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2008年03月28日 イイね!

サレ・ド・マジック

サレ・ド・マジック以前オーダーメイドで頼んでいたピックガードとストラップが、本日ようやく家に届きました。ストラップに関しては1万5千円もしたわりに「失敗だったかな」とういう感じの出来なのですが、ピックガードは6千円(通常オーダーメイドの場合はもっと高い)であるにも関わらず、大満足の仕上がりでした。「赤」でも「茶」でもなく「黒茶」という特殊な色のべっ甲柄ピックガードは、私のイメージ通りサンバーストのボディにマッチしていて、艶やかな光沢と味わい深い紋様に誘われて思わず擦ってしまいたくなります。いずれはピックアップも交換するつもりですが、それはしばらく先のことになるでしょう。当分はこのままで練習に励みたいと思います。
今回ピックガードの製作を依頼するにあたって実現できなかったのが、3プライの中間の層を黒色にするということでした。私はベースのボディ部分から白い箇所を極力排除したかったのでそのような希望を提示したのですが、さすがに素材から造り直すことはできないらしく、通常通り「黒・白・べっ甲」の三色バージョンで製作してもらうことになりました。そして本日、そのピックガードを実際に取り付けてみたのですが…、やはり白い部分が気になって仕方ありません。そこで私は、白い部分を黒く塗ることにしました。
最初に用意したのは「プロッキー」という水性マジックだったのですが、これは付着したインクの量によって濃さが変わるので、すぐに使うの止めました。人間の手作業では均一にインクを塗るなど不可能ですし、色斑がでるのは我慢なりませんからね。次に用意したのが、油性マジックでお馴染の「マッキー」でした。これは斑に関しては問題無いのですが、プラスチック性の素材に塗った場合、仕上がりがテカテカして少々安っぽく見えるため、やはり使用をあきらめました。過去の経験によりどちらも最初から期待していなかっただけに、さほど被害を被らなかったのですが、こうなるとインクの素材から検討しなければなりません。重ね塗りをしても色斑が出ないくらいに質量があって、それでいて光沢が抑えられているもの…。
しばらく考えて思いついたのは「ポスカ」でした。紙性や布性の物に使った場合、「ポスカ」は強烈な濃さを発揮するので重宝するのですが、果たしてプラスチック性の物に使った場合はどうなるのか。早速購入し、恐る恐る塗り始めてみると、これがまさに正解でした。一般的な水性マジックのようにすらすらと塗れる上に、重ね塗りをしても色斑が出ず、「マッキー」のような妙な艶など出ないどころか、むしろ何か高級な素材を使っているのではないかと思わせるくらいにシックな感じに仕上げることができました。しかも、「プロッキー」や「マッキー」で塗った部分に上書きしても、違和感が全く無いくらいに染め切ってしまうのです。もともとピックガードの側面部分は削り出し状態に近くザラザラしているためインクが載りやすいのですが、それにしても「ポスカ」の付着性はかなりのもので(しかも乾くのも早い)、改めてその強烈さを認識させられました。
道具や部品に拘るのは私の悪い癖なので、ベースに関してはメンテナンス以外にこれ以上お金をかけないようにしなければなりません。むしろ、道具に対して恥ずかしくないだけの技術を身に付けることの方が先決だといえるでしょう。日々修行せねば…。
Posted at 2008/03/28 17:56:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | 趣味 | 日記
2008年02月09日 イイね!

デニム、行きまーす!!

