(本物語は、一応
こちらの続編っぽい感じでお届けいたします(笑))
確信した推理が外れ、イオンガーとの闘いに敗れてしまった、私「タクロック・ホームズ」。
ヤツの放った、「アンタに足りなかったのは技術じゃあない、覚悟だ」という言葉・・。
確かにそうだ、私には師匠という退路があった。
それが油断につながったのはあるにしても・・しかし、だ。
うーむ・・。
そうだ、いっそ某質問板で・・。
・・・。
いやいや、これでも探偵の端くれだ、そうも行かんだろう。
もう一度、冷静になってじっくり考えてみるとしようか。
これまでの推理は、リングギヤとピニオンギヤが弾きあって音が出ているというものだった。
だが、思いのほかピニオンギヤには接触痕が無かった。
そういえばこの間、異音の発生タイミングにどこか違和感を覚えた気もするな・・。
私は今まで、クランキングを止めた直後に異音がしているとばかり思っていたが、この間のそれはどうも初爆が起こった瞬間に発生した気がする。
つまりはそもそも、異音が発生しているタイミングを勘違いしていたのでは・・。
よし、もう一度セルモーターを分解してみるとしよう。
ガチャガチャ・・。
もしかすれば、今世界中で一番セルモーターを脱着している男かもしれんな(苦笑)。
さて、仮にセルモーターの内部から異音が発生しているとするなら、どこかに接触痕が・・。
ムムッ、これは・・。
フィールドコイルに接触痕があるな。これは単に剥がれ落ちた‥という感じではなさそうだ。
すると、アーマチュア側は・・。
なるほど、ここが当たっていたという事か。
しかし、始めに分解清掃した際、これほどの接触痕はなかったような・・。
最初は小さかったものが、その後何度か当たっているうちに今に至った・・ということだろうか。
いずれにしても、異音の原因がピニオンギヤ側にあると思い込んでいなければ、もっと早く気が付いたのだろうし、やはりそれが今回最大の敗因なのだろう・・。
ふむ、これで少し光が見えたかな。
「ユk・・もといビューティー・ホワイト様、どうやらあのマヌケ面の探偵、気が付いたようですよ」
「ふぅん、あのまま投げ出すかと思ったら、それほどヤワじゃあなかったようね、イオンガー」
「どうやら、そのようです」
「まぁでも、こちらの思惑通り罠にハマってくれたおかげで楽しめたわ」
「と、おっしゃいますと?」
「罠にハメるコツは、高すぎる壁じゃあなく、越えられそうなギリギリの壁と思わせる訳」
「ギリギリ・・ですか?」
「アナタも、ウサイン・ボルトと100m競争しろって言われたら、絶対無理って思うでしょ」
「それはもちろん」
「でも、町内で一番早いオヂサンが相手と聞いたら、どう?」
「まだいくらか勝負になるかも・・と考えるような」
「でもところが、そのオヂサンが実は県内屈指のスプリンターだったら、まぁ勝てないわね」
「なるほど、思い込ませてとりあえずスタートラインに立たせる・・と」
「そういうコト。で、事実を知った時の落胆ぶりが大きければ大きいほど楽しいワケよ、フフフ」
(お、恐ろしい・・)
「今、恐ろしいとか言わなかった?」
「あ、いえ・・お美しいうえに頭脳明晰とは、さすがビューティー・ホワイト様」
「でしょ、わかってるわねー、イオンガー」
(敵じゃなくてヨカッタ・・)
~~~
敵の放った言葉をバネにして、真実に近づいたかに見える迷探偵。
今度こそ事件は解決に向かうのか。
はたまたこれは、新たな罠なのか。
次回へ続く・・。(かもしれない)
(本内容は基本的にノンフィクションですが、一部オッサンの妄想と演出が含まれております(笑))
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2017/11/13 01:28:34