鶴の河童のブログ一覧

短い強い雨が降った。雨音が弱くなった。春雷が響いた。地面を鳴らした。

記憶を戻された。

後に、東日本大震災　とつけられた地震。被災地は、関東以北太平洋側。地域によって、災害の質は異なった。
地が揺れ、放射能が降った。
身体は眠ることを拒否した。電気は流れず、いつくるかわからぬ地震に備え、戸は半分開けたまま夜を過ごす。地が鳴る。横になる身体に、下から揺れが襲う。
重なる地震は、身体が記憶するのか。何事もなくても、身体が　揺れる感覚。

物流は絶えた。何も無い。ガソリンさえ。入荷未定の貼り紙があるガソリンスタンド前に、車が列をなす。暗い街。街灯は消され、国道さえ何の灯りもない。

テレビは、自主規制で、笑いがない。CMは、連続して、エーシー　と流れるばかり。耳に残る「エーシー」の言葉。いい加減にしろと　いらだつ感情　が生まれた。

昨年は、鬼怒川決壊災害。
そして、今。

5年前、ラジオから流れる、「がんばれージャパーン」に涙があふれた。ただひたすらに、悲しくなる。ただ、ただ、悲しいだけ。ずーとずーと底まで、我が身が悲しみにおちていく。
報道で、災害の不幸が、流され続ける。
悲しみがいっぱいなのだ。あがらうことも、手をさしのべることもできない、悲しみ　が　たくさん　たくさん　うまれた。