ガンダム系のアーケードゲームで「戦場の絆」という作品があります。これは近年ずっと続いてきたネット通信型大型筐体の一到達点であり、16・7年前に「機動警察パトレイバー」の中で描かれた「未来のゲーム」をそのまま現実化したものでもあります。稼動し始めたのは去年のことで、私も当初からその存在を知っていたのですが、プレイに多額の出費を要することから全く気にも留めていませんでした。しかし、本日ふとしたことからこのゲームに興味を持ち、仕事の帰りに試しで一度プレイしてみたところ、…これが意外に衝撃的でした。
プレイヤーは半球状の筐体内に入り、シートに座って左右のレバーと二つのペダルで機体の動きをコントロールします。基本的には「電脳戦機バーチャロン」と同様の操作方法なので、私はすんなり馴染むことができました。ただし、本作品がバーチャロンより格段に優れているのは、前面フルスクリーン化によって圧倒的な視覚効果が得られる点にあります。結論から言うと、私は酔ってしまいました…。後はG が体感できるようになれば、筐体としては完成でしょう。そのうちリニアシートに全方位モニターを備えた筐体が開発されることも、あながち夢物語ではないのかもしれませんね。ゲーム自体の内容に関しては、特に感慨はありません。大体予想していた通りだったので、その意味ではあまり目新しさが感じられませんでした。確かに、これ以上複雑化しても最早意味が無いのでしょうね。
今回少し面白かったのは、このゲームのコーナーにいた背が低くて頭の薄い一人のオッサンが、ゲームの内容について私に何かとレクチャーしてくれたことでした。カードの作り方から親切に教えてくれたそのオッサンを、最初私は従業員かと思って感心していたのですが、どうやら単なる客であったらしく、何か微妙な空気のもとでゲームをすることになりました。おそらく、そのオッサンは良き後輩にレッスンを施したかったのでしょう。残念ながら、私はかつてのアムロ・レイよろしく、筐体に貼られてあるステッカーを見てすぐに操縦方法を理解してしまったので、オッサンの世話になることはありませんでした。プレイを終えて筐体から出てきたときの、「あんた、本当に初心者?」と言ったオッサンの表情は中々面白いものでした。別に嫌味な感じも無かったので、その後20分くらいオッサンとゲームの話をしてから帰途に着きました。見ず知らずの人と話をする(仲良くなるわけではない)のは、ゲーセンならではのシチュエーションと言えるでしょうね。
その昔「連邦vsジオン」をやっていた頃、私はよく見ず知らずのプレイヤーから感謝されることがありました。それというのも、共闘プレイにおいて私は理想的な援護役を演じることが出来るからです。私と組めば8割くらいの確率でゲームをクリアできるため、暇潰しに参加したはずの相手プレイヤーは結果的に思いもよらぬ連帯感を得ることになるのです。私としては共闘にあまり興味がなかった(どちらかと言えば、多数の敵を相手に戦うほうが面白かった。シャアザク=私vsガンダム・ゴック組とのバトルは今でも鮮明に憶えています。あの時の私は間違いなくニュータイプ化していた…)のですが、ゲーム後に楽しそうにしている人を見て不快になるわけがありません。今回の「戦場の絆」でそういった場面に出くわすかどうかはわかりませんが、取り敢えずは周りのガンダム好きに声をかけてみたいと思います。
Posted at 2008/02/10 03:41:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | 趣味 | 日記
2008年01月29日 イイね!

On The Road To Entwistle's World

On The Road To Entwistle's World最近はブログの更新を全く怠っているのですが、その理由はベースの練習にあります。実は先月末にフェンダーのジャズベース( highway 1 upg サンバースト)を購入し、それ以来毎日深夜遅くまで練習をしているのです。「今更何を目指すの?」と一部の人から言われましたが、案外周囲の目は暖かく(私の職場には何故かバンド経験者が多い…)、中年の手習いとしては良い環境でスタートできたと思っています。仕事から帰ってきての練習は確かに疲れますが、3弦や4弦の低音部が響く感じは、ある意味癒しにもなりますからね。蝸牛の如く緩やかな歩みながら、今は毎日弦を弾くのが楽しくて仕方ありません。
多聞の例に漏れず、私も中学時代にギターの練習をしたことがありました。しかし、指が短く不器用な上に確固たる動機もなかったことから、すぐに諦めて聴く側に専念することになりました。以来、楽器の演奏など何もしたことがなかったのですが、そんな私が突然ベースに興味を持ったのは、YouTube で Springmercury という人の演奏を見たからでした。何処の誰だか存じませんが、その演奏は機械のように正確であり、技術的に優れていながらそれに溺れることなく「脇役」「黒子役」に徹するという職人気質的な格好良さが滲み出ていて、私は目と耳を洗われた思いがしました。「こんな演奏ができたら楽しいだろうなぁ(ベースはギターより弦が少ないし、これなら挑戦できるかも…)」それが今回の動機でした。また、昨今のガソリン価格の高騰により、車で峠を思い切り走り回ることは経済的に厳しくなりつつあります。お金が掛からない趣味として、楽器は打って付けだと考えたのも事実です。そして、たまたまパチンコで5万円勝ったのも手伝って、一気にベース購入という運びになったのでした。
当初はアンプも含めて10万以内に収めるつもりだったのですが、艶消し塗装とバダスII ブリッジに惹かれて highway 1 を選びました。超初心者にしては過ぎたる道具なのかもしれません。自分で納得できるレベルに達するまでは、これ一本でやっていきたいと思っています。
実際に練習し始めて幸いだったのは、どんなに長時間連続で弾いても指が痛くならないことでした。ネックの端から端まで指をスライドさせても、16ビートで我武者羅に弦を弾いても、指先が全く痛くならないのです。それゆえ、疲れて飽きるまで延々と練習し続けることができます。この点は、私のような初心者にとって明らかな利点だといえるでしょう。おかげで、ここ最近は気付けば3時を過ぎているというような日々が続いています。傍から見たら馬鹿みたいなのかもしれませんけどね。特に何かを目指しているわけではないので、焦る必要もありません。まずは基本練習を繰り返して、地道に努力していくつもりです。
自分で楽器をやり始めると、音楽の聴き方も変わってきました。ロック・ポップス・ジャズなどのジャンルに関わらず、ベースの演奏に聞き耳を立ててしまいます。そんな中で「おお、これは…」と思ったのが、The WHO のジョン・エントウィッスルでした。キース・ムーンやピート・タウンゼントの派手なパフォーマンスの影に隠れがちではありますが、彼の場合は演奏の内容(メロディやリズム)自体が反抗的であり、ロックバンドのベーシストとしては独特の格好良さを体現していると思います。ヴォーカルやギターが暴れまわる後ろで、地味に、しかし確実にそれを煽るベース…、それが私の理想でもあります。そういうレベルに到達できるのが何年後になるのかわかりませんが、ゆっくり頑張っていきたいと思います。
Posted at 2008/01/29 21:22:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | 趣味 | 日記
2007年09月26日 イイね!

