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先週のことである


男は携帯で電話をしていた
「『社長』いまからそっち方面にいくから、会社で待ってて」


『あいよ　よろしくたのむね』
携帯から、野太い声で返事が漏れ聞こえてくる・・・
男は愛車をそっち方面に走らせる。



今日は「合言葉」：「いつもの時間に、いつものところ」ではなく

めずらしく男が『社長』を迎えにいくようだ。

『社長』？

そう　男の会社の「社長」ではない
コードネーム『社長』　それはとある同好会のメンバーなのだ

とある同好会とは・・・

そう　「ラーメン同好会」である

途中、他のメンバーもひらい、男は愛車のエクストレイルを金沢方面に向かって走らせる
車内では、今日行くお店の検討会となっていた。

「麵屋　達」、「一心屋」、「つち田」、「神やぐら」、「豚蔵」、「福座」、「秋生」、「けん」、「日の出」
「左介」、「凌駕堂」、「天下一品」、「尾道ラーメン」、「ラーメン世界、「誠や」、「山岡家」、
「百楽天」、「太陽軒」、「のぼる」、「真打」、「一鶴」、「池田屋」、「ﾌﾘｰﾀﾞﾑ」、「全日本」、
「前田慶次郎」、「壹鶏」、「〇麺」、「客野製麺所」、「吉宗」、「六七家」、「來來亭」
などなどなどなど　
次々と店名がてでくるが、みんなの意見が一致しない・・・
一番　わがままを言っているのは、　そう　男であった

それもそうだろう、２４日はここ、１６日にはここ、

その前日には　「東京　ラーメン　ストリート」
でたらふく食ってきているのである。

しかも直近でお気に入りの「達」に「天下一品」を食べている。
となれば、これらを凌駕するラーメンでないと、男は納得しないだろう

しかし、空腹と話しがなかなかまとまらない事で男は苛立ちはじめていた
「あっ　すき家のメガもいいよねぇ～」
「おっ　餃子の王将のニラレバもいいよねぇ～」

好き勝手を言いはじめる男・・・

『社長』が「おいおい　このままじゃ変なとこつれていかれるぞ！」っと焦り出す。
『とり』ちゃんが「みんな行ったことがないお店は？」

「おっ　いいねぇ～」　と　男が反応する
「確か　近岡のSABの近くに看板があったような気がする」

みんなで「おお～！　そこいいねぇ～」　　　　　　みんな男のご機嫌をとるのに必死だ。

しかし、確かに新しいお店ではあったが、「近日OPEN！」の看板が・・・
一気にテンションがさがる

しばらく沈黙がつづき、男の愛車はあてもなく走っていた・・・




ふと　男が「あのお店いったことある？」

「いや　行ったことない」　　他のメンバーも食べ歩いているが、そのお店は知らなかった
いったい　この男、どこから情報を仕入れてきるんだろう
全員一致でそのお店を目指す

途中、裏道がどうのこうの　っと　もめながらも、なんとか到着

そのお店とは・・・


「煮干し」ののぼりがはためく「中華そば　響」さんである。
このお店、男は２度目の訪問だ

おっさん４人が暖簾をくぐる

店内は広くはない

おっさん４人がならぶと、異様な雰囲気になる。

このお店、のぼりにあるように、煮干しが特徴だ、しかも濃厚なスープがまたうまい！

しかし、男の目に飛び込んできたものは


期間限定　の　「冬味噌　中華そば」である

「コク深い香ばしさが前面にでた大人の一杯です」
大人の一杯・・　　　いい響きだ


１０分ほどまっただろうか
男の注文が一番最後だったので、出てくるのも時間がかかった

そう　これが

冬味噌　中華そば　大盛り、チャーシュー、ねぎトッピング　である
ねぎのチョモランマ状態だ


色が黒い
一口スープをすする
確かにコクがあって香ばしい
それと、いい意味で期待を裏切られた
そう　普通の味噌ラーメンの味を思っていたが、これは違う！
しっかりとしたスープに煮干しもしっかり効いている

中太の麺ももちもちツルツルでおいしい！


空腹も手伝って、どんどん男の胃袋に入っていくラーメン！

「ぷはぁ～～」　　めずらしく、完汁、完飲であった

ほかのメンバーも満足していた

しばらく、店長と話し込む男

やはり、苦労を重ねて、頑張っているようだ
その苦労を考え、ありがたくいただかないと！　っと心に思う男であった

帰りの車内、みんな満足したようで、まったりした時間がながれていた

ふいに　「〆はどうする？」　男が口を開く

『社長』　「わしはもうはらいっぱいだから遠慮しとく」
達ちゃん　「おれはいいよ」
とりちゃん　「う～ん」

「じゃ　２対１で決定！」　　なんでだ？　とりちゃんはどうする？








順調に走る男のエクストレイル


４０分後



男の目の前に「ラーメン」が・・・

そう　寿がきやのラーメンである
「ラーメン」一杯が２９０円である
特製ラーメンでも４２０円である！

しかも　以前は無かった大盛りも注文できる！

じつは、この男、寿がきやのラーメンも大好きなのである
値段を考えれば、いい仕事をしているとおもっているのだ

ただ、どいらかといえば、おやつである。

だから、ラーメンの〆にラーメンはありなのだ

さすがに『社長』はソフトクリームを食べていた・・・






途中、途中でメンバーを降ろす男
「じゃ　またねぇ～」　というと、ハザードランプを点滅させる

けして、ブレーキランプ　５回点滅はさせない





「いや～　今日はほんとに満足したぁ～」

そりゃそうだろう　２杯も食えば誰だって満足するはずだ

ボンネットの映りこみに、自己満足を感じながら走る男であった


つづく