
いや~、恐れを知らぬタイトルですが、今年も1月17日(金)に修善寺「柳生の庄」に行ってきました。
正月明けに妹夫婦と泊まりに行くことを続けていますが、遂に4年連続となりました。
「3人ともが健康で新年を迎えられた」と喜び合うための行事ですが、この趣旨を続けるのはたやすいことでなくなっています。
妹のところが年明けに夫婦揃って高熱を出して、コロナでもインフルでもなかったのですが、妹の方はずっと咳が抜けずにだるくてやる気も出ないという状況が続いて、趣味にしているお茶も初釜に出られず、友人達との新年のお約束を軒並みキャンセルした中で、修善寺だけは絶対に行くと必死に体調を整えて、やっとのことで回復させました。アスパラだって正月明けは不安になって、毎日こまめにうがいして風邪を引かないようにと徹底的に注意してきました。
最近になって「歳による衰え」というのはなってみないとわからないものだと痛感しております。いままでは「70を過ぎたら歳のひとつやふたつは誤差範囲」と考えていましたが、これはとんでもない誤解です。70を過ぎると予想を遙かに越える勢いで急激に体力も気力も衰えていき1年の差がどれだけ大きなことか
知りました。ですから「三人が揃って健康で温泉旅行に出かけられるのは、たいへん恵まれたこと」で、深く感謝して散財することにしようと言い訳しております。「こんな極楽はない」と今年も三人揃って納得できたので、こういう生き方もあると呆れながらお読みください。
同じ顔ぶれで、同じ旅館の同じ部屋に同じ仲居さんをお願いして泊まるのですから、毎年同じことの繰り返しです。
毎年、報告をブログアップしておりますが
2024年 「
3年続けて妹夫婦と修善寺に 」
2023年 「
今年も妹夫婦と修善寺に 」
2022年 「
妹夫婦と修善寺に 」
内容はほとんど重複しています。
でも「毎年同じ」が年寄りには癒しなので、どうぞそこのところはお許しください。

メルセデス・ベンツ C200アバンギャルド
そんな中で大きく変わったのは、妹夫婦のクルマです。
前回まではCLS400でしたが、今回はC200です。
昨年、修善寺道路でセンターラインのマーカーを踏んだら前後輪ともパンクしてエライことでしたが、超扁平タイヤでは良くあることと言われたら嫌気が差したと、なんと妹たちはクルマを乗換えてしまいました。少しダウンサイズですが、都内で使うには慣れればなんということないそうです。

「柳生の庄」到着
いままでは長泉町で私をピックアップしてもらい妹夫婦の車で修善寺に向かいましたが、前年のパンクに懲りたのか「この辺に慣れているお兄様の運転で」と、我が家にメルセデス君を置いて今年はBMW ActiveHybrid3で走ってきました。

いつものお部屋「九重」 (
柳生の庄HP より)

さっそくお茶を点てていただきお菓子とともに供されます。
こういう流れも4回目ともなれば慣れました。

床の間のしつらえを楽しむことも大事です。
昨年はツァー旅行に3回も参加しましたが、ツァーだといい部屋に泊まってもこういうところは手が抜かれています。
さて、人心地ついたところでさっそくお風呂に行きましょう。

武蔵の湯 (
柳生の庄HP より)
これぞ温泉に来る醍醐味です。
個人の家ではどんなに頑張ったって、これだけ大きくて風情あるお風呂は用意できません。
熱すぎずぬるすぎず湯温も最高です。誰か名人が管理しているのでしょうか。
こういうところのスキの無さが極上です。

そして旅の楽しみのひとつは風呂上がりのビールです。
冷え具合、泡具合も完璧で、「至福の一杯」とはこのことです。

柳生の庄 睦月献立
いよいよメインイベントたる食事です。
「柳生の庄」は東京芝白金にあった料亭「柳生」が起源で、いまどきお部屋で京懐石を供されるなんて文化財級の貴重さです。ベテランの仲居さんはよく目が行き届いてスキがありません。こんな上等なサービスはもう理解されにくくなっていますが、私らはこれを味わいたくてここに来ています。

梅酒
ウェルカムドリンクは選べるので、三人とも梅酒にして食前にいただきました。

お酒は大吟醸「八海山」
切り子のグラスでいただきます

【坐附】胡麻豆腐 生雲丹 たらの芽
花穂ちらし 割煎酒 山葵
【初献】伊豆のにごり酒
胡麻豆腐の上に生雲丹が載っていて、毎年出ますがなんともおいしいものです。

【坪】甘鯛かぶら蒸し
甘鯛の上に載る蟹が、また味を引き立てます。
今年は三人とも献立表をじっくり見て内容を点検しながら味わっています。

【羹】柚子釜白味噌仕立
車海老 雲子 牡蠣 占地(しめじ) 三つ葉
雲子というのは鱈の白子。昨年勉強しました。
中味の車海老、雲子、牡蠣をひとつひとつじっくり楽しみます。
すばらしく上等な味で幸せ感に包まれます。

