2018年12月24日
NDロードスターで峠道を走ってみた
前回、86に乗ってFRスポーツカーの面白さに目覚め、次にぜひとも乗ってみたいと思ったのがNDロードスターだ。
先代のNCは歴代のロードスターの中では最も排気量の大きい2000ccのエンジンが搭載されたが、パワーや速さを求めていくのはロードスターらしくないという声があり、次のNDでは原点回帰モデルとしてあえて排気量を下げ、1500ccのエンジンが搭載されることになったそうだ。
レンタカーを調べてみるとタイムズレンタカーにあったので、借りてみることにした。
今回用意されていたのは6ATのNDで、グレードはSスペシャルパッケージ。
装着タイヤはというと・・・、
おっ、お前もNEXTRYかい!
このタイヤのグリップ力については86の試乗では特に不足している感じはしなかったが、こんなにレンタカーに使われているということは、やはり価格にしろ耐久性にしろかなり経済的ということなんだろうな。

トリップメーターを確認すると、走行距離は約10万Kmと結構走ってる。

シートについては腰からお尻にかけて幅が狭く、挟み込まれるような感じで、180cmの自分にとってはちょっと窮屈だ。
天井と頭のクリアランスは拳ひとつはきついので数cm程度と思うが、後で調べてみると185cmの人だと天井に当たってしまうという情報もあった。
ハンドルはチルトのみであったが、ドライビングポジションを決めるにあたっては特に問題なかった。
ちなみに、テレスコは2018年7月に実施された年次改良で追加になっている。
フロントミッドシップということでエンジンは車軸より後方に搭載されており、一部は室内に食い込んだレイアウトになっている。
フットレストの位置が右寄りに感じたのはこのせいか。

走り始めてすぐに感じたのは何とも言えない独特な乗り味。
早速ホームコースに持ち込んでチェックしてみると、加減速やコーナーリングの際のピッチ&ロールの動きが結構大きく、そのせいで思うようにペースを上げられない。
86のフラットな乗り心地に比較すると、ロードスターはオーバーアクションにも思える動きをする。
人馬一体というか、サーフボードの上に乗っている感じかもしれない(サーフィンやったことないけど・・・)。
この挙動には少し慣れが必要なようで、いきなり峠を走るのは不安を感じたので、しばらく幹線道路を流すことにした。
ところで、NDロードスターの大きな魅力は色気すら感じさせる官能的なフォルムにあり、その姿に一目惚れして衝動買いしてしまった人も少なからずいると思うし、スタイリングで選ぶとすれば自分も欲しいと思う。
特に正面から見た時のフェンダーの盛り上がりや、ヘッドライトの内側からフロントグリルの方に向けてスーッと伸びたラインは、眺めているだけでも気持ち良くなれる。
やはり最近のマツダのデザイン力は一歩抜きんでていると思う。


途中から幌を上げてオープンにしてみた。
サイドウインドウを上げていれば室内に巻き込む風もほとんどなく、冷たい空気が頭の上をかすめて後ろへ流れていくだけで、暖房を入れていれば十分に暖かい。
頭上を遮るものがないだけにやっぱり開放的で、すごく爽快感がある。
でも絶対オープンでなきゃダメ!、っていうところまではいかないかな。
この辺の感覚は露天風呂と同じで、屋外は非日常感があってイイんだけど室内風呂でも充分に気持ちいいのと同じ。

さて、そろそろ土坂峠が近づいてきたのでATをスポーツモードにセットし、ペースを上げてみよう。
ブレーキのタッチはスプラッシュとフィーリングが似ていて、奥側で効き始める。
制動力は充分で、スプラッシュのブレーキが強化されたとしたらこんな感じになるんだろう。
コーナーリングに関してはハンドルを切るとノーズがインを向くとともにロールがつき、そこからアクセルを踏むとリアタイヤが車体をさらにインに向けて押し込んでいく感覚がFRの面白さということを86の試乗で知ったが、ロードスターでもその部分は共通であった。
しかし、上り勾配がきつくなっていくとどうしてもパワー不足の感は否めず、アクセルをさらに踏み込んでも荷重の増えたリアには何事も起こらず、同じラインをトレースしていく感じになる。
それは車を安定して速く走らせるという点ではあるべき形なのかも知れないが、一方で右足でリアをコントロールする面白味は薄れていくように感じた。
ATについてはそれなりにダイレクト感はあるものの、86でちょっと感動したようなレベルまではなかったように思う。
後で確認したところATのロックアップ領域は3速からということで、タイトな峠道で多用する2速はカバーされてないこともその一因かも知れない。
車は神流町を経由してR299に入り、志賀坂峠へと向かった。


志賀坂峠を越えて秩父へ向かうダウンヒルに入る頃には車のリズムに慣れて来たこともあり、特にS字の連続するような場面では、ショートホイールベースのライトウエイトスポーツカーの楽しさを存分に味わうことができた。
さらに下りではリア荷重が減るので、コーナーでアクセルを踏むとリアがスキール音と共にスライドし始め、FRの面白さも感じることができた。
こうでなくちゃね。
ところで、今回の試乗では200kmチョイ走ったが、終盤に差し掛かる頃には右側のお尻の骨の辺りから太ももにかけて痛みを感じるようになった。
やはりシートが窮屈なのが原因で、アクセルとブレーキを操作する右足側がより圧迫され、痛みになったのだと思う。
さて、前回と今回で86とNDロードスターで普段良く行く峠道を走り回ってみた訳であるが、FRの面白さをダイレクトに感じられる点と上りでも下りでも楽しめる点、さらにはフラットな乗り味という点で86の方が好みと感じた。
なお、ロードスターの場合は同じグレードでもMT車では標準となっているトルセンLSDとロールを抑えるスタビライザーのリアがAT車では省かれているため、MT車に乗ればまた違う印象になったのかも知れない。
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Posted at
2018/12/24 22:06:01
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