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2013年10月15日

リープステスターを使ってみる

リープステスターを使ってみる リープステスターについては以前にもブログで少し紹介した事がありますが今まで一度も使った事がなかったので、どんなものかと使ってみました。

その前にリープスについて・・リープスとは排気ガス規制が始まった頃のロータリーエンジンの排気ガス浄化システムの事で、マツダのレシプロエンジンの排気ガス浄化システムはシープスと呼ばれており、こうした排気ガス対策車に当時のマツダは低公害を意味するAP(アンチポリューション)という呼称を付けていました。

リープスは非常に複雑でして、40年近く前のシステムながらコンピューターで制御されており、不調を起こすと原因の究明に一苦労します、リープステスターは不調原因の究明作業の省力化を図るための整備機器です、今で言えばデンソーのDST-2といった自己診断機のようなものでしょうか。

今の車は世界共通規格の自己診断機用のカプラーが付いていて、ここに自己診断機を接続して故障診断をするんですが、数十年前に既にリープステスターという似たような物があったわけですね^_^;

その内容は・・


              付属品も全て揃っている完品です。


            手書きというのが何とも時代を感じますね。


                 説明書を見てみましょう。





                  ふむふむ・・なるほど。


このリープステスターはリープス4,4E、5と、3タイプのリープスに使用出来るのですが各リープスのタイプに合わせてチャート紙が用意されています。


今回は白コスモで使ってみようと思うので、このチャート紙を使います、白コスモはリープス5の13Bロータリーのマニュアル車ですが当時のリープス整備書ではマニュアルミッション車をメカと表現しています。


         このチャート紙を本体に差し込むとこんな感じになります。


                それでは使ってみましょう♪


           まずコントロールユニットのカプラーを抜きまして・・。


             リープステスターの専用配線を接続します。


      本体の挿し込み部分には4Eと5の切り替えスイッチが付いています。


                カプラーを挿して準備完了です。


               おぉ~何か本格的ですねぇ~☆

ところでなぜ白コスモで使ってみようと思ったのか・・白コスモはキャブレターの高負荷時空燃比補償機構のパワーバルブ制御用ソレノイドがショートしたので配線を抜いてあるんですが、果たしてこれがリープステスターで検知出来るのか試してみようと思ったのです。

私がこのパワーバルブ制御ノレノイドのショートを発見したのはアイドリング不調を探っていく中で、T側の失火を発見→ディスリレーからの出力なし→冷間時チョークが保持出来ない→コントロールユニットの保護回路作動と判断→コントロールユニットの指令で作動するデバイスの配線やソレノイドのショートを疑う→順番に調べていった結果、パワーバルブ制御ソレノイドのショートと判明・・こんな流れでしたが、もしこれがリープステスターで一発で判明したらかなりの作業省力化です。


それではエンジンを始動してみます、するとテスターの数個のランプが点灯しました、この状態はコントロールユニットからの信号の状況を表示する設定にしてあるんですが、ランプが点灯している個所がコントロールユニットから信号が出ている事を意味しています、画像はアイドリングの状態なんですが7,8,9,10以外は全て点灯しています。

あれ?おかしいぞ?No2コースチングバルブF端子(5番)とコースチングリッチャH端子(6番)はアイドリング時にはコントロールユニットからの出力がないはず・・更に回転を上げてアクセルを放して減速状態にしてもコースチングバルブG端子の出力が出たままに・・念のためにエンジンルーム内のNo2コースチングバルブやコースチングリッチャの配線端子にテスターを当てると確かに電気の出力があります。

コントロールユニットがおかしいのか??というかコースチングリッチャに出力があって安定してアイドリングしているのもおかしいな?

コースチングリッチャは減速時に混合気が排気ガスで希釈されて燃焼が不安定になるのを防ぐために燃料を供給するもので、やはり減速時にエアを供給するコースチングバルブと相まって有害成分の発生やアフターバーンを抑えるものですが、作動するのは減速時だけです、アイドリング時にコースチングリッチャーが作動すると空燃比がリッチ(濃い)になり過ぎてアイドリング回転が下がって不安定になったりします。

なのにコースチングリッチャに出力ありでアイドリングが安定しているとなればコースチングリッチャのソレノイドが作動していない事になります、う~ん・・。


まぁ、それは置いといて・・次は各デバイスの接続状態を点検してみます、キャブレターのパワーバルブ制御ノレノイドの端子を抜いてオープン(断線)状態にしておきます、そして点検モードにしてみると・・おお、これは正常に表示してますね、ロータリー式のダイヤルを回していくと各デバイスの接続に異常があった場合、それを表示するようになっています、この場合はダイヤルが9の位置(9はパワーバルブ制御ノレノイド)でオープンのランプが点灯しています。


次はコースチングリッチャーの端子を抜いて実験・・ダイヤルが6(6はコースチングリッチャ)でオープンのランプが点灯しています、この機能は正常に作動しているようです、これでショートの状態にしてやればショートのランプが点灯するはずですが、わざとショートさせるのもちょっと・・保護回路やヒューズがあるとはいえ本当に壊れたら困るのでショートの再現実験はしませんでした^_^;

それにしてもアイドリングでコースチングリッチャーとNo2コースチングバルブの出力があるのはおかしい・・それと4000回転以上で出力が出るはずのパワーバルブ制御用L端子とエアコントロールバルブI端子に出力が出ない・・。

そこでリープステスターを外して改めて調べてみると・・アイドリング時にコースチングリッチャやNo2コースチングバルブの電気出力がなくなり正常になりました、出っ放しだったG端子の出力も正常になりました、なぜだろう?

L端子とI端子はメーター読み5500回転で出力が出ました、整備書では4000回転からとなってますが随分誤差があるな・・まぁ出力が出ているのは間違いないんだしいいか・・^_^;


コースチングリッチャを点検してみます、バッテリー電源を直接いれてカチカチ音がすれば大丈夫ですが、音がしない・・^_^;そこで外して単体で点検すると正常に動きました、元通りに装着してみると今度は正常に作動するようになりましたがまた動かなくなるかも・・まぁ時々点検してダメなら何か考えよう。


ところでこのリープステスター・・実は2つあったりします(笑)もうひとつはジャンク品との事ですが・・


カプラーの挿し込み部分の基盤が折れています、ここを直せれば使えるかも知れませんね。

リープステスターを使ってみた感想・・正常に作動すればの話ですが確かに作業の省力化にはなりますね、それに各デバイスを任意にオン、オフさせてエンジンの調子の変化で原因究明をするといった使い方も出来ます、便利ではありますが・・でも、これを接続するだけで故障個所が一発で分かる・・というものではないですね、やはり使う人次第でしょうか。

コントロールユニットからの信号を調べるのはリープステスターでなくても普通のデスターで事足ります、ただ端子を探したりするのがちょっと面倒・・そういう点ではリープステスターならカプラーを繋ぐだけで準備完了ですし全ての出力信号をいっぺんにチェック出来るという利点があります、やはり作業の省力化ですね。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2013/10/15 01:19:04

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この記事へのコメント

2013年10月15日 2:52
お~!!これは凄い!!以前持っておられる話は聞きましたが、実際に使ってみたんですね!
カッコいいな~凄いテスターですね~♪

診断結果が良くわかんないですね?何なんでしょうね??

私のコスモはATなのにMT用のコントロールユニットにしてますがユニットの信号を見る?のでしょうから今回のチェックと同じような感じになるのかな??

しかしREAPSはややこしい訳ですね。こんな機械まであるわけですから

今頃の車はノートパソコンみたいなのつないでエンジンの診断しますが?これは元祖みたいな?
チャート紙を差し込んでとかアナログチックな超ハイテクって感じがイイですね!
コメントへの返答
2013年10月15日 19:14
今まで使う機会もなかったんですが、どんなものだろう?と思いまして使ってみました。

診断結果がちょっと微妙ですね・・^_^;果たしてこのテスターを信用していいものか・・まぁ年数が経ってますから正常に作動しなくても不思議はないんですけどね^_^;

コントロールユニットからの信号は普通のテスターでも確認出来ますが、1個所ずつしか確認出来ませんよね?でもリープステスターだと全て同時に確認出来るのでコントロールユニット端子に1個所ずつテスターを当てるという煩わしさがないので便利な事には違いないですね、正しく作動していればですが・・^_^;

さすがに複雑怪奇な?リープスですから、こういった専用機器が出来るのも分かる気がします(笑)

最新の診断機器は画面に情報が表示されますがリープステスターはランプだけ・・この辺が今と昔の機器の違いですね、でも当時は最先端の整備機器だったんでしょうね。

ランプとトグルスイッチがズラリと並んで、いかにも昔の機械という感じです、でも今となってはそれも風情?があるというか・・^_^;これはこれでカッコイイですね(^^)





2013年10月15日 6:18
AP車はコンピューター制御というのは知ってましたがまさかテスターまで存在してたのは知りませんでした(゚o゚;)

もし、これを私が使った場合だとコーンスターチ?コーンスープ?なんだそれ(ノД`)ってなりますね(^-^;異常が出た場合私の頭では越えられそうのない壁が立ちはだかることでしょう_| ̄|○

コメントへの返答
2013年10月15日 19:29
そうなんです、実は専用テスターがあるんですよ(笑)複雑なシステムですから当時の整備士は不調が出ると原因究明に苦労した事と思います、このリープステスターがあればその苦労も軽減された事でしょう。

ただ、故障個所を特定して教えてくれるものではなく、トラブルシュートをする上での情報を提供してくれる機械・・といったところです。

でも最終的に判断するのは、やはり人間ですね^_^;
2013年10月15日 6:26
w(°O°)w この当時すでにこの様な診断システムがあったのに驚きました。

専用テスターまで2台お持ちとは、、、

高価で入手したんじゃないでしょうか?(^^ゞ
コメントへの返答
2013年10月15日 19:42
コスモは40年近く前の車ですがコンピューターで制御されている部分もありまして、当時としては高度な制御だったのでこのような整備機器が作られたんでしょうね。

このテスター、入手時に実際にコスモの整備で活用する事は考えませんでしたが、コスモオタクの私としてはこれもコスモ関連のコレクターズアイテム?の一つという感じですね(笑)入手価格は2万円位だったと思います^_^;
2013年10月16日 0:56
きゃぁ~~・・・
私もこんなの有るとは知りませんでしたぁww
さすが!!世界一のリープス整備士ですね~

文面読んでるだけで頭の中はグチャグチャです(笑)

当時はAPの開発者も苦労したんでしょうが、整備士の方も
苦労されたんでしょうねぇ・・・
コメントへの返答
2013年10月16日 21:33
このリープステスター、今となってはマニアックなアイテムですね(笑)専用機器ですから一般に出回る機械ではないので存在はあまり知られていないでしょうね^_^;

でもこのテスターを見ると当時の整備士の苦労が偲ばれます、複雑なリープスの故障探求をするのは大変ですからね、でも実際に使ってみた結果は・・診断結果に怪しいところもあるので整備には使いませんが私としてはコスモ関連のグッズの一つとして見る
事にします(^^)

当時は正常に作動していたんでしょうけれど数十年も経ってますから仕方ないですね^_^;


プロフィール

「マツダファンフェスタ2025 http://cvw.jp/b/293527/48588389/
何シテル?   08/08 21:32
はじめまして、CD23Cと申します。 子供の頃から車が大好きで現在はコスモAPを所有しております。 車バカな私ですが宜しくお願いします。
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