少年は再び神話になれるか

先日、古い友人から一通のメールが届きました。内容は先ほど公開されたエヴァンゲリオンの新作劇場版に関するもので、「懐かしいから見てみろ」とのお薦めがしてありました。実を言うと私はこの作品を本放送終了後も定期的に観賞していて、2年ほど前にも全話通して見ていたので、新作の劇場版が公開されることを知ってもあまり懐かしさを覚えなかったのです。なので、本当は今回もDVD化されるのを待つつもりだったのですが、突然のメールが入ったことから話の種になるかと思って、本日映画館へ行ってみたのでした。
実際に見た感想を述べるなら、「よく出来ている」と言えるでしょう。あまり期待していなかっただけに、これは嬉しい誤算でもありました。どこが良かったかというと、一つ目は本放送の雰囲気に忠実であるという点です。名場面はなるべく本放送と同じに、逆に繋ぎのシーンには修正を入れるという手法は的確であり、敢えて言うなら「DEATH AND REVERSE」は本来こうあるべきではなかったのかとさえ思えます(まあ、あれはあれで興味深い作品でしたけど…)。また、もう一つ評価したいのは、細部の設定・書き込みが緻密で素晴らしく、「さすがGAINAX」と納得させられるクオリティをしっかり表現できていることです。特にヤシマ作戦における作業風景の描写は凄まじく、「アニメ的なリアルさ」を追求することに成功していると思います。こういう映像を見ると、VFX満載のハリウッド映画よりも、やはり日本のアニメのほうが上だと実感してしまいますね。映像全体の色合いがセル画的質感を保っていることも、個人的には評価したいところです。昨今のデジタル化された作品はやたらテカテカ・チラチラする色合いのものが多く、見ていて辟易させられるのですが、今回のエヴァではそういう場面が殆どありませんでした。古いアニメ好きとしては、このセル画的質感は大事にしていただきたいものです。
反対に気になった点も少しあります。まずは細部の意匠やBGMに統一性がないという点です。たとえばNERVのマークですが、作品中では2種類あって、どちらにどういう意味があるのかよくわかりません。BGMも旧来のものと新しいものが混在していて、「おお、来た来た!」と盛り上がることもあれば、「あれ?何か違うぞ」と違和感を覚えることもあります(初号機が初めて出撃するシーンにおいて、本放送では「A STEP FORWARD INTO TERROR」が流れるのですが、今回の劇場版ではそのアレンジともいえるようなBGMが流れます。そのとき私は「映像だけじゃなくてBGMも変えたんだな」と思ったのですが、別のシーンでは普通に「A STEP ~」が流れたりします。統一性がないとは、つまりこういうことです)。新しい要素を持ち込みたいという気持ちはわかりますが、であればもう少し割り切ってやってくれれば良いのに、というのが正直な感想です。また、作品全体のリズム・テンポが一定だったことも気になった点の一つです。最初から最後まで一本調子(ハイペース)で、特に山場と言える箇所がありませんでした。これは、「序」というタイトルが示している通り本放送前半部の単なるリファイン版であって、次回作のための導入部にすぎない、ということであれば納得がいきます。本放送の場合は放送事故すれすれの「間」(画像が止まった状態)というのも一つの魅力でしたが、総集編的作品にそのリズムの緩急を求めるのは難しいですからね。むしろ、一分一秒を無駄にせず映像を詰め込んだ今回の手法の方が正解だと言えるでしょう。いずれにせよ、気になった点は幾つかあったものの、私にしてみれば総じて不満のない内容でした。
もっとも、「不満がない」だけではこんな長文を書く必要も無いでしょう。今回の収穫は、この「序」自体よりも、次の「破」が面白そうだとわかった(予告は充分に期待させるものだった)ことにあります。「陰鬱なエヴァンゲリオン」は、もうやり尽くしたはずです。次回の「破」が、従来のGAINAX作品らしく陽気で爽快な物語になることを、切に望みたいですね。
Posted at 2007/09/26 23:02:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | 趣味 | 日記
2007年03月31日 イイね!

