
ちょっと実験をしてみました、コスモマニアでないと分からないネタで恐縮ですが・・^^;
お友達のX208さんがDCバルブについて色々と試みておられましたので私もDCバルブに関する実験をしてみました。
DC(デセラレーションコントロール)バルブとは簡単に言えば減速時の運転性の確保と有害排出ガスの低減対策装置で、本体の中にAAV(アンチアフターバーンバルブ)とCst.V(コースチングバルブ)という2つのバルブがあります、これらを一つのボディ内に収めたものをDCバルブと称しています。
減速時の運転性の確保と有害排出ガスの低減対策とはどういう事かと言うと・・まず減速した瞬間・・つまりアクセルを全閉にした時は当然ながらスロットルバルブも全閉になるわけですが、その瞬間に吸気管(インテークマニホールド)内の負圧が急激に上昇して吸気管内壁に付着している液膜状の燃料が一気に蒸発して気化する事で混合気が過濃になって失火するため、排出された未燃焼の燃料が排気管内の熱で着火して「バン!」という爆発音を伴うアフターバーンという現象が起こります。
それを防止するためにAAVというバルブが開いてエアを吸気管に供給する事で混合気の過濃を防ぎ、不快なアフターバーンを起こさないようにしています、これが運転性の確保ですね。
更に減速が続くとスロットルバルブは閉じているためキャブレターのアイドルポートからの燃料供給になりますが、これだけだと回転数に対して燃料が少ない上に減速時は吸気管内の負圧が高いためにオーバーラップ時に排気ガスが吸入側に戻される事で排気ガスによる希釈により空燃比がリーン(薄い)になって、やはり失火を起こしてアフターバーンやCO、HCの排出量の増大の原因になるので、その対策としてCst.V(コースチングバルブ)と更にキャブレターに装着されているコースチングリッチャーという燃料を供給するソレノイドバルブが有害排出ガスの低減対策装置となります。
先述のように減速時は残留排気ガスによる混合気の希釈が失火の要因なのですが、吸気管負圧が高くなると残留排気ガスの量が増えるためスロットルバルブを閉じている減速時は吸気管負圧が高くなりますからコースチングリッチャーというソレノイドバルブが作動して燃料を供給する事で混合気を濃くし、Cst.Vでエアを供給し尚且つ吸気管負圧を下げる事にも寄与しますから減速時でも安定した燃焼を行う事で減速時のCO、HCの排出量の増大を防止するものです。
ロータリー車のキャブレターには排気ガス規制前のノンAP車でもコースチングリッチャが装着されていますが、これはコスモのREAPSのコースチングリッチャとはちょっと意味合いが違っていて、減速した瞬間にエア供給は行わずコースチングリッチャだけによる過濃混合気にする事で排気管内でも着火しないほどHCを多く排出させて可燃状態にならないようにする事でアフターバーンを防止するものでREAPSのAAVとは全く逆の考え方ですね、ノンAP車はサーマルリアクターが付いていませんからREAPSとは異なる発想になっているわけですね。
では実験をしてみます、ちなみに何の実験かというとCst.Vを作動させないで走行すると、どうなるかというものです。
X208さんがDCバルブで海外仕様と同じくCst.Vを作動させないようにして走行したらどうなるかという実験をされていますのでMTの私のコスモでも実験をしてみようと思ったのです、もしCst.Vのソレノイドが故障して、どうしても部品が手に入らないとして(実際に新品で入手は出来ないんですが)Cst.Vを作動させないようにせざるを得なくなったとしたら、Cst.Vを作動させること無く走行出来る事が分かれば今後の維持のデータになりますからね(^^)
白コスモに乗るのは広島から帰ってきて以来です、漏れていたパワステのホースはとりあえず赤コスモのホースを外して付け替えました^^;

まず準備としてバキュームゲージを取り付けました、実験が終わったら外すのでガムテープで固定^^;

では実験してみます、まずはCst.Vを生かした状態で下り勾配で時速60km/h3速でアクセル全閉、エンジン回転数2500回転という条件での吸気管負圧です、当然ですが減速中はアフターバーンもなく走行上で何の問題もありません。

次にCst.Vを作動させないようにしてみます、コントロールユニットG端子からの配線を抜いてオルタネータB端子から電源を取ってCst.Vのソレノイドに接続します、これでソレノイドはエンジン回転数に関係なく常にONなのでCst.Vは減速瞬間にAAVと一緒に開きますが、すぐにバランスホールの作用で閉じて後は減速中でも開きません。

では同じ条件で実験してみます、Cst.Vが開かないので吸気管負圧は高くなっています、これだけ吸気管負圧が高ければ残留排気ガスによる燃焼への影響が出そうな気もしますがフィーリングは全く変化は無くアフターバーンも出ません。

ではコースチングリッチャーを作動しないように配線を抜いてみたらどうなるか・・何とこちらもフィーリングには全く変化はありませんでした、まぁ排気ガスの有害成分は増えているかも知れませんが運転している分には全く変化は感じられませんでした、外気温や湿度等で結果が変わる可能性もあるので何とも言えませんが今回の実験ではフィーリング上では何の変化も感じられませんでした、こういう事は机上でいくら考えても実験してみないと分からないので面白いです・・といってもコスモマニアにしか分かりませんね^^;
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2015/10/30 00:31:04