
手負いのMR2がガレージで留守番している頃、プリウスを引っ張り出してロングツーリングをしてきました。
この車で長距離を・・そしてワインディングロードを走るのはほとんど初めてです。改めてプリウスの印象を書いてきます。
・まず、ステアリングインフォメーションが希薄であること。路面の状態やタイヤの状態を伝えてくれない。あまりにも機械的。船の舵のほうがインフォメーションがあるのかもしれない(笑)
この型のプリウスが出始めた頃のCM内で、とある女優が発した言葉が妙に真理に迫っていた。
「浮いているみたい。」
これは勿論、無音で走り出すことについての発言であるのだけど、自分は違う意味にも聞こえて
「確かにそうだね」
と納得して笑ってしまった。
・ブレーキ踏力と制動力曲線の差異。
弱い踏力では回生ブレーキが、さらに制動力が必要になるとディスクブレーキが機能し始める。この感覚がとにかく生理的に合わない。これはもう買う前から分かりきっていたことで文句をいうつもりはないのだけど、慣れる慣れないの問題ではない。個人的には10年20年乗っても決して慣れることはないと思う。
回生ブレーキ特有のカックンブレーキ。少し踏んだだけで効くのでその後の制動も慎重になってしまうけど、そこから踏み足してもいつまでも制動力が立ち上がらない。最適なブレーキストロークを判断しづらく結果的に走りにくい。
街乗りしていると、ブレーキランプがチカチカと何度も点灯しているプリウスが多い。鬱陶しいと思われがちだが、これはドライバーが下手くそなわけではなく、緩く引きずるブレーキが構造上できないためこのような運転になってしまう。細かなスピード調整は本当に難しい。停車する瞬間、制動Gを抜くことは未だに自分でも出来ない。
・視界が悪い
絶望的に四隅が分かりにくい。傾斜したフロントガラスや、盛り上がったダッシュボード。後方視界の悪さ。
燃費最優先のボディ形状が犠牲にしたものは大きい。
・意外とうるさい
エンジン停止状態のときは当然静かではあるのだけど、エンジンが掛かっている状態は決して静かではない。コンパクトカーのほうがよほど静かなエンジンだと感じた。車自体の静粛性能もさほど高くなく、クラウンクラスの静粛性能とはやはり質が違う。
・積載性はあまりよくない。
ハッチが傾斜しているのであまりボリュームのあるものは積めない。
と、悪い部分だけを書いてしまいました。勿論いい所だってあります。
・燃費がいい
カタログ並の燃費は正直ありえないのだけど、リッター20kmを割ることはまずない。確実にMR2の2倍は走り、尚且つワインディングのような負荷が掛かる場所では3倍近い燃費性能の差になる。恐るべしハイブリット。これがプリウスの真骨頂である。
・パワーがある
バッテリーと1,8リッターエンジンがタッグを組むといい走りをする。バッテリーはトルクがあるので、上りでもグングン加速していく。ヘタなスポーツカーは置き去りにしてしまう。エコモード、ノーマルモード、パワーモードの三種類があり、パワーモードではレスポンスが強化される。アクセルに対しての違和感はほとんどなく良好。
・価格が安い
これだけの性能をもってこの価格は信じられないくらい安い。免税が手伝ったせいもあり、街にこれだけプリウスが溢れるのも当然だと思う。
ハイブリット界の革命児プリウス。悪いところもあればいいところもあります。今までの感覚が通用しない新時代のカテゴリーの乗り物。でも逆によくココまで普通っぽく仕上げたとも思います。プリウスは普通車っぽい超特殊車両だという個人的な結論です(笑)
でもまだまだハイブリットの進化はこれからでしょうから、もっと人間の感覚に近づいてくる日はそう遠くないかもしれませんね。そしてそれはいずれスポーツカーのカテゴリーにもね。
Posted at 2014/05/10 22:53:03 | |
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