東の方に在りし楽園 (キャラクター篇②)

■八意永琳
私は漫画やアニメを見て作品自体に嵌ることはあっても、登場人物に嵌ることは滅多にないのですが、最近例外的に興味を持ったのがこの八意永琳というキャラクターでした。何が魅力かといえば、まずその正体が判然としない点です。設定上は宇宙人(月人)ということになっていますが、実際は地球から月に移住したのであって、生粋の月人であるとは言えません。では地球人(人間)なのかというと、年齢が最低でも千年を超えている(ZUN氏の発言が公式化されるなら更に億を超える)点を考えれば、もはやヒトではないと断言できます。勿論、人間を捕食する妖怪でもありません。ならば、八坂神奈子や洩矢諏訪子のような純然たる神様なのかというと、過去の歴史を振り返ってみても、そこまで霊験あらかたな所業は行っていないようです。月夜見の月面移住計画に協力して月の都を造り、その後も月社会の発展に寄与し続けたことは、確かに神懸った能力の賜物だと考えられますが、その月に住む人々を裏切って輝夜と共に罪人になったことまで含めれば、崇高な理念で動いている(周囲に御利益を与える)というより、むしろ個人的な意思で行動しているきらいがあります。何より、永琳自身は他者からの信仰を全く必要としていません。そこが、東方世界における他の神様とは決定的に異なる部分でもあります。恐らく「八意思兼≒八意永琳」という図式は確定的なのでしょう。しかし、私はそれを否定することに浪漫を覚えます。神様でも人間でも妖怪でもない、ヒトのカタチをした別の何か…。そう考えれば、あの「綾波レイ」以来久々に登場した、最高に不気味なキャラクターと言えるのではないでしょうか。
もう一つ、八意永琳の魅力を挙げるなら、それは蓬莱山輝夜に対する異常な執着が指摘されます。設定上では「蓬莱の薬を与えたことの罪悪感」から輝夜に付き従うようになったとありますが、儚月抄(小説と漫画)から判断すると、そもそも永琳は教育係をしていた頃から輝夜のことを気に入っていた節があります。大体、「月の頭脳」と呼ばれるほどの者が、蓬莱の薬を欲しがる輝夜の目的を見抜けないわけがありませんし、もし本当に見抜けなかったのだとしたら、その時点で既に輝夜に対して盲目になっていたと言えます。出会った時から現在に至るまで、永琳はいつも輝夜の意思に沿う形で行動しています。この事実を考慮すれば、「罪悪感」というのが半分建前のように聞こえても不思議ではありません。一方輝夜はというと、永琳のことを完全に信頼しているとはいえ、束縛するつもりも無ければ、己の全存在を懸けるほどの存在だとも認識していないようです。つまり、永琳の輝夜に対する愛情や献身は自発的なものであり、外的要素に起因するものではないということです。自分より遥かに年下で、自分ほど才能に恵まれているわけではない輝夜に、果たして永琳は何を見出したのか。最高レベルの地位や権力を有していた彼女が、その全てを擲ってまで一人の小娘に付き従うことを選んだという、その本当の動機は何であったのか。これらの点が解明されれば、永琳の異常な執着の本質を理解することも可能だといえるでしょう。しかし、ZUN氏の手法を考えれば、この辺の設定が明文化されることは恐らく無いかと思われます。むしろ、こういう部分の説明に関しては、優秀な同人作家さんに期待した方が良いのかもしれません。
永琳に関して疑問に思うことがあるとすれば、それは彼女が人間を造ったことがあるのかという点です。出産であれ、科学的製造方法であれ、凡そ万能で好奇心も旺盛なはずの永琳が、圧倒的に長い人生の中でヒトという生き物を一度も造らなかったとはどうしても考えにくいのです。恐らくは、何人か出産、もしくは試験的に何体か製造したことでしょう。もしそうであれば、「輝夜は永琳と血の繋がりがあるのではないか」とか、あるいは「十六夜咲夜は永琳によって造られた生物ではないのか」というような妄想を膨らませることもできます。この辺の設定も考え始めたらキリが無いので、同人作家さん達に任せるとしましょう。ただ、八意永琳というキャラクターの成り立ちを考えるとき、あまり取り沙汰されることはないですが、この出産経験の有無(人体製造経験の有無)は、非常に重要な位置を占めると思うのです。ZUN氏がこの辺についてどのように考えているのか、できることなら一度伺ってみたいものですね。
どんな物語もそうですが、主役と同じくらいに脇役が魅力的でなければ、作品として人気を獲得することはできません。そして、それは偏に作者が脇役のキャラクターにどれくらい愛情を注げるかにかかっています。東方シリーズのキャラ達は皆が個性的であり、ZUN氏の配慮が満遍なく行き渡っていると思います。ただその中にあって、本来なら薬が作れる程度の能力であるにも関わらず、業績が宇宙規模に達しているという点で、永琳は特異な存在だと言えるでしょう。神奈子や諏訪子ですら生き残りを懸けて幻想郷に移住してきたというのに、永琳の場合はいざとなれば幻想郷を破壊することも躊躇わないほどの不敵さがあります。八雲紫や西行寺幽々子が永遠亭の勢力を潜在的なリスクと認識しているのは、実質的なリーダーである永琳の行動原理があまりにも単純すぎること(輝夜の安全を最優先にすること)に危機感を持っているからに他なりません。儚月抄では、そういった政治的思惑を背景にした上で、年増キャラ達のシビアな直接対決が見られるのかと期待していたのですが、現時点(漫画版第15話終了時点)では若者達が月で弾幕ごっこをしているだけに留まっています。儚月抄の連載が終了すれば、永琳や輝夜がクローズアップされる機会も無くなるでしょうから、せめて連載中だけでも彼女達の出番を増やして、他のキャラクター達(勢力)と絡むエピソードを描いていただきたいところです。

