わたらせ渓谷鐵道は1989年にJR足尾線が廃止となり、第三セクターとして開業された鉄道である。
営業区間は桐生駅~間藤駅であるが、間藤駅から先の精錬所のある足尾本山駅までの区間は貨物輸送の終了によって既に1987年には休止となっており、その後、1998年に廃線となった。
足尾本山駅は本山製錬所の構内にあり、精錬所から出たすぐの所には以下のガーター橋が架かっている。


そこからしばらく行くと、トンネルが姿を見せた。

ちょっと中に入ってみた。
廃線マニアの中には、ここを通過したという強者もいらっしゃるようであるが、とてもじゃないが怖くて、せいぜい20、30mがいいところ。
そそくさと引き返してきた。
しかし、よくまあここを通り抜けられるものだと、その度胸に感心。

さらに先に進み、間藤駅近くの県道250号と交差する辺りで見られるのが、以下の風景。
線路の向こうに見えるのは、廃校になった旧本山小学校である。

廃線になろうとも、車の往来をずっと見つめている警報機。
この先も何10年と、形ある限りここに立ち続けていくのだろうか・・・。
そして、現在のわたらせ渓谷鐡道の終点となっている間藤駅に到着。
無人駅なので、ホームから降りて歩いてみた。
人の気配もなく、何とものどかな風景である。

その先に架かっているガーター橋。
写真では全然捉えきれてないが、橋の景観もさることながら、周りの風景もきれいで、なかなか良いスポットである。

時刻表を確認すると、そろそろ通過の時間が迫ってきた。
時間待ちして列車を撮影するのは初めてだが、ちょっと緊張してきた・・・。
えっ、来たよ!
あっという間に駆け抜けて行ったのは、わ89形気動車。

そして、足尾駅に到着。
時の刻みが、昭和で止まってしまったかのような風景である。


駅構内にある展示車両。
なぜか連結機や幌に目が行く。

子供の頃は走行中の列車で、写真(借り物)のような連結部の渡り板の所に立っているのが好きだった。
廃れた変電所の外観と車両が、また何ともマッチしている。
渡良瀬川に架かるトラス橋が美しい。
澄んできれいな川であるが、銅山の最盛期は、はたしてどんな景色だったのだろうか?

そして、大間々駅。
桐生発の列車がここで一両切り離され、間藤へと向かう。

かつて銅山が栄え、華やかであったであろう在りし日の光景はそこには一切なく、時代の移り変わりと共に、朽ち果てていくのをじっと待つしかない鉱山跡や遺構が残されているだけのように見える足尾。
しかし、わたらせ渓谷鐡道という途中の景観も含めて魅力的な鉄道で結ばれているのだから、現在残っている遺構を整備保存し、内部を含めて一般公開するようにすれば、歴史を伝えていく役目と共に、多少なりとも賑わいを取り戻せるのではないだろうか。
その後もいろいろと考えさせられることの多かった、足尾銅山へのドライブであった。
Posted at 2014/11/10 23:54:12 | |
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