそうです。これは推測ですが、マイナーチェンジに際して、このスズキ側設計が再浮上したのかもしれません。

仮に推測どおりだとしても、億単位でコストのかかる話ですから、相当に大変な変更であることは想像に難しくありません。おそらく語られているのは、大変だった中の極一部のはずです。言い方を変えれば、それほどまでしても、変えたかったのがこのリヤサスだったのでしょうね。



最後に内外装の話となります。

高原 ちょっと話は変わっちゃうんですけど、いちばん難しいのは外観とか内装だったと思います。外観はテールゲートと・・・。

石川 バックドアを変えまして、あとフェンダーのヘッドランプを変えましたんで、フェンダーの前の部分を変えましたけれども・・・。

高原 内装は・・・。

石川 内装も基本的には変えませんで、中のイメージ全部変えました。メータークラスターなんかも変えました。スズキのデザインデパートメントでやった仕事なんです。1型のときというのは、GMのデザイナー、チャック・ジョーダンなんか来てやりましてむこうの意見もかなり入れましたけど、今回のビッグチェンジのデザインっていうのは基本的にはうちが全部やっちゃったんです。

高原 インパネの変更っていうのもかなりおカネが大きいでしょうね。


石川 全部やっちゃうんですけどね。それこそあれで簡単に鉄筋の家が3、4軒建っちゃうんですね、ほんとに・・・。

高原 外観やインテリアのお客さんからの反応はどうですか。

石川 いいですね。いろいろ評価していただけるわけなんですけども、外観、内装評価、まだ今までの評価っていうのはどちらかといいますと、メインはGT-ターボがメインでありましたので、一般車のほうの評価というのはわりあい少ないんですけども、しかし外観は変わりませんものですから、かなり評価はいいんじゃないかなと思っております。

高原 できれば幅あたりはもう少し広げたかったんじゃないですか。


石川 本当はね。

高原 でもほかのクルマと比較しても・・・。


石川 幅を変えたいといえばタイヤを大きくしたいというのが基本的にあったんです。幅方向を変えたらマイナーチェンジにならなくて、恐らくフルモデルチェンジになっちゃうでしょうね。基本的にはディメンションを変えませんでしたから、バンパーを変えた分だけちょっと変わりましたけども、マイナーチェンジで通りました。

 基本的に車体構成寸法を変えちゃったら、これはマイナーじゃなくなっちゃうもんですから、そういう意味で基本的には、私にしてみれば今回のビッグチェンジっていうのは我々スズキ自動車が世に、今までの下駄をつくっているメーカーからひとつ脱皮して、今後、とにかくスズキ自動車らしいものをやりますという第一声だというふうに思っていまして、基本的にはむしろこれからのほうが・・・。

 だから去年のモーターショウでRS-1を展示いたしまして評価を得た、じゃ次に何をやるかといったら、来年のモーターショウがまたありますわね、そうしますと、一体スズキらしさをどういうふうに具体化しようという、大きなテーマが一つあるんですよね。


---------------------------------------------------------------引用ここまで

リヤサスの変更という大きなものからすると、意外と内外装の意匠は大きく変更しなかったといえると思います。コスト配分の影響かなと推測しつつ、ユーザーのメリットの点からすれば、リヤサスに大きくお金を掛けたという判断は間違いなかったと言えそうです。

I型もスタイリングは比較評価が高かったようで、やれる範囲でより日本人の好みに近づけたというところなのかもしれませんね。


といったところで、いかがだったでしょうか。

I型の時のインタビューにおいて、「輸出規制が緩むだろうという見通しやGMとの契約が一定台数確保できたことから、最初はアメリカ市場にコンセプトを絞った。ところが、輸出規制が続いたり、工場の新設もあって国内とかヨーロッパにも出す必要が生じた。」という旨が語られています。さらには「米国からこういう話がなければ、軽を中心にしていた我が社が、他の一流メーカーがひしめく小型車は手がけなかったかもしれない」とも。

こうした成り立ちが、I型の成り立ちに大きく影響していたことは間違いありません。
アメリカでは最小のサイズであっても、国内では下に軽自動車が存在する上級車となってしまうのです。ユーザーは、この点を厳しく見抜きもしますし。

そうした差を埋めるのに苦心した成果がこのマイナーチェンジに結実しているのだと思います。


今視点で強く共感するのは、当時は国外向けで考えていたものでも、何とか国内に向けたものとして売りたいという真摯な姿勢ですね。当時のスズキは、軽自動車で成功していましたから、カルタスを輸出に絞ってしまうという選択肢もあり得たはずですが、そうはせず、何とか地盤を確保しようという強い想いを感じずにはいられません。

今も、国外と国内の需要のアンマッチが時折語られるのですが、その一方でアンマッチを埋めるとか縮める方に進まない(ように映る)のが何とも残念だったりします。クルマの開発の規模・経費・要件は、はるかに大きくかつ複雑になっていることは理解するのですが、それでもこういう開発者の想いが形として結実する的な部分がなかなか表に見えてはこないように思います。

一方でユーザーの要望も推移が早くなって、実態として見え辛いというのも影響しているのかもしれません。いろいろ30年という時間の差を実感する次第なのです。


(参考文献)
・月刊自家用車誌 車種別総合研究

プロフィール

「帰還後の近況 http://cvw.jp/b/1984303/48316556/
何シテル?   03/16 21:58
3台計で20年以上の長きに渡って乗り続けたX80系からW204への代替がみんカラを始める動機となりました。 最初はW204関連を主とするはずだったのですが...
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