もう最低気温が氷点下を記録するようになって、数日。
冬本番となった凍てつく空気を吸うといつも思い出す。
この時期、峠に繰り出すと遭遇してしまうこいつ。
そう、雪。
幾度となく、こいつには痛い目に遭わされている。
最初は180SX。下界に雪が無かったからと、峠を登っていくと徐々に姿を現してくるヤツ。
転回する場所もなく、ゆっくり登っていくと、どんどん絶望感と共に濃くなっていく雪化粧。
銀世界の頂上で転回を試みるも、虚しく空転するリアタイヤ。
絶望以外ない。血の気が引いて全力で後悔したあのとき・・・
リアタイヤ付近の雪を掻き出し、持っているウエスを下に敷いてみたり・・と。
凍える極寒の闇の中、もう絶対こんなことはしないと誓ったはずなのに・・
車種が変わるもやはり、予想外に奴はやってくる。
愚かな我々をあざ笑うようにドンドン降り積もっていく。あぁ無情。
それでも愚かな私は、わずかな知識と経験と過大な自信から、峠に繰り出してしまう。
多分、大丈夫。まだ、大丈夫。
雪道でのミッドシップ車の異常なフロントの軽さは恐怖以外の何物でもない。
ハンドルを切っても反応がない。
戦慄するたびに、もう絶対行くものかと決心するのである。
だがしかし、愚か者は数年経てばそんなことは忘れるのである。
TTのAWD性能で事なきを得たものの、夏タイヤでの雪道は、いつも頼りになる車がこんなにも無力なものなのかと痛感する。
ルーテシアに乗り換えたあとも、案の定、トップ画像にシーンに遭遇してしまった。
同じように血の気が引き、心拍数が高くなる。
しまった、またやってしまった。
山を侮るな。雪をなめるな。誓ったはずなのに・・。
無事に帰る!
ただそれだけを、目的にし、持っている全てのドライビングテクニックを総動員するのである。
フリーズするABS、意味のないトラクションコントロール。制御できないスタビリティコントロール。
最新のデバイスも、唯一の路面との接点であるタイヤが機能しない以上、全く意味をなさない。
重力に従い、ただ滑っていくだけの鉄の塊。どんな車も物理法則の奴隷であり、そこに神はいない。
今まで生き残れたのはただの偶然。
今年こそ、絶対に山にはいかないぞ。必ず・・・。うん、多分。
行かないと・・思う・・。
Posted at 2023/12/24 23:45:19 | |
トラックバック(0) |
日記 | クルマ