【造里】本鮪 本日の白身 青利烏賊(あおりいか)
伊豆かおり 妻もの色々
土佐醤油 駿河湾塩
お皿は鶴が羽を拡げた姿です。いや~見せますね。
塩と醤油が用意されていますが、今年も塩だけでいただきました。

【強肴】黒毛和牛ヒレステーキ
修善寺椎茸 芽甘藍(めきゃべつ) 南瓜
大根おろし 山葵(わさび) 戸田塩 割醤油
こちらも戸田塩と割醤油が用意されていますが、アスパラは戸田塩でいただきました。
でも一切れだけ大根おろしを割醤油にいれていただいてみます。
立派な修善寺椎茸ですが、椎茸が苦手なアスパラですからこれは妹の旦那様に。

【焼物】鰆柚庵焼
酔いが回ってきましたが、今年はしっかり鰆柚庵焼を撮りました。
昨年は半分食べてから気がついて、食べかけを写真に収めました。

【香味】嵯峨竹の子 友穂黄鶏あん 木の芽
竹の子の間に海苔が入っているのが特徴です。
しっかり海苔が入っているところを写真に撮れと妹からの指示ですが、前にも同じことを言われています。「これは初めてではないか」と彼女は毎年言いますが、ブログを確認したら毎年出ています。人間の記憶というのは怪しいものです。

【留椀】赤出汁 滑子(なめこ) 生のり 粉山椒
【御飯】駿河飯 蕪菜(ぶな)
【香物】千枚漬 胡瓜(きゅうり)糠漬 金山寺味噌
妹が待ち望んでいた駿河飯です。
これもここに来る楽しみのひとつです。

【水菓子】伊豆苺
【甘味】 抹茶水羊羹 金箔
とてつもなく大きな苺でした。
金箔の載った水羊羹も一杯になったお腹になんとも優しく入りました。
材料が吟味されてしっかり作り込まれたお食事に、大満足の三人です。
お酒をしっかり楽しんだ妹旦那様は布団に打ち倒れましたが、アスパラと妹は夜遅くまで四方山話で盛り上がりました。
なんとも楽しく夜が更けていきます。
ぐっすり休んで一夜明けた朝は、三人がそれぞれに動きます。
妹旦那様は日課にしているジョギングを旅先でも欠かさないと外に出かけました。

九重の間の半露天風呂(
柳生の庄HP より)
アスパラはまず部屋のお風呂に入ります。
3階のお部屋ですが目の前に坪庭があります。
窓を開ければ流れ込んだ冷気と温かいお湯で、とても良い具合です。

つうの湯(
柳生の庄HP より)
部屋のお風呂から出てそのまま大風呂に向かいます。夜中の12時に、男湯と女湯が入れ替わっているので、昨日の武蔵の湯からつうの湯に変わっています。
朝7時でしたが、まだ誰も入った痕跡がありません。もうもうと立ち上がる湯気の中で、たったひとりで池のようなお風呂にゆったり浸かっているのは、もう至高の贅沢です。
三人ともそれぞれに部屋のお風呂と大風呂を楽しんでから、いよいよ朝食です。
昨夜あんなに食べたのに、胃の動きが活発になったらしく、もうすっかりお腹は空いています。

朝食メニュー

苺ラッシー
これも宿のご自慢です。

煮麺 たたみいわし 葱 七味
「まずこれから召し上がってください」と仲居さんに言われて、温かな麺をおいしくいただきます。

飛竜頭含ませ 絹さや 芥子(けし)

伊豆鯵干物 酢蓮
この鯵の干物のおいしいこと。肉付きが良く、焼加減が絶妙な上に、骨はしっかり外れています。
恐れ入りました。

味噌汁 渡り蟹 葱
朝から贅沢に
蟹汁をいただきました。

海松貝(みるがい) 胡瓜(きゅうり) 若布(わかめ) 酢のもの

左:牛肉有馬煮
右:小松菜 人参 胡麻和え

左:伊豆なのり 削り節
右:香物 色々

自家製シャーベット
これが宿自慢の自家製シャーベットです
お泊まりの方の数だけ毎日作るという手の込んだもので、とても美味しいです。

帰りにお世話になった仲居さんを入れて恒例の記念撮影
いやいや、なにからなにまで上等で、スキのないおもてなしをいただいたので大満足です。
最初の年は「最後の贅沢」と思っていた筈なのに「贅沢」は癖になりました。
来年もまた三人で来られるように、日常の健康管理に心を砕きます。
すっかり癒やされて、本当に価値ある旅でした。
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Posted at
2025/01/25 00:08:57