儚月抄の連載が開始されて以降、永琳のポテンシャルはインフレの一途を辿っています。次々と明らかになる設定の殆どが後付のような気がしないでもないのですが、その壮大さはまるで「ファイブスター物語」にも似ていて、色々と想像を掻き立ててくれます。最初は単なる従者として登場したはずの永琳がどんどん神格化していった背景にZUN氏のどのような意図があるのか、定かではありません。「最初からそういう設定のキャラだったんだよ」と言われればそれまでですが、ゲーム内で自機として使えない割にエンディングでの登場回数が多いことや、儚月抄本編でもそれほど目立つ役割が与えられていないのに単行本の著者近影には八意思兼神社の写真が使われていたりする辺りに、何かしら思い入れがあるようにも見受けられます。敢えて推察すると、現実世界のアンチテーゼである幻想郷においてZUN氏の思想・世界観を象徴するものが八雲紫であるならば、月という神秘の世界に対する憧憬の念を象徴するものが八意永琳なのではないかと思うのです。儚月抄の企画が成立したのは、これからも東方シリーズを続けていくにあたって月とそれに関する様々な事柄に決着を付ける必要があると、ZUN氏が判断したからではないでしょうか。そういう風に考えてみると、彼女の能力や立ち位置が変化していったことにも納得がいくというものです。
東方シリーズでは単なる脇役の一人ですが、私にとって八意永琳は近年で最も興味を惹かれたキャラクターでもあります。正体が判明するのも良いですが、できればこれからもミステリアスなままでいてほしいですね。
Posted at 2008/10/10 17:01:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | 趣味 | 日記

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「カシオーク、最終章 http://cvw.jp/b/241312/48217041/
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