古い車に乗ってるとはいえ、トラブルは嫌だ。古い車が好きなんじゃなく、好きになった車がたまたま古かっただけだ。一年の半分が整備工場とか、壊れるのを味などという、そんな感性は持ち合わせていない。走れない車はゴミだとはっきり言いきってもいい。新車でMR2があればそれでいいし、そもそもMR2じゃなくてもいい。
自分の思い描く性能に最も近いベース車がMR2だっただけだ。それはもちろんコストを含めての話。
誤解されがちなのだけど、愛車と一生添い遂げるといった感情はないので、MR2がゴミならとっくに捨てている。自分がMR2から乗り換えない理由はたった一つ・・。
壊れては直し、壊れては直し・・そのたびに確実に強くなるMR2の性能が捨てがたいものだからである。それは愛着の類ではなく、まぎれもなく走行性能そのものだ。速さであると言い変えてもいい。現代の車と比べても引けを取るものではないと思っている。無論、マイMR2の速さは驚くほどではなく、ありふれたものだ。他車と比べて特段優れているわけでもないし、速さだけを優先する車種選択なら、決してその選択肢には入らない。
そこにミッドシップならではのハンドリングやトラクション。アンバランスさ故の危うさ。それらを味として加点できてこその車種選択だ。
MR2(SW20)の誕生から10年、20年と時は経ち、再び小排気量ターボが世に増えてきた。雑誌やネットの試乗インプレや走行動画をいくつも見てきた。そこで一つ気が付いたことがある。サーキットのラップタイムは実はそんなに速くない。そう、速くないのだ。20年前の車と比べても・・。
快適に便利に・・環境性能も燃費もよくなった。だけど速くなったとは思えない。特に国産スポーツは2リッターターボ全盛期の車たちのタイムのほうがよっぽど速く過激だ。
快適に気持ちよく走れる優等生もいい。だけどちょっとヤンチャなほうが自分は好きだ。
ちょっとこの動画を見てほしい。アクセル全開でシフトアップする中谷氏のドライビングに目を奪われるし、広報チューンを完全に否定できるわけではないが、タイムに注目してほしい。軽々と筑波5秒台を叩き出している。現代のタイヤを装備したマイMR2でも到達できるかどうか・・というレベルだと思う。動画にはないが、最終的には4秒台に入っている。ライバル豊富なこの時代。4秒台に入った車は、インプ、NSX、FD、GT-R。

これは清水和夫氏の過去のタイムアタック記録。90年代から始まった行き過ぎたタイムアタック合戦の結果、1000万オーバークラスの輸入車勢にも引けを取らないどころか、ほぼ完封。国産スポーツが最も活気のあった時代だ。
ちなみにMR2は6秒台。それでも十分速い。
続いてこの動画。新型シビックタイプRのアタック。
300馬力オーバーのターボユニットを引っ提げて登場したがタイムはこの通り。
ドライブフィールもアンダーが強く、楽しさには疑問を感じるといった内容。目指すところが違うと言えばそこまでだが、速さを追求した現代のタイプRがこの有様という事実。
チューニングをすることでさらに劇的に速くなる90年代国産スポーツは速さにおいては、ほぼ独壇場なのだ。
この「速さ」が魅力的に映ってしまう限り、自分はなかなかほかの車に乗り換えられないのだ。ノーマルのちょっといい車にポンと乗り換えたところで確実にMR2のタイムは越えられない。世間受けの良さや所有する満足感や上質な乗り心地を得られたとしても、おそらく自分は満足できないだろうと思うから。
そんなわけで息も絶え絶えなMR2を車屋に預けてきた。途中エンストなんかもしたが、猛暑の中、無事たどり着いた。これから復活の道が始まる。
転んだままでは終わらない。ただでは起き上がらない。
Posted at 2016/07/03 23:12:53 | |
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