もう随分前の話になりますがカード会社のプロモーション企画でハリアー試乗会との連絡が来ていたので新型ハリアーに乗って来ました。
今回も飛び込みで行きましたが非常に物腰の丁寧な営業の方に対応して頂きました。さすがは営業のトヨタ。ありがとうございます。
試乗したのはこちら

下から2つ目のグレード(ノーマルガソリン車)”エレガンス”というモデルです。280万円也。
一言で言うと・・・80点な車でした。
何が悪いということもなく何が良いということもなく
総じて言えば「よくまとまっている」車という印象。
トヨタらしい車ではないでしょうか。
まずはスタイリング。
樹脂製のフロントグリルは個人的には好きではありません。
端的に言って先代より安っぽくなったように感じます。
こういう車はメッキグリルの方がより高級感が出るのではないでしょうか?
シルエットは悪くないです、時代に合わせて進化してきた
今のハリアーというブランドモデルを表現していると思います。
全幅は1835mmにも達し迫力のあるスタイリングとなりました。
実車を見た感じ黒だとちょっと小さく見えるかもしれませんね。
インテリア。内装。

黒を基調にまとまった印象のあるインパネ。
質感は値段の割には高いものが奢られていると思います。
木目調パネルは好きではありませんが。
木目調パネルが提示できるのはあくまでも”高級感”であってそれは本物の高級品とは明らかに違うと思うからです。
スピードメーターとタコメーターの間にあるインフォメーションパネルがまるでスマートフォンの画面のようで驚きました。
解像度が高い!最新モデルならではですね。(さすがに営業の方もパネルの解像度まではご存じなかったですが。)
ただ・・・無理矢理演出した”包まれ感”のあるコクピットには違和感を覚えました。
走りに徹したフォレスターXTの方が開放感のあるコクピットでしたから。
「ハリアーはそんな走りが売りの車じゃないよね!?」と内心ツッコミを入れつつ。
総じてスポーティーさと高級感を”演出した”内装でした。
ハリアー”エレガンス”モデルだとコストの制約もありそれっぽく演出するのが限界なんでしょうか。
エンジンスイッチの周りのプラスチックなどはコストカットを感じます。
しかし値段からすればかなり良い質感なことは間違いありません。
ダッシュボードの質感などはフォレスターXTやJEEP COMPASSを凌駕していると言えるでしょう。
シートの質感もお値段以上の物を感じさせる出来栄え。
ホールド性はまあまあ。ドラポジを取ってみると腰高な感じがします。
アイポイントが高いわけで運転はしやすいと思います。
FFなので最小回転半径5.3mと巨体の割には小回りが効きます。
次にハンドリング。
変な癖はないですが「イイね!」というほどのハンドリングではありません。
路面のインフォメーションなど1枚何かを挟んで伝わってくる感じ。
よく言えば上手く路面の粗をマスク(隠して)しているということでしょうか。
ステアリングは太目でした。革張りでしっかりとした作りでした。
コーナリングでは緩やかにロールし、重心が高いな~と感じさせられます。
サスペンションはしなやかに躾けられており
一昔前のふにゃ足=トヨタ足というレベルは完全に脱却しています。
フォレスターに比べれば(当然?)柔らかい足回りでした。
路面が荒れたセクションを通過してもそつなくこなし
ガサツだったり荒い感じは全くなく上手にまとめてある印象。
タイヤサイズも225/65R17でよりコンフォートな設定です。
営業さん曰く「欧州車のような質感になりました」とのこと。
エンジン。
トヨタの2LNAエンジン3ZR-FAE型。
2LNAエンジンとしては水準の出力を持ったユニットですが
1580kgの巨体にはちょっとアンダーパワーかもしれません。
もちろん普通に平地を走行する分には問題はないレベル。
営業さんに「坂道も試してみて下さい」と言われたので試してみましたが
上り坂では高い回転まで回らないと加速が辛いという感じでちょっと残念でした。
それでもトヨタのCVTは優秀なのか燃費は16.0km/Lを叩き出すそう。立派です。
CVTのマニュアルシフトも試してみましたが反応はクイックではなくモッサリしています。ギアダウンすればちゃんとエンブレも効きました。
総評すると
・スタイリング(好みなので気に入ればという条件付き)
・高級感(あくまで高級”感”です。)
・先進的なインフォメーションパネル
・燃費
この辺りが美点です。
車としてのバランスは非常に良くまとめられております。80点主義のトヨタの真骨頂を見ました。
何かのレビューで見ましたが
”20台の若者が頑張れば新車で買える値段で出しつつクラス以上の高級感を出して訴求する”
というモノ。
う~ん、色々考えさせられますが絶妙なマーケティングだと思います。
そしてきっと正しい。
そういう購買層が増えているのでしょう。
ただ自分は
走りがちょっとつまらないかな~と思います。
そして「”演出”はいらないので”本当の走りの良さ”を下さい!」と思うのであります。
より万人に受ける絶妙のマーケティングを指向するトヨタとエンスーバリストの私では価値観に相違が出てくるのもしょうがないかと思った次第です。
誤解のないよう申し上げますがハリアーは決して悪い車ではありません。
車や走りに興味がない方がサクっとお買い上げになっても決して後悔しないだけのトータルバランスを有した優れたトヨタ車です。
優等生よりも愚直に走り一徹で車を磨き上げ続けるスバルに愛情を覚える、そんなスバリストの戯言でした・・・。
<新型ハリアー”エレガンス”>
発売年月 2013年12月
標準車両本体価格 280.0万円
駆動方式 FF
車両形式 DBA-ZSU60W
トランスミッション CVT
寸法・重量・その他
全長×全幅×全高 4720×1835×1690mm
室内長×室内幅×室内高 1965×1480×1220mm
ホイールベース 2660mm
最低地上高 190mm
車両重量 1580kg
乗車定員 5名
ドア数 5枚
標準カラー ブラック、シルバーメタリック、ブラッキッシュレッドマイカ、ダークスチールマイカ、ダークブラウンメタリック
オプションカラー ホワイトパールクリスタルシャイン、スパークリングブラックPクリスタルS
種類 直列4気筒DOHC
エンジン形式 3ZR-FAE
過給器 なし
総排気量 1986cc
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 60L
最高出力 151ps(111kw)/6100rpm
最大トルク 19.7kg・m(193N・m)/3800rpm
パワーウェイトレシオ 10kg/ps
燃料消費率(JC08モード走行) 16.0km/L
燃料消費率(10/15モード走行) -km/L
最小回転半径 5.3m
タイヤ 225/65R17
ブレーキシステム(前) Vディスク式
ブレーキシステム(後) ディスク式
サスペンション(前) ストラット式
サスペンション(後) ダブルウイッシュボーン