
X208さんのブログでチョークの話が出たのを見て私もコスモのキャブのチョーク系統についてちょっと書いてみます(笑)
以前のブログでチョークについて書きましたが今回はチョークの周辺機構について書いてみようと思います。
チョークノブを全引きするとワイヤーが引かれてチョークバルブが閉じるわけですがワイヤーが直接チョークバルブを動かしているわけではありません。
チョークバルブのシャフトは画像のチョークハウジングの中に入っているのですがこのハウジングの中には渦巻き状のバネが入っていてそのバネはチョークバルブのシャフトに接続されています。
冷えている時はこのバネの力によりチョークバルブには閉じようとする力が掛かっています。
文章で上手く説明するのは難しいのですが簡単に言うと冷間時にチョークノブを戻している状態ではチョークバルブがバネの力で閉じないようにストッパーで押さえているだけです。
そしてチョークノブを引くとワイヤーでストッパーが解除され渦巻きバネの力でチョークバルブが閉じます。
そしてエンジンを始動すると・・インテークマニホールドの負圧が急激に上昇するのでチョークバルブが完全に閉じたままだと混合気が濃くなり過ぎてエンジンが止まってしまいます。
その対策装置が完爆ダイヤフラムです。
この完爆ダイヤフラムにはロッドが付いていてチョークバルブを閉じる渦巻きバネに接続されています。
エンジン停止時にはロッドが伸びた状態になっていてチョークハウジング内の渦巻きバネを締めこみ、チョークノブを引く事でチョークバルブがバネ力で閉じるように作用しますがエンジンが始動するとインテークマニホールドの負圧が完爆ダイヤフラムに作用する事でロッドが縮みます。
するとチョークバルブを閉じる渦巻きバネのバネ力が少し弱くなります。
チョークバルブのシャフトはバルブに対して偏芯して取り付けられているため吸入負圧がバルブに作用する事と渦巻きバネのバネ力が少し弱くなる事でチョークバルブが少し開いて混合気が濃くなり過ぎないようにしてエンストを防ぐというものです。
エンジンが温まった状態でチョークが作用したままだとサーマルリアクターの耐久性に影響を及ぼしたり有害な排気ガスが排出されるのでチョークの戻し忘れ対策としてチョークノブの自動戻し機構やキャブヒーターによるチョークバルブの強制解除が設けられています。
渦巻きバネはバイメタルという膨張率の異なる金属板を貼り合わせたもので作られていてこのバイメタルは熱で変形する性質があります。
チョークハウジング内には電気式ヒーター(キャブヒーター)が装着されていてヒーターの熱で渦巻きバネを変形させチョークバルブを強制的に閉じるようになっています。
この他にチョークノブを全引きすると連動してスロットルバルブが強制的に開かれエンジン回転数が上昇するファーストアイドル機構があります。
機械式ながら色々な制御?をしているものですね(^^)
Posted at 2008/09/29 23:17:00 | |
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