今日は電装系の話。
自分は「光モノ」を得意とするカスタマーだと認識していますが、昨今の車は容易に電装系がいじれなくなりました。
まず、「電子技術マニュアル」が手に入りません。
これないと、車のハーネスに何の信号が入っているのか、どこにつながっているのかが分からないため電装系が触れません。
特にトヨタ系は、電装をいじられると入庫を嫌がるところが多く、ディーラーでも気安く教えてくれなくなりました。これが痛いです。
60系プリウスのユーザさん、配線関係の情報はどこで入手されています?
教えてください。
さて、最近の車のハイテク化はすごいの一言です。
CAN BUSに流れるデータ量が、この数年で爆上がりしました。
今のディスプレイナビ(メーカ純正品)でいろんな車の設定が出来ますよね。
あれはCANにぶら下がるECUとの情報やり取りが爆上がりした成果です。
一方で、このCANにメーカが意図しない信号を送るサードパーティ製の商品も増えてきました。
一番の厄介者が「CANインベーダ」です。
CAN BUSはイーサネットでいうUDP通信のようなもの。CANに一斉にデータを流して、そのデータを必要とするECUだけが情報を処理する仕組みです。
TCP通信のように双方向ではありません。
したがって、ヘッドライト制御のECUに繋がるカプラを抜き、このカプラからドアロック解除データを流せば、ドアは開くし、始動データを流せばエンジンもかけられます。
一方で車が走っているのに、止まっていると錯覚させるデータをCANに流せばTVキャンセラーも実現できます。
ところが車は「自己補正」機能を備えており、点火タイミングなどのデータは個体差を走りながら自己補正します。
本来、走っているのに止まっていると勘違いさせられると自己補正機能に変なデータが流れ変な補正が付くことがあります。
昨今、言われている「USBに製外品を付けると車が故障する」という原理がこれです。ただ、言われるほど悪意のあるデータがCANに流れることは少ないので、問題が起きている車は「怪しい製品を付けた」と自分は思っています。
OBDにレーダを付けたところでレーダはデータを吸うだけでCAN側に吐かなければ問題ないし、車速ドアロックもドアロック信号が車の補正機能やセキュリティに及ぼすデータとは思えず、問題ないと思われます。
いずれも推測ですが、エンジニア目線で見ればあまり心配はしてませんが、怪しい製外品だけは注意が必要でしょうね。
一方でディーラは見方が違います。触っている車=何が起きてもわからない車 という感じなので入庫のハードルは年々上がっています。
自分も注意しながら電装系をいじる人なので、電子技術マニュアルがないと怖くて触れません。
何気ないイルミ線ですら、元となるヒューズがどの機能のヒューズと共通しているかで、電流容量オーバで車が止まることすらありますから。
トータルのアンペア計算すらできないのは、怖くて触れないに等しいです。
すでに60プリウスの電装系情報を集め始めました。
グローボック下にオプションカプラがあり、電源、ACC、イルミ、GNDが取れるようです。ドアオープンのマイナスはルームミラーから取れますので、これらの信号をリレーを使ってバッ直電流を制御することで安心な室内電源は確保できます。マニュアルが無ければ最悪はこの方法で安全な電源を確保します。
あとはオフ会で情報集めですかね。
C-HRのオフは優秀なカスタマーが多くて情報の宝庫でした。
60プリウスもそういう出会いがあるといいなぁ。
次回はプリウスと言ったら盗難。セキュリティ対策について語るかも。
Posted at 2024/01/01 21:13:54 | |
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60プリウス | 日記