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2008年02月07日

低公害&燃費改善型ロータリーエンジン

低公害&燃費改善型ロータリーエンジン 昭和42年に東洋工業からデビューした実用的な2ローター式ロータリーエンジン・・技術陣の大変な苦労と努力で市販化に成功した事は良く知られていますがその後の道のりは決して平坦なものではありませんでした。

昭和40年代に車の増加と共に排気ガスによる公害が深刻な社会問題になりました。
当初の排気ガス規制はCOの排出量を規制する事から始まりましたが後に光化学スモッグの対策としてHCやNOxの規制が追加されました。

ロータリーエンジンは燃焼温度が低くNOxの排出量が少ないためその点は排ガス対策には有利でした。
ただしHCが多い特性があり東洋工業ではロータリーエンジンの発売以来、HC対策としてサーマルリアクターを研究していました。

このサーマルリアクター(熱反応器)は湯タンポ?のような形状をしており・・排気ガスの温度が最も高い排気ポート内にエアポンプで空気を噴射して排気ガス中のHCに火種を作り内部が空洞のサーマルリアクター内に排気ガスを滞留させその中で排気ガス中のHCを燃焼させるというシステムで国内では昭和47年にルーチェのロータリーエンジンに採用されました。

この車は国内初の低公害車でした。
そしてこのサーマルリアクター式ロータリーエンジンの排気ガス浄化システムはREAPS(ロータリーエンジン、アンチポリューション、システム)と名付けられました。

低公害エンジンとして国内で一番乗りだったロータリーエンジン・・ところが!・・昭和48年、第4次中東戦争に端を発したオイルショック・・ここでロータリーエンジンの燃費が仇になってしまいます。

サーマルリアクターで低公害を実現したロータリーエンジンでしたが・・初期のREAPSではサーマルリアクターでHCを上手く燃焼させるために空燃比をリッチ(濃い)にして排気ガス中のHCの量をある程度確保する必要があり、さらに火種が起こりやすいように排気ガスの温度を上げるため点火時期を遅くしていたので燃費が悪く、これが販売に大きなダメージを与えてしまいます。

しかし!技術陣は負けませんでした。
燃費を向上させガスイーターの汚名を挽回するべくフェニックス(不死鳥)計画が始まりました。

REAPSを改良し排気ポートに噴射する空気を排気ガスの熱で温めるヒートエクチェンジャー(熱交換器)を取り付けました。
排気ポートに噴射する空気を加熱して排気ガス中のHCの着火性を上げる事で空燃比をそれまでよりもリーン(薄い)化し、点火時期を進める事も出来てエンジン本体の改良と併せてコスモAPの13Bロータリーエンジンは初期の13Bと比較して40%もの燃費向上に成功しました。

キャブレターのジェットの番数を比較するとREAPS-3の13Bはプライマリーメーンジェットが104、セカンダリーメーンジェットが150・・REAPS-5のコスモAPの13Bはプライマリーメーンジェットが90でセカンダリーメーンジェットが140・・と空燃比がリーンになっている事が分かります。

サーマルリアクターという言葉は今では過去のものではありますが、この湯タンポ?に当時の技術陣の苦労と努力が凝縮されているんだな~と思うと感慨深いものがあります・・ただ・・サーマルリアクターは・・熱い!(爆)
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Posted at 2008/02/07 21:33:53

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この記事へのコメント

2008年2月7日 22:17
はじめましてっ!!!!!


サーマルリアクターは開発物語も熱いですよね~!!

RE47士の田所さんが、燃費向上のヒントを得るために家の瞬間湯沸かし器を突然バラして奥さんから「頭がおかしくなったのか??」と思われたり(笑)

フェニックス計画の遂行にかける熱い想いが良く伝わるエピソードだと思います!


 それと・・・自分の勉強不足をタナに上げて恐縮な質問なのですが、たしかコスモAPの横長マフラーカッターの隣に細いパイプが出ていたような記憶があるのですが、それはサーマルリアクターに関係する何かの排出パイプなのでしょうか???

ご存知でしたら教えていただければ幸いです!!

 





 
コメントへの返答
2008年2月7日 23:02
はじめまして!

瞬間湯沸し器からヒントを得て熱交換器を思いついたエピソード、よく御存知ですね!

仰るとうりコスモAPのマフラーカッターの横にはパイプが出ています。
このパイプはサーマルリアクターを冷却したエアを排出するパイプです。

排気ポートに噴射されるエアはエンジン回転数が4000回転以上になるとサーマルリアクターを保護するためにエアコントロールバルブ通路が切り替わりサーマルリアクター本体を冷却するようになっています。

サーマルリアクターは二重構造になっていて外側のケースと燃焼反応を行う部屋の間に空間があり、この空間にエアを送り込んで冷却します。

このパイプはサーマルリアクター式のロータリーエンジン特有のものですよね。

SA22CのRX-7はデビュー当初はサーマルリアクター式でテールパイプは丸形2本出しですが、やはり冷却エアの排出パイプが付いていますね(笑)。
2008年2月7日 22:53
こんばんは手(チョキ)

僕も昨日ドライバー誌のコスモAPがモーターショウで花方デビューした特集記事読んだりしてましたよひよこ気が合いますね黒ハート

その中で熱交換器採用のリープス5は画期的で
その為に排ガス温度がリアクター付近で600℃から300℃まで下げられ遮熱板が前から後までついてたのが後方のみになったり最低地上高を下げれたりとか?
リアクター自体もかなり容量アップしてるようです手(チョキ)
面白いですねウッシッシ
コメントへの返答
2008年2月7日 23:30
私もコスモ関連の記事を見るのが大好きです(笑)

熱交換器の採用はREAPSの1つの転換期と言えそうですね。

サーマルリアクターにも種類があって反応性を改善するために内部の排気ガスの流れを工夫したりと技術陣の涙ぐましい?苦労があったようですね。

サーマルリアクターの開発当初はケース本体をボルト接合か溶接で作るかで技術陣の間で論議されたようですがボルト接合は熱で歪むからと溶接になったようです。

ボルト接合だったら修理が出来たかも?それとも、やはり歪んだのか・・サーマルリアクターにもドラマ?があったようです^_^;

2008年2月7日 23:07
ちょっとクルマに詳しい人にコスモの事を「触媒レスだよ」と紹介したりしてます(爆)
だって間違ってないでしょ~(いい加減にしなさいっ)

今の季節は良いのですが昨年の夏とかは何かフロア下に熱風をクルマから降りたアシに感じたりしましたからサーマルリアクタの中は相当熱いのでしょうね!

でも私はこの技術は決してムダではなかったと思います。

#確かリアのマフラーカッター(ディヒューザーといいます)の隣の細いパイプはエアパイプの出口じゃなかったでしょうか(あんまり自信ないです、REAPS-5乗りなのに)
コメントへの返答
2008年2月7日 23:38
確かに触媒レスには違いありませんね(爆)

サーマルリアクター内は数百℃ですからね~熱いのも無理はないですね(笑)

熱害対策のディフューザーが付いているとはいえ排気ガスの熱は相当なものですよね^_^;

ディフューザー横のパイプはリアクターの冷却エアの排出パイプで基本的にはエアしか出ないハズですが実際にはリアクターのインナーシェルが熱害で破損している事が多いので若干の排気ガスが出ていたりしますね(笑)

2008年2月7日 23:54
ご丁寧な返答ありがとうございます!!ずっと気になっていた事がわかって凄く嬉しいです♪

確かあの横長カッター(ディヒューザーと言うのですね☆)も、排気温度を出来るだけ下げる為に採用したと聞いた事がありますので・・・サーマルリアクターを含めた排気温度対策にはなかなか大変なものがあったようですね~。


サーマルリアクターをマツダが採用したことに賛否両論あったのだと思いますが、個人的には当時有鉛ガソリンがまだ在った時代で触媒方式に万全の信頼性が持てなかった事やREの持つ性能を削ぎにくい点においてサーマルリアクターの意義はあったのだと思います。

 ただ、クリーンさでアピールできるようになってこれから燃費性能などの改善を進めようっていう前の段階で「オイルショック」が訪れた事はREと開発陣にとってなんとしても不運な事だったと思いますねぇ。。。
コメントへの返答
2008年2月8日 0:44
サーマルリアクターは高温でなければHCの酸化作用(燃焼)が行われないので発熱はかなりのものでして排気ガスの温度も高温なので知らずにディフューザーに触れるとヤケドをしてしまいます(笑)

当時のレシプロエンジンに採用されていたペレット触媒は定期的に交換しなければならず、もし誤って有鉛ガソリンを入れると触媒のペレット粒子が鉛でコーティングされて性能を発揮出来なくなるなど不具合もありましたがサーマルリアクターはその点ではメンテナンスフリーとも言えるメリットがありましたね。

オイルショックはREにとっては非常に不運な出来事でした。

オイルショックがなければマツダ以外にもRE車が誕生していたかも知れませんし色々な技術開発が行われて現在のREとは違う位置付けのエンジンになっていたかも知れませんね。

プロフィール

「初始動 http://cvw.jp/b/293527/48382128/
何シテル?   04/20 16:59
はじめまして、CD23Cと申します。 子供の頃から車が大好きで現在はコスモAPを所有しております。 車バカな私ですが宜しくお願いします。
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