平成も残すところ数時間というところ、縁起が悪くて申し訳ないのですが、TTは令和を待たずに深淵の山中に散りました。
オイルダダ漏れ。自走不能。
なんとなく想像できる方もいるかと思いますが・・
落石です。
正直、落石なんて峠のスタンダードだと思っていました。そこに油断と慢心が生まれてしまったのでしょう。
もう、ぐうの音も出ませんw
いくつか不運な要素が重なったのも事実で、落石のあった場所で対向車が現われました。向こうが少し奥の広めのスペースで離合のためペースダウンしてくれました。待たせては悪いと少し加速したところに奴が現われました。
まず致命的なミスは認知の遅れ。対向車に意識が向かったせいか遅れてしまいました。
そして追い打ちをかけるように判断ミスその①。視界に入った瞬間、何故か枯草的な柔らかいもののように見えてしまい、減速が遅れました。
判断ミスその② さらに急ハンドルを切った場合、必然的に対向車ゾーンに入ってしまうため、対向車が要る状況下でその判断が適切か迷いが生じました。
これは跨げない!!と巨大な落石に戦慄したときにはもうストレートにフルブレーキングするしかない状況まで陥ってしまいました。さらに事を悪化させたのはフルブレーキング中に踏んでしまったことです。大きくノーズダイブし、最低地上高が最も低い状態でした。スピードはたかだか30キロくらいでしょうか。それでもたった数メートルで完全停止できる車はこの世に存在しないわけで、
「車は急には止まれない」
を体現してしまいました。
いくつもの状況と偶然とミスの折り重なり。事故ってこうゆうときに起こるのですよね。猛省しています。
バックして砕けた落石を道路から排除して安全な場所に停車して車両チェック。停車した時点でオイルの匂いと煙が目視できて戦慄。
ヤバい!車両火災の可能性もある、とエンジン停止して、ライトで下を覗く。アンダーパネルを伝ってダタダラオイルが垂れている!想像以上の損害。
さて、どうする。携帯を見ると圏外という残酷な表示。どうする?どうする?この人里離れた真っ暗な山道を歩いて下るのか?一体何時間かかるんだよ。同乗者もいるんだ、危険に晒すわけには・・・。どうする?どうする?
久しぶりに焦りました。オイルが完全に抜け切る前なら多少の移動は可能。時間制限があるだけに判断は尚迅速なものを要求されます。
よし、車で下ろう。
エンジン再始動。狭い場所で転回し下ります。ほとんど惰性で低負荷、低回転で。
同乗者にナビ上の地図を確認してもらう。永遠と思えるようなクネクネ道が表示されます。遠い。普段はワクワクする道も今回ばかりは勘弁してほしい。
しばらくしたところで、オイルの警告灯が点灯!くそぅ、まだ先は長いのに。ここからの判断は難しいけど、まだ少し頑張って欲しい。少し距離を稼いだところでエンジン停止。惰性で下ります。エンジンが止まっているので、ブレーキはすぐに固まります。基本サイドブレーキの減速で走り続けます。正直普通は観念して諦めるだろうし、そうしたほうが正しいかもしれません。おすすめは決して致しません。しかし、なんとか携帯の電波が届く付近まで・・と悪あがきをさせていただきました。
ブレーキのフェードを防ぐためちょくちょく休憩を挟みます。ライトを消すと漆黒の闇と静寂。不気味以外の何物でもありません。
ここからはバッテリーにも頑張っていただく状態です。ヘッドライトまで落ちたら完全に詰みです。どれくらい下ったのか。ようやく道幅が広くなります。しかし、同時に勾配もなくなり。歩く速度程度でゆっくり下っていきます。まだ携帯は圏外。もうドライバーが下りてハンドルを握りながら車を押します。
対向車や後続車がいたら助けを求めることもできますが、あいにくそうゆう場所を避けて山奥に来たのですから、全く車は通りません。
徐々に上り勾配になり、もうここまでだ。というところで、電波をキャッチすることに成功しました。よかった。と一安心。
レッカーと人間移動用のタクシーを手配して帰路に就くことができました。
たかが落石一つでこんなことになるなんて・・と後悔しても遅いですね。さらに場所が場所だけに状況を悪化させてしまいました。
この日は気温が高かったからよかったですが、これが冬山だったら?歩いて下る羽目になったら?命の危険すらある状況下に陥ってしまったことに、本当に猛省しています。あぁ、本当に申し訳ない。
皆さんは楽しいGWと良い平成の最後、そして令和を迎えてください^^;
自分はちょっとしんみりしています(笑)
それではまた。
Posted at 2019/04/30 22:22:44